JPH0554455B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、樹脂成形により得られる椅子型の
安全シート本体を備える自動車用子供安全シート
に関するもので、特に、その組立構造に関するも
のである。

［従来の技術］ 自動車用子供安全シートは、たとえば自動車に
備え付けのベルトを利用してカーシート上にしつ
かりと固定される。したがつて、の自動車用子供
安全シートにしかつりと保持された幼児または子
供は、たとえば急ブレーキをかけたときや急カー
ブを走行するときでも、あるいは衝突事故を起こ
したときでも、一定の位置に留まることになり、
安全上好ましい。

このような自動車用子供安全シートは、樹脂成
形により得られる椅子型の安全シート本体を備え
るものが多い。この安全シート本体は、通常、座
部と背もたれ部と座部および背もたれ部の各側部
からそれぞれ上方および前方へ立上がる１対の側
壁部とを備えている。このような安全シート本体
上には、適当なクツシヨン材を介して、あるいは
介さずに、布地から構成されカバー地が外装され
る。

上述した安全シート本体の１対の側壁部の形状
に注目すると、これら側壁部には、肘掛けとなる
べき形状が付されることがある。また、この安全
シートに着席する幼児または子供の頭を両側から
保護するガードとなるべき形状が付される場合も
ある。側壁部を用いて肘掛けを提供しようとする
とき、肘掛けとなるべき面は、所定の幅をもたせ
なければならない。また、頭のガードとなるべき
部分においても、安全上の観点からは、その突出
する端部が滑らかに処理されていなければなら
ず、そのため、この部分においても所定の幅をも
たせなければならない。

［発明が解決しようとする問題点］ 上述したように、樹脂成形により得られる安全
シート本体において、各側壁部の開放端部に所定
の幅をもたせようとしたとき、単純には、各側壁
部の特に開放端部付近の肉厚を増すことが考えら
れる。しかしながら、このような方法は、樹脂材
料を大量に消費し、安全シートの重量を増すばか
りでなく、成形時において、樹脂の硬化に時間を
費し、かつ硬化後において不所望な変形を生じる
といつた成形上の問題を引き起こすので好ましく
ない。

そこで、上述したような所定の幅を得るため
に、各側壁部の開放端部を、Ｕ字状の断面を有す
るように外側へ反り返すことが、好ましい方法の
１つとして考えられる。すなわち、反り返し部に
よつて所定の幅をもたらそうとするものである。
この場合には、側壁部は、ほぼ一定の肉厚の樹脂
により形成されることが可能である。

上述した反り返し部は、後方または下方に開い
た開口部を有する形状であるが、その終端縁部
は、各側壁部の後方端部にまで届かない位置に位
置している。そのため、安全シート本体の両外側
面には、反り返し部によつて段差がもたらされ、
見かけ上あまり好ましいものではない。そればか
りでなく、このような段差、より具体的には、反
り返し部の終端縁部やこの終端縁部と側壁部の主
要部分との間に形成される隙間は、傷害を引き起
こす原因となることもあり得る。

そこで、この発明は、上述したような反り返し
部の存在から引き起こされる問題点を解決しよう
とするものである。

［問題点を解決するための手段］ この発明は、樹脂成形により得られる椅子型の
安全シート本体を備え、安全シート本体は、座部
と背もたれ部と座部および背もたれ部の各側部か
らそれぞれ上方および前方へ立上がる１対の側壁
部とを備える、自動車用子供安全シートにおい
て、各側壁部の開放端部は、Ｕ字状の横断面を形
成しながら外側へ反り返された構造をもつもので
あつて、上述の技術的課題は、次のように解決さ
れる。

反り返し部の終端縁部に連なりながら各側壁部
の後方端部にまで延びるように、安全シート本体
とは別に樹脂成形により得られた外側壁アタツチ
メントが、安全シート本体に取付けられる。

［発明の作用効果］ この発明によれば、外側壁アタツチメントは、
各側壁部の反り返し部によつて形成される段差を
埋め、外側へ延びる反り返し部とほぼ一様な面を
与えることができる。したがつて、安全シート本
体の外側面は、全体として滑らかな形状となり、
好ましい外観を与えるとともに、前述したような
傷害の問題を防止する。

また、側壁部が適当なカバー地によつて外装さ
れることもあるが、必要な場合には、このカバー
地の端縁を反り返し部の終端縁部で折り返し、外
側壁アタツチメントの端部でカバー地を押えるよ
うに配置することも可能である。すなわち、外側
壁アタツチメントには、カバー地の醜い端縁を隠
すとともに、これを保持する機能も果たさせるこ
とができる。

さらに、外側壁アタツチメントは、それ単独で
樹脂成形により製造されるので、そのデザインを
変更することや、比較的複雑な形状を付すことも
容易である。そのため、この外側壁アタツチメン
トに対して、デザイン上の比重を大きく担わせる
ことにより、安全シート全体の外観から受けるデ
ザイン的な印象を左右させることもできる。言い
換えると、外側壁アタツチメントのみのデザイン
を変更して、多種類の安全シートを製造すること
や、モデルチエンジを図ることが容易である。

［実施例］ 第１図には、この発明の一実施例の外観が斜視
図で示されている。

第１図に示した自動車用子供安全シートは、主
要な構成要素として、樹脂成形により得られる椅
子型の安全シート本体１を備える。この安全シー
ト本体１は、全体的に、カバー地２によつて外装
されている。なお、カバー地２と安全シート本体
１との間には、適当なクツシヨン材が入れられる
こともある。安全シート本体１は、座部３と背も
たれ部４と座部３および背もたれ部４の各側部か
らそれぞれ上方および前方へ立上がる１対の側壁
部５，６とを備えている。なお、第１図および後
で説明する第２図において、上述した座部３、背
もたれ部４および側壁部５，６の各引出線は、カ
バー地２の上から引出されているが、これらの部
分は、カバー地２の下に存在するのは言うまでも
ない。

第１図には、この発明の特徴となる一方の外側
壁アタツチメント７が図示されている。第２図
は、この一方の外側壁アタツチメント７ともう一
方の外側壁アタツチメント８とを安全シート本体
１から分離した状態を斜視図で示すものである。
このような外側壁アタツチメント７，８の安全シ
ート本体１への取付方法については、第３図ない
し第５図をともに参照して後で説明する。

第１図および第２図に示すように、この自動車
用子供安全シートは、さらに、安全シート本体１
を支えるための台座９を備え、また、部分的に示
すように、この安全シートに着席する幼児または
子供の体を縛るための安全ベルト１０，１１，１
２を備える。

安全シート本体１の各側壁部５，６の開放端部
は、第２図において一方の側壁部５の一部が破断
されて示され、かつ“Ａ”で指示されたように、
Ｕ字状の横断面を形成しながら外側へ反り返され
る。このような反り返し部Ａの形成によつて、各
側壁部５，６には、肘掛け１３，１４となるべき
比較的幅広の面が形成され、かつ、頭の保護のた
めのガード１５，１６の開放端部にも滑らかなふ
くらみがもたされる。

反り返し部Ａの終端縁部は、各側壁部５，６の
後方端部にまで届かない位置に位置している。こ
のような反り返し部Ａの終端縁部に連なりながら
各側壁部５，６の後方端部にまで延びるように、
前述の外側壁アタツチメント７，８が安全シート
本体１に対して取付けられる。これら外側壁アタ
ツチメント７，８は、樹脂成形により製造される
ものである。

それぞれの外側壁アタツチメント７，８は、こ
れを安全シート本体１に取付けるための手段を備
えている。第２図において、そのような取付手段
が図示されているが、特に、第２図による右側の
外側壁アタツチメント７においては、この外側壁
アタツチメント７自身によつて、取付手段のいく
つかが隠されてしまつている。しかしながら、各
外側壁アタツチメント７，８は、互いに左右対称
であるので、両方の外側壁アタツチメント７，８
を参照することにより、取付手段の位置および形
状がほぼ理解されるであろう。なお、両方の外側
壁アタツチメント７，８に関して、相当の取付手
段には、同様の参照番号を付すことにする。

外側壁アタツチメント７，８の前方下端部に
は、フツク１７が設けられる。また、それぞれの
前方端縁には、突起１８が設けられる。さらに、
それぞれの後方端縁には、複数個の突起１９が設
けられる。さらに、それぞれの後方端縁よりやや
内側に、２個の取付穴２０が上下に並んで設けら
れる。さらに、それぞれの前方端縁の比較的下方
には、取付穴２１が設けられる。これらフツク１
７、突起１８，１９および取付穴２０，２１に対
応して、安全シート本体１側には、これらと対を
なす取付手段が備えられている。以下、外側壁ア
タツチメント７，８の安全シート本体１への取付
方法を説明しながら、取付手段の構成をさらに詳
細に説明する。

外側壁アタツチメント７，８を安全シート本体
へ取付けるにあたり、まず、フツク１を、第３図
に示すように、安全シート本体１側に形成され穴
２２に係合させることが行なわれる。穴２２は、
第２図には隠れて図示できないが、反り返し部Ａ
を連結するように設けられた壁２３に設けられて
いる。

次に、突起１８，１９を、第２図に示した安全
シート本体１に設けられた穴２４，２５の周縁部
に係合させることが行なわれる。突起１９に対応
する穴２５は、第２図において、カバー地２の一
部を除去して１個だけ示しているが、同様の穴が
各突起１９に対応して設けられている。第４図に
は、突起１８が穴２４の周縁部に係合している状
態が拡大された断面図で示されている。突起１８
は、弾性的に変形しながら穴２４の周縁部にスナ
ツプ結合するものであり、突起１９と穴２５との
組合わせにおいても、第４図に示す状態と実質的
に同様の状態でスナツプ結合が達成される。この
ように、突起１８と穴２４および突起１９と穴２
５とのスナツプ結合が達成されたとき、各外側壁
アタツチメント７，８は、第１図に示すように、
安全シート本体１に保持された状態となる。

なお、第４図によく現われているように、カバ
ー地２の端縁は、反り返し部の終端縁部２６で折
り返されている。そして、外側壁アタツチメント
７，８の端部は、このようなカバー地２の端縁を
押えるように配置されている。

外側壁アタツチメント７，８の取付状態をより
強固にするため、第５図に示すように、ねじ２７
が用いられる。第５図は、外側壁アタツチメント
７，８の取付穴２０が設けられた部分を拡大して
断面図で示している。取付穴２０を通つて挿入さ
れたねじ２７は、安全シート本体１側に設けられ
た取付ボス２８に螺合される。なお、取付ボス２
８と安定的に接触して、ねじ２７による取付けの
効果を最大限に発揮させるため、外側壁アタツチ
メント７，８側には、肉厚部２９が形成されても
よい。また、ねじ２７の頭部を、外側壁アタツチ
メント７，８から突出させないようにするため、
凹部３０が形成されてもよい。

第２図に示すように、安全シート本体１の前方
下端部には、取付穴２１に対応するものとして、
取付穴３１が設けられている。これら取付穴２１
および３１を貫通させて、第１図に示すようなね
じ３２が螺合される。

なお、上述したねじ２７または３２として、タ
ツプねじを用いてもよい。

このようにして、第１図に一方の外側壁アタツ
チメント７が示されるように、各外側壁アタツチ
メント７，８は、安全シート本体１に対して強固
に取付けられる。このとき、外側壁アタツチメン
ト７，８と安全シート本体１の反り返し部Ａと
は、ほぼ同一面上に並び、滑らかな外側面を与え
る。

以上述べた実施例において、外側壁アタツチメ
ント７，８の安全シート本体１への取付けとし
て、穴２４，２５とその周縁部に弾性的に係合す
る突起１８，１９との組合わせからなるスナツプ
結合、穴２２とこれに係合するフツク１７との組
合わせにより実現される係合、およびねじ２７お
よび３２による取付けが併用されたが、これらい
ずれかの取付手段が省略されてもよい。また、こ
のように例示した取付手段によらず、その他の取
付手段、たとえば、接着剤で外側壁アタツチメン
ト７，８を安全シート本体１に取付けてもよい。

また、図示の実施例では、左右各側において１
個の外側壁アタツチメント７，８を用いたが、こ
のような外側壁アタツチメントは、各側において
複数個に分割したものを用意し、それぞれを安全
シート本体１に取付けることを行なつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例の外観を示す斜
視図である。第２図は、第１図の自動車用子供安
全シートの外側壁アタツチメント７，８を分離し
た状態で示す斜視図である。第３図は、第２図の
フツク１７による取付箇所を拡大して示す一部断
面図である。第４図は、第２図の突起１８と穴２
５との係合状態を示す拡大断面図である。第５図
は、第２図の取付穴２０に関連する取付部分を拡
大して示す断面図である。 図において、Ａは反り返し部、１は安全シート
本体、２はカバー地、３は座部、４は背もたれ
部、５，６は側壁部、７，８は外側壁アタツチメ
ント、１７はフツク、１８，１９は突起、２０，
２１は取付穴、２２は穴、２４，２５は穴、２６
は反り返し部の終端縁部、２７はねじ、３１は取
付穴、３２はねじである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 樹脂成形により得られる椅子型の安全シート
   本体を備え、安全シート本体は、座部と背もたれ
   部と座部および背もたれ部の各側部からそれぞれ
   上方および前方へ立上がる１対の側壁部とを備え
   る、自動車用子供安全シートにおいて、 前記各側壁部の開放端部はＵ字状の横断面を形
   成しながら外側へ反り返され、当該反り返しの終
   端縁部に連なりながら各側壁部の後方端部にまで
   延びるように前記安全シート本体とは別に樹脂成
   形により得られた外側壁アタツチメントが前記安
   全シート本体に取付けられたことを特徴とする、
   自動車用子供安全シート。 ２ 前記外側壁アタツチメントの前記安全シート
   本体への取付けは、穴とその周縁部に弾性的に係
   合する突起との組合わせからなるスナツプ結合を
   含む、特許請求の範囲第１項記載の自動車用子供
   安全シート。 ３ 前記外側壁アタツチメントの前記安全シート
   本体への取付けは、穴とこれに係合するフツクと
   の組合わせにより実現される係合を含む、特許請
   求の範囲第１項または第２項記載の自動車用子供
   安全シート。 ４ 前記外側壁アタツチメントの前記安全シート
   本体への取付けは、ネジ止めを含む、特許請求の
   範囲第１項ないし第３項のいずれかに記載の自動
   車用子供安全シート。 ５ 前記側壁部はカバー地によつて外装され、カ
   バー地の端縁は、前記反り返し部の終端縁部で折
   り返されるとともに、前記外側壁アタツチメント
   の端部で押えられた、特許請求の範囲第１項ない
   し第４項のいずれかに記載の自動車用子供安全シ
   ート。