JPH0555572B2 - - Google Patents
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- JPH0555572B2 JPH0555572B2 JP61020246A JP2024686A JPH0555572B2 JP H0555572 B2 JPH0555572 B2 JP H0555572B2 JP 61020246 A JP61020246 A JP 61020246A JP 2024686 A JP2024686 A JP 2024686A JP H0555572 B2 JPH0555572 B2 JP H0555572B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、自動車の強度部品等に好適な加工性
及び焼付け硬化性に優れた高張力熱延鋼板を極め
て低コストで製造する方法に関するものである。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 高張力熱延鋼板の製造方法としては、Mn、Si
等の添加による固溶強化法や、Nb、Ti、V等を
添加して炭化物又は窒化物を析出せしめる析出強
化法が古くから実用化されてきた。しかし前者で
は原理上或る程度以上の効果は望めないし、後者
では合金元素の固溶限の温度による変化の程度に
よつては効果が得られないという問題点があつ
た。その後特公昭58−27328号や特公昭58−48616
号などにおいて、熱間圧延後の極低温巻取によつ
てフエライト母相中にマルテンサイト相を分散せ
しめた熱延2相組織鋼が、強度−延性バランス
〔引張強さ(TS)と伸び(El)の積TS×El値で
示す〕が良好で且つ降伏比(降伏応力÷引張強
さ)がちいさくて加工性に優れた高張力熱延鋼板
として注目された。しかしこのような熱延2相組
織鋼の製造においては、巻取温度を超低温(350
℃以下)として非常に速い冷却速度で冷却するた
めに巻取温度むらが大きく、この結果として製品
の材質変動が大きいと言う問題点があつた。又、
このような熱延2相組織鋼を製造するにはマルテ
ンサイト相を生成させるために比較的多くの合金
元素を必要とするので、合金元素の増加による資
源消耗及びコストアツプの問題点もあつた。 近年、基本的には固溶強化型の成分系の鋼を急
速冷却し、硬質第2相をパーライトでもマルテン
サイトでもないベイナイト或は擬似パーライトと
いつた低温変態生成相となして強度向上を図つた
高張力熱延鋼板の製造方法が例えば特開昭59−
126719号で提案された。この製造方法は、硬質第
2相をベイナイトとすることによつてマルテンサ
イト相を基本とする上記熱延2相組織鋼の製造方
法に比べて合金元素の一部を節減できる省資源効
果があること、コスト面で有利なこと、巻取温度
が350℃以上であるので冷却制御が容易なこと等
の利点がある。しかしながらこの従来技術には加
工性や焼付け硬化性(塗装時等における焼付けに
より硬度が上昇する性質)については不充分なも
のしか得られないという問題点があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記従来技術の問題点を解決して加
工性と焼付け硬化性に優れた高張力熱延鋼板を低
コストで製造する方法を提供することを目的に鋭
意研究した結果完成されたものである。 すなわち本発明は、C:0.06〜0.16%、Si:
0.30〜1.00%、Mn:0.50〜2.00%、S:0.005%以
下、Al:0.001〜0.1%、N:0.005〜0.015%を含
有し残部がFe及び不可避的な不純物元素により
成る鋼を、Ar3変態点以上で熱間圧延を終了し、
次いで20℃/秒以上の冷却速度で冷却し、350℃
を超え600℃以下の温度で巻き取ることを特徴と
する加工性及び焼付け硬化性に優れた高張力熱延
鋼板の製造方法に関するものである。 〔構成及び作用の詳細な説明〕 本発明方法においては後に説明する特定化学成
分の鋼の連続鋳造スラブ或は分塊スラブを使用す
る。この鋼としてはAlキルド鋼が好ましい。こ
のスラブをホツトストリツプミルで熱間圧延する
に際し、Ar3変態点以上の温度で熱間圧延を終了
させる通常の熱間圧延を行なう。次いで熱間圧延
後のランアウトテーブル上での冷却は、ラミナー
及びスプレー水によつて20℃/秒以上の平均冷却
速度で冷却し、続いて350℃を超え600℃以下の温
度で巻き取るのである。本発明方法は上記工程に
よつて硬質第2相として低温変態相であるベイナ
イト相を生成せしめ、フエライト−ベイナイト組
織によつて強度−延性バランスの良い鋼板を得よ
うとするものである。 本発明方法において使用する特定化学成分組成
の鋼とは、C:0.06〜0.16%(本発明において%
はすべて重量%を指す)、Si:0.03〜1.00%、
Mn:0.50〜2.00%、S:0.005%以下、Al:0.001
〜0.1%、N:0.005〜0.015%を含有し残部がFe及
び不可避的な不純物元素より成る鋼である。 このような化学成分組成に限定した理由を以下
に示す。 Cはベイナイト変態を促進する元素であり、硬
質第2相にベイナイト相を活用しようとする本発
明において重要な元素である。しかし0.16%を超
えるとベイナイト相が過大となつて加工性を害
し、また0.06%未満ではベイナイト相の生成が少
なく、高張力熱延鋼板としての強度が得られな
い。 Siは固溶強化元素でもあると共に、フエライト
中のCを低減させて延性の良い高張力鋼板を得る
ための元素である。しかしSiが1.00%を超えると
熱延鋼板の表面性状が劣化するばかりでなく、ス
ラブの連続鋳造が困難となつて経済的な製造方法
が採用出来なくなる。またSiが0.30%未満では強
度−延性バランスの良いフエライト−ベイナイト
組織が得難い。 Mnは固溶強化元素であると共に、Cと同様に
ベイナイト変態を促進する元素であり、低温変態
相の活用によつて高張力熱延鋼板を得るための基
本的構成元素である。しかし2.00%を超えると熱
延鋼板の溶接割れ感受性が著しく高くなるばかり
でなく、縞状組織が形成されて延性の低下が大き
くなり、0.05%未満ではベイナイト相の生成が困
難となる。 Sは硫化物系介在物による冷間加工性の劣化特
に打抜き穴拡げ加工性の劣化を考慮して0.005%
以下とした。 Alは脱酸材として使用される元素であり、
0.001%未満では製鋼工程で脱酸不足となり、0.1
%を超えると鋼板の表面性状の劣化を招く。な
お、AlはNと結合し易い元素であり、次に示す
Nの効果を持たせるために遊離Nを残すためには
含量が低い方が良いので0.05%以下が特に好まし
い。 Nは焼付け硬化性を持たせるための元素であ
り、0.015%を超えると冷間加工性が損われ、
0.005%未満では充分な焼付け硬化性が得られな
い。 上記の化学成分組織の鋼を熱間圧延終了後の冷
却速度を20℃/秒以上に速めるのは、オーステナ
イト結晶粒の成長を抑制して微細フエライトの生
成を促進せしめ、これによつて強度−延性バラン
スの向上を図るためである。又巻取り温度を600
℃以下の低温とするのは、フエライト結晶の粗大
化を防止すること、硬質第2相を確保すること、
フエライト中にAlNが析出して焼付け硬化性が
低下するのを防ぐこと、更には速い冷却速度と相
俟つて硬質第2相の強度と体積率との向上によつ
て高強度を得ること、のためである。又巻取り温
度を350℃を超えるようにするのは、巻取り温度
が低過ぎると自己焼なまし効果がなく、製品の材
質変動が大きくなるからである。 このようにして得られる熱延鋼板は、成形加工
時において冷延鋼板のようにはストレツチヤー・
ストレインが問題となり難いと同時に焼付け硬化
性に優れるという特長を有する。 本発明方法においてN成分を固定することなく
遊離Nとして上記の範囲に確保することは、巻取
り温度の制御のみで容易に出来る。遊離Nは焼付
け硬化性を持たせ、従つて焼付けによつて硬度は
著しく上昇するが、それと共に衝撃遷移温度が若
干高温側に推移する。しかしながらその程度は僅
かで工業的に問題とならない。 〔実施例、比較例〕 以下に実施例、比較例により本発明を更に具体
的に説明する。 実施例1〜12、比較例1〜19 第1表に示す化学成分組成を有するNo.1〜No.16
の鋼を90トン転炉で溶製し、分魂圧延又は連続鋳
造で厚さ250mmのスラブとし、1230℃で加熱して
粗圧延した後に、第2表に示す製造条件でダンデ
ムミルによる熱間仕上圧延と圧延後の巻取りとを
行なつて、第2表に示す各板厚の熱間圧延鋼板を
製造した。 得られた各鋼板について機械的性質を測定し
た。すなわち、引張試験によつて降伏点、引張強
度(TS)及び伸び(El)を測定し、更に焼付け
硬化性の指標として、試験片に3%の予歪を与え
た後に170℃、30分間加熱したものについて引張
強度の上昇量(これをBHと呼ぶ)を測定した。
なお、鋼板の強度−圧延バランスを示すTS−El
値を併記した。 結果を第2表に示す。
及び焼付け硬化性に優れた高張力熱延鋼板を極め
て低コストで製造する方法に関するものである。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 高張力熱延鋼板の製造方法としては、Mn、Si
等の添加による固溶強化法や、Nb、Ti、V等を
添加して炭化物又は窒化物を析出せしめる析出強
化法が古くから実用化されてきた。しかし前者で
は原理上或る程度以上の効果は望めないし、後者
では合金元素の固溶限の温度による変化の程度に
よつては効果が得られないという問題点があつ
た。その後特公昭58−27328号や特公昭58−48616
号などにおいて、熱間圧延後の極低温巻取によつ
てフエライト母相中にマルテンサイト相を分散せ
しめた熱延2相組織鋼が、強度−延性バランス
〔引張強さ(TS)と伸び(El)の積TS×El値で
示す〕が良好で且つ降伏比(降伏応力÷引張強
さ)がちいさくて加工性に優れた高張力熱延鋼板
として注目された。しかしこのような熱延2相組
織鋼の製造においては、巻取温度を超低温(350
℃以下)として非常に速い冷却速度で冷却するた
めに巻取温度むらが大きく、この結果として製品
の材質変動が大きいと言う問題点があつた。又、
このような熱延2相組織鋼を製造するにはマルテ
ンサイト相を生成させるために比較的多くの合金
元素を必要とするので、合金元素の増加による資
源消耗及びコストアツプの問題点もあつた。 近年、基本的には固溶強化型の成分系の鋼を急
速冷却し、硬質第2相をパーライトでもマルテン
サイトでもないベイナイト或は擬似パーライトと
いつた低温変態生成相となして強度向上を図つた
高張力熱延鋼板の製造方法が例えば特開昭59−
126719号で提案された。この製造方法は、硬質第
2相をベイナイトとすることによつてマルテンサ
イト相を基本とする上記熱延2相組織鋼の製造方
法に比べて合金元素の一部を節減できる省資源効
果があること、コスト面で有利なこと、巻取温度
が350℃以上であるので冷却制御が容易なこと等
の利点がある。しかしながらこの従来技術には加
工性や焼付け硬化性(塗装時等における焼付けに
より硬度が上昇する性質)については不充分なも
のしか得られないという問題点があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記従来技術の問題点を解決して加
工性と焼付け硬化性に優れた高張力熱延鋼板を低
コストで製造する方法を提供することを目的に鋭
意研究した結果完成されたものである。 すなわち本発明は、C:0.06〜0.16%、Si:
0.30〜1.00%、Mn:0.50〜2.00%、S:0.005%以
下、Al:0.001〜0.1%、N:0.005〜0.015%を含
有し残部がFe及び不可避的な不純物元素により
成る鋼を、Ar3変態点以上で熱間圧延を終了し、
次いで20℃/秒以上の冷却速度で冷却し、350℃
を超え600℃以下の温度で巻き取ることを特徴と
する加工性及び焼付け硬化性に優れた高張力熱延
鋼板の製造方法に関するものである。 〔構成及び作用の詳細な説明〕 本発明方法においては後に説明する特定化学成
分の鋼の連続鋳造スラブ或は分塊スラブを使用す
る。この鋼としてはAlキルド鋼が好ましい。こ
のスラブをホツトストリツプミルで熱間圧延する
に際し、Ar3変態点以上の温度で熱間圧延を終了
させる通常の熱間圧延を行なう。次いで熱間圧延
後のランアウトテーブル上での冷却は、ラミナー
及びスプレー水によつて20℃/秒以上の平均冷却
速度で冷却し、続いて350℃を超え600℃以下の温
度で巻き取るのである。本発明方法は上記工程に
よつて硬質第2相として低温変態相であるベイナ
イト相を生成せしめ、フエライト−ベイナイト組
織によつて強度−延性バランスの良い鋼板を得よ
うとするものである。 本発明方法において使用する特定化学成分組成
の鋼とは、C:0.06〜0.16%(本発明において%
はすべて重量%を指す)、Si:0.03〜1.00%、
Mn:0.50〜2.00%、S:0.005%以下、Al:0.001
〜0.1%、N:0.005〜0.015%を含有し残部がFe及
び不可避的な不純物元素より成る鋼である。 このような化学成分組成に限定した理由を以下
に示す。 Cはベイナイト変態を促進する元素であり、硬
質第2相にベイナイト相を活用しようとする本発
明において重要な元素である。しかし0.16%を超
えるとベイナイト相が過大となつて加工性を害
し、また0.06%未満ではベイナイト相の生成が少
なく、高張力熱延鋼板としての強度が得られな
い。 Siは固溶強化元素でもあると共に、フエライト
中のCを低減させて延性の良い高張力鋼板を得る
ための元素である。しかしSiが1.00%を超えると
熱延鋼板の表面性状が劣化するばかりでなく、ス
ラブの連続鋳造が困難となつて経済的な製造方法
が採用出来なくなる。またSiが0.30%未満では強
度−延性バランスの良いフエライト−ベイナイト
組織が得難い。 Mnは固溶強化元素であると共に、Cと同様に
ベイナイト変態を促進する元素であり、低温変態
相の活用によつて高張力熱延鋼板を得るための基
本的構成元素である。しかし2.00%を超えると熱
延鋼板の溶接割れ感受性が著しく高くなるばかり
でなく、縞状組織が形成されて延性の低下が大き
くなり、0.05%未満ではベイナイト相の生成が困
難となる。 Sは硫化物系介在物による冷間加工性の劣化特
に打抜き穴拡げ加工性の劣化を考慮して0.005%
以下とした。 Alは脱酸材として使用される元素であり、
0.001%未満では製鋼工程で脱酸不足となり、0.1
%を超えると鋼板の表面性状の劣化を招く。な
お、AlはNと結合し易い元素であり、次に示す
Nの効果を持たせるために遊離Nを残すためには
含量が低い方が良いので0.05%以下が特に好まし
い。 Nは焼付け硬化性を持たせるための元素であ
り、0.015%を超えると冷間加工性が損われ、
0.005%未満では充分な焼付け硬化性が得られな
い。 上記の化学成分組織の鋼を熱間圧延終了後の冷
却速度を20℃/秒以上に速めるのは、オーステナ
イト結晶粒の成長を抑制して微細フエライトの生
成を促進せしめ、これによつて強度−延性バラン
スの向上を図るためである。又巻取り温度を600
℃以下の低温とするのは、フエライト結晶の粗大
化を防止すること、硬質第2相を確保すること、
フエライト中にAlNが析出して焼付け硬化性が
低下するのを防ぐこと、更には速い冷却速度と相
俟つて硬質第2相の強度と体積率との向上によつ
て高強度を得ること、のためである。又巻取り温
度を350℃を超えるようにするのは、巻取り温度
が低過ぎると自己焼なまし効果がなく、製品の材
質変動が大きくなるからである。 このようにして得られる熱延鋼板は、成形加工
時において冷延鋼板のようにはストレツチヤー・
ストレインが問題となり難いと同時に焼付け硬化
性に優れるという特長を有する。 本発明方法においてN成分を固定することなく
遊離Nとして上記の範囲に確保することは、巻取
り温度の制御のみで容易に出来る。遊離Nは焼付
け硬化性を持たせ、従つて焼付けによつて硬度は
著しく上昇するが、それと共に衝撃遷移温度が若
干高温側に推移する。しかしながらその程度は僅
かで工業的に問題とならない。 〔実施例、比較例〕 以下に実施例、比較例により本発明を更に具体
的に説明する。 実施例1〜12、比較例1〜19 第1表に示す化学成分組成を有するNo.1〜No.16
の鋼を90トン転炉で溶製し、分魂圧延又は連続鋳
造で厚さ250mmのスラブとし、1230℃で加熱して
粗圧延した後に、第2表に示す製造条件でダンデ
ムミルによる熱間仕上圧延と圧延後の巻取りとを
行なつて、第2表に示す各板厚の熱間圧延鋼板を
製造した。 得られた各鋼板について機械的性質を測定し
た。すなわち、引張試験によつて降伏点、引張強
度(TS)及び伸び(El)を測定し、更に焼付け
硬化性の指標として、試験片に3%の予歪を与え
た後に170℃、30分間加熱したものについて引張
強度の上昇量(これをBHと呼ぶ)を測定した。
なお、鋼板の強度−圧延バランスを示すTS−El
値を併記した。 結果を第2表に示す。
【表】
【表】
(注) *印:本発明で規定する範囲内の鋼の
化学成分
**印:本発明で規定する範囲外の鋼の化
学成分
化学成分
**印:本発明で規定する範囲外の鋼の化
学成分
【表】
【表】
第2表の実施例1〜12から、本発明で規定する
化学成分組成の鋼No.1〜No.5を、熱間圧延温度、
冷却速度及び巻取り温度を本発明で規定する範囲
内に制御して得た高張力熱間圧延鋼板は何れも強
度−延性バランスに優れており、更に優れた焼付
け硬化性も付与されていることが判る。 一方、比較例1〜4から、鋼の化学成分組成が
本発明で規定するものであつても、製造条件のう
ちの1以上が本発明の規定範囲外であれば上記実
施例の如き優れた高張力熱間圧延鋼板は得られな
いことが判る。例えば、巻取り温度については、
600℃を超える比較例1では焼付け硬化性を示す
引張強度の上昇量BHが極めて小さくなつてお
り、350℃以下の比較例2では焼付け硬化性は優
れているが、強度−延性バランスが不良となるば
かりでなく、表には表われていないが機械的性質
の変動が増大して商品価値が低下してしまうので
ある。又、冷却速度が20℃/秒未満である比較例
3及び仕上圧延温度がAr3変態点未満の温度であ
る比較例4では、延性は比較的良好であるが、そ
れに相応した強度が得られないために強度−圧延
バランスが劣つている。 又、これらの製造条件がすべて本発明の規定に
適合している場合であつても、熱間圧延の対象と
する鋼の化学成分組成が本発明で規定する範囲外
であるときは、各実施例の如き優れた強度−圧延
バランスと高い焼付け硬化性とを備えた高張力熱
間圧延鋼板の得られないことが他の比較例から判
る。 実施例13、比較例20 第3表に示す化学成分組成の鋼No.17(実施例13
用)及び鋼No.18(比較例20用)を連続鋳造にて厚
さ250mmのスラブとし、1230℃に加熱して粗圧延
を行なつた後に880℃で熱間仕上圧延を行ない、
冷却速度30℃/秒で冷却し、次いで巻取り温度
560℃で巻き取つて、それぞれ板厚4.5mmの熱間圧
延鋼板を製造した。
化学成分組成の鋼No.1〜No.5を、熱間圧延温度、
冷却速度及び巻取り温度を本発明で規定する範囲
内に制御して得た高張力熱間圧延鋼板は何れも強
度−延性バランスに優れており、更に優れた焼付
け硬化性も付与されていることが判る。 一方、比較例1〜4から、鋼の化学成分組成が
本発明で規定するものであつても、製造条件のう
ちの1以上が本発明の規定範囲外であれば上記実
施例の如き優れた高張力熱間圧延鋼板は得られな
いことが判る。例えば、巻取り温度については、
600℃を超える比較例1では焼付け硬化性を示す
引張強度の上昇量BHが極めて小さくなつてお
り、350℃以下の比較例2では焼付け硬化性は優
れているが、強度−延性バランスが不良となるば
かりでなく、表には表われていないが機械的性質
の変動が増大して商品価値が低下してしまうので
ある。又、冷却速度が20℃/秒未満である比較例
3及び仕上圧延温度がAr3変態点未満の温度であ
る比較例4では、延性は比較的良好であるが、そ
れに相応した強度が得られないために強度−圧延
バランスが劣つている。 又、これらの製造条件がすべて本発明の規定に
適合している場合であつても、熱間圧延の対象と
する鋼の化学成分組成が本発明で規定する範囲外
であるときは、各実施例の如き優れた強度−圧延
バランスと高い焼付け硬化性とを備えた高張力熱
間圧延鋼板の得られないことが他の比較例から判
る。 実施例13、比較例20 第3表に示す化学成分組成の鋼No.17(実施例13
用)及び鋼No.18(比較例20用)を連続鋳造にて厚
さ250mmのスラブとし、1230℃に加熱して粗圧延
を行なつた後に880℃で熱間仕上圧延を行ない、
冷却速度30℃/秒で冷却し、次いで巻取り温度
560℃で巻き取つて、それぞれ板厚4.5mmの熱間圧
延鋼板を製造した。
本発明方法によれば、加工性及び焼付け硬化性
に優れた高張力熱延鋼板を容易且つ低コストで製
造することが出来る。板厚が比較的厚くて成形加
工に多大のエネルギーを必要とする高張力熱延鋼
板にとつて、成形加工時に軟らかくそして焼付け
後の使用の段階で高強度を示す性質は非常に重要
な特性であり、本発明が高張力熱延鋼板を必要と
する広い産業分野で省資源、省エネルギーに貢献
するところ大なるものがある。
に優れた高張力熱延鋼板を容易且つ低コストで製
造することが出来る。板厚が比較的厚くて成形加
工に多大のエネルギーを必要とする高張力熱延鋼
板にとつて、成形加工時に軟らかくそして焼付け
後の使用の段階で高強度を示す性質は非常に重要
な特性であり、本発明が高張力熱延鋼板を必要と
する広い産業分野で省資源、省エネルギーに貢献
するところ大なるものがある。
第1図及び第2図はそれぞれ実施例13、比較例
20の衝撃靱性の指標となる衝撃値及び脆性破面率
の温度による変化を示すグラフである。
20の衝撃靱性の指標となる衝撃値及び脆性破面率
の温度による変化を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.06〜0.16%、Si:0.30〜1.00%、Mn:
0.50〜2.00%、S:0.005%以下、Al:0.001〜0.1
%、N:0.005〜0.015%を含有し残部がFe及び不
可避的な不純物元素より成る鋼を、Ar3変態点以
上で熱間圧延を終了し、 次いで20℃/秒以上の冷却速度で冷却し、 350℃を超え600℃以下の温度で巻き取ることを
特徴とする加工性及び焼付け硬化性に優れた高張
力熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2024686A JPS62180021A (ja) | 1986-02-03 | 1986-02-03 | 加工性及び焼付け硬化性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2024686A JPS62180021A (ja) | 1986-02-03 | 1986-02-03 | 加工性及び焼付け硬化性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62180021A JPS62180021A (ja) | 1987-08-07 |
JPH0555572B2 true JPH0555572B2 (ja) | 1993-08-17 |
Family
ID=12021835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2024686A Granted JPS62180021A (ja) | 1986-02-03 | 1986-02-03 | 加工性及び焼付け硬化性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62180021A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0730408B2 (ja) * | 1987-04-02 | 1995-04-05 | 川崎製鉄株式会社 | 常温遅時効で焼付け硬化性を有する熱延薄鋼板の製造方法 |
JP2784207B2 (ja) * | 1989-04-21 | 1998-08-06 | 住友金属工業株式会社 | 加工用熱延鋼板の製造方法及び熱延鋼板の加工熱処理法 |
JPH0747798B2 (ja) * | 1989-11-30 | 1995-05-24 | 新日本製鐵株式会社 | バーリング性と延性の優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
FI114484B (fi) * | 2002-06-19 | 2004-10-29 | Rautaruukki Oyj | Kuumavalssattu nauhateräs ja sen valmistusmenetelmä |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS586936A (ja) * | 1981-07-06 | 1983-01-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 加工用熱延高張力鋼板の製造法 |
JPS59222528A (ja) * | 1983-05-31 | 1984-12-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱延高張力鋼板の製造方法 |
-
1986
- 1986-02-03 JP JP2024686A patent/JPS62180021A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS586936A (ja) * | 1981-07-06 | 1983-01-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 加工用熱延高張力鋼板の製造法 |
JPS59222528A (ja) * | 1983-05-31 | 1984-12-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱延高張力鋼板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62180021A (ja) | 1987-08-07 |
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