JPH0558977A - インドールアルカロイド誘導体製造用の新規中間体化合物 - Google Patents
インドールアルカロイド誘導体製造用の新規中間体化合物Info
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- JPH0558977A JPH0558977A JP24066291A JP24066291A JPH0558977A JP H0558977 A JPH0558977 A JP H0558977A JP 24066291 A JP24066291 A JP 24066291A JP 24066291 A JP24066291 A JP 24066291A JP H0558977 A JPH0558977 A JP H0558977A
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- Japan
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- deca
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】光学活性なインドールアルカロイドの合成を容
易にする新規中間体と、これを用いたインドールアルカ
ロイドの製造方法を提供する。 【構成】フィゾスチグミン等のインドールアルカロイド
は,アルツハイマー病の治療薬としての可能性が示唆さ
れていが、毒性が強いという欠点を有する。これらの化
合物の構造類縁体の合成は、次の一般式(I): (式中、R、R1、R2は炭素数1〜3のアルキル基また
はベンジル基を表し、R3は炭素数1〜3のアルキル基
またはフェニル基を表す。)で表されるトリシクロ
[5,2,1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合
物を中間体として用いることにより、ピロロ−およびフ
リル[2,3−b]インドール類の置換基を任意に変換
でき、光学対掌体の一方又は両方を任意に合成すること
が出来る。
易にする新規中間体と、これを用いたインドールアルカ
ロイドの製造方法を提供する。 【構成】フィゾスチグミン等のインドールアルカロイド
は,アルツハイマー病の治療薬としての可能性が示唆さ
れていが、毒性が強いという欠点を有する。これらの化
合物の構造類縁体の合成は、次の一般式(I): (式中、R、R1、R2は炭素数1〜3のアルキル基また
はベンジル基を表し、R3は炭素数1〜3のアルキル基
またはフェニル基を表す。)で表されるトリシクロ
[5,2,1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合
物を中間体として用いることにより、ピロロ−およびフ
リル[2,3−b]インドール類の置換基を任意に変換
でき、光学対掌体の一方又は両方を任意に合成すること
が出来る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトリシクロ[5,2,
1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合物およびそ
の製造方法に関する。さらに詳しく言うと、たとえば、
老人性痴呆症の治療薬として期待されているピロロ−お
よびフラノ[2,3−b]インドール類を製造する上
で、きわめて重要な中間体であるトリシクロ[5,2,
1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合物およびそ
の製造方法に関するものである。
1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合物およびそ
の製造方法に関する。さらに詳しく言うと、たとえば、
老人性痴呆症の治療薬として期待されているピロロ−お
よびフラノ[2,3−b]インドール類を製造する上
で、きわめて重要な中間体であるトリシクロ[5,2,
1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合物およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラバル豆中の主アルカロイドであるフ
ィゾスチグミンは抗コリンエステラーゼ阻害作用を有
し、臨床的にすでに用いられている。また、本アルカロ
イドは老人性痴呆症、特にアルツハイマー病の治療薬と
しての可能性が示唆されている。ところが、本アルカロ
イドは極めて毒性が強いという欠点を有するため、多数
の構造類縁体の合成が試みられている。しかしながら、
本アルカロイドの基本骨格であるピロロ−およびフリル
[2,3−b]インドール類の置換基を任意に変換で
き、光学対掌体の一方又は両方を任意に合成する一般的
な合成法は知られていない。本発明はかかる事情のもと
になされたものである。
ィゾスチグミンは抗コリンエステラーゼ阻害作用を有
し、臨床的にすでに用いられている。また、本アルカロ
イドは老人性痴呆症、特にアルツハイマー病の治療薬と
しての可能性が示唆されている。ところが、本アルカロ
イドは極めて毒性が強いという欠点を有するため、多数
の構造類縁体の合成が試みられている。しかしながら、
本アルカロイドの基本骨格であるピロロ−およびフリル
[2,3−b]インドール類の置換基を任意に変換で
き、光学対掌体の一方又は両方を任意に合成する一般的
な合成法は知られていない。本発明はかかる事情のもと
になされたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明はフ
ィゾスチグミンとその類縁体に代表されるピロロ−およ
びフリル[2,3−b]インドール類の合成に必要な新
規中間体とその製造方法を提供することにある。
ィゾスチグミンとその類縁体に代表されるピロロ−およ
びフリル[2,3−b]インドール類の合成に必要な新
規中間体とその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は任意の置換基
導入が可能であり、かつ、エナンチオ選択的にフィゾス
チグミン骨格を合成することができるルートを鋭意研究
した結果、共通の中間体として新規な化合物を用いるこ
とによって前記課題を解決できる事を見い出し、本発明
を完成させた。
導入が可能であり、かつ、エナンチオ選択的にフィゾス
チグミン骨格を合成することができるルートを鋭意研究
した結果、共通の中間体として新規な化合物を用いるこ
とによって前記課題を解決できる事を見い出し、本発明
を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は次の一般式(I):
【化2】 (式中、R、R1、R2は炭素数1〜3のアルキル基また
はベンジル基を表し、R3は炭素数1〜3のアルキル基
またはフェニル基を表す。)で表されるトリシクロ
[5,2,1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合
物であり、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8
−エン−3−オンのカルボニル基のα−位をアルキル化
した後、p−アルコキシフェニルヒドラジンと反応させ
て得られるカルビノールアミン体をアシル化した後、N
−アルキル化し、得られた反応生成体を加熱下にシクロ
ペンタジエンを脱離せしめることを特徴とする5−(2
−アミノ−5−アルコキシフェニル)−2−シクロペン
テノン化合物の製造方法である。
はベンジル基を表し、R3は炭素数1〜3のアルキル基
またはフェニル基を表す。)で表されるトリシクロ
[5,2,1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合
物であり、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8
−エン−3−オンのカルボニル基のα−位をアルキル化
した後、p−アルコキシフェニルヒドラジンと反応させ
て得られるカルビノールアミン体をアシル化した後、N
−アルキル化し、得られた反応生成体を加熱下にシクロ
ペンタジエンを脱離せしめることを特徴とする5−(2
−アミノ−5−アルコキシフェニル)−2−シクロペン
テノン化合物の製造方法である。
【0006】本発明に係わる5−(2−アミノ−5−ア
ルコキシフェニル)−2−シクロペンテノン化合物は次
の反応式に示すようにトリシクロ[5,2,1,
02,6]デカ−8−エン−3−オンを出発原料にして次
のように合成する事ができる。
ルコキシフェニル)−2−シクロペンテノン化合物は次
の反応式に示すようにトリシクロ[5,2,1,
02,6]デカ−8−エン−3−オンを出発原料にして次
のように合成する事ができる。
【化3】
【0007】すなわち、トリシクロ[5,2,1,0
2,6]デカ−8−エン−3−オン(3)を塩基の存在下
にハロゲン化アルキルでカルボニル基のα−位をアルキ
ル化してモノアルキルケトン(4)を得る。この(4)
にp−アルコキシフェニルヒドラジンの塩酸塩、硫酸塩
等の強酸塩を含水ピリジン中で加熱還流してカルビノー
ルアミン(7)とした後、塩基の存在下に、酸無水物ま
たは酸アシル化物でアシル化し、さらに、水素化ナトリ
ウムのごとき強塩基の存在下に、ハロゲン化アルキルで
N−アルキル化することによって得られる三級アミド
を、o−クロロベンゼンやジクロロベンゼンのごとき非
極性の高沸点溶媒中で加熱して、シクロペンタジエンを
脱離することにより、5−(2−アミノ−5−アルコキ
シフェニル)−2−シクロペンテノン化合物を合成する
事ができる。
2,6]デカ−8−エン−3−オン(3)を塩基の存在下
にハロゲン化アルキルでカルボニル基のα−位をアルキ
ル化してモノアルキルケトン(4)を得る。この(4)
にp−アルコキシフェニルヒドラジンの塩酸塩、硫酸塩
等の強酸塩を含水ピリジン中で加熱還流してカルビノー
ルアミン(7)とした後、塩基の存在下に、酸無水物ま
たは酸アシル化物でアシル化し、さらに、水素化ナトリ
ウムのごとき強塩基の存在下に、ハロゲン化アルキルで
N−アルキル化することによって得られる三級アミド
を、o−クロロベンゼンやジクロロベンゼンのごとき非
極性の高沸点溶媒中で加熱して、シクロペンタジエンを
脱離することにより、5−(2−アミノ−5−アルコキ
シフェニル)−2−シクロペンテノン化合物を合成する
事ができる。
【0008】本発明の合成法において(4)とp−アル
コキシフェニルヒドラジンとのフィシャーインドール化
反応は、立体特異的に進行して一方の立体異性体のみ
が、単一生成物として得られる。原料である(3)は公
知の方法(S.Takano,K.Inomata,
K.ogasawara,J.Chem.Soc.,C
hem.Commun.1989,271)によって、
光学活性体として容易に入手できることから、一般式
(I)で表される化合物は光学対掌体の一方または両方
の何れも合成することが可能であり、かつ、本化合物を
中間体とするピロロ−およびフリル[2,3−b]イン
ドール類の合成においても不斉中心は保持され、天然と
同じ立体配置を持った化合物を合成する事が可能であ
る。このような化合物の一例として(−)−フィゾベニ
ン(1)や(−)−フィゾスチグミン(2)を挙げるこ
とができる。
コキシフェニルヒドラジンとのフィシャーインドール化
反応は、立体特異的に進行して一方の立体異性体のみ
が、単一生成物として得られる。原料である(3)は公
知の方法(S.Takano,K.Inomata,
K.ogasawara,J.Chem.Soc.,C
hem.Commun.1989,271)によって、
光学活性体として容易に入手できることから、一般式
(I)で表される化合物は光学対掌体の一方または両方
の何れも合成することが可能であり、かつ、本化合物を
中間体とするピロロ−およびフリル[2,3−b]イン
ドール類の合成においても不斉中心は保持され、天然と
同じ立体配置を持った化合物を合成する事が可能であ
る。このような化合物の一例として(−)−フィゾベニ
ン(1)や(−)−フィゾスチグミン(2)を挙げるこ
とができる。
【化4】 これらの化合物の合成法の例として、本化合物の(−)
−5−[2−(N−メチル−N−アセチル)−5−メト
キシフェニル)−2−ペンテノン(10)を用いて下図
に示したルート、すなわち、オゾン酸化後、酸で脱アセ
チル化して得られるラクトール(14)を三臭化ホウ素
で脱メチル化した後、たとえば、ホスゲンとメチルアミ
ンを反応させてフェノール性OH基をカルバモイル化す
ることによって(−)−フィゾベニンとすることができ
る。同様に、ラクトール(14)を用いて、たとえば、
炭酸銀で酸化し、N−メチルアミンと反応させて得られ
るラクタム(18)を、たとえば、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドで脱アセチル化し、リチウムアルミ
ニウムハイドライドで還元して得られる(−)−エゼロ
リンを上に記した方法で、脱メチル化、カルバモイル化
することによって天然と同じ立体配置を持つ(−)−フ
ィゾスチグミンが合成される。
−5−[2−(N−メチル−N−アセチル)−5−メト
キシフェニル)−2−ペンテノン(10)を用いて下図
に示したルート、すなわち、オゾン酸化後、酸で脱アセ
チル化して得られるラクトール(14)を三臭化ホウ素
で脱メチル化した後、たとえば、ホスゲンとメチルアミ
ンを反応させてフェノール性OH基をカルバモイル化す
ることによって(−)−フィゾベニンとすることができ
る。同様に、ラクトール(14)を用いて、たとえば、
炭酸銀で酸化し、N−メチルアミンと反応させて得られ
るラクタム(18)を、たとえば、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドで脱アセチル化し、リチウムアルミ
ニウムハイドライドで還元して得られる(−)−エゼロ
リンを上に記した方法で、脱メチル化、カルバモイル化
することによって天然と同じ立体配置を持つ(−)−フ
ィゾスチグミンが合成される。
【化5】
【0009】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
する。尚、実施例では光学活性なトリシクロ[5,2,
1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合物の合成で
具体的に説明するが、本発明はこの範囲に限定されるも
のではない。
する。尚、実施例では光学活性なトリシクロ[5,2,
1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合物の合成で
具体的に説明するが、本発明はこの範囲に限定されるも
のではない。
【0010】実施例1 4-endo/exo- メチルトリシクロ[5.2.1.02,6 ]
デカ -8-エン-3- オンの合成 リチウムジイソプロピルアミド(ジイソプロピルアミン
5ml,35.6mmolとn-ブチルリチウム32.5mmolの
ヘキサン溶液より生成させた)THF溶液を攪拌し、こ
れに(-)-トリシクロ−[5.2.1.02,6 ]デカ -8-
エンオン(≧97% ee by HPLC,4.38
g,29.6mmolのTHF溶液11mlを滴下した。この
ときの温度上昇は−78℃から−30℃であった。1時
間攪拌の後−30℃でヨウ化メチル(21ml,33.7
mmol)を滴下し、そのまま−30℃で攪拌を13時間続
けた。塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した
後、反応混合物をエーテルによって抽出した。有機層を
炭酸水素ナトリウム水溶液、塩水で洗い、硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残さをシリカ
ゲルカラム(130g)で、ジエチルエーテル:ヘキサ
ン(1:30,体積比)混合溶媒を溶離液とし、精製し
目的のケトン4.12gをエピマーの油状混合物として
得た。 IR(film)ν1731cm-1 プロトンNMR(CDCl3 )δ0.85および0.9
0(それぞれダブレット,3Hx1 /2,J=6.4H
z),1.25−2.40(m,5H),2.71−
3.26(m,4H),5.94−6.20(m,2
H) マススペクトル m/z 162(M+),65(100
%) 分子式をC11H14Oとすると、計算値162.104
5、実測値162.1054であった。
デカ -8-エン-3- オンの合成 リチウムジイソプロピルアミド(ジイソプロピルアミン
5ml,35.6mmolとn-ブチルリチウム32.5mmolの
ヘキサン溶液より生成させた)THF溶液を攪拌し、こ
れに(-)-トリシクロ−[5.2.1.02,6 ]デカ -8-
エンオン(≧97% ee by HPLC,4.38
g,29.6mmolのTHF溶液11mlを滴下した。この
ときの温度上昇は−78℃から−30℃であった。1時
間攪拌の後−30℃でヨウ化メチル(21ml,33.7
mmol)を滴下し、そのまま−30℃で攪拌を13時間続
けた。塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した
後、反応混合物をエーテルによって抽出した。有機層を
炭酸水素ナトリウム水溶液、塩水で洗い、硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残さをシリカ
ゲルカラム(130g)で、ジエチルエーテル:ヘキサ
ン(1:30,体積比)混合溶媒を溶離液とし、精製し
目的のケトン4.12gをエピマーの油状混合物として
得た。 IR(film)ν1731cm-1 プロトンNMR(CDCl3 )δ0.85および0.9
0(それぞれダブレット,3Hx1 /2,J=6.4H
z),1.25−2.40(m,5H),2.71−
3.26(m,4H),5.94−6.20(m,2
H) マススペクトル m/z 162(M+),65(100
%) 分子式をC11H14Oとすると、計算値162.104
5、実測値162.1054であった。
【0011】実施例2 トリサイクリックケトンからのカルビノールアミンの合
成 実施例1で得られた混合物(694mg,4.28mmol)
と4-メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(748mg,
4.28mmol)を含水ピリジン(ピリジン:水=10:
1体積比;5.5ml)中で35分間リフラックスした。
溶媒を減圧下で留去した後、混合物をエーテルで抽出
し、この有機層を水、硫酸銅水溶液、炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、塩水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。減圧下で溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラム
(60g)で、ジエチルエーテル:ヘキサン(1:3,
体積比)混合溶媒を溶離液として精製し、目的のカルビ
ノールアミン1.02gを無色結晶(ベンゼンから再結
晶)として得た。 融点109−111℃;〔α〕D28−144゜(c
1.95,CHCl3). IR(Nujol)ν3316,3246,1495cm-1;
プロトンNMR(CDCl3)δ1.04(s,3
H),0.97−1.70(m,4H),6.01−
6.18(m,1H),6.18−6.39(m,1
H),6.39−7.00(m,3H) マススペクトルm/z283(M+),199(100%)
分子式をC18H21NO2とすると、分子量の計算値は2
83.1572、実測値は283,1553であった。 元素分析計算値C,76.30;H7.47;N,4.
94実測値C,76.27;H,7.39;N,4.8
7
成 実施例1で得られた混合物(694mg,4.28mmol)
と4-メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(748mg,
4.28mmol)を含水ピリジン(ピリジン:水=10:
1体積比;5.5ml)中で35分間リフラックスした。
溶媒を減圧下で留去した後、混合物をエーテルで抽出
し、この有機層を水、硫酸銅水溶液、炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、塩水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。減圧下で溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラム
(60g)で、ジエチルエーテル:ヘキサン(1:3,
体積比)混合溶媒を溶離液として精製し、目的のカルビ
ノールアミン1.02gを無色結晶(ベンゼンから再結
晶)として得た。 融点109−111℃;〔α〕D28−144゜(c
1.95,CHCl3). IR(Nujol)ν3316,3246,1495cm-1;
プロトンNMR(CDCl3)δ1.04(s,3
H),0.97−1.70(m,4H),6.01−
6.18(m,1H),6.18−6.39(m,1
H),6.39−7.00(m,3H) マススペクトルm/z283(M+),199(100%)
分子式をC18H21NO2とすると、分子量の計算値は2
83.1572、実測値は283,1553であった。 元素分析計算値C,76.30;H7.47;N,4.
94実測値C,76.27;H,7.39;N,4.8
7
【0012】実施例3 カルビノールアミンのN−アシル化 実施例2で得られたカルビノールアミンの混合物と無水
酢酸(0.07ml,7.43mmol)ピリジン中、室温で
10時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で留去した後、
残さをジクロロメタンに溶かし、5%塩酸、炭酸水素ナ
トリウム、塩水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を減圧下で留去した後、残さをシリカゲルカ
ラム(60g)で、酢酸エチルヘキサン(1:3,体積
比)を溶離液として精製し、アミド1.73gを無色結
晶(ジエチルエーテルから再結晶)として得た。 融点163−164℃;〔α〕D28−100゜(c
1.19,CHCl3). IR(Nujol)ν3332,1618cm-1 プロトンNMR(CDCl3)δ1.08(s,3H
x 6/7),1.24(s,3Hx 1/7)1.24−
1.68(m,3H),1.96−2.18(m,1
H),2.19(s,3H x 6/7),2.42
(s,3H x 1/7),2.42−3.18(m,5
H),3.80(s,3H x 6/7),3.82
(s, x 1/7),5.96−6.44(m,2
H),6.60−7.04(m,3H) マススペクトル m/z 325(M+,100%)分子式
をC20H23NO3とすると、分子量の計算値は325.
1678、実測値は325.1667であった。 元素分析計算値C,73.82;H,7.12;N,
4.30. 実測値C,73.91;H,7.25;N,4.23.
酢酸(0.07ml,7.43mmol)ピリジン中、室温で
10時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で留去した後、
残さをジクロロメタンに溶かし、5%塩酸、炭酸水素ナ
トリウム、塩水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を減圧下で留去した後、残さをシリカゲルカ
ラム(60g)で、酢酸エチルヘキサン(1:3,体積
比)を溶離液として精製し、アミド1.73gを無色結
晶(ジエチルエーテルから再結晶)として得た。 融点163−164℃;〔α〕D28−100゜(c
1.19,CHCl3). IR(Nujol)ν3332,1618cm-1 プロトンNMR(CDCl3)δ1.08(s,3H
x 6/7),1.24(s,3Hx 1/7)1.24−
1.68(m,3H),1.96−2.18(m,1
H),2.19(s,3H x 6/7),2.42
(s,3H x 1/7),2.42−3.18(m,5
H),3.80(s,3H x 6/7),3.82
(s, x 1/7),5.96−6.44(m,2
H),6.60−7.04(m,3H) マススペクトル m/z 325(M+,100%)分子式
をC20H23NO3とすると、分子量の計算値は325.
1678、実測値は325.1667であった。 元素分析計算値C,73.82;H,7.12;N,
4.30. 実測値C,73.91;H,7.25;N,4.23.
【0013】実施例4 (ー)-4-exo-(2- アセチル-N- メチルアミノ-4-メトキシ
フェニル)-4-endo- メチルトリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカ-8- エン -3-オン の合成 実施例3で得られたアミド(1.73g,5.32mmo
l)をDMFとTHFの混合溶媒(1:1,体積比)2
0ml中で攪拌し、これに水素化ナトリウム(50%油溶
液,280mg,5.83mmol)を0℃でくわえ、30分
間室温で攪拌を続けた。さらに0℃でヨウ化メチル
(0.66ml,10.6mmol)を加えた後、室温で2時
間攪拌した。5%塩酸を加えて反応を停止し、エーテル
で抽出した。抽出物を炭酸水素ナトリウム水溶液、塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒
を留去した後シリカゲルカラム(80g)で酢酸エチル
−ヘキサン(1:2,体積比)を溶離液として精製し
1.70gの無色の泡を得た。 〔α〕D29−147゜(c 1.21,CHCl 3). IR(film)ν1728,1664cm-1 プロトンNMR(CDCl3)δ1.06−1.91
(m,9H),2.35−3.25(m,8H),3.
78(s,3H),5.92−6.32(m,2H),
6.68−7.02(m,3H) マススペクトルm/z339(M+),178(100
%);分子式をC21H25NO3とすると分子量の計算値
は339.1834、実測値は339.1815であっ
た。
フェニル)-4-endo- メチルトリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカ-8- エン -3-オン の合成 実施例3で得られたアミド(1.73g,5.32mmo
l)をDMFとTHFの混合溶媒(1:1,体積比)2
0ml中で攪拌し、これに水素化ナトリウム(50%油溶
液,280mg,5.83mmol)を0℃でくわえ、30分
間室温で攪拌を続けた。さらに0℃でヨウ化メチル
(0.66ml,10.6mmol)を加えた後、室温で2時
間攪拌した。5%塩酸を加えて反応を停止し、エーテル
で抽出した。抽出物を炭酸水素ナトリウム水溶液、塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒
を留去した後シリカゲルカラム(80g)で酢酸エチル
−ヘキサン(1:2,体積比)を溶離液として精製し
1.70gの無色の泡を得た。 〔α〕D29−147゜(c 1.21,CHCl 3). IR(film)ν1728,1664cm-1 プロトンNMR(CDCl3)δ1.06−1.91
(m,9H),2.35−3.25(m,8H),3.
78(s,3H),5.92−6.32(m,2H),
6.68−7.02(m,3H) マススペクトルm/z339(M+),178(100
%);分子式をC21H25NO3とすると分子量の計算値
は339.1834、実測値は339.1815であっ
た。
【0014】
【発明の効果】本発明によって、抗コリンエステラーゼ
阻害作用を示し、老人性痴呆症に係わる治療薬として注
目されているフィゾスチグミン自身及び関連類縁体の基
本骨格であるピロロ−およびフリル[2,3−b]イン
ドール化合物を効率的に合成する上での有用な中間体で
あり、所望により一方の光学対掌体または両方の光学対
掌体を合成できるトリシクロ[5,2,1,02,6]デ
カ−8−エン−3−オン化合物と、この化合物を効率良
く合成する事ができる製造方法とを提供することができ
る。
阻害作用を示し、老人性痴呆症に係わる治療薬として注
目されているフィゾスチグミン自身及び関連類縁体の基
本骨格であるピロロ−およびフリル[2,3−b]イン
ドール化合物を効率的に合成する上での有用な中間体で
あり、所望により一方の光学対掌体または両方の光学対
掌体を合成できるトリシクロ[5,2,1,02,6]デ
カ−8−エン−3−オン化合物と、この化合物を効率良
く合成する事ができる製造方法とを提供することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 491/048 7019−4C
Claims (2)
- 【請求項1】次の一般式(I): 【化1】 (式中、R、R1、R2は炭素数1〜3のアルキル基また
はベンジル基を表し、R3は炭素数1〜3のアルキル基
またはフェニル基を表す。)で表されるトリシクロ
[5,2,1,02,6]デカ−8−エン−3−オン化合
物。 - 【請求項2】トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−
8−エン−3−オンのカルボニル基のα−位をアルキル
化した後、p−アルコキシフェニルヒドラジンを反応さ
せて得られるカルビノールアミン体をアシル化、また
は、所望によりアルキル化した後に、加熱下にシクロペ
ンタジエンを脱離せしめることを特徴とする5−(2−
アミノ−5−アルコキシフェニル)−2−シクロペンテ
ノン化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3240662A JP3017338B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | インドールアルカロイド誘導体製造用の新規中間体化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3240662A JP3017338B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | インドールアルカロイド誘導体製造用の新規中間体化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558977A true JPH0558977A (ja) | 1993-03-09 |
JP3017338B2 JP3017338B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=17062838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3240662A Expired - Lifetime JP3017338B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | インドールアルカロイド誘導体製造用の新規中間体化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3017338B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4827178A (en) * | 1984-09-21 | 1989-05-02 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Image display tube |
US4864188A (en) * | 1987-11-30 | 1989-09-05 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Ni-Fe base alloy sheet for use as a shadow mask and a shadow mask employing the same |
-
1991
- 1991-08-27 JP JP3240662A patent/JP3017338B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4827178A (en) * | 1984-09-21 | 1989-05-02 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Image display tube |
US4864188A (en) * | 1987-11-30 | 1989-09-05 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Ni-Fe base alloy sheet for use as a shadow mask and a shadow mask employing the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3017338B2 (ja) | 2000-03-06 |
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