JPH055884A - 液晶表示素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面に少なくとも液晶配向膜を有し液晶配向
膜面を相互に対向するように配置された２枚の基板を、
液晶配向膜と重ならないように基板周囲にシール材を設
けて封着する。シール材の一部を開口して液晶組成物注
入口を形成し、この部分から液晶組成物が注入され、有
機物の硬化材からなる封止材で封止される。液晶配向膜
が内側から液晶組成物注入口まで延在している。 【効果】 充填される液晶組成物が注入口部分でも配向
するので、製造時に封止材と混じり合うことが少なく、
封入口付近の表示不良が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は液晶表示素子に係り、
特に液晶注入口の構造を改良した液晶表示素子に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】現在一般的に用いられている液晶表示素
子は、電極を有する２枚のガラス基板内に液晶を狭持し
た構成をしている。

【０００３】このような液晶表示素子を製造するには、
図２に示すように、ガラスなどの２枚の透明基板２１、
２２に液晶組成物を配向させるために、ポリイミドやポ
リビニルアルコールなどの配向膜２３を印刷などの手法
により塗布、焼成する。この際配向膜は、後述するシー
ル材２４と重ね合わさないように塗布される。その後、
ラビング処理を行い、２枚のガラス基板を張合わせるた
めに、ガラス基板周辺部（正確には配向膜周辺部）にエ
ポキシなどのシール材２４を塗布する。塗布のとき、液
晶組成物を封入する開口２５を形成しておく。液晶表示
素子の開口部付近には前述の配向膜は塗布されていな
い。

【０００４】このように重ね合わされた２枚のガラス基
板を真空中で脱気し、シール開口部を液晶組成物に浸
し、大気圧に戻すことにより、液晶組成物を封入する。
液晶組成物が封入された後、シール開口部に紫外線硬化
剤や熱硬化剤などの封止剤を塗布し、液晶封入が完了す
る。その後、２枚のガラス基板の画面に偏光板を貼付、
基板端子に駆動用ＩＣなどを接続モジュール化する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように作成した液
晶表示素子を駆動させた時に液晶組成物が封入した部分
の表示が他の表示部と異なった色になる不良が生じた。
例えば、90' ツイストのＴＮモードの電圧印加時は、黒
表示，電圧無印加時は白表示のノーマリーホワイト（Ｎ
Ｗ）では、液晶表示素子を駆動させた時に本来黒表示に
なる部分が白っぽい表示になってしまう。また、電圧印
加時は、白表示，電圧無印加時は黒表示のノーマリーブ
ラック（ＮＢ）では、液晶表示素子を駆動させた時に本
来白表示になる部分が黒っぽい表示になってしまう。

【０００６】本発明は、上記問題を解決しようというも
のであり、液晶組成物注入口付近の表示不良を減少さ
せ、歩留まりの良い、従って安価な液晶表示素子を提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、表面に少なく
とも液晶配向膜を有し液晶配向膜面を相互に対向するよ
うに配置された２枚の基板と、前記基板の周囲部の前記
液晶配向膜のない部分に配置され前記基板を封着するシ
ール材と、前記シール材の一部が開口して形成された液
晶組成物の注入口と、前記基板間に挟持される液晶組成
物と、前記注入口を封止する有機物封止剤とからなる液
晶表示素子において、前記注入口に前記液晶配向膜が延
在してなることを特徴とする液晶表示素子を得るもので
ある。

【０００８】

【作用】液晶表示素子を製造工程の液晶封入における不
良モードとして、液晶表示素子を駆動させた時に液晶組
成物を封入した液晶注入口部分の表示が他の表示部と異
なった色になる不良が生じる。これは、液晶組成物と封
止剤とが混ざり合うことによるものである。

【０００９】この原因による画質不良に対して、本発明
は表示部ばかりでなく液晶組成物注入口の開口部に液晶
配向膜を設けることを特徴としており、液晶組成物と封
止剤とが混ざり合うことを防ぐものである。すなわち、
配向膜を液晶組成物注入口の開口部に設置することによ
り、液晶組成物は配向膜の配向（ラビング）処理により
規則正しく配向するため、注入口の有機物系紫外線硬化
剤や熱硬化剤などの封止剤と混合しにくくなるようにす
る。

【００１０】

【実施例】以下本発明に係る液晶表示素子の実施例を図
１を用いて説明する。

【００１１】（実施例１）図１（ａ）は本発明の液晶表
示素子の外観を示し、図１（ｂ）は本発明の液晶表示素
子の注入口付近の拡大図、同（ｃ）はその断面図であ
る。図は単純マトリクス駆動のドットマトリクス液晶表
示素子１０を示し、横（Ｙ）方向に帯状にパターニング
されたＹ電極１１ａを有するＹ基板すなわち下基板１１
と、縦（Ｘ）方向に帯状にパターニングされたＸ電極１
２ａを有するＸ基板すなわち上基板１２とをを有する。
各電極の設置された面上にエポキシのシール材１３と重
ならないように、封着接合される周囲を除きポリイミド
の液晶配向膜１４を形成し、ラビング法などで配向処理
をした後、Ｙ電極とＸ電極がほぼ直交するように配向膜
側の面を相互に対向させて設置する。その周囲をシール
材１３で封着してセルとし、これらの基板間に液晶組成
物を充填狭持させて液晶表示素子１０とする。

【００１２】基板周囲の一部にシール材を設けない部分
を形成し、この部分を液晶注入口１５とし、この注入口
から液晶組成物例えばＴＮ形液晶を注入する。注入は常
法の真空注入を用いる。注入後は紫外線硬化材や熱硬化
材で液晶注入口１５を封止する。液晶組成物としては、
上記ＴＮ形の他に、ＳＴ形、ＧＨ形、ある意はＥＣＢ形
や強誘電性液晶などが用いられてもよい。

【００１３】本実施例では、図１（ｂ）、（ｃ）のよう
に液晶配向膜１４に延長部１４ａをを設けて、液晶注入
口１５の開口部で基板端１６まで到達するように形成し
ている。

【００１４】液晶注入口１５の封止剤としてUV-1000(ソ
ニーケミカル社製）を用い、紫外線を１５分間照射して
固め、液晶表示素子を作成した。この液晶表示素子を駆
動させたところ表示領域全体を均一に表示できた。すな
わち、配向膜の延長部１４ａを液晶組成物注入口の開口
部に設置することにより、液晶組成物は開口部まで配向
膜により規則正しく配向するため、注入口の紫外線硬化
剤や熱硬化剤などの封止剤と混合しにくく、封入口付近
での液晶性能の劣化が防止される。

【００１５】（実施例２）実施例１において、液晶注入
口１５の開口部を横幅２０ｍｍ、間隙幅６μｍの時、液
晶配向膜１４の延長部１４ａを内側から基板端より２ｍ
ｍの位置まで延長形成し、液晶組成物を充填して、封止
材として3051((株) スリーボンド社製）を用い、紫外線
を１５分間照射して固め、液晶表示素子を作成した。こ
の液晶表示素子を駆動させたところ表示領域全体を均一
に表示できた。

【００１６】（比較例）実施例２において、配向膜１４
の延長部１４ａを、液晶注入口の基板端より５mmの位置
まで形成し、液晶組成物を充填し、封止材として3051
((株) スリーボンド社製）を用い、紫外線を１５分間照
射して固め、液晶表示素子を作成した。この液晶表示素
子を駆動させたところ注入口付近に表示異常が発生し
た。

【００１７】以上、本発明を実施例で説明したが、素子
は必要に応じて、２枚の基板を２枚の偏光板間に設置さ
れるものを含むことはいうまでもない。またアクティブ
マトリクス駆動液晶表示素子にも適用でき、たとえば、
アモルファスシリコン（ａ−Ｓｉ）を半導体層とした薄
膜トランジスタ（ＴＦＴ）とそれに接続された表示電極
と信号電極、ゲート電極が形成されたＴＦＴアレイ基板
とそれに対向設置された対向電極を有し必要に応じてＲ
ＧＢカラーフィルタを有する対向基板との間に液晶組成
物を狭持した構造でも同様の効果がある。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、製造中に、液晶注入口
部分で液晶組成物と有機物の液晶組成物封止材が反応す
ることによって生じる注入口付近の表示不良を低減し
て、歩留まりを向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の液晶表示素子の外観を示す平
面図、（ｂ）は（ａ）の注入口を拡大して示す部分図、
（ｃ）は（ｂ）をＡ−Ａ線で切断し矢印方向に見た断面
図である。

【図２】（ａ）は従来の液晶表示素子の注入口を拡大し
て示す部分図、（ｂ）は（ａ）をＡ−Ａ線で切断し矢印
方向に見た断面図である。

【符号の説明】

１１…下基板 １２…上基板 １３…シール材 １４…液晶配向膜 １４ａ…液晶配向膜の延長部 １５…注入口

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 表面に少なくとも液晶配向膜を有し液晶
   配向膜面を相互に対向するように配置された２枚の基板
   と、前記基板の周囲部の前記液晶配向膜のない部分に配
   置され前記基板を封着するシール材と、前記シール材の
   一部が開口して形成された液晶組成物の注入口と、前記
   基板間に挟持される液晶組成物と、前記注入口を封止す
   る封止剤とからなる液晶表示素子において、前記注入口
   に前記液晶配向膜が延在してなることを特徴とする液晶
   表示素子。