JPH0555263B2 - - Google Patents

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JPH0555263B2
JPH0555263B2 JP60046443A JP4644385A JPH0555263B2 JP H0555263 B2 JPH0555263 B2 JP H0555263B2 JP 60046443 A JP60046443 A JP 60046443A JP 4644385 A JP4644385 A JP 4644385A JP H0555263 B2 JPH0555263 B2 JP H0555263B2
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JP
Japan
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displacement
positioning device
fine positioning
rigid body
flexible
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JP60046443A
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JPS61209846A (ja
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Yotaro Hatamura
Kozo Ono
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Priority to US06/824,958 priority patent/US4686440A/en
Priority to EP86200383A priority patent/EP0195479B2/en
Priority to DE3686895T priority patent/DE3686895T3/de
Publication of JPS61209846A publication Critical patent/JPS61209846A/ja
Publication of JPH0555263B2 publication Critical patent/JPH0555263B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23QDETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
    • B23Q1/00Members which are comprised in the general build-up of a form of machine, particularly relatively large fixed members
    • B23Q1/25Movable or adjustable work or tool supports
    • B23Q1/26Movable or adjustable work or tool supports characterised by constructional features relating to the co-operation of relatively movable members; Means for preventing relative movement of such members
    • B23Q1/34Relative movement obtained by use of deformable elements, e.g. piezoelectric, magnetostrictive, elastic or thermally-dilatable elements
    • B23Q1/36Springs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J17/00Joints
    • B25J17/02Wrist joints
    • B25J17/0208Compliance devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Robotics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Machine Tool Units (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 近年、各種技術分野においては、μmオーダー
の微細な変位が可能である装置が要望されてい
る。その典型的な例がLSI(大規模集積回路)、超
LSIの製造工程において使用されるマスクアライ
ナ、電子線描画装置等の半導体製造装置である。
これらの装置においては、μmオーダーの微細な
位置決めが必要であり、位置決めの精度が向上す
るにしたがつてその集積度も増大し、高性能の製
品を製造することができる。このような微細な位
置決めは上記半導体装置に限らず、電子顕微鏡を
はじめとする各種の高倍率光学装置等においても
必要であり、その精度向上により、バイオテクノ
ロジ、宇宙開発等の先端技術においてもそれらの
発展に大きく寄与するものである。
従来、このような微細位置決め装置は、例えば
「機械設計」誌、第27巻第1号(1993年1月号)
の第32頁乃至第36頁に示されるような種々の型の
ものが提案されている。これらのうち、特に面倒
な変位縮小機構が不要であり、かつ、構成が簡単
である点で、平行ばねと微動アクチユエータを用
いた型の微細位置決め装置が最も優れていると考
えられるので、以下、これを図に基づいて説明す
る。
第18図は従来の微細位置決め装置の側面図で
ある。図で、1は支持台、2a,2bは支持台1
上に互いに平行に固定された板状の平行ばね、3
は平行ばね2a,2b上に固定された剛性の高い
微動テーブルである。4は支持台1と微動テーブ
ル3との間に装架された微動アクチユエータであ
る。この微動アクチユエータ4には、圧電素子、
電磁ソレノイド等が用いられ、これを励起するこ
とにより、微動テーブル3に図中に示す座標軸の
x軸方向の力が加えられる。
ここで、平行ばね2a,2bはその構造上、x
軸方向の剛性は低く、これに対してz軸歩行、y
軸方向(紙面に垂直な方向)の剛性が高いので、
微動アクチユエータが励起されると、微動テーブ
ル3はほぼx軸方向にのみ変位し、他方向の変位
は小さく抑えることができる。
しかしながら、微動アクチユエータ4によりx
軸方向に変位した微動テーブル3は、平行ばね2
a,2bがたわむことにより厳密にはz軸方向に
も変位する。これを第19図により説明する。図
で、支持台1、平行ばね2a,2b、微動テーブ
ル3は第18図に示すものと同じである。
微動アクチユエータ1により、微動テーブル3
に矢印で示すx軸方向の力Fが加えられると、平
行ばね2a,2bは変形する。この変形を有限要
素法により解析し、これを図の破線により示す。
図から明らかなように、微動テーブル3は平行ば
ね2a,2bの変形後、x軸方向に移動し、した
がつて、微動テーブル3上の中心点Aおよび端部
Bもそれぞれ点A′,B′に移動する。しかしなが
ら、微動テーブル3には、平行ばね2a,2bに
より反力が作用し、その作用点が平行ばね2a,
2bと微動テーブル3との接続点になる。これに
対し外力Fの作用点が上方にずれているために、
微動テーブル3には、y軸まわりの回転変位δy
が生じ、又z軸方向には平行ばね2a,2bのた
わみによる変位εzが生じていることも又、図から
明らかである。これを実際の数値例で示すと次の
ようになる。即ち、平行ばね2a,2bを、その
板厚0.5mm、高さ20mm、平行ばね間距離50mmとし、
力Fを5Kgとした場合、微動テーブル3の中心点
Aの移動後の点A′は、点Aに対してx軸方向に
9μm変位するとともに、z軸方向にも−0.07μm
変位する。又、移動後の点B′は点Bに対してx
軸方向に9μm変位するとともにz軸方向には
0.04μm変位する。これは、y軸まわりの回転角
に換算して約5μradに相当する。
このように、第18図に示す従来装置では、y
軸まわりの回転変位を生じさせないためには外力
と反力との作用軸を一致させなければならず、ま
たz軸方向の変位が生じ、x軸方向の変位に対し
てこれらの干渉変位を免れることはではない。そ
して、数μmの範囲を0.01μmの精度で抑制しよう
とする微細位置決め装置にあつては、このような
干渉変位は無視できないものであり、まして、後
述する多次元での微細位置決め装置にあつては、
このような干渉変位は致命的な欠陥となるのは明
らかである。
第20図は前述の参考文献に開示された例から
容易に考えられる従来の他の微細位置決め装置の
斜視図である。図で、6は支持台、7a,7bは
支持台6上に互いに平行に固定された板状の平行
ばね、8は平行ばね7a,7bに固定された剛性
の高い中間テーブル、9a,9bは平行ばね7
a,7bと直交する方向において互いに平行に中
間テーブル8に固定された板状の平行ばね、10
は平行ばね9a,9b上に固定された剛性の高い
微動テーブルである。座標軸を図中に示すように
定めると、平行ばね7a,7bはx軸方向に沿つ
て配置され、平行ばね9a,9bはy軸方向に沿
つて配置されている。この構造は、基本的には第
18図に示す1軸(x軸方向の変位を生じる)の
場合の構造を2段に積層した構造である。矢印
Fxは微動テーブル10に加えられるx軸方向の
力、矢印Fyは中間テーブル8に加えられるy軸
方向の力を示し、力Fx,Fyを加えることができ
る図示されていない微動アクチユエータが支持台
6と微動テーブル10、支持台6と中間テーブル
8との間にそれぞれ設けられる。
微動テーブル10に力Fxが加えられると、平
行ばね9a,9bが変形し、一方、平行ばね7
a,7bはx軸方向の力Fxに対しては高い剛性
を有するので、微動テーブル10はほぼx軸方向
にのみ変位する。また、中間テーブル8には力
Fyが加えられると、平行ばね7a,7bが変形
し、微動テーブル10は平行ばね9a,9bを介
してほぼy軸方向にのみ変位する。さらに、両方
の力Fx,Fyが同時に加えられると、各平行ばね
7a,7b,9a,9bは同時に変形し、微動テ
ーブル10はこれに応じて2次元的に変位する。
このように、第20図に示す装置は、第18図
に示す装置が1軸方向のみの位置決め装置である
のに対して2軸方向の位置決めを行なうことがで
きる。
しかしながら、第20図に示す装置が、第18
図に示す装置の説明において述べたと同様に、干
渉変位を生じて誤差を発生するという問題点を含
むのはその構造上明らかであり、さらに、その他
にも次のような問題点を有している。即ち、(1)力
Fxを発生する微動アクチユエータは、微動テー
ブル10と支持台6との間に剛に連結されてい
る。そこで、今、中間テーブル8と支持台との間
に剛に連結された図示されない微動アクチユエー
タにより、中間テーブル8に力Fyを加えると、
微動テーブル10はy軸方向に変位する。この変
位は、微動テーブル10に連結されている微動ア
クチユエータに力Fxとは直角方向の力を作用さ
せることになり、結局、微動アクチユエータ間に
干渉が発生する。この結果、位置決め装置の精度
および耐久性に悪影響を生じるという問題があ
る。(2)前述の現象は同時に微動位置決め装置にお
いて、実際の微動変位を検出しこの検出値に基づ
いて位置決め精度をさらに向上させようとする場
合、検出装置を組み込んだとき、ある方向の変位
が他の方向の変位検出装置に干渉してその検出精
度を低下させてしまうという問題がある。
このように、従来の微細位置決め装置には干渉
変位を生じるという好ましくない問題あるが、そ
のうえ、その位置決めは第20図に示す装置のよ
うに、1次元および2次元の位置決めができるの
みであり、z軸方向の変位εzや、x軸、y軸、z
軸まわりの回転変位δx,δy,δzを与えることが
できるように構成するのは容易ではないという問
題があり、又、そのような微細位置決め装置は実
現されていなかつた。なお、第20図に示す装置
は各軸駆動系が互いに干渉するという現象の説明
を最も簡単な例によつて説明するため2軸の例を
用いたものである。この例だけをみると前述の
(1),(2)の問題は容易に解決できるように見える。
しかし上記のように3軸以上の位置決めにおいて
はこの問題は解決が一挙に困難となる。
〔発明の目的〕
本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、干渉変位の発生を防止することができて
極めて高度な精度を有し、かつ、多軸構成も容易
である微細位置決め装置を提供するにある。
〔発明の概要〕
上記の目的を達成するため、本発明は、互いに
平行なたわみ梁で構成されるたわみ梁群の少なく
とも2つを第1の構造体で面対称に連結し、これ
ら面対称に連結されたたわみ梁群における第1の
構造体の他側を第2の構造体で連結し、第1の構
造体および第2の構造体は前記面に垂直な方向の
力に対して充分な剛性を有するようにし、第1の
構造体と第2の構造体の間に前記各たわみ梁に曲
げ変形を生じる方向の相対変位を発生させる力を
与える第1のアクチユエータを設け、これら平行
なたわみ梁群、第1の構造体、第2の構造体およ
び第1のアクチユエータにより対称形平行たわみ
梁変位機構を構成し、一方、1つの軸に対して放
射状に配置されたたわみ梁で構成されるたわみ梁
群の少くとも2つを第3の構造体で軸対称に連結
し、これら軸対称に連結されたたわみ梁群におけ
る第3の構造体の他側を第4の構造体で連結し、
第3の構造体および第4の構造体は前記軸に垂直
な方向の力に対して充分な剛性を有するように
し、第3の構造体と第4の構造体の間に前記各た
わみ梁に曲げ変形を生じる方向の相対回転変位を
発生させるトルクを与える第2のアクチユエータ
を設け、これら放射状に配置されたたわみ梁群、
第3の構造体、第4の構造体および第2のアクチ
ユエータにより対称形放射たわみ梁変位機構を構
成し、対称形平行たわみ梁変位機構の1つあるい
は2つ以上の組合せ、もしくは対称形放射たわみ
梁変位機構の1つあるいは2つ以上の組合せ、又
は、対称形平行たわみ梁変位機構と対称形放射た
わみ梁変位機構との任意数の組合により微細位置
決め装置を構成したことを特徴とする。
〔発明の実施例〕
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明す
る。
第1図は本発明の第1の実施例に係る微細位置
決め装置の側面図である。図で15a,15b,
15cはそれぞれ図で左、右、中央に存在する剛
体部である。16a,16a′はそれぞれ剛体部1
5a,15cの間にこれらと一体に形成され、か
つ、互いに平行である平板状の平行たわみ梁であ
り、又、16b,16b′はそれぞれ剛体部15
b,15cの間にこれらと一体に形成され、か
つ、互いに平行である平板状の平行たわみ梁であ
る。17a,17bはそれぞれ平行たわみ梁16
a,16a′および平行たわみ梁16b,16b′と
各剛体部とを一体形成するために生じた貫通孔を
示す。18aは剛体部15aから貫通孔17aに
突出する突出部、18c1は剛体部15cから貫通
孔17aに突出する突出部であり、これら突出部
18a,18c1は互いに図の縦方向において、間
隔を有して重なつている。同じく、18bは剛体
部15bから貫通孔17bに突出する突出部、1
8c2は剛体部15cから貫通孔17bに突出する
突出部であり、これら突出部18b,18c1は、
突出部18a,18c1と同様の関係にある。19
aは突出部18aと突出部18c1との間に固定さ
れた圧電素子を積層した圧電アクチユエータ、1
9bは突出部18bと突出部18c2との間に固定
された圧電アクチユエータ19aと同じ圧電アク
チユエータである。圧電アクチユエータ19aは
平行たわみ梁16a,16a′の面に垂直な方向の
力を発生し、それらに曲げ変形を生ぜしめ、又、
圧電アクチユエータ19bは平行たわみ梁16
b,16b′の面に垂直な方向の力を発生し、それ
らに曲げ変形を生ぜしめる。これら圧電アクチユ
エータ19a,19bに発生する力の大きさは、
図示しない装置により、当該圧電アクチユエータ
19a,19bに印加される電圧によつて制御さ
れる。20aは剛体部15a,15bを互いに剛
に連結する他の剛体構造である。21は平行たわ
み梁16a,16a′の歪を検出するストレンゲー
ジであり、平行たわみ梁16a,16a′と剛体部
15a,15cとの連結部分に設けられている。
上記の構成において、剛体部15a,15c、
平行たわみ梁16a,16a′突出部18a,18
c1、圧電アクチユエータ19aにより一方の平行
たわみ梁変位機構22aが構成され、又、剛体部
15b,15c、平行たわみ梁16b,16b′、
突出部18b,18c2、圧電アクチユエータ19
bにより他方の平行たわみ梁変位機構22bが構
成されている。そして、平行たわみ梁変位機構2
2b,22aは、平行たわみ梁16a,16a′,
16b,16′が構成する平面に直行する面に関
して平行たわみ梁変位機構22a,22bと面対
称の関係にある。Kは両平行たわみ梁変位機構2
2a,22bを面対称の関係とする面(基準面)
を示す。このような面対称の関係にある平行たわ
み梁変位機構22a,22bにより、対称形平行
たわみ梁変位機構23が構成される。
なお、基準面K内にあり、各平行たわみ梁に直
角方向の線を基準軸とする。この基準軸は対称形
平行たわみ梁変位機構の位置と設置方向を示すも
のである。
次に、本実施例の動作を第2図を参照しながら
説明する。第2図は第1図に示す対称形平行たわ
み梁変位機構23の変形後の側面図である。ここ
で、座標軸を図示のように定める(y軸は紙面に
垂直な方向)。今、圧電アクチユエータ19a,
19bに電圧を印加して同一大きさのz軸方向の
力fを発生させる。このとき、一方の平行たわみ
梁変位機構、例えば平行たわみ梁変位機構22a
に生じる変位について考える。圧電アクチユエー
タ19aに電圧が印加されることにより、剛体部
15cは力fによりz軸方向に押圧されることに
なる。このため、平行たわみ梁16a,16a′は
第18図に示す平行ばね2a,2bと同じように
曲げ変形を生じ、剛体部15cはz軸方向に変位
する。このとき、仮に他方の平行たわみ梁変位機
構22bが存在しないとすると、剛体部15cに
は第18図に示す場合と同じく、副次的変位(x
軸方向の変位およびy軸まわりの回転変位)をも
同時に生じるはずである。
又、平行たわみ梁変位機構22aが存在しない
場合、他方の平行たわみ梁変位機構22bに生じ
る変位について考えると、平行たわみ梁変位機構
22bは基準面Kに対して平行たわみ梁変位機構
22aと面対称に構成されているところから、基
準面Kに関して面対称な力fを受けると上記と同
様に、剛体部15cにはz軸方向の変位と同時に
副次的変位が生じ、その大きさや方向は、平行た
わみ梁変位機構22aのそれと基準面Kに関して
面対称となる。すなわち、副次的変位についてみ
ると、平行たわみ梁変位機構22aに生じる副次
的変位は、x軸方向の変位については図で左向
き、y軸まわりの回転変位については図で反時計
方向に生じ、一方、平行たわみ梁変位機構22b
に生じる副次的変位は、x軸方向変位については
図で右向き、y軸まわりの回転変位については図
で時計方向に生じる。そして、それら各z軸方向
変位の大きさおよびy軸まわりの回転変位の大き
さは等しい。したがつて、両者に生じる副次的変
位は互いにキヤンセルされる。この結果、力fが
加わつたことにより、各平行たわみ梁16a,1
6a′,16b,16b′にその長手方向の伸びによ
る僅かな内部応力の増大が生じるだけで、剛体部
15cはz軸方向のみの変位(主変位)εを生じ
る。
又、上記のように、平行たわみ梁16a,16
a′が伸長してたわむと、ストレンゲージ21のそ
れぞれには、その配置位置により圧縮歪および伸
長歪を生じる。そこで、この歪をストレンゲージ
21で検出し、この検出値に基づき圧電アクチユ
エータ19a,19bの印加電圧を抑制する、い
わゆるフイードバツク制御系を構成すれば、より
一層正確な主変位εを得ることができる、即ち、
上記各ストレンゲージ21をブリツジ回路等適宜
の電気回路に組み込んで検出した歪を電気信号と
して取り出し(主変位εは歪と正確に比例する)、
これを比較演算部において目標変位に相当する信
号と比較して両者の差信号を算出し、この差信号
に基づいて当該信号が0になるように圧電アクチ
ユエータ19a,19bを制御すればよい。この
ように、検出値を目標値と比較し、その差が0に
なるように制御するフイードバツク制御系は周知
であり、本実施例ではこの周知のフイードバツク
制御系をそのまま適用するだけであるので、フイ
ードバツク制御系における検出部であるストレン
ゲージ21のみを示し、他の構成の図示およびそ
の詳細な説明は省略する。なお、ストレンゲージ
21による歪の検出を、平行たわみ梁16,16
a′の剛体部15a,15cとの連結部分にストレ
ンゲージ21を設けて行なう例を用いて説明した
が、もう一方の平行たわみ梁変位機構22bのた
わみ梁16b,16b′にストレンゲージを設けて
もよいし、さらには双方の所定位置に設けてもよ
いことは自明である。以下の実施例でもこの関係
は全く同一である。
圧電アクチユエータ19a,19bに印加され
ている電圧が除かれると、各平行たわみ梁16
a,16a′,16b,16b′は変形前の状態に復
帰し、対称形平行たわみ梁変位機構23は第1図
示す状態に戻り、変位εは0となる。
以上、本実施例の構成および動作について説明
した。そして、この説明においては、剛体部15
a,15b,15c,20は本来の意味での剛
体、即ち、あらゆる種類の荷重(あらゆる方向の
力やあらゆる方向の軸まわりのトルク)に対して
全て剛性が大である物体と考えて説明した。剛体
部15a,15b,15c,20はこのような本
来の意味での剛体であることが最も望ましい。し
かしながら、これら各剛体部は必ずしもこのよう
な剛体である必要はない。その理由を以下に述べ
る。
本実施例の対称形平行たわみ梁変位機構23に
おいて、第2図に示すように剛体部15cが左右
方向へ移動する副次的変位を互いにキヤンセルす
るためには、一見して判るように、各平行たわみ
梁16a,16a′,16b,16b′は僅かながら
伸びる必要がある。したがつて、剛体部15a,
15b,15c,20には基準面Kに垂直な方向
の力が作用する。この力に対して仮に上記各剛体
部が1つでも変形すればz軸方向以外の副次的変
位が生じない精度の高い変位を行なうことはでき
ない。逆に、上記方向の力に対して高い剛性を有
してさえいれば第2図に示す変形を得、z軸方向
のみの高精度変位εを得ることができるというこ
とになる。そこで、本実施例における各剛体部は
「全ての荷重に対して剛であることが理想である
が、そうでないとしても少なくとも基準面Kに垂
直な方向の力に対して剛である」ことが必要であ
る。以下、後述する対称形平行たわみ梁変位機構
を用いた各実施例における剛体部についても同様
である。
このように、本実施例では、基準面に面対称に
平行たわみ梁構造を配置したので、干渉変位をキ
ヤンセルすることができ、位置決めの精度を飛躍
的に向上せしめることができ、又、このため、後
述する多軸に積層した対称形のたわみ梁変位機構
を容易に構成することができる。さらに、力を発
生させる圧電アクチユエータを各平行たわみ梁変
位機構の剛体部と平行たわみ梁で形成される領域
内に収容する構成としたので、外部へ突出する部
分がなく単純な形状の構成することができる。こ
の特徴は圧電アクチユエータが発した力の流れが
各平行たわみ梁の極く近傍を通ることになる。即
ち、アクチユエータ19および19aが発した力
の流れは剛体部15a,15b、たわみ梁16
a,16a′,16,16b′および剛体部15cの
中で反力と均衡し、剛体部20には影響を及ぼさ
ないために、このような装置を積層する際に従来
例で述べたアクチユエータが干渉する問題点を解
決していることにもなるので、前述した多軸に積
層した対称形のたわみ梁変位機構をより一層容易
に構成することができる。さらに多軸に積層した
場合に全く他の軸の影響を受けない部分である平
行たわみ梁の歪によつて多軸位置決め機構の各軸
の出力変位を正確に検出することができ、この検
出値に基づいて圧電アクチユエータに発生させる
力を制御するようにしたので、上記対称形平行た
わみ梁変位機構自体が有する干渉変位排除の効果
と相俟つて、多軸積層体による位置決め精度をよ
り一層向上させることができる。
第3図は本発明の第2の実施例に係る微細位置
決め装置の側面図である。図で、25a,25
b,25cはそれぞれ図で、左、右、中央に存在
する剛体部である。26a,26a′はそれぞれ剛
体部25a,25cの間にこれらと一体に形成さ
れ、かつ定点Oより放射状に配置された平板状の
放射たわみ梁であり、又、26b,26′はそれ
ぞれ剛体部25b,25cの間にこれらと一体に
形成され、かつ、定点Oより放射状に配置された
平板状の放射たわみ梁である。27a,27bは
それぞれ放射たわみ梁26a,26a′および放射
たわみ梁26b,26b′と各剛体部とを一体形成
するために生じた貫通孔である。28aは剛体部
25aから貫通孔27aに突出する突出部、28
c1は剛体部25cから貫通孔27aに突出する突
出部であり、これら突出部28a,28c1は互い
に図の縦方向において間隔を有して重なつてい
る。同じく28bは剛体部25bから貫通孔27
bに突出する突出部、28c2は剛体部25cから
貫通孔27bに突出する突出部であり、これら突
出部28b,28c2は突出部28a,28c1と同
様の関係にある。29aは突出部28aと突出部
28c1との間に固定された圧電アクチユエータ、
29bは突出部28bと突出部28c2との間に固
定された圧電アクチユエータである。圧電アクチ
ユエータ29a,29bは、点Oを中心として圧
電アクチユエータ29a,29bを通る円を描い
た場合、その円の接線方向の力f(点Oに関する
トルクに相当する)を発生し各放射たわみ梁に曲
げ変形を生ぜしめる。これら力の大きさは、圧電
アクチユエータ29a,29bに印加される電圧
によつて制御される。
30は剛体部25a,25bを互いに剛に連結
する剛体構造を示す。31は放射たわみ梁26
a,26a′の歪を検出するストレーンゲージであ
り、放射たわみ梁26a,26a′と剛体部25
a,25cとの連結部分に設けられている。
上記の構成において、剛体部25a,25c、
放射たわみ梁26a,26a′、突出部28a,2
8c1、圧電アクチユエータ29aにより一方の放
射たわみ梁変位機構32aが構成され、又、剛体
部25b,25c、放射たわみ梁26b,26
b′、突出部28b,28c2、圧電アクチユエータ
29bにより他方の放射たわみ梁変位機構32b
が構成されている。そして、放射たわみ梁変位機
構32b,32aは、放射たわみ梁26a,26
a′,26b,26b′が構成する平面が交わる直線
に関して放射たわみ梁変位機構32a,32bと
軸対称の関係にある。この直線は、本実施例では
点Oを通る紙面に垂直な線である。このような線
対称の関係にある放射たわみ梁変位機構32a,
32bにより対称形放射たわみ梁変位機構33が
構成される。前記直線はこの対称形放射たわみ梁
変位機構33の位置と設置方向を示す基準軸にも
なつている。
次に、本実施例の動作を第4図および第5図を
参照しながら説明する。第4図は第3図に示す対
称形放射たわみ梁変位機構の変形後の側面図であ
る。今、圧電アクチユエータ29a,29bに電
圧を印加して同一の大きさの上記接線方向の力f
を発生させる。そうすると、突出部28c1は圧電
アクチユエータ29aに発生した力により上記接
線に沿つて上向きに押され、突出部28c2は圧電
アクチユエータ29bに発生した力により上記接
線に沿つて下向きに押される。剛体部25cは両
剛体部25a,25bに放射たわみ梁26a,2
6a′,26b,26b′で連結された形となつてい
るので、上記の力を受けた結果、放射たわみ梁2
6a,26a′,26b,26b′の剛体部25a,
25bに連結されている部分に点Oから放射状に
延びる直線L1,L2と、剛体部25cに連結され
ている部分に点Oから放射状に延びる直線L1′,
L2′とが僅かにずれる微小変位を生じる。このた
め、剛体部25cは図で時計方向に微小角度δだ
け回動する。この回転変位δの大きさは、放射た
わみ梁26a,26a′,26b,26b′の曲げに
対する剛性により定まるので、力fを正確に制御
すれば、回転変位δもそれと同じ精度で制御でき
ることになる。従来、微動テーブルを平行移動さ
せる装置は第18図、第20図に示すように種々
提案されていたが、回転移動に関して同図に示し
たような簡単な構造であるにもかかわらず良い特
徴を備えた装置は未だ提案されていなかつた。本
実施例では、回転移動に関しても第1の実施例と
同等の種々の特徴を備えたものを実現し、回転変
位による微調整を可能とするものである。
ところで、本実施例の対称形放射たわみ梁変位
機構でも、さきの実施例の対称形平行たわみ梁変
位機構における単体の平行たわみ梁変位機構と同
じように、単体の放射たわみ梁変位機構32aの
みの回転変位が考えられる。そこで、この単体の
放射たわみ梁変位機構32aの圧電アクチユエー
タ29aに電圧を印加するとこの圧電アクチユエ
ータ29aは上記接線方向に沿う上向きの力を発
生し、放射たわみ梁26a,26a′がたわみ、剛
体部25cは点Oを中心に回動する。この変形状
態を第5図の破線で示す。第5図では突出部27
a,28a、圧電アクチユエータ29a,および
剛体部25aの全体構造の図示は省略され、か
つ、その変形は誇張して描かれている。図から明
らかなように、単体の放射たわみ梁変位機構32
aでも回転変位位置決め装置を得ることができる
が、この場合、剛体部25cの点Oは点O′にず
れるという副次的変位を免れることはではない。
しかしながら単体の放射たわみ梁変位機構32a
が圧電アクチユエータ29aにより力fを受けて
放射たわみ梁26a,26a′に曲げ変形を生じる
と、剛体部25cは点Oを通る基準軸まわりに回
転するが、それと同時に第5図のような副次的変
位をも生じる。ところが、基準軸に関してそれと
軸対称な位置にあるもう1つの単体の放射たわみ
梁変位機構32bに基準軸に関して軸対称な方向
に力fを作用させた場合の変位は、やはりO点ま
わりの回転変位が主変位としては出るものの、そ
のとき生じる、副次的変位は前述の副次的変位と
基準軸に関して軸対称となつている。したがつ
て、放射たわみ梁変位機構32aにおける上記副
次的変位は放射たわみ梁変位機構32bに生じる
大きさが等しく方向が反対の副次的変位とキヤン
セルされ、対称形放射たわみ梁変位機構33では
当該副次的変位は現われない。このため、対称形
放射たわみ梁変位機構33は単体の放射たわみ梁
変位機構に比較し、より正確な回転変位δを得る
ことができる。
なお、ストレンゲージ31を用いるフイードバ
ツク制御系による回転変位δの制御は、さきの実
施例に準じて実施される。この場合においても、
スレンゲージ31が放射たわみ梁26a,26
a′と剛体部25a,25cとの連結部分に設けら
れることにより放射たわみ梁変位機構を多軸に組
み合わせた場合に、互いに他からの影響を受けな
い形で正確な歪の検出が可能であることはさきの
実施例と同じである。
なお、又上記第2の実施例の説明では、放射た
わみ梁変位機構が左右対称に2組設けられている
対称形放射たわみ梁変位機構について説明した
が、必ずしもこのような左右対称形の配置に限る
ことはなく、基準軸に対して軸対称になつている
ことが本質的に必要な条件であり、左右対称形で
はなくても同様の機能を発揮することは上記の説
明から自明であろう。
圧電アクチユエータ29a,29bに印加され
ている電圧が除かれると、各放射たわみ梁26
a,26a′,26b,26′は変形前の状態に復
帰し、対称形放射たわみ梁変位機構33は第3図
に示す状態に戻り、回転変位δは0になる。
ここで、本実施例の剛体部25a,25b,2
5c,30もさきの実施例の各剛体部に準ずるも
のである。即ち、第4図に示すようにたわみ梁の
縮小方向への副次的変位を互いにキヤンセルする
ような変形を生ぜしめるためには、各放射たわみ
梁26a,26a′,26b,26b′は僅かに伸び
る必要があるため、各剛体部には基準軸に垂直な
放射状の力(内部応力)が作用する。この力に対
して仮に各剛体部が1つでも変形すれば精度の高
い回転変位を得ることはできない。そこで、本実
施例における各剛体部は「全ての荷重成分に対し
て剛であることが理想であるが、そうでないとし
ても少なくとも基準軸に垂直な放射状に作用する
力に対して剛である」ことが必要である。以下、
後述する対称形放射たわみ梁変位機構を用いた各
実施例における剛体部についても同様である。
このように、本実施例では、基準軸に軸対称に
放射たわみ梁変位機構を配置したので、従来得ら
れなかつた回転変位を精度良く得ることができ
る。又、このため、後述する多軸に積層した対称
形のたわみ梁変位機構を容易に構成することがで
きる。さらに力を発生させる圧電アクチユエータ
を各放射たわみ梁変位機構の剛体部と放射たわみ
梁で形成される領域内に収容する構成としたの
で、外部へ突出する部分がなく単純な形状の構成
とすることができる。この特徴は圧電アクチユエ
ータが発した力の流れが各放射たわみ梁変位機構
の極く近傍を通ることになるために、このような
装置を積層する際に、従来例で述べたアクチユエ
ータどうしが干渉する問題を解決していることに
もなるので、前述した多軸に積層した対称形のた
わみ梁変位機構をより一層容易に構成することが
できる。さらに、多軸に積層した場合に全く他の
軸の影響を受けない部分である放射たわみ梁の歪
によつて出力変位を正確に検出し、この検出値に
基づいて圧電アクチユエータに発生させる力を制
御するようにしたので、上記対称形放射たわみ梁
構造自体が有する干渉変位排除の効果と相俟つ
て、多軸積層体による位置決め精度をより一層向
上させることができる。
第6図は本発明の第3の実施例に係る微細位置
決め装置の側面図である。図で、第3図に示す部
分と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。第3図に示す実施例が回転変位を発生させる
駆動機構として接線方向の力を生じる圧電アクチ
ユエータを用いたのに対して、本実施例では永久
磁石と電磁石との相互作用により基準軸を中心と
するトルクを発生するトルク発生機構を用いるも
のである。35は第3図に示す剛体部25cに相
当する剛体部、36は剛体部35の一方の側面に
形成された切欠き、36aは切欠き36の中央部
において基準軸を中心とする円弧状の膨大部であ
る。37a,37bはそれぞれ剛体部25a,2
5bから切欠き36内に突出する支持体である。
38はトルク発生機構を示し、励磁部38aおよ
び円筒体38bより成る。励磁部38aは切欠き
36の膨大部36aの円弧に沿つて剛体部35の
所定位置に1個又は複数個配置された励磁巻線
(図示されていない)で構成されている。又、円
筒体38bはその内部における前記膨大部36a
に面した部分に、励磁部38aに配置された励磁
巻線と所定の位置関係をもつて配置された1個又
は複数個の永久磁石(図示されていない)を有す
る。39は対称形放射たわみ梁変位機構を示す。
励磁部38aにおける励磁巻線に所定の電流が
供給されると、励磁部38aに円筒体38bに配
置された永久磁石との間に、供給電流に応じた吸
引力又は反撥力によるトルクが発生する。これに
より、剛体部35は基準軸を中心に回動し、各放
射たわみ梁26a,26a′,26b,26b′は第
3図示す対称形放射たわみ梁変位機構における理
由と同一理由により第4図に示すような変形を生
じる。即ち、剛体部35は剛体部25a,25b
に対して回転変位を発生する。
なお、切欠きに代えて貫通孔を形成し、又、側
方からこれに直交する貫通孔を形成し、各貫通孔
の直交部分にトルク発生機構を設けてもよい。さ
らに、トルク発生機構は永久磁石と電磁石の組合
わせたものに限ることはなく、電磁石と電磁石の
組合わせその他適宜の非接触のトルク発生機構を
用いることができる。又、剛体部については第2
の実施例の剛体部と同じである。
このように、本実施例では、対称形放射たわみ
梁変位機構として中央の剛体部の中心部分にトル
ク発生機構を設けたので、第2の実施例と同じ効
果を奏する。
以上、対称形平行たわみ梁変位機構および対称
形放射たわみ梁変位機構の機能について詳述した
が、これらは3つの座標軸x,y,zのうちの1
つの座標軸方向の変位および1つの座標軸まわり
の回転変位を発生する装置である。そして、対称
形平行たわみ梁変位機構をその基準軸が一致もし
くは平行でない形で複数組み合わせれば2つ又は
3つの座標軸方向の微細位置決めを1つの装置で
行なうことができ、又、対称形放射たわみ梁変位
機構をその基準軸が一致もしくは平行でない形で
複数組み合わせれば2つ又は3つの座標軸まわり
の回転変位に関する微細位置決めを1つの装置で
行なうことができ、さらに、対称形平行たわみ梁
変位機構と対称形放射たわみ梁変位機構とをそれ
ぞれ適宜組み合わせれば1つ乃至3つの座標軸に
ついての変位および回転変位に関する微細位置決
めを1つの装置で行なうことができるのは明らか
である。
ところで、このような組み合わせを考える場
合、従来の装置においては、1つの装置により第
20図に示すように2つの座標軸についての変位
を得るのが限度であり、それ以上の組み合わせは
困難であつて、仮に考え得ることができても複雑
な構造となり実用に敵さなくなる。又、第18図
に示す構造に匹敵するような簡単な回転変位を得
る装置は提案されていない。これに対して、本実
施例の対称形平行たわみ梁変位機構および対称形
放射たわみ梁変位機構を用いれば、さきに述べた
ように上記の組み合わせを容易に実施することが
でき、加うるに各軸の対称形平行たわみ梁変位機
構、対称形放射たわみ梁変位機構相互間の変位、
回転変位に干渉を生じないという大きな特徴を備
えることができる。
以下、上記組み合わせ構造の実施例について説
明するが、第1図および第3図に示す各平行たわ
み梁、放射たわみ梁、各剛体部から突出する突出
部、およびこれら突出部間に固定される圧電アク
チユエータについては、これを1つの駆動部とし
て考える方が煩らわしくなく理解が容易に思われ
る。そこで、以下の実施例においては、対称形平
行たわみ梁変位機構の上記駆動部を直線駆動部5
0と称し、これにその直線駆動部50による変位
の方向の座標軸の符号を付することにし、又、対
称形放射たわみ梁変位機構の上記駆動部を回転駆
動部60と称し、これにその回転駆動部60によ
る回転変位の回転軸となる座標軸の符号を付する
ことにする。さらに、直線駆動部50および回転
駆動部60の図示も上記の考えにしたがつて略記
することとし、この略記を第7図a,bに示すよ
うに、ほぼS字形、又はほぼ逆S字形とする。な
お、このS字形又は逆S字形は関連する剛体部の
突出部の突出方向と合致する形とされている。以
下に上記組合わせの実施例を説明する。
第8図は本発明の第4の実施例に係る微細位置
決め装置の一部破断斜視図である。本実施例の装
置は座標軸を図示のように設定したとき3軸x,
y,zの変位を発生する装置である。図で70は
十文字状に形成された剛体の十文字状柱体、71
は十文字状柱体70に連結された剛体部、72は
十文字柱体70に連結された剛体部であり、これ
らは1つの剛体ブロツクから一体に形成されてい
る。
73は十文字状柱体70を構成する第1の柱
体、74は十文字状体70を構成する第2の柱体
であり、第1の柱体73と第2の柱体74とは互
いに直交している。第1の柱体73は剛体部73
a1,73a2,73b1,73b2,70cおよび直線
駆動部50x,50zより成り、2つの対称形平
行たわみ梁変位機構を含む。第2の柱体74は剛
体部74a,74b,70cおよび直線駆動部5
0yより成り、1つの対称形平行たわみ梁変位機
構が構成される。剛体部70cは両柱体73,7
4が共有する中央の剛体部である。剛体部71は
第1の柱体73の両端の剛体部73a1,73b1
連結され(第2の柱体74とは切り離されてい
る)、剛体部72は第2の柱体74の両端の剛体
部74a,74bに連結されている(第1の柱体
73とは切離されている)。第1の柱状体73に
おいて、対称形平行たわみ梁変位機構を構成する
直線駆動部50zは、一方が剛体部73a1,73
a2間に形成され、他方が剛体部73b1,73b2
に形成されている。又、直線駆動部50xは一方
が剛体部73a2,70c間に形成され、他方が剛
体部73b2,70c間に形成されている。さら
に、第2の柱体74において、対称形平行たわみ
梁変位機構を構成する直線駆動部50yは、一方
が剛体部74a,70c間に、他方が剛体部74
b,70c間に形成されている。
十文字状柱体70内に構成される対称形平行たわ
み梁変位機構の基準軸はすべて 中央の剛体部7
0cの中心を通る。直線駆動部50xで構成され
る対称形平行たわみ梁変位機構の基準軸はx軸と
一致し、直線駆動部50yで構成される対称形平
行たわみ梁変位機構の基準軸はy軸と一致し、直
線駆動部50zで構成される対称形平行たわみ梁
変位機構の基準軸はz軸と一致する。結局、十文
字状柱体70内に構成される3つの対称形平行た
わみ梁変位機構の基準軸はそれぞれ互いに直交し
ていることになる。
なお、対になつている直線駆動部50x,50
y,50zの平行たわみ梁には、第1図に示すよ
うにストレンゲージが配置されているが、図面中
にこれらを記入すると図が見難くなるので、その
記入は省略する(以下の実施例においても同じ)。
次に、本実施例の動作を説明する。まず、2つ
の直線駆動部50zを駆動(圧電アクチユエータ
に電圧を印加)した場合を考える。この場合、第
1図に示す実施例の説明で述べたように、剛体部
73a1,73a2の間、および剛体部73b1,73
b2の間にそれぞれ相対変位εzが生じる。ここで、
剛体部73a1,73b1は剛体部71と一体構成で
あり、又、剛体部73a2,73b2はz軸方向の力
には充分に剛性が高い各直線駆動部50x、中央
の剛体部70c,z軸方向の力には充分に剛性の
高い各直線駆動部50y、剛体部74a,74b
を介して剛体部72に連結されている。即ち、z
軸方向の力についてみると、直線駆動部50zの
一方側の剛体部73a1,73b1は剛体部71に剛
に連結され、又、他方側の剛体部73a2,73b2
は剛体部72に剛に連結されていることになる。
したがつて、直線駆動部50zを駆動すると、剛
体部71と剛体部72との間には、z軸方向の相
対変位εzが与えられることになる。
同様に、直線駆動部50xを駆動すると、その
一方側の剛体部73a2は、x軸方向の力には充分
に剛性の高い直線駆動部50z、剛体部73a1
73b1を介して剛体部71に剛に連結され、又、
他方側の剛体部70cは、x軸方向の力には充分
に剛性の高い直線駆動部50y、剛体部74a,
74bを介して剛体部72に剛に連結されている
ので、結局、剛体部71と剛体部72との間に
は、x軸方向の相対変位εxが与えられることに
なる。
さらに、直線駆動部50yを駆動すると、その
一方側の剛体部70cは、y軸方向の力には充分
に剛性の高い直線駆動部50x、剛体部73a2
73b2,y軸方向の力には充分に剛性の高い直線
駆動部50z、剛体部73a1,73b1を介して剛
体部71に剛に連結され、又、他方側の剛体部7
4a,74bは剛体部72に連結されているの
で、結局、剛体部71と剛体部72との間には、
y軸方向の相対変位εyが与えられる。
そこで、例えば、剛体部72を第18図に示す
支持台又は、本実施例を適用する微動装置より大
きな範囲を低い精度で位置決めする装置を構成す
る粗動テーブル等に固定し、剛体部71に微動テ
ーブルを固定すると、3次元の微細位置決め機構
が構成されることになる。
第1の実施例の説明からも判るように、直線駆
動部で発生した力の流れは、その極く近傍を通る
のみで、他の対称形平行たわみ梁変位機構を通ら
ない形態となつている。したがつて、本来、各軸
方向の変位は他へ影響を及ぼすことなく独立して
発生させることができるという特徴をもつてい
る。しかしながら、微動テーブル上に仮に重いも
のを載せたり、微動に際して抵抗力を生じる特殊
な場合においても、上記の動作の説明から明らか
なように、各対称形平行たわみ梁構造はその基準
軸が互いに直交するように配置されており、各対
称形平行たわみ梁構造の直線駆動部の平行たわみ
梁が他軸方向の力に対して、充分に高い剛性を有
していることから、各軸方向の変位は他への影響
を及ぼすことなく独立して発生することができ、
又、その精度は極めて高い。さらに、同様の理由
により、図示しないストレンゲージによる各駆動
部の歪の検出も他軸の影響を受けないため変位機
構の出力変位の検出精度が極めて高くなる。
このように、本実施例では、3つの対称形平行
たわみ梁変位機構を、それらの基準軸が互いに直
交するようにして十文字柱体に構成配置したの
で、精度の良い3次元の微細位置決めを行なうこ
とができ、又、互いに他の軸への干渉がないため
装置を容易に構成することかできる。さらに、ス
トレンゲージによつて変位機構の出力変位が得ら
れるので、フイードバツク制御によつて各軸の位
置決めの精度をさらに向上させることも可能にな
る。さらに又、直線駆動部が対称形平行たわみ梁
変位機構内に組み込まれて突出する部分がないの
で、十文字状柱体による3次元の微細位置決め機
構を非常にコンパクトな形で容易に構成すること
ができる。又、本実施例の装置は、円柱状の剛体
ブロツクを素材として機械加工だけで一体物とし
て製作できるので、加工コストおよび部品点数の
低減、小型化、ガタや摺動部がないことによる直
線性の向上、ヒステリシスの排除等が可能とな
る。
第9図a,bは本発明の第5の実施例に係る微
細位置決め装置の平面図および側面図である。本
実施例の装置は座標軸を図示のように設定したと
き、2軸(y軸、z軸)の回転変位を発生する装
置である。図で、75a,75bは剛体部、76
a,76bは厚みの小さい剛体部、75cは中央
の剛体部である。剛体部75c,76a間、およ
び剛体部75c,76b間にはそれぞれ回転駆動
部60zが連結され、又、剛体部76a,75a
間、および剛体部76b,75b間にはそれぞれ
回転駆動部60yが連結されている。剛体部75
a,75bの他端はそれぞれ互いに図示しない剛
体構造によつて連結されている。各剛体部75
a,75b,75c,76a,76bおよび各回
転駆動部60y,60zは1つの剛体ブロツクか
ら一体に形成されている。
各回転駆動部60zの各放射たわみ梁の中心を
通つて伸びる線L1,L2は剛体部75cの点Oを
紙面に垂直に通る回転駆動部60zの基準軸上に
おいて角度θ2で交わる。又、各回転駆動部60y
の各放射たわみ梁の中心を通つて伸びる線L3
L4は回転駆動部60yの基準軸上において角度θ1
で交わる。したがつて、本実施例の装置は、y軸
まわりの回転変位を生じる対称形放射たわみ梁変
位機構と、z軸まわりの回転変位を生じる対称形
たわみ梁変位機構とを一体に組合せた装置とな
る。
次に、本実施例の動作を説明する。2つの回転
駆動部60zを駆動すると、第3図に示す実施例
の説明で述べたように、剛体部75cの剛体部7
6a,76bに対するz軸まわりの相対的回転変
位δzが発生する。ここで、剛体部76a,76b
はその厚みが薄くても、それにすぐ隣接する回転
駆動部60yがz軸まわりのトルクに対しては充
分に高い剛性を有するためにz軸まわりのトルク
に対して充分に高い剛性を有する。即ち、z軸ま
わりのトルクについてみると、回転駆動部60z
の一方側(剛体部75cの反対側)は薄い剛体部
76a,76bおよび回転駆動部60yが介在し
ているにもかかわらず、剛体部75a,75bと
剛に連結されていることになる。したがつて、回
転駆動部60zが駆動されると、中央の剛体部7
5cと剛体部75a,75b間にz軸まわりの相
対回転変位δzが与えられることになる。
同様に、回転駆動部60yが駆動されると、剛
体部76a,76bに対して充分に高い剛性を有
することから回転駆動部60yと中央の剛体部7
5cとが剛に連結されていることになるので、中
央の剛体部75cと剛体部75a,75b間にy
軸まわりの相対回転変位δyが与えられることに
なる。
ところで、第2の実施例の説明からも判るよう
に、回転駆動部においてトルクを発生するために
作用した力の流れは、その極く近傍を通るのみ
で、他の対称形放射たわみ梁変位機構を通らない
形態となつている。したがつて、第4の実施例の
ものと同じく各軸まわりの変化は他へ影響を及ぼ
すことなく独立して発生させることができるとい
う特徴があり、又、微動テーブル上に重いものが
載つていたり、微動時に抵抗力を生じる特殊な場
合においても上記の動作の説明から明らかなよう
に、各対称形放射たわみ梁変位機構は各基準軸が
互いに直交するように配置され、各放射たわみ梁
変位機構の回転駆動部の放射たわみ梁が他軸まわ
りのトルクに対して充分に高い剛性を有している
ことから、各軸まわりの回転変位は互いに他へ影
響を及ぼすことなく独立して発生させることがで
き、又、その精度は極めて高くなる。同様の理由
により、図示しないストレンゲージによる歪の検
出による補正が効果的となる。
なお、本実施例の構造に対して、さらにx軸ま
わりの回転変位を与えるもう一組の回転駆動部を
加えれば、3次元の回転変位を与える装置を構成
し得ることは明らかである。
このように、本実施例では、2つの対称形放射
たわみ梁構造を、それらの基準軸が互いに直交す
るよう組合せて構成したので、精度良く2次元の
回転変位を発生せしめることができ、又、互いに
他の軸への干渉がないため装置を容易に構成する
ことができる。ストレンゲージを用いるフイード
バツク制御、回転駆動部の対称形放射たわみ梁変
位機構内部への組込み、および装置の一体構造に
ついてのそれぞれの効果はさきの第4の実施例の
効果と同じである。
第10図a,bは本発明の第6の実施例に係る
微細位置決め装置の斜視図である。本実施例の装
置は座標軸を図示のように設定したとき、3軸
x,y,zの変位を発生する装置であり、この点
では第8図に示す第4の実施例と同じであるが、
z軸方向の直線駆動部50zの配置構造を異にす
る。第10図aで、80はほぼ十文字状に形成さ
れた十文字状柱体、81は十文字状柱体80を構
成する第1の柱体、82は十文字状柱体80を構
成する第2の柱体であり、第1の柱体81と第2
の柱体82とは互いに直交している。第1の柱体
81はx軸を基準軸とする対称形平行たわみ梁変
位機構を構成するものであり、その2つの直線駆
動部50xが示されている。又、第2の柱体82
はy軸を基準軸とする対称形平行たわみ梁変位機
構を構成するものであり、その2つの直線駆動部
50yが示されている。83a,83b,83
c,83dはそれぞれ第1の柱体81と第2の柱
体82との間に形成された剛体の中間部である。
84は第1の柱体81と第2の柱体82の中心線
の交点を中心として適宜の径でz軸方向にあけら
れた中央貫通孔である。85a,85b,85
c,85dは各中間部外面から中央貫通孔に向け
て各中間部83a,83b,83c,83dを貫
通する側方貫通孔である。各側方貫通孔85a,
85b,85c,85dは互いに直交する方向に
形成されている。このように各側方貫通孔85
a,85d,85c,85dの形成により、各中
間部83,83b,83c,83dには図で上下
に平行たわみ梁が形成される。このような側方貫
通孔内において、z軸方向に平行な形で直線駆動
部50zが設けられる。なお、第8図に示す第4
の実施例と同じように、剛体の柱体81の両端部
どおし、および剛体柱体82の両端部どうしはそ
れぞれ他の剛体構造によつて連結されている。
次に、本実施例の動作を第10図bを参照しな
がら説明する。直線駆動部50xを駆動すると、
この直線駆動部50xの中央貫通孔84側の剛体
部と、これと反対側の外側剛体部との間にx軸方
向の相対変位が生じる。ここで、各直線駆動部5
0yおよび各直線駆動部50zはx軸方向の力に
は充分に高い剛性を有し、この部分も剛性とみな
すことができる。又、直線駆動部50yを駆動す
ると、この直線駆動部50yの中央貫通孔84側
の剛体部と、これと反対側の外側剛体部との間に
y軸方向の相対変位が生じる。そして、この場合
も、各直線駆動部50xおよび各直線駆動部50
zはy軸方向の力には充分に高い剛性を有するの
で、この部分を剛体とみなすことができる。
又、各直線駆動部50zを駆動すると、第1の
柱体81およびこれと連続する各中間部の剛体部
と、第2の柱体82およびこれと連続する各中間
部の剛体部との間に、第10図bに示すようなz
軸方向の相対変位εzを生じる。なお、第10図b
では理解を容易にするため、第10図aに示す変
形前の形状が、各直線駆動部50zの駆動によ
り、破線で示した部分から実線で示した部分へ、
小矢印で示したように変形した状態で示されてい
る。このように、z軸方向の相対変位εzが生じた
場合でも直線駆動部50x,50yはz軸方向の
力に対して高い剛性を有するので、この部分を剛
体とみなすことができる。
なお、本実施例において、十文字状柱体80の
中央部分、即ち、直線駆動部50x,50yに連
結された部分は、直線駆動部50zが構成されて
いることからすべての荷重に対して剛であるとは
いえない。しかしながら、上記の説明からも明ら
かなように直線駆動部50x,50yの変位方向
の力に対しては、これを剛体部であるとみなすこ
とができ、所期の変位を発生せしめることができ
る。したがつて、この部分を準剛体構造というこ
とができる。
ここで、本実施例と第8図に示す第4の実施例
とを比較してみる。第4の実施例のものは、y軸
方向に延びる第1の柱体73に2組の直線駆動部
50x,50zが組込まれている。これを、でき
るだけ駆動部材を密な状態で積層するという観点
から考えると、第1の柱体73に比較して第2の
柱体74には1組の直線駆動部50yが組込まれ
ているのみであり、スペースに無駄が生じている
ことになる。又、z軸に関する軸対称性の観点か
ら考えると、第1の柱体73と第2の柱体74と
では(x軸方向とy軸方向とでは)剛体が異な
り、各部の微小変形に対して極めて僅かながら好
ましくない影響を生じる。これに対して、本実施
例のものは、スペースが有効に利用され、かつ、
z軸に関し完全に軸対称性を有し、前記悪影響は
除かれて精度の向上に寄与している。
次に、第10図aにおけるz軸方向の直線駆動
部50zを構成する平行たわみ梁変位機構の配置
関係および効果について考えてみる。図から明ら
かなように、4個所ある平行たわみ梁変位機構は
x−z平面およびy−z平面のそれぞれに関して
面対称な関係にある。このため、直線駆動部50
z内の圧電アクチユエータによつて力を受けてそ
のたわみ梁が曲げ変形を生じたときに、単体の平
行たわみ梁変位機構であつた場合に生じたであろ
う副次的変位は、この4組の平行たわみ梁変位機
構の間で互いに完全にキヤンセルされる。このた
め、第1の実施例で述べたと同様の効果を有す
る。なお、この対称形平行たわみ梁変位機構の基
準軸は図のz軸となる。
このように、本実施例では、3つの対称形平行
たわみ梁変位機構を、それらの基準軸が互いに直
交するようにほぼ十文字状柱体に構成配置し、し
かも各平行たわみ梁変位機構を面対称性を有する
構成としたので、第4の実施例のものと同じ効果
を奏するばかりでなく、さらに精度の良い微細位
置決めを期待することができるとともに、スペー
スの無駄をなくすことができ、全体をより小型に
構成することができる。
第11図乃至第14図は本発明の第7の実施例
に係る微細位置決め装置を示す図であり、第11
図は斜視図、第12図は一部断面平面図、第13
図は第12図に示す線−に沿う一部断面
側面図、第14図は第12図に示す線−
に沿う一部断面側面図である。本実施例の装置
は、座標軸を図のように設定したとき3軸x,
y,zに関する変位および回転変位を発生する装
置であり、第8図、第9図a,b、第10図aに
示す構造を適宜組合せた構造となつている。各図
で、90はほぼ十文字状に形成された剛体の十文
字状柱体、91は十文字状柱体90に連結された
剛体部、72は十文字状柱体90に連結された剛
体部であり、これらは1つの剛体ブロツクから一
体に形成されている。
93は十文字状柱体90を構成し、y軸方向に
延びる第1の柱体、74は十文字状柱体90を構
成しx軸方向に延びる第2の柱体である。これら
はz軸方向の力以外には剛なる準剛体構造90c
を共有している。第1の柱体93は剛体部93
a1,93a2,93a3,93b1,93b2,93b3
準剛体構造90c、直線駆動部50x、および回
転駆動部60x,60zより成り、1つの対称形
平行たわみ梁変位機構および2つの対称形放射た
わみ梁変位機構を含む。第2の柱体94は剛体部
94a1,94a2,94b1,94b2、準剛体構造9
0c、直線駆動部50yおよび回転駆動部60y
より成り、1つの対称形平行たわみ梁変位機構お
よび1つの対称形放射たわみ梁変位機構を含む。
剛体部91は第1の柱体93の両端の剛体部93
a1,93b1に一体に連結され(第2の柱体94と
は切離されている)、剛体部92は第2の柱体9
4の両端の剛体部94a1,94b1に一体に連結さ
れている(第1の柱体93とは切離されている)。
ここで、第1の柱体93と第2の柱体94にお
ける直線駆動部および回転駆動部の配置を説明す
る。第1の柱体93において、対称形平行たわみ
梁変位機構を構成する直線駆動部50xは、一方
が剛体部93a1,93a2間に、他方が剛体部93
b1,93b2間に形成され、対称形放射たわみ梁構
造を構成する回転駆動部60xは、一方が剛体部
93a2,93a3間に、他方が剛体部93b2,93
b3間に形成され、対称形放射たわみ梁変位機構を
構成する回転駆動部60zは、一方が剛体部93
a3,93c間に、他方が剛体部93b3、準剛体構
造90c間に形成されている。又、第2の柱体9
4において、対称形平行たわみ梁変位機構を構成
する直線駆動部50yは、一方が剛体部94a1
94a2間に、他方が剛体部94b1,94b2間に形
成され、対称形放射たわみ梁変位機構を構成する
回転駆動部60yは、一方が剛体部94a2,90
c間に、他方が剛体部94b2、準剛体構造94c
間に形成されている。
次に、準剛体構造90cの構成について説明す
る。95は第1の柱体93と第2の柱体94との
間に存在する4つの中間部分である。96は準剛
体構造90cの中心にz軸方向にあけられた適宜
径の中央貫通孔である。97(第12図)は各中
間部分95を通つて外部から中央貫通孔96にあ
けられた側方貫通孔であり、各側方貫通孔97は
z軸に向けて形成される。これら各側方貫通孔9
7内に直線駆動部50zが設けられている。
上記の構成において、直線駆動部50x,50
y,50zのそれぞれ構成される各対称形平行た
わみ梁変位機構の基準軸はそれぞれ直交するx
軸、y軸、z軸と一致し、又、回転駆動部60
x,60y,60zのそれぞれで構成される各対
称形放射たわみ梁変位機構の基準軸もそれぞれ直
交する上記x軸、y軸、z軸と一致する。
なお、Pはx軸、y軸、z軸の交点、θ1は回転
駆動部60x,60yの放射たわみ梁の放射角
度、θ2は回転駆動部60zの放射たわみ梁の放射
角度を示す。
次に、本実施例の動作を説明するが、その動作
は、第8図、第9図a,b、第10図aに示す実
施例の動作に準じるので、1例として第1の柱体
93における回転駆動部60xが駆動された場合
の動作の説明に止める。回転駆動部60xが駆動
されると、剛体部93a2,93b2と剛体部93
a3,93b3との間にx軸まわりの相対回転変位が
発生する。ところが、直線駆動部50xはx軸ま
わりのトルクに対しては充分に高い剛性を有する
ので、この場合、上記剛体部93a2,93b2は直
線駆動部50x、剛体部93a1,93b1を介して
剛体部91に剛に連結されていることになる。一
方、回転駆動部60z、準剛体構造90c、第2
の柱体94に設けられた回転駆動部60yおよび
直線駆動部50yもx軸まわりのトルクに対して
は充分に高い剛性を有するので、この場合、上記
剛体部93a3,93b3は、回転駆動部60z、準
剛体構造90c、回転駆動部60y、剛体部94
a1,94b2、直線駆動部50y、剛体部94b1
介して剛体部92に剛に連結されていることにな
る。結局、回転駆動部60xが駆動されると、剛
体部91と剛体部92との間にx軸まわりの相対
回転変位δxが与えられる。
他の直線駆動部および回転駆動部が駆動された
場合の動作もこれに準じるのであるから、本実施
例では各軸方向の変位および各軸まわりの回転変
位を独立して発生させることができる。そして、
例えば、剛体部92を第18図に示す支持台又は
粗動テーブル等に固定し、剛体部91に微動テー
ブルを固定すると、3次元の変位、回転変位を発
生する高精度の微細位置決め機構が構成されるこ
とになる。
ところで、本実施例のように、2軸以上の回転
変位機構が組み込まれている場合には、各回転変
位機構の回転中心Pが微細位置決め装置全体の中
心部となる。この場合、微動テーブル面上のある
定められた基準点がその回転中心に一致するよう
に設計すればよい。しかしながら、そのためには
微動テーブルの大きさ、配置等に大きな制約が生
じ、実用上問題となる場合が発生することも考え
得る。上記実施例の説明では微動テーブルを剛体
部91に固定する例について説明したが最も簡単
な構成は剛体部91を微動テーブルそのものとす
る方法である。しかし、このようにすると幾何学
的な関係から変位干渉を生ずる。これを図により
説明する。
第15図は第13図を簡略化して描いた側面図
である。図では説明に必要な部分のみ第13図に
示すものと同一符号が付してある。今、剛体部9
2を固定し、回転駆動部60yを駆動すると、点
Pを中心に回転変位δyが発生する。なお、理解
を容易にするため、回転変位δyは著るしく拡大
して描かれており、かつ、剛体部91自体を微動
テーブルとし、その表面上の点Qを基準点として
ある。上記回転変位δyに対して、点Qは下記の
ようなx軸、z軸方向の変位εxy,εzyを生じる。
εxy=Zosinδy εzy=−Zo(1−cosδy) なお、Zoは点Pと点Qとの間のz軸方向の距
離である。同じく、x軸まわりの回転変位に対し
ても下記のようなy軸、z軸方向の変位εyx,
εzxを生じる。
εyx=−Zosinδx εzx=−Zo(1−cosδx) これらの変位は、距離Zoに起因する純粋に幾何
学的関係により生じるものであり、さきに述べた
副次的変位とはその性格を全く異にするものであ
る。そして、距離Zoの正確な値は既知であるか
ら、所望の微動テーブル変位εxo,εyo,εzo,
δxo,δyo,δzoに対して、 εxo′=εxo+εxy=εxo+Zosinδyo εyo′=εyo+εyx=εyo−Zosinδxo εzo′=εzo+εzx+εzy=εzo−Zo(2−cosδxo

cosδyo) δxo′=δxo δyo′=δyo δzo′=δzo なる変位εxo′,δyo′,εzo′,δxo′,δyo′,δ
zo′に
相当する入力を各変位機構に入力してやれば、変
位干渉を簡単に除くことができ、高精度を全く損
なうことなく微細位置決めが可能である。なお、
上記の事項は第5の実施例についても同じであ
る。
このように、本実施例では、直交する3つの軸
のそれぞれについてこれらの各軸を基準軸とする
対称形平行たわみ梁変位機構および対称形放射た
わみ梁変位機構を十文字状柱体に構成配置したの
で、3次元の変位および回転変位について精度の
良い位置決めを行なうことができ、又、その装置
を容易に構成することができる。そして、ストレ
ンゲージを用いるフイードバツク制御についての
効果、直線駆動部および回転駆動部の内部組み込
みについての効果、および装置の一体構造につい
ての効果は、さきの第4の実施例の効果と同じで
ある。
第16図a,bは本発明の第8の実施例に係る
微細位置決め装置の一部側面図である。以上の各
実施例では主として積層形圧電アクチユエータを
用いた場合の実施例を示したが、これとは異なつ
た特殊な例を図で説明する。今迄述べてきた積層
形圧電アクチユエータとは、電圧をかける厚み方
向に伸縮する圧電素子を、さらにその厚み方向に
積層したものであり、その特徴は大きな力を発生
できるが変位は小さい欠点を有することである。
ところが発生する力は小さくても大きな変位が得
られるバイモルフ素子をアクチユエータとして用
いることによつても今迄述べた来た全ての特徴が
発揮できる他に、出せる力は小さくなるが、大き
な変位および回転変位が出せるもう1つの特徴が
加わる。バイモルフ素子とは、電圧をかけると平
板の伸縮方向に変形する圧電素子を一方が伸びる
とき他方が縮む形にはり合わせた形の圧電アクチ
ユエータである。このためバイモルフ素子は電圧
に応じて屈曲し、その一端を固定すると他端が大
きく変位する形のアクチユエータとして使われ
る。
第16図aは剛体部101と102とを連携す
るたわみ梁103を示す。これは今迄の全ての実
施例中に用いられているたわみ梁全てを代表して
示したものである。このたわみ梁103の厚みを
うすく、長さを長くして剛性を下げ、その上下に
伸縮方向の相異なる圧電素子をはりつけたもので
ある。圧電素子104,104′はある印加電圧
方向に対して伸び、圧電素子105,105′は
そのとき縮むようになつている。もちろん、印加
電圧の方向が逆になればその伸縮方向も逆にな
る。図中の伸び側の圧電素子104,104′と
縮み側の圧電素子105,105′のそれぞれ接
する部分はたわみ梁103のほぼ中央部となつて
いる。このように構成されたバイモルフ構造10
6は第16図aのような伸縮状態になるように電
圧を印加されると、たわみ梁の図中左半分は上に
凸に屈曲し、右半分は下に凸に屈曲し、ちょうど
第2図、第4図に示した各たわみ梁部の変形モー
ドとなる。このため剛体部101と102の間に
は、たわみ梁103に曲げ変形が生じる相対変位
を生じる。すなわちこのような形のバイモルフ構
造106をたわみ梁部に構成することによつても
アクチユエータが構成できる。
このとき平行たわみ梁構造、放射たわみ梁構造
を構成する全てのたわみ梁に同じ形のバイモルフ
構造106を設けることが理想であるが、その一
部だけ、特にたわみ梁1枚だけでもよい。その理
由は平行たわみ梁構造、放射たわみ梁構造自体が
そのたわみ梁を曲げる方向の力、トルクが作用す
ると、それぞれ並進変位、回転変位のみしか生じ
ない特性を持つているからである。一部のたわみ
梁のみにバイモルフ構造106を設ける場合に注
意すべきことは、各たわみ梁部の曲げ方向および
伸縮方向の剛性が等しくなるようにすることであ
る。これは各たわみ梁構造の基本特性が保たれる
ための必須条件であるからである。
第16図aのバイモルフ構造はその原理から考
えて、圧電素子104,105のみ(又は圧電素
子104′,105′のみ)の形でもよい。この形
の素子は通常ユニモルフ素子と呼ばれている。
第16図aと同じ原理で、より実際に構成する
のに容易な方法は同図bの方法である。図aと異
なる点は薄い板状部材107の上下面に図aと同
じ関係に圧電素子104,104′,105,1
05′をはりつけたバイモルフ素子108をボル
ト109等の締結部材で両側の剛体部101,1
02にそれぞれ剛接したものである。この方がバ
イモルフ素子108を製作しやすく交換も容易な
ので實用性が高い。それ以外は第16図aの特徴
はそのままあてはまる。
以上、本発明のいくつかの実施例を説明した。
そして、これらの実施例はすべて微細位置決め装
置についてのものであり、又、本発明の名称とも
一致する。しかしながら、本発明でいう微細位置
決め装置は、微細な変位、微細な回転変位を発生
させる装置の意味であり、実施例の説明で微細位
置決め装置を例示したのは本発明の使用分野の典
型例が位置決め装置であることを考慮したもので
あり、本発明の内容を最も簡明かつ直載に表現す
るものであると考えられるからである。したがつ
て、本発明の適用は位置決め装置に限定されるも
のではない。即ち、位置決め装置以外にもある試
料体を所望の微小変位だけ変形させて接触面の変
位状況や試料体の物性変化を調べる装置や、単結
晶の各結晶方向に精密な荷重を作用させるような
微細変位範囲内での荷重装置等がある。
ところで、通常、微細位置決め装置では、微動
位置決め部にはシリコンウエハー、光フアイバ、
顕微鏡の試料等の軽量かつ移動に際して抵抗力の
発生しないものが置かれ、もしくは取付けられる
ことが多い。この場合、装置の各剛体部および中
間に介在する他の駆動部は、「基準面に垂直な方
向の力に対して剛」、「基準軸に垂直な放射状に作
用する力に対して剛」であればよい。一方、それ
以外の上記装置では、微小変位に伴つて抵抗力が
生じるので、各剛体部および中間に介在する他の
各駆動部は、さらに加えて所定変位方向に対する
力もしくはトルクに対して剛である必要がある。
本発明の各実施例では前述のように全てこの第2
の条件をも満足している。したがつて、荷重装置
としての使用にも耐えられる構成になつている。
なお、より一般的な条件としては、本発明にお
いて剛体部とは、さきに述べたように対称係平行
たわみ梁変位機構については「少なくとも基準面
に垂直な方向の力に対して剛」であり、対称形放
射たわみ梁変位機構については「少なくとも基準
軸に垂直な放射状に作用する力に対して剛」であ
る部分もしくは部材であることが明らかである。
剛体部を上記のように考えると、上記各実施例
の説明では、単体の平行たわみ梁変位機構(直線
駆動部)を剛体部で対称に連結し、又、単体の放
射たわみ梁変位機構(回転駆動部)を剛体部で対
称に連結した構成であるという見方に沿つて説明
してきたが、これとは見方を変えて、ある面に関
して面対称に配置された複数組の平行たわみ梁ど
うし、又はある軸に関して軸対称に配置された複
数組の放射たわみ梁どうしを、これらたわみ梁に
関して少なくとも上記方向の力に剛な構造体で対
称に連結したうえ、さらに上記たわみ梁の端部を
同様の性質の構造体で連結した構成であるとみる
こともできる。
さらに、基準軸について述べると、第4の実施
例以降の積層形状の実施例では、基準軸が直交し
ている例について説明したが、必ずしも基準軸が
直交しなくてもよいのは当然である。そして、第
6の実施例および第7の実施例からも判るよう
に、基準軸が剛体部上にあるとは限らない。
また、上記各実施例の説明では、平行たわみ梁
や放射たわみ梁として2枚1組になつた構成を例
示して説明したが、これらは2枚に限定されるこ
とはなく、3枚以上の複数枚を1組とする構成で
あつてもよいのは明らかである。さらに、平行た
わみ梁や放射たわみ梁として同一厚みの平板状の
ものを例示して説明したが、必ずしも均一厚みの
ものに限定されることなく、平行たわみ梁や放射
たわみ梁を形成するために剛体ブロツクに貫通す
る貫通孔の形状を加工等の観点から種々選定する
ことができ、これに応じて不均一厚みのものとす
ることもできる。
さらに又、上記実施例の説明では、アクチユエ
ータとして圧電アクチユエータを例示して説明し
たが、圧電アクチユエータに限ることはなく、ソ
レノイドその他適宜のものを用いることができ
る。又、アクチユエータは、第3の実施例を除き
両側に設置される例について説明したが、必ずし
も両側に設ける必要はなく、いずれか一方のみで
もよい。その理由を第1図に示す対称形平行たわ
み梁変位機構を例にとり、圧電アクチユエータ1
9aのみ存在し、圧電アクチユエータ19bがな
い場合について簡単に説明する。圧電アクチユエ
ータ19aを駆動すると、力fが作用するととも
に、基準面Kの中心と圧電アクチユエータ19a
との間の距離1に応じてモーメントf1が作用す
る。上記力fの作用については各実施例において
説明した。一方、モーメントf1は平行たわみ梁
16a,16b′を伸ばし、平行たわみ梁16a′,
16bを縮めるように作用する、しかし、このよ
うな変形に対して平行たわみ梁変位機構は高い剛
性を有する。したがつて、圧電アクチユエータ1
9bがない対称形平行たわみ梁変位機構であつて
も、力fのみが作用した状態となり、第2図に示
すような変形を生じるのである。さらに又、アク
チユエータの設置箇所として、2つの剛体部とこ
れらの間を連結する平行たわみ梁や放射たわみ梁
とで囲まれる領域を例示したが、前述のようなバ
イモルフ素子をたわみ梁上に設けることもよい
し、さらに一方の剛体部に凹部を設け、二の凹部
内に他方の剛体部から突出する突出部を挿入し、
この挿入した突出部と前記一方の剛体部との間に
アクチユエータを設置することもでき、さらに
は、第17図に示すように、対称形平行たわみ梁
変位機構又は放射たわみ梁変位機構の外部にアク
チユエータ19を設けても、所定の方向の変位も
しくは回転変位のみを発生するという特徴は保た
れるものであり、要は両剛体部間に相対的に力や
トルクを発生させることができればよい。
又、上記実施例の説明では、微細位置決め装置
を、最も理想的な実施例として1つの剛体ブロツ
クから一体に形成する構成を例示して説明した
が、別体に形成した各部をボルトなどの部材を用
いるか又は溶接などによつて互いに剛接する構成
としてもよい。
又、たわみ梁の変位、応力歪を検出する手段は
ストレンゲージに限ることはなく、他の手段を用
いることもできるし、又、当該検出手段は一方側
のたわみ梁に設けるだけでなく、両側のたわみ梁
に設けることもできる。そして又、このような歪
の検出手段を含むフイードバツク制御系は必ずし
も必要ではなく、これがなくても充分に精度よく
微細変位、微細回転変位を得ることができるのは
明らかである。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明では、対称形平行た
わみ梁変位機構および対称形放射たわみ梁変位機
構のうちの少なくとも1つの微細位置決め装置を
構成したので、干渉変位の発生を防止することが
でき、精度の良い微細変位、微細回転変位を得る
ことができ、又、多軸の位置決め装置を容易に構
成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の第1の実施例に
係る微細位置決め装置の側面図、第3図および第
4図は本発明の第2の実施例に係る微細位置決め
装置の側面図、第5図は第3図に示す装置の動作
を説明するための説明図、第6図は本発明の第3
の実施例に係る微細位置決め装置の側面図、第7
図a,bは直線駆動部および回転駆動部の記号を
説明するための説明図、第8図は本発明の第4の
実施例に係る微細位置決め装置の斜視図、第9図
a,bは本発明の第5の実施例に係る微細位置決
め装置の平面図および側面図、第10図a,bは
本発明の第6の実施例に係る微細位置決め装置の
斜視図、第11図、第12図、第13図、第14
図、第15図は本発明の第7の実施例に係る微細
位置決め装置の斜視図、一部平面図、一部断面
図、第16図a,bは本発明の第8の実施例に係
る微細位置決め装置の側面図、第17図は圧電ア
クチユエータの他の配置例を示す側面図、第18
図および第19図は従来の微細位置決め装置の側
面図、第20図は他の従来の微細位置決め装置の
斜視図である。 15a,15b,15c,25a,25b,2
5c,70c,71,72,73a1,73a2,7
3b1,73b2,74a,74b,75a,75
b,76a,76b,90c,91,92,93
a1,93a2,93a3,93b,93b2,93b3
94a1,94a2,94b2……剛体部、16a,1
6a′,16b,16b′……平行たわみ梁、18
a,18b,18c1,18c2,28a,28b,
28c1,28c2……突出部、19a,19b,2
9a,29b……圧電アクチユエータ、21……
ストレンゲージ、22a,22b……平行たわみ
梁変位機構、32a,32b……放射たわみ梁変
位機構、33……対称形放射たわみ梁変位機構、
50x,50y,50z……直線駆動部、60
x,60y,60z……回転駆動部、70,8
0,90……十文字状柱体、73,81,93…
…第1の柱体、74,82,94……第2の柱
体、84,96……中央通孔、104,104′,
105,105′……圧電素子。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 互いに平行なたわみ梁で構成されるたわみ梁
    群と、このたわみ梁群の少なくとも2つを面対称
    に連結しかつ前記面に垂直な方向の力に対して剛
    な第1の構造体と、前記面対称に連結されたたわ
    み梁群を前記第1の構造体の他側において連結し
    かつ前記面に垂直な方向の力に対して剛な第2の
    構造体と、前記第1の構造体と前記第2の構造体
    との間に前記各たわみ梁に曲げ変形を生じる方向
    の相対変位を発生させる第1のアクチユエータと
    を備えた対称形平行たわみ梁変位機構、および、
    1つの軸に対して放射状に配置されたたわみ梁で
    構成されるたわみ梁群の少なくとも2つを軸対称
    に連結しかつ前記軸に垂直な方向の力に対して剛
    な第3の構造体と、前記軸対称に連結されたたわ
    み梁群を前記第3の構造体の他側において連結し
    かつ前記軸に垂直な方向の力に対して剛な第4の
    構造体と、前記第3の構造体と前記第4の構造体
    との間に前記各たわみ梁に曲げ変形を生じる方向
    の相対回転変位を発生させる第2のアクチユエー
    タとを備えた対称形放射たわみ梁変位機構のうち
    の少なくとも1つで構成されることを特徴とする
    微細位置決め位置。 2 特許請求の範囲第1項において、前記面は前
    記たわみ梁が構成する平面に直交する面であるこ
    とを特徴とする微細位置決め装置。 3 特許請求の範囲第1項において、前記軸は前
    記たわみ梁が構成する平面が交わる直線であるこ
    とを特徴とする微細位置決め装置。 4 特許請求の範囲第1項において、前記平行な
    たわみ梁群の所定のたわみ梁は、前記第1の構造
    体および前記第2の構造体との間に発生する変位
    を検出する検出手段を備えていることを特徴とす
    る微細位置決め装置。 5 特許請求の範囲第1項において、前記放射状
    に配置されたたわみ梁群の所定のたわみ梁は、前
    記第3の構造体および前記第4の構造体との間に
    発生する回転変位を検出する検出手段を備えてい
    ることを特徴とする微細位置決め装置。 6 特許請求の範囲第4項又は第5項において、
    前記検出手段は、ストレンゲージであることを特
    徴とする微細位置決め装置。 7 特許請求の範囲第1項において、前記平行な
    たわみ梁群、前記第1の構造体および前記第2の
    構造体は、1つの剛体ブロツクから形成されてい
    ることを特徴とする微細位置決め装置。 8 特許請求の範囲第1項において、前記放射状
    に配置されたたわみ梁群、前記第3の構造体およ
    び前記第4の構造体は、1つの剛体ブロツクから
    形成されていることを特徴とする微細位置決め装
    置。 9 特許請求の範囲第1項において、前記平行な
    たわみ梁群、前記第1の構造体および前記第2の
    構造体は、連結手段により剛接されていることを
    特徴とする微細位置決め装置。 10 特許請求の範囲第1項において、前記放射
    状に配置されたたわみ梁群、前記第3の構造体お
    よび前記第4の構造体は、連結手段により剛接さ
    れていることを特徴とする微細位置決め装置。 11 特許請求の範囲第1項において、前記第1
    のアクチユエータおよび第2のアクチユエータ
    は、積層形圧電素子より成ることを特徴とする微
    細位置決め装置。 12 特許請求の範囲第1項において、前記第1
    のアクチユエータおよび前記第2のアクチユエー
    タは、バイモルフ素子より成ることを特徴と微細
    位置決め装置。 13 特許請求の範囲第1項において、前記第1
    のアクチユエータは、前記第1の構造体、前記第
    2の構造体および前記平行なたわみ梁群の所定の
    たわみ梁で囲まれた該たわみ梁上をも含む領域内
    に装架されていることを特徴とする微細位置決め
    装置。 14 特許請求の範囲第1項において、前記第2
    のアクチユエータは、前記第3の構造体、前記第
    4の構造体および前記放射状に配置されたたわみ
    梁群の所定のたわみ梁で囲まれた該たわみ梁上を
    も含む領域内に装架されていることを特徴とする
    微細位置決め装置。 15 特許請求の範囲第1項において、前記対称
    形平行たわみ梁変位機構は、その基準軸の方向を
    異にして複数個設けられていることを特徴とする
    微細位置決め装置。 16 特許請求の範囲第15項において、前記各
    対称形平行たわみ梁変位機構は、前記第1の構造
    体を共通としてほぼ十文字状に一体に構成されて
    いることを特徴とする微細位置決め装置。 17 特許請求の範囲第1項において、前記対称
    形放射たわみ梁変位機構は、その基準軸の方向を
    異にして複数個設けられていることを特徴とする
    微細位置決め装置。 18 特許請求の範囲第17項において、前記各
    対称形放射たわみ梁変位機構は、前記第3の構造
    体を共通としてほぼ十文字状に一体に構成されて
    いることを特徴とする微細位置決め装置。 19 特許請求の範囲第1項において、前記対称
    形平行たわみ梁変位機構および前記対称形放射た
    わみ梁変位機構は、同種のたわみ梁構造間におけ
    る各基準軸が異なる方向となるようにそれぞれ1
    つ以上設けられていることを特徴とする微細位置
    決め装置。 20 特許請求の範囲第19項において、それぞ
    れ1つ以上の前記対称形平行たわみ梁変位機構お
    よび前記対称形放射たわみ梁変位機構は、前記第
    1の構造体および前記第3の構造体を1つの共通
    の構造体としてほぼ十文字状に一体に構成されて
    いることを特徴とする微細位置決め装置。
JP60046443A 1985-03-11 1985-03-11 微細位置決め装置 Granted JPS61209846A (ja)

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