JPH0558324A - 車両運動制御装置 - Google Patents

車両運動制御装置

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JPH0558324A
JPH0558324A JP25466991A JP25466991A JPH0558324A JP H0558324 A JPH0558324 A JP H0558324A JP 25466991 A JP25466991 A JP 25466991A JP 25466991 A JP25466991 A JP 25466991A JP H0558324 A JPH0558324 A JP H0558324A
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JP
Japan
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vehicle
steering
driver
gaze distance
control
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JP25466991A
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English (en)
Inventor
Toshio Shibakawa
壽夫 芝川
Masanori Yamamoto
真規 山本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドライバの前方注視距離が不足する場合に操
舵力のアシスト量を減少させてドライバの操舵に対する
車両の応答性を鈍くすることにより、前方注視距離の不
足に基づく車両挙動の不安定化を防止するパワーステア
リング装置を提供する。 【構成】 車速Vに応じて、操舵力のアシスト量を制御
するソレノイドバルブに供給すべき基準電流i0 を決定
し(S2,3)、車両のヘッドライトおよび車幅灯の点
灯・消灯状態と照度センサの出力信号との双方から前方
注視距離を車両周辺の照度として検出し(S4)、その
照度と上記基準電流i0 とを用いてソレノイドバルブを
制御する(S5〜8)。照度が暗いほどアシスト量が少
なくなり、ドライバの操舵に対する車両の応答性が鈍く
なって、前方注視距離の不足に基づく車両挙動の不安定
化が防止されるように制御するのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の運動特性を制御す
る車両運動制御装置に関するものであり、特にその車両
運動特性をドライバの前方注視距離との関係において適
正に制御する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両運動制御装置は一般に、車両の運動
を制御し、その制御特性の変化により、車両運動特性に
おける車両の操縦応答性と車両の走行安定性との比率を
変化させるように構成される。ドライバの操縦に対する
車両の応答性を鈍くすることによって、車両運動特性を
操縦応答性より走行安定性を重視した安定性重視運動特
性に制御したり、ドライバの操縦に対する車両の応答性
を鋭くすることによって、車両運動特性を走行安定性よ
り操縦安定性を重視した操縦性重視運動特性に制御する
ように構成されるのである。
【0003】そして、車両運動制御装置として例えば次
のようなものが既に知られている。すなわち、制御特性
として後輪操舵ゲインを変化させることが可能な後輪ス
テアリング制御装置,制御特性として駆動力配分比率
(前後配分比率を意味する場合や、左右配分比率を意味
する場合や、双方を意味する場合がある)を変化させる
ことが可能な駆動力配分制御装置,制御特性としてロー
ル角抑制ゲインを変化させることが可能なサスペンショ
ン制御装置および制御特性として操舵力アシスト量を変
化させることが可能な操舵力アシスト量制御装置が既に
知られているのである。なお、操舵力アシスト量制御装
置の一例が実開昭58−180381号公報に記載され
ており、これは、車速に応じてアシスト量を変化させる
車速感応型である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】車両挙動を安定させて
車両を操縦するためにはドライバの前方注視距離を十分
に確保することが不可欠である。ここにおいて前方注視
距離とは、車両から、ドライバが車両前方を注視する点
までの距離を意味する。ドライバは普通、車両前方から
車両走行に必要な視覚的な情報を得て車両の将来の挙動
を予測しつつ操縦を行うため、前方注視距離が不足する
とドライバによる予測精度が低下し、操縦し難くなっ
て、車両挙動が不安定となるのである。
【0005】しかし、前方注視距離は常に十分に確保さ
れるとは限らない。例えば、夜間に走行したり、トンネ
ル内を走行したり、雨や霧の中を走行する場合には、前
方注視距離が十分には確保されないのが普通だからであ
る。それにもかかわらず、従来の車両運動制御装置は、
前方注視距離を勘案して車両運動特性を制御するように
は設計されていない。そのため、従来の車両運動制御装
置には、前方注視距離が不足すると車両挙動の不安定に
なり易いという問題があり、それに起因して、ドライバ
は車両挙動の不安定化を防止すべく通常より慎重に操縦
を行わなければならず、ドライバにかかる負担が増すと
いう問題もあった。
【0006】本発明はこれらの問題を解決することを課
題として為されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そして、本発明の要旨
は、車両の運動を制御し、その制御特性の変化により、
車両運動特性における車両の操縦応答性と車両の走行安
定性との比率を変化させる車両運動制御装置であって、
(a) ドライバの前方注視距離を検出する前方注視距離検
出手段と、(b) 検出された前方注視距離が基準距離より
短い場合には、制御特性を、操縦応答性に対する走行安
定性の比率が増加する向きに変化させる制御特性変化手
段とを含むものを提供することにある。
【0008】
【作用】本発明に係る車両運動制御装置においては、前
方注視距離検出手段によりドライバの前方注視距離が検
出され、制御特性変化手段により、その前方注視距離を
勘案して制御特性が変化させられ、ひいては車両運動特
性が変化させられる。具体的には、前方注視距離が基準
距離より短い場合には、制御特性が、操縦応答性に対す
る走行安定性の比率が増加する向きに変化させられる。
【0009】なお、ここにおいて「制御特性が、操縦応
答性に対する走行安定性の比率が増加する向きに変化さ
せられる」とは、制御特性が、走行安定性より操縦応答
性を重視した操縦性重視運動特性を実現するものから操
縦応答性より走行安定性を重視した安定性重視運動特性
を実現するものに変化させられることを意味する場合
や、制御特性が、相変わらず走行安定性より操縦応答性
の方が強いが、前方注視距離が基準距離以上であるとき
より走行安定性が向上するか、または操縦応答性が低下
する運動特性を実現するものに変化させられることを意
味する場合がある。
【0010】
【発明の効果】このように、本発明に従えば、前方注視
距離が不足している場合には車両の走行安定性が向上さ
せられるから、前方注視距離の不足に起因して車両挙動
が不安定になることが抑制されるとともに、ドライバは
それほど慎重に操縦を行わずに済むこととなって、ドラ
イバにかかる負担が減るという効果が得られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例である車速
感応型のパワーステアリング装置を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0012】本発明の一実施例であるパワーステアリン
グ装置においては図2に示すように、リザーバタンク1
0内のオイルがオイルポンプとしての、図示しない車両
のエンジンによって駆動されるベーンポンプ12によっ
て汲み上げられてパワーシリンダ14に供給される。ベ
ーンポンプ12は図示しないフローコントロールバルブ
を内蔵していて、ベーンポンプ12の回転数すなわちエ
ンジンの回転数とは無関係にベーンポンプ12からの吐
出油量が一定に保たれるようになっている。パワーシリ
ンダ14は、ベーンポンプ12から供給されたオイルの
油圧を機械力に変換して舵取り車輪である左右前輪の操
舵力をアシストするものであって、車両の左右方向に移
動して左右前輪の舵角を変化させるコントロールラック
18に固定のパワーピストン20と、そのパワーピスト
ン20に、左右前輪を右方向に操舵するための右切り圧
および左方向に操舵するための左切り圧をそれぞれ作用
させるシリンダ右室22およびシリンダ左室24とを備
えている。
【0013】上述のリザーバタンク10,ベーンポンプ
12およびパワーシリンダ14の間にステアリングギヤ
ボックス(以下、単にギヤボックスという)30が設け
られている。このギヤボックス30においては、一端が
図示しないステアリングホイールに一体的に回転可能に
連結されたトーションバー32の他端がピニオンギヤ3
4に一体的に回転可能に連結され、そのピニオンギヤ3
4の歯部が前記コントロールラック18の歯部に噛み合
わされている。すなわち、本パワーステアリング装置の
ステアリングギヤ機構はラックアンドピニオン型なので
ある。
【0014】ギヤボックス30内には、いずれも複数の
半径方向油路を持つコントロールバルブシャフト36お
よびロータリバルブ38を主体とするコントロールバル
ブ40が、リザーバタンク10,ベーンポンプ12,シ
リンダ右室22およびシリンダ左室24に接続された状
態で設けられている。コントロールバルブシャフト36
は、円筒状を成してトーションバー32の外側に適当な
隙間を隔てて挿通され、それの一端部はピン42により
トーションバー32に固定されているが、他端部はトー
ションバー32から浮かされている。ロータリバルブ3
8は、円筒状を成してコントロールバルブシャフト36
の外側に油密かつ摺動回転可能に嵌合されるとともに、
自身の外周面においてギヤハウジング44に油密かつ摺
動回転可能に嵌合されている。また、ロータリバルブ3
8はピニオンギヤ34と一体的に回転可能に連結されて
いる。そして、コントロールバルブ40は、ドライバに
よる操舵によってトーションバー32が捩じられればそ
の捩じられた分だけロータリバルブ38に対するコント
ロールバルブシャフト36の相対的な位相が変化すると
いう現象を利用して、リザーバタンク10,ベーンポン
プ12,シリンダ右室22およびシリンダ左室24の間
の油路の切り換えおよび各油路の絞り面積の制御を行
い、これにより、ステアリングホイールの操舵方向およ
び操舵力に応じてパワーシリンダ20の作動方向(すな
わち操舵力のパワーアシスト方向)および作動力(すな
わち操舵力のパワーアシスト量)を制御する。
【0015】ギヤボックス30内にはさらに、ステアリ
ングホイールにそれの回転を抑制する力を油圧反力とし
て作用させる油圧反力作用装置50も設けられている。
油圧反力作用装置50は、コントロールバルブシャフト
36の外周面からそれの直径方向に互いに逆向きに延び
出させられた一対のレバー52の各々の両側面にそれぞ
れ対向させられた4個のプランジャ54と、各レバー側
面に油圧反力を作用させるべく各プランジャ54の背面
に油圧を作用させる4個の油圧反力室58と、各油圧反
力室58に発生する油圧(以下、反力圧という)を変化
させるソレノイドバルブ60とを備えている。なお、プ
ランジャ54および油圧反力室58は前記ピニオンギヤ
34に組み込まれている。
【0016】すなわち、本パワーステアリング装置は、
コントロールバルブ40の作動に基づく操舵力のアシス
ト量から油圧反力作用装置50の作動に基づく油圧反力
を差し引いたものが実質的なアシスト量となるいわゆる
反力制御型なのであって、油圧反力を増加させることが
実質的なアシスト量を減少させ、一方、油圧反力を減少
させることが実質的なアシスト量を増加させるものなの
である。以下、その実質的なアシスト量を単にアシスト
量という。
【0017】ギヤボックス30内にはさらに分流弁64
も設けられている。分流弁64は、ベーンポンプ12か
ら吐き出されたオイルをコントロールバルブ40側とソ
レノイドバルブ60側とに分流するとともに、コントロ
ールバルブ40側の油圧とソレノイドバルブ60側の油
圧との差が変動してもベーンポンプ12からのオイルを
常に一定流量でソレノイドバルブ60側に供給するもの
である。そして、分流弁64からソレノイドバルブ60
に供給されたオイルがソレノイドバルブ60で絞られる
ことにより、各油圧反力室58に反力圧が発生させられ
る。なお、ソレノイドバルブ60はそれへの供給電流が
小さいほど開口面積を小さくするように(分流弁64と
リザーバタンク10との間の流路面積を小さくするよう
に)設計されているため、結局、供給電流が小さいほど
各油圧反力室58に高い反力圧が発生することとなる。
【0018】なお、コントロールバルブ40側と油圧反
力室58側とは固定オリフィス68を経て互いに接続さ
れている。コントロールバルブ40側の圧力の上昇時
(操舵時)に、オイルを油圧反力室58側へ流してそれ
の油圧を増加させ、これにより、中・高速域の操舵時に
手応えのある操舵フィーリングが実現されるようになっ
ているのである。
【0019】上記ソレノイドバルブ60はパワーステア
リングコンピュータ(以下、単にコンピュータという)
70によって制御される。コンピュータ70には車速セ
ンサ72と、車両のヘッドライトを点灯・消灯させるた
めに操作されるヘッドライトスイッチ(図においてヘッ
ドライトSWで表す。他のスイッチについても同じ)7
4と、車両の車幅灯を点灯・消灯させるために操作され
る車幅灯スイッチ76と、車両周辺の照度を検出する照
度センサ78とが接続されている。
【0020】上記コンピュータ70のROMには、(a)
操舵アシスト制御プログラム(図1のフローチャートで
表されるプログラム)と、(b) 車速Vとソレノイドバル
ブ60に供給する電流iの基準値(以下、基準電流とい
う)i0 との間の関係(図3のグラフで表される関係)
を規定する基準電流マップと、(c) ヘッドライトスイッ
チ74および車幅灯スイッチ76の各々のON・OFF
状態と、照度センサ78の出力信号のレベル(低レベ
ル:暗い,中レベル:中間,高レベル:明るいという3
つのレベル)と、基準電流i0 から差し引かれて真の電
流iを算出するために用いられる補正電流i1 (0,小
値,大値の3つの値)との間の関係(図4の表で表され
る関係)を規定する補正電流テーブルとが記憶されてい
る。
【0021】なお、操舵アシスト量プログラムは、概略
的に説明すれば、車両のヘッドライトおよび車幅灯から
成る灯火類の点灯・消灯させるスイッチの操作状態(以
下、単に灯火類の操作状態という)と照度センサ78が
検出する車両周辺の照度との双方から車両周辺の照度を
推定するとともに、その照度が暗いほどドライバの前方
注視距離が短いという事実を利用して、照度が暗いほど
油圧反力作用装置50の作動に基づく油圧反力を増加さ
せ、アシスト量を減少させて操舵フィーリングを重くす
るプログラムである。これの詳細については後に説明す
る。
【0022】また、基準電流マップは図3に示すよう
に、車速Vが高いほど基準電流i0 が小さくなり、油圧
反力が大きくなってアシスト量が多くなる関係を規定す
るものとされている。そのため、低速時および据え切り
時にはアシスト量が多くなって軽快な操舵フィーリング
が実現される一方、中・高速時にはアシスト量が少なく
なって手応えのある操舵フィーリングが実現される。
【0023】車両周辺が明るいときにはドライバは、車
幅灯もヘッドライトも点灯させる必要がないために車幅
灯スイッチ76もヘッドライトスイッチ74もOFF状
態にある。これに対して、車両周辺がやや暗くなればド
ライバは、ヘッドライトは点灯させないが車幅灯は点灯
させるために車幅灯スイッチ76はON状態に操作する
がヘッドライトスイッチ74はOFF状態のままとす
る。そして、車両周辺がさらに暗くなればドライバは、
車幅灯もヘッドライトも点灯させるために車幅灯スイッ
チ76もヘッドライトスイッチ74もON状態に操作す
る。
【0024】そして、本実施例においては、車幅灯スイ
ッチ76もヘッドライトスイッチ74もOFF状態にあ
る場合(図4の表の下段に「車幅灯SWがOFF」で示
す場合)、すなわち、ドライバが車両周辺が明るいと認
識している場合には、照度センサ78の出力信号が中レ
ベルまたは高レベルにあれば補正電流i1 が0、照度セ
ンサ78の出力信号が低レベルにあれば補正電流i1
小値に決定される。
【0025】これに対して、車幅灯スイッチ76はON
状態にあるがヘッドライトスイッチ74はOFF状態に
ある場合(同図の表の中段に「車幅灯SWがON」で示
す場合)、すなわち、ドライバが車両周辺がやや暗いと
認識している場合には、照度センサ78の出力信号が高
レベルにあれば補正電流i1 が0、照度センサ78の出
力信号が中レベルまたは低レベルにあれば補正電流i1
が小値に決定される。
【0026】また、車幅灯スイッチ76もヘッドライト
スイッチ74もON状態にある場合(同図の表の上段に
「ヘッドライトSWがON」で示す場合)、すなわち、
ドライバが車両周辺がかなり暗いと認識している場合に
は、照度センサ78の出力信号が中レベルまたは高レベ
ルにあれば補正電流i1 が小値、照度センサ78の出力
信号が低レベルにあれば補正電流i1 が大値に決定され
る。
【0027】以上要するに、本実施例においては、照度
センサ78が検出する車両周辺の照度が暗いときの方が
明るいときより補正電流i1 が大きくされ、真の電流i
が小さくされ、油圧反力が大きくされ、アシスト量が少
なくされ、操舵反力が大きくされるのである。また、同
図の表から明らかなように、ヘッドライトおよび車幅灯
から成る灯火類全体の操作状態から推定される車両周辺
の照度が暗いときの方が明るいときより補正電流i1
大きくされ、操舵反力が大きくされる。このように、本
実施例においては、車両周辺の照度が暗いほど、すなわ
ち、前方注視距離が短いほど操舵反力が大きくされてド
ライバの操舵に対する車両の応答性が鈍くされ、これに
より、前方注視距離の不足に基づくドライバの操縦し難
さの増加すなわち車両挙動の不安定化傾向が操舵反力の
増加すなわち過剰操舵の抑制により打ち消されて、前方
注視距離の不足時にも車両挙動が安定になり、ドライバ
の操縦し易さが確保されてドライバにかかる負担が軽減
される。
【0028】すなわち、本実施例においては、アシスト
量を通常より少なくして操舵反力を大きくすることが、
本発明における「車両運動特性における操縦応答性に対
する走行安定性の比率を増加させる」ことの一態様であ
り、また、図4の表から明らかなように、本実施例にお
いては、車幅灯スイッチ76がOFF状態にあり、か
つ、照度センサ78の出力信号が中レベルまたは高レベ
ルにあるときか、または、車幅灯スイッチ76がON状
態にあり、かつ、照度センサ78の出力信号が高レベル
にあるときに取ることを予想される前方注視距離の最小
値が本発明における「基準距離」の一態様なのである。
【0029】次にコンピュータ70の作動を図1に基づ
いて詳細に説明する。
【0030】まず、車両のイグニションスイッチがON
状態に操作されてコンピュータ70の電源が投入されれ
ば、まず、ステップS1(以下、単にS1で表す。他の
ステップについても同じ)において初期設定が行われ、
続いて、S2において車速センサ72により車速Vが検
出される。その後、S3において、その車速Vに対応す
る基準電流i0 が図3に示す基準電流マップを用いて決
定される。
【0031】続いて、S4において、ヘッドライトスイ
ッチ74および車幅灯スイッチ76がそれぞれON状態
とOFF状態とのいずれにあるかが検出されるととも
に、照度センサ78の出力信号が低レベル,中レベルお
よび高レベルのいずれにあるかが検出される。その後、
S5において、それら各スイッチ74,76の操作状態
と照度センサ78の出力信号のレベルとに対応する補正
電流i1が図4に示す補正電流テーブルを用いて決定さ
れる。
【0032】続いて、S6において、S3において決定
された基準電流i0から補正電流i1 を差し引くことに
よって真の電流iが決定される。その後、S7におい
て、その真の電流iがソレノイドバルブ60に供給さ
れ、これにより、アシスト量が車両周辺の照度、すなわ
ちドライバの前方注視距離との関係において適正な大き
さとなるようにソレノイドバルブ60が制御される。そ
の後、S2に戻る。
【0033】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ヘッドライトスイッチ74,車幅灯スイッ
チ76および照度センサ78と、コンピュータ70の、
図1のS4を実行する部分とが前方注視距離検出手段を
構成しているのである。また、車速センサ72と、コン
ピュータ70の、同図のS2,S3,S5およびS6を
実行する部分とが、車速Vが小さいときには軽い操舵フ
ィーリング、大きいときには重い操舵フィーリングをそ
れぞれ実現する大きさの電流iを制御特性として決定す
るとともに、車両周辺の照度が明るいときには軽い操舵
フィーリング、暗いときには重い操舵フィーリングをそ
れぞれ実現する大きさの電流iを制御特性として決定す
る形式の制御特性変化手段を構成しているのである。
【0034】なお、本実施例においては、灯火類の操作
状態と照度センサ78の出力信号との双方から車両周辺
の照度が推定されるようになっていたが、これは、灯火
類の操作状態のみから車両周辺の照度を推定する場合に
は、ドライバの灯火スイッチ操作の判断のばらつきや灯
火類の断線等が発生すると車両周辺の照度を正しく推定
することができず、一方、照度センサ78の出力信号の
みから車両周辺の照度を推定する場合には、照度センサ
78の誤作動,断線等が発生すると車両周辺の照度を正
しく推定することができないからである。つまり、本実
施例においては、灯火類の状態と照度センサ78の出力
との双方から車両周辺の照度を推定することにより、そ
の推定精度を向上させるのである。ただし、灯火類の操
作状態と照度センサ78による検出照度との一方のみか
ら車両周辺の照度を推定する態様で本発明を実施するこ
とができるのはもちろんである。
【0035】しかし、上記実施例のように、灯火類の操
作状態と照度センサ78の出力信号との双方から車両周
辺の照度を推定しても、その推定精度を十分には高める
ことができない。灯火類の操作状態はあくまでドライバ
の操作に基づくものであって、灯火類の点灯が不要とな
ったにもかかわらずドライバがそれの消灯のための操作
を忘れることがあるからである。
【0036】このような事情に鑑み、本発明の別の実施
例として、ヘッドライトの消し忘れの有無を判定するこ
とが可能なパワーステアリング装置を説明する。なお、
本実施例は先の実施例と共通する部分が多いため、その
部分については文章による説明および図による説明を省
略する。
【0037】本実施例においては、現時点における灯火
類の操作状態および照度センサ78の出力信号に加え
て、それらの過去の履歴をも勘案してヘッドライトの消
し忘れの有無が判定される。
【0038】具体的には、図5の表で表すように、現
時点より例えば20分前の時点で車両のイグニションス
イッチがON状態にあり、かつ、車幅灯スイッチ76が
OFF状態にあり、かつ、照度センサ78の出力信号が
高レベルにあるという条件、すなわち、車両周辺の照度
が明るい場合に満たされるべき第1の条件が満たされ、
かつ、現時点より例えば10分前の時点でイグニショ
ンスイッチがON状態にあり、かつ、ヘッドライトスイ
ッチ74がON状態にあり、かつ、照度センサ78の出
力信号が低レベルにあるという条件、すなわち、車両が
トンネル内を走行する際に満たされるべき第2の条件が
満たされ、かつ、現時点より例えば5分前の時点から
現時点まで継続して、イグニションスイッチがON状態
にあり、かつ、ヘッドライトスイッチ74がON状態に
あり、かつ、照度センサ78の出力信号が高レベルにあ
るという条件、すなわち、車両がトンネルを通過して車
両周辺の照度が明るいにもかかわらずヘッドライトが点
灯し続けられている場合に満たされるべき第3の条件が
満たされた場合であるか否かが判定され、そうであれば
現在ヘッドライトの消し忘れが発生していると判定され
る。
【0039】そして、この場合には、図4の補正電流テ
ーブルに代えて図6の補正電流テーブルを用いて補正電
流i1 すなわちアシスト量が決定される。図6のテーブ
ルは図4のテーブルに対して、ヘッドライトスイッチ7
4がON状態にあり、かつ、照度センサ78の出力信号
が高レベルにある場合における補正電流i1 のみについ
て異なるものであり、具体的には、その場合における補
正電流i1 が小値から0に変更されている。つまり、そ
の場合には車両周辺の照度が明るいにもかかわらずヘッ
ドライトが点灯させられているのであるから、照度セン
サ78の出力信号が高レベルにある他の場合と同様に補
正電流i1 が0とされ、アシスト量が通常値とされるの
である。
【0040】なお、以上説明した実施例においてはいず
れも、車速Vの大小とは無関係に、車両周辺の照度が暗
いためにドライバの前方注視距離が不足していると推定
される場合には必ず、アシスト量が通常より少なくされ
て操舵フィーリングが重くされるようになっていたが、
前方注視距離の不足が車両の走行安定性に及ぼす影響は
車速Vが大きいほど大きく、低速域では中・高速域ほど
車両の走行安定性を向上させるべく操舵フィーリングを
重くする必要はない。このような事情を勘案すれば、前
記実施例を例えば次のように変更することができる。す
なわち、車速Vが例えば50km/h以下である低速域では
前方注視距離の不足をアシスト量の減少で補うアシスト
量制御を省略し、車速Vが50km/hより大きい中・高速
域ではじめてそのアシスト量制御を行うように変更する
ことができるのである。
【0041】また、以上説明した実施例においてはいず
れも、灯火類の操作状態または照度センサ78の出力信
号の変化により、補正電流i1 が0から大値に、または
大値から0にというように、急激に変化させられる場合
がある。補正電流i1 が0と大値との中間値である小値
を飛び越えて変化させられる場合があるのである。この
ような補正電流i1 の急変を防止することが必要である
場合には、前記実施例を例えば、補正電流i1 の前回値
が0、今回値が大値であるか、または、補正電流i1
前回値が大値、今回値が0であるか否かを判定し、そう
であれば、今回の制御から一定小時間の間、補正電流i
1 の値を強制的に小値に決定するように変更することが
できる。このようにすれば、補正電流i1 がスムーズに
変化させられ、ひいてはアシスト量もスムーズに変化さ
せられることになる。
【0042】また、以上説明した実施例はいずれも、パ
ワーステアリング装置に本発明を適用した場合の一例で
あったが、例えば、前述の、後輪ステアリング制御装
置,駆動力配分制御装置,サスペンション制御装置等に
本発明を適用することもできる。
【0043】以上、本発明のいくつかの実施例を図面に
基づいて詳細に説明したが、これらの他にも、特許請求
の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種
々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することが
できるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパワーステアリング装
置が用いる操舵アシスト制御プログラムを示すフローチ
ャートである。
【図2】上記パワーステアリング装置を示すシステム図
である。
【図3】上記パワーステアリング装置が用いる車速Vと
基準電流i0 との間の関係を示すグラフである。
【図4】上記パワーステアリング装置が用いる灯火類の
状態と照度センサの出力信号と補正電流i1 との間の関
係を示す表である。
【図5】本発明の別の実施例であるパワーステアリング
装置によるヘッドライト消し忘れ判定を説明するための
表である。
【図6】上記パワーステアリング装置が、ヘッドライト
消し忘れが発生したと判定した場合に用いる灯火類の状
態と照度センサの出力信号と補正電流i1 との間の関係
を示す表である。
【符号の説明】
12 ベーンポンプ 14 パワーシリンダ 32 トーションバー 38 ロータリバルブ 40 コントロールバルブ 50 油圧反力作用装置 60 ソレノイドバルブ 70 パワーステアリングコンピュータ 72 車速センサ 74 ヘッドライトスイッチ 76 車幅灯スイッチ 78 照度センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運動を制御し、その制御特性の変
    化により、車両運動特性における車両の操縦応答性と車
    両の走行安定性との比率を変化させる車両運動制御装置
    であって、 ドライバの前方注視距離を検出する前方注視距離検出手
    段と、 検出された前方注視距離が基準距離より短い場合には、
    前記制御特性を、前記操縦応答性に対する前記走行安定
    性の比率が増加する向きに変化させる制御特性変化手段
    とを含むことを特徴とする車両運動制御装置。
JP25466991A 1991-09-05 1991-09-05 車両運動制御装置 Pending JPH0558324A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001151137A (ja) * 1999-11-25 2001-06-05 Mazda Motor Corp 車両用操舵支援装置
JP2011143821A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Toyota Central R&D Labs Inc 操舵装置
JP2011143820A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Toyota Central R&D Labs Inc 操舵装置

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