JPH0559173U - 空冷ファン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部に制御回路を設置する必要がなく、据付
け作業の面倒をなくして、周辺温度に応じたファン回転
の制御が可能な空冷ファン装置を提供する。 【構成】 ハウジング２内に回転翼４とこれを回転駆動
する駆動源５とを収納して構成される空冷ファン装置１
において、ハウジング２内を通過する空気の温度を検出
する温度センサ９と、この温度センサ９で検出される温
度に応じて駆動源５の回転駆動速度を制御する駆動制御
回路とをハウジング２内に設置したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、回転翼の回転に伴う騒音を最小限に抑えるようにした空冷ファン装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、空冷ファン装置の騒音を抑制する方法としては、回転翼（ファン）を温 度が低下すると低い回転速度で回転駆動するため、ファン装置のハウジングの外 に設けた温度センサからの信号を、やはりハウジングの外部に設けた制御回路に 入力して適切な制御信号を発生し、これをファン装置の駆動源に供給することに より、回転翼の回転速度を調整することが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような回転制御方式の空冷ファン装置においては、据付け 時に、上記の制御回路を形成した専用の回路基板を外付けする必要がある。その ため、ファン装置の外に回路配置用のスペースを用意しなければならないが、通 常、ファン装置の設置場所はスペースが限定されているので、回路基板の配置や 制御回路とファン駆動部とを接続する配線の工夫が要求され、据付け作業も面倒 であるという問題があった。

【０００４】 また、検出される温度は、上記制御回路に接続した温度センサの設置場所にお ける温度であり、必ずしもファン装置の周辺温度と一致しないという問題もあっ た。

【０００５】 本考案の目的は、上記の問題を解決し、ファン装置の外に制御回路を設置する 必要がなく、据付け作業の面倒をなくして、周辺温度に応じたファン回転の制御 が可能な空冷ファン装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ハウジング内に回転翼とこれを回転駆動する駆動源とを収納して構 成される空冷ファン装置において、ハウジング内を通過する空気の温度を検出す る温度センサと、この温度センサで検出される温度に応じて前記駆動源の回転駆 動速度を制御する駆動制御回路とをハウジング内に設置したことを特徴とする。

【０００７】 本考案の一態様では、温度センサとしてバイメタルを使用し、駆動制御回路は 、空気の温度が予め設定した値以上に上昇したとき前記バイメタルが接触する接 点と、前記バイメタルと接点との接触の有無により前記駆動源への供給電圧を変 化させる抵抗回路とを含む。

【０００８】 本考案のもう一つの態様では、温度センサとしてサーミスタを使用し、駆動制 御回路は、サーミスタからの出力電圧の変化により前記駆動源への供給電圧を変 化させるスイッチング回路で構成される。

【０００９】

【作用】

本発明においては、装置のハウジング内に温度センサと駆動制御回路が収納さ れているので、空冷ファン装置自体が周辺温度に応じた回転翼の速度制御を行っ て、ファンの作動に伴う騒音を最小限に抑制できる。また、据付け時には、ファ ン装置の外に温度センサや制御回路基板を設置する必要がないので、そのための スペース及び配線上の工夫も必要としない。

【００１０】 温度センサとしてバイメタルを使用する場合は、バイメタルと抵抗回路中の接 点との機械的な接触／非接触に応じて回転翼の速度制御が行われる。また、温度 センサとしてサーミスタを使用する場合は、温度に対応したサーミスタからの出 力電圧の変化によるスイッチング回路の動作で回転翼の速度制御が行われる。

【００１１】

【実施例】

図１は、本考案の空冷ファン装置の実施例を示す。この空冷ファン装置１は、 直方体形状のハウジング２を有し、空気が流通する円形の開口部３内に、回転翼 ４とこれを回転駆動するモータを含む駆動源５とを収納し、これらを十字形の支 持部材６で固定して構成される公知の型式のファン装置において、ハウジング２ の開口部３の周囲には中空の周壁を形成し、正面側から見てその内部の右下隅に は、後述の温度センサで検出される温度に応じて駆動源５の回転駆動速度を制御 する駆動制御回路を収納した略三角柱形状のケース７を設置し、駆動制御回路と 電源とを結ぶケーブル８を、右下隅部からハウジング２の外に延出した構成とな っている。

【００１２】 温度センサとしては、例えばバイメタル或はサーミスタが使用される。前者を 使用する場合には、バイメタルは後述の駆動制御回路と共にケース７内に設置さ れ、後者を使用する場合には、図に示すように、サーミスタ９は十字形の支持部 材６の適当な位置に設置される。

【００１３】 図２及び図３は、バイメタルを使用した場合の駆動制御回路の具体例を示す。

【００１４】 図２においては、外部電源（図示省略）と駆動源５との間に、バイメタル１１ 及びその移動端が接触する接点１２と抵抗Ｒ1 とを並列接続した抵抗回路１３が 構成されている。バイメタル１１は、温度が設定値以上になると移動端が接点１ ２に接触する。従って、温度が設定値より低いときは、電源電流は抵抗Ｒ1 を通 って駆動源５に流れるが、温度が設定値以上になってバイメタル１１が接点１２ に接触すると、電源電流は主としてバイメタル１１の方に流れ、抵抗回路１３の 抵抗値が減少するので、駆動源５の回転駆動速度が高くなる。かくして、ファン の回転速度は２段階に制御される。

【００１５】 図３においては、図２の構成に加えて、接点２１をバイメタル１１と接触する 点と、もう１つの点で別の配線と接続する２点接触型とし、そのもう１つの点に 接続する配線と抵抗Ｒ1 との間に第２の抵抗Ｒ2 を接続した抵抗回路２２が構成 されている。従って、温度が設定値より低いときは、電源電流は２つの抵抗Ｒ1 及びＲ2 を通って駆動源５に流れるが、温度が設定値以上になってバイメタル１ １が接点２１に接触すると、電源電流は主としてバイメタル１１及び抵抗Ｒ2 を 通って流れ、更に温度が上昇して接点２１がもう１つの点で別の配線に接続する と、電源電流はバイメタル１１から当該配線を通って流れ、抵抗回路２２の抵抗 値が最小になり、ファンは最高速で回転駆動される。かくして、ファンの回転速 度は３段階に制御される。

【００１６】 図２及び図３の回路では、バイメタル１１が接触する接点１２又は２１の位置 を調整するレバーを設けることにより、設定温度をレバー操作で可変とすること もできる。

【００１７】 図４は、サーミスタを使用した場合の駆動制御回路の具体例を示す。

【００１８】 この回路では、外部電源（図示省略）と駆動源５との間に、図１のサーミスタ ９における電圧変化により駆動源５への供給電圧を変化させるスイッチング回路 ２３が設けられている。このスイッチング回路３２は、２つのトランジスタＱ1 ，Ｑ2 と３つの固定抵抗Ｒ3 ，Ｒ4 ，Ｒ5 と１つの可変抵抗ＲV とを図のように 接続して構成されている。

【００１９】 従って、サーミスタ９が温度の上昇に対して電気抵抗値が減少するタイプであ れば、温度がサーミスタ９による検出温度（これは可変抵抗ＲV により調整され る）より高いとき、トランジスタＱ2 のベース電流が減少してトランジスタＱ2 のコレクタ電流が減少し、トランジスタＱ1 のベースには相対的に高い電圧がか かっているから、トランジスタＱ1 のエミッタ電流が増加し、その電流が駆動源 ５に供給される。一方、温度が上記検出温度以上になると、トランジスタＱ2 の コレクタ電流が増加し、トランジスタＱ1 のベース電圧が低下するから、トラン ジスタＱ1 のエミッタ電流が減少し、その電流が駆動源５に供給される。このよ うにトランジスタＱ1 を流れる電流を制御することにより、ファンの回転速度が 制御される。

【００２０】 以上、図示の実施例について説明したが、本考案はこれに限られるものでなく 、特に駆動制御回路は温度センサの種類に応じて任意に構成できる。

【００２１】

【考案の効果】

上記のように、本考案によれば、ファンの回転制御用の回路を外部に設けるこ となく、空冷ファン装置自体で周辺温度に応じた回転翼の速度制御を行って騒音 を最小限に抑制し、消費電力を必要最小限まで低減できると共に、ファン装置外 のスペースも節約できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の空冷ファン装置の実施例を示す斜視
図。

【図２】バイメタルを使用したときの制御回路の一例を
示す図。

【図３】バイメタルを使用したときの制御回路の別の例
を示す図。

【図４】サーミスタを使用したときの制御回路の一例を
示す図。

【符号の説明】

１…空冷ファン装置、２…ハウジング、３…開口部、４
…回転翼、５…駆動源、６…支持部材、７…ケース、８
…ケーブル、９…サーミスタ、１１…バイメタル、１
２，２１…接点、１３，２２…抵抗回路、２３…スイッ
チング回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハウジング内に回転翼と該回転翼を回転駆
   動する駆動源とを収納して構成される空冷ファン装置に
   おいて、前記ハウジング内を通過する空気の温度を検出
   する温度センサと、該温度センサで検出される温度に応
   じて前記駆動源の回転駆動速度を制御する駆動制御回路
   とを前記ハウジング内に設置したことを特徴とする空冷
   ファン装置。