JPH0559711U - うねり・ねじれ防止機構つき平形ケーブル線路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】うねり・ねじれを防止して、断線事故等のトラ
ブルのない平形ケーブル線路の提供。 【構成】平形ケーブルに磁性体を設け、一方トレイある
いはエレベーター塔側に磁石を設置し、ケーブルを吸引
させることによりケーブルのねじれ剛性をおさえた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、平形ケーブル特にエレベータやクレーン等の可動するケーブル線路 の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、エレベーターやクレーン等の可動機械に電源を供給する場合、エレベー ター用ケーブル、キャブタイヤケーブル等の平形ケーブルが使用されている。

【０００３】 ところでワイヤーロープには、どうしてもよりぐせが残り、平形ケーブルを曲 げたりのばしたり、張力をかけたり、ゆるめたりするうちに、このよりぐせが戻 ろうとする力が働いて、ケーブル全体をねじろうとする力が生じてくる。ねじれ を生じたケーブルは、エレベータが上下するにつれて、くり返しねじれを生じ、 線心がくり返しねじれを受け、ねじれ疲労をおこし、ひいては断線を生じる恐れ がある。

【０００４】 またケーブルがいったんねじれをおこすと、エレベータの上下動にケーブルの 動きが追随しきれなくなってキンクをおこし、短時間にエレベーターケーブルと しての機能を失ってしまう恐れもある。

【０００５】 更に、平形ケーブルでは、その構造上、元々平板としての剛性が弱く、線心の より戻り力だけでも、ねじれを生じる可能性を持っている。様々な工夫によって 、この安定性を確保して製品化が行われているが、ここに剛性の強いワイヤが入 るので、そのバランスを保つことに細心の注意が必要であった。平衡を保つため に、ワイヤを偶数本とし、左右にふり分ける工夫もしているが、これでも十分と はいえない。キャブタイヤケーブルも同様のことが言える。

【０００６】

【考案の目的】 本考案の目的は、前記した従来技術の欠点を解消し断線事故やねじれによるト ラブルを起らなくした平形ケーブル線路を提供することにある。

【０００７】

【考案の要点】

本考案の要旨は、平形ケーブルに磁性体を設け、一方トレイあるいはエレベー ター塔側に磁石を設置し、ケーブルを吸引させることによりケーブルのねじれ剛 性をおさえることにある。

【０００８】

【考案の実施例】

図１は本考案のケーブル線路に用いられる平形ケーブルの一実施例を示すもの で、１は線心であり、複数本が並列配置され、シース２により平形に一括被覆さ れている。

【０００９】 ３はシース２表面に所定間隔毎に貼り付けられた磁性体である。

【００１０】 図２は本考案線路に用いられるトレイ４の一実施例を示すもので、図３に示す 様にその表面に磁石７がセットされ、エレベーター塔の壁面に設置される。

【００１１】 尚図３に於て、５はエレベーター、６は図１に示す平形ケーブルであり、図４ に詳細を示す様に平形ケーブル６はトレイ又は壁に設置された磁石７により吸い つけられるためケーブルのねじれが防止される。シース２上に貼り付けられた磁 性体３としては例えば鉄板が用いられるが、ケーブル自重を重くするので極力薄 くかつ必要最大限の間隔で配置することが好ましい。

【００１２】 ケーブルとの機械強度を考えた場合、磁性体はシースに貼り付けるよりもシー スに埋め込む方が好ましい。磁性体３の形状としては、ボタン状（円板）、だ円 および棒等何でもよいが薄い板状がケーブルとなじみやすいので好ましい。また 屈曲に耐えるよう鉄棒をケーブルの長手方向と直角に間欠的に配置するもよい。

【００１３】 尚他の実施例として、本考案はケーブル側に磁石を埋め込みトレイ（又は壁） の鉄構造物に吸いつけてもよい。

【００１４】 ただし鉄塔のものが、周囲に多い場合は注意が必要である。

【００１５】 図５〜７は本考案線路に用いられる平形ケーブルの他の実施例を示すもので、 磁性体３をケーブルのテンションメンバーと兼用したものである。テンションメ ンバー３としては図５、図６に示す様に１本でも複数本でも良い。

【００１６】 さらにケーブルに使用されるテンションメンバーはより強く磁石に吸引される よう図７に示す如く片側にづらして配置した方が効果的である。

【００１７】 テンションメンバーの材質は磁性体であれば一般に広く用いられているワイヤ ーロープ等でよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明した通り本考案ケーブル線路は、平形ケーブルが移動する際は、磁石 に吸引されて移動するため、うねり，ねじれが生ぜず、断線事故等のトラブルの 発生しない優れたケーブル線路の提供を可能としたものであり、その実用的価値 は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案線路に用いられる平形ケーブルの一実施
例を示す断面・外観図。

【図２】本考案線路に用いられるキャブタイヤケーブル
用トレイの一実施例説明図。

【図３】本考案線路の一実施例を示す説明図。

【図４】図３の断面詳細説明図。

【図５】本考案線路に用いられる平形ケーブルの実施例
を示す説明図。

【図６】本考案線路に用いられる平形ケーブルの実施例
を示す説明図。

【図７】本考案線路に用いられる平形ケーブルの実施例
を示す説明図。

【符号の説明】

１ 撚り合わせ線心 ２ シース ３ 磁性体 ４ キャブタイヤケーブル用トレイ ５ エレベーター ６ エレベーター用平形ケーブル ７ エレベーター塔にセットした磁石

フロントページの続き (72)考案者 小池 利吉 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)考案者 柴田 政裕 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)考案者 清水 道晃 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)考案者 宍戸 克久 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平形ケーブルと、該ケーブルを収納するト
   レイとより成るケーブル線路であり、該平形ケーブルは
   磁性体部を設けると共に、トレイ部には磁石を設けて構
   成されることを特徴とするうねり・ねじれ防止機構つき
   平形ケーブル線路。
2. 【請求項２】平形ケーブルの磁性体が、ケーブルのテン
   ションメンバーであることを特徴とする請求項１記載の
   ケーブル線路。
3. 【請求項３】平形ケーブルの磁性体が、ケーブルシース
   内部に埋め込まれていることを特徴とする請求項１記載
   のケーブル線路。
4. 【請求項４】ケーブルを収納するトレイが、エレベータ
   ー塔の壁面に代用され、該壁面に磁石を設けて構成され
   ることを特徴とする請求項１記載のケーブル線路。