JPH0558608U - ネジキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部に装着されたパッキンの落下を防止する
と共に表面にヒケが発生することのないネジキャップを
提供する。 【構成】 天板から筒状部を垂下し、この筒状部の下端
から所定長さにわたって容器の口部に形成したネジと螺
合するネジ部を形成すると共に、該ネジ部の上部から天
板までの間にネジ部と等しいリードを有し且つ突端にパ
ッキンを係止する突起を有する多条ネジを形成する。容
器の口部に於ける周壁と対応する位置にパッキンを押圧
する押圧リブを形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内部に装着したパッキンの落下を防止すると共に成形する際に発生す る虞のあるヒケを防止することが出来るネジキャップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より壜等の容器に用いられるキャップにあっては、内部に容器の開口を閉 塞するパッキンを装着すると共に該パッキンの落下を防止し得るように構成した ものが多い。 化粧料を収納する容器では美観を向上させることが要求されており、キャップ も意匠の異なる様々なものが提供されている。その中で、ボリューム感を持たせ るためにキャップの天面形状を球形にしたり、或いは天面を容器の口部よりも高 くしたものがある。このようなキャップにあっては、パッキンを空間で保持する こととなり、キャップを容器に螺合する際にパッキンを容器の開口の周壁に押圧 する手段が必要となる。

【０００３】 上記キャップの一例を図６に示して説明する。 図に於いて、キャップ51の天板52から筒状部53が垂下形成されている。この筒 状部53の内部であって、下方には容器の口部54に形成したネジ54ａと螺合するネ ジ部55が形成されており、上方には口部54の周壁54ｂと等しい形状に形成された 肉厚部56が形成され、該肉厚部56の先端が押圧部56ａとして形成されている。ま たネジ部55と肉厚部56の間にパッキン57を係止する係止部58が形成されている。 上記の如く形成されたキャップ51では、ネジ部55をネジ54ａに螺合させるとパ ッキン57は周壁54ｂと押圧部56ａによって押圧されて口部54を閉塞し、収納物の 漏洩を防止する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のキャップでは、筒状部にネジ部と肉厚部とが連続して形成されてい る。このため、筒状部は上下方向に肉厚の異同が生じ、キャップを成形する際に 筒状部と対応した天板の表面にヒケが発生することがあった。

【０００５】 本考案の目的は、内部にパッキンを保持することが出来、且つ成形の際にヒケ が発生することのないネジキャップを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案に係るネジキャップは、合成樹脂の成形体か らなり、容器の口を閉塞するパッキンを内部に保持すると共に該パッキンと天板 との間に空間を形成したネジキャップに於いて、天板から垂下され内周の下端側 から所定長さにわたって容器のネジと螺合するネジ部を形成すると共にネジ部の 上部から天板までの間に該ネジ部と等しいリードを有し且つ突端にパッキンを係 止する突起を有する多条ネジを形成した筒状部と、容器の口の周壁と対応して天 板から垂下された押圧リブとを有して構成されるものである。

【０００７】

【作用】

上記ネジキャップによれば、内部に装着されたパッキンを脱落させることなく 保持することが出来、且つ成形に際し筒状部と対応する天板の表面にヒケが発生 することがない。 即ち、筒状部の内周下端側に形成したネジ部の上部から天板までの間に突端に パッキンを係止するための突起を有する多条ネジを形成することによって、筒条 部と押圧リブとを分離して形成すると共に、筒状部と押圧リブを略等しい肉厚と することが出来る。 このため、ネジキャップの内部に装着されたパッキンを多条ネジの突端に設け た突起によって係止することが出来、且つ筒状部の肉厚と押圧リブの肉厚が略等 しいので成形の際に天板の表面にヒケが発生することがない。

【０００８】

【実施例】

以下上記ネジキャップの実施例について図を用いて説明する。 図１は第１実施例に係るネジキャップの一部を破断した斜視図、図２はパッキ ンを装着した状態の断面図、図３は図２の要部拡大図、図４は容器に螺合したと きの断面図である。 図に於いて、ネジキャップＡは合成樹脂の射出成形によって成形されており、 球面を持った天板１から筒状部２，押圧リブ３，支持リブ４，袴５が夫々垂下さ れている。

【０００９】 筒状部２は、図４に示すようにネジキャップＡを容器の口部６に装着する際の 螺合部分となるものであり、下端側に口部６の側面に形成したネジ６ａと螺合す るネジ部７が形成されている。ネジ部７の長さは容器の口部６の長さに応じた寸 法を有し、本実施例ではネジ部６ａよりも長い寸法を持って形成されている。 筒状部２に形成されたネジ部７の上方であって該ネジ部７から天板１の内面１ ａに至る間には、突端に突起８を有する多条ネジ９が形成されている。 突起８はネジキャップＡに弾力性を有するパッキン10を装着したとき、図３に 示すように該パッキン10の側面に食い込んで係止するものである。

【００１０】 一般に容器の口部６に形成されたネジ６ａのピッチは大きい。また筒状部２と 対応する天板１のヒケを防止するためには筒状部２を等しい厚さで成形すること が好ましい。 然し、ネジ部７を筒状部２の下端から天板１に至る間に形成し、このネジ部７ の突端に突起を形成してパッキン10を係止するようにした場合、パッキン10はネ ジ部７のネジピッチよりも大きい厚さを持つことが必要となる。 またパッキン10を係止するのであればネジ部７の上部にアンダーカットを形成 しても良い。然し、この場合、成形型に於けるアンダーカット成形部がネジ部７ と係合して成形されたネジキャップＡを脱型することが困難となる。 従って、ネジ部７の上部に該ネジ部７のリードと等しいリードを持った多条ネ ジ９を形成することで、条数に応じてピッチを小さくし、これによりパッキン10 の厚さを薄くするが可能となり、且つ成形されたネジキャップＡを容易に脱型す ることが可能となる。また筒状部２のネジ部７に対応する部分の厚さと多条ネジ ９に対応する部分の厚さを大きく変化させることなく成形することが可能となる 。 本実施例では多条ネジ９として２条ネジを形成しており、多条ネジ９のピッチ をネジ部７のピッチの１／２としている。

【００１１】 押圧リブ３は容器の口部６に於ける周壁６ｂと対向して形成され、ネジキャッ プＡの容器に対する締め付けに伴ってパッキン10を周壁６ｂに押圧するものであ る。 このため、押圧リブ３は筒状部２と接近し、且つ押圧部となる先端３ａがネジ 部７の上端から略パッキン10の厚さと等しい距離だけ離隔した位置にあるように 配置されている。

【００１２】 支持リブ４は容器の口部６に於ける注出口６ｃと対向して形成され、パッキン 10がネジキャップＡの天板１側に変形することを防止するものである。 このため、支持リブ４は押圧リブ３よりも内側に形成されており、且つ先端４ ａは押圧リブ３の先端３ａと等しい位置にあるように形成されている。

【００１３】 袴５はネジキャップＡに対する意匠的な観点から設けられるものであり、筒状 部２の外側であって天板１の周縁から垂下されている。袴５は下端が筒状部２の 下端よりも下方に位置するような長さを持って形成されており、該袴５の断面形 状は筒状部２の断面形状とは無関係に円，多角形等所望の形状に形成されている 。 従って、ネジキャップＡに於ける筒状部２は袴５によって覆われ、肉眼で視認 されることはない。

【００１４】 上記ネジキャップＡに於いて、天板１から垂下された筒状部２，押圧リブ３， 支持リブ４は夫々同様な厚さを持って形成される。このため、ネジキャップＡに 於ける厚さの異同部分がなく、該キャップＡを均一な厚さで成形することが可能 となる。即ち、天板１にヒケが発生する虞がない。 図４に示すように、ネジキャップＡを容器の口部６に螺合して装着したとき、 パッキン10は押圧リブ３の先端３ａによって周壁６ｂ側に押圧され、これにより 注出口６ｃを閉塞することが可能となる。またパッキン10は支持リブ４の先端４ ａによって支持され、容器が転倒或いは倒立状態になっても、パッキン10が天板 １側に変形することがない。

【００１５】 図５は第２実施例に係るネジキャップＢの断面図である。 本実施例のネジキャップＢは前述のネジキャップＡに於ける袴５が省略されて いる以外は同一の形状で成形されている。 このネジキャップＢも前述のネジキャップＡと同様に成形の際に天板１にヒケ が発生する虞がなく、且つ容器の注出口を閉塞することが可能である。

【００１６】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように本考案に係るネジキャップでは、天板から垂下され た筒状部の下端側から所定長さのネジ部を形成すると共に、該ネジ部の上部から 天板までの間に突端に突起を有する多条ネジを形成し、且つ容器の口の周壁と対 応して押圧リブを垂下したので、この多条ネジの突端に形成した突起によってパ ッキンを係止することが出来る。また筒状部の肉厚を全長にわたって略均一にす ることが出来るため、成形の際に天板にヒケが発生することがない等の特徴を有 するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例に係るネジキャップの一部を破断し
た斜視図である。

【図２】パッキンを装着した状態の断面図である。

【図３】図２の要部拡大図である。

【図４】容器に螺合したときの断面図である。

【図５】第２実施例に係るネジキャップＢの断面図であ
る。

【図６】従来のキャップの断面図である。

【符号の説明】

Ａ，Ｂはネジキャップ、１は天板、１ａは天板の内面、
２は筒状部、３は押圧リブ、４は支持リブ、５は袴、６
は口部、６ａはネジ、６ｂは周壁、６ｃは注出口、７は
ネジ部、８は突起、９は多条ネジ、10はパッキンであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂の成形体からなり、容器の口を
   閉塞するパッキンを内部に保持すると共に該パッキンと
   天板との間に空間を形成したネジキャップに於いて、天
   板から垂下され内周の下端側から所定長さにわたって容
   器のネジと螺合するネジ部を形成すると共にネジ部の上
   部から天板までの間に該ネジ部と等しいリードを有し且
   つ突端にパッキンを係止する突起を有する多条ネジを形
   成した筒状部と、容器の口の周壁と対応して天板から垂
   下された押圧リブとを有することを特徴としたネジキャ
   ップ。