JPH0553296U - 箱型ノイズフィルタ用ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気良導体からなる薄板金属ケースに収めた
箱型ノイズフィルタを形成するのに、ケース本体と、蓋
とを半田接続する事なく、フィルタ回路に半田流れの生
ずる事なく組立できる箱型ノイズフィルタ用ケースとす
る。 【構成】 ノイズフィルタ回路１０を収めるケース本体
３の上部内側方向に、蓋の下面を位置決めする下側突起
５と、蓋１をケース本体３に係合する上側突起４を取付
け、蓋１は弾性のある金属良導電材料からなり、上方に
開口した鍔８に前記上側突起４に係合する穴２を設け、
前記穴２と上記突起４を係合し、又下側突起により位置
決めすることによりケース本体３と蓋１とを係合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電源回路に挿入する電磁雑音の防止を目的とした箱型ノイズフィル タの箱型ノイズフィルタ用ケースの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種のノイズフィルタ用ケースには、ケース内のノイズフィルタ回路へ の外部電磁ノイズの除去と、フィルタ回路から外部への電磁ノイズの放射を遮蔽 する目的から、銅板にすず鍍金又は半田鍍金を施した金属ケース入りのノイズフ ィルタと、装置特性上から電磁ノイズ特性が許容できるものでは樹脂ケースが使 用されており、金属ケース入りのノイズフィルタのケースは、図３に示すケース 本体３と蓋１の固定を半田付けしており、ケース本体３と蓋１とを半田付部で固 定しているため半田がノイズフィルタ回路の中に流れたり、ケースに付着したフ ラックスを除去する作業工数が増え高価になるという欠点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、これらの欠点を除去するため、ノイズフィルタ用ケースにおいて、 ケース本体と蓋とを半田付けすることなくケース本体へ蓋を固定する構造とする ことを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

箱型ノイズフィルタに使用する金属ケース本体（以下ケースと称す）の上部側 面に突起がケースの内側になるよう、小形のケースでは片側両端に最小上下２個 ずつ計４箇所、両側で計８個の底面に平行に配列した突起を設け、ケースの長さ 方向に接し端面を折り曲げ、上方が開口した形状の弾性を有する金属板の側面に ケース上部に設けた突起に嵌合する穴を複数箇所設けることにより、ケース本体 内側端面に弾性を有する蓋端面を接触固定してケース本体と蓋と半田付けせずに 固定することを特徴とする。

【０００５】 即ち本考案は、電気良導電金属薄板により作られたケース本体と蓋とからなる 箱型ノイズフィルタ用ケースに於て、前記ケース本体の上部に内側を向き、側面 に低面に平行にかつ整列して下側が側面よりの高さが高く上下２段に両側に複数 の突起を設けたケース本体と、弾性を有し平板の両側をケース本体の内壁に沿い かつ接し折り曲げた上方が開口した鍔を設け、ケース本体の前記下側の突起に下 面を接し上段の突起に係合する穴を前記鍔に設けた蓋を、前記ケース本体と嵌合 固定するよう、形成したことを特徴とする箱型ノイズフィルタ用ケースである。

【０００６】

【作用】

金属ケースを用いた箱型ノイズフィルタ用ケースは、従来はケースと蓋との接 合面を半田接続し、完全にノイズフィルタ回路を金属導体により包み、ノイズフ ィルタ回路への電磁ノイズの輻射ノイズとノイズフィルタ回路からの電磁ノイズ の放射ノイズを除去していたが、フィルタケース本体と蓋とが電気良導電材であ る時はケース本体と蓋との間を半田付しなくても電磁遮蔽効果が大きいことから 今回の考案となったもので、ケース本体上部に２段に設けた突起の下段でケース 本体の底面と平行に、長手方向に沿い上方が開口折り曲げた鍔を設けた電気良導 体板からなる蓋の下面を位置合わせし、ケース本体内側に設けたケース上段の突 起に嵌合する穴を、蓋の鍔の前記ケース本体上段の突起の位置に設ける。ノイズ フィルタを形成する部品をフィルタケース本体に収めた後、蓋の両側面に設けた 穴とフィルタケース本体の突起を係合する時、蓋の上部に折り曲げた蓋の鍔の先 端部分はフィルタケース本体の内面に密接し、フィルタケース本体と蓋は鍔の部 分で面接触し、嵌合固定し、電磁遮弊効果が大きく、このため本考案の箱型ノイ ズフィルタではケース本体と蓋との接合部分には半田付けを必要としない。

【０００７】

【実施例】

本考案の実施例について、図面を参照し説明する。図１は本考案による箱型ノ イズフィルタ用ケースの分解斜視図であり、図２は本考案による箱型ノイズフィ ルタ用ケースを用いた箱型ノイズフィルタの外観斜視図である。図１に示す本考 案による箱型ノイズフィルタ用ケースにおいては、電気良導電材の金属ケース本 体３に上側突起４をケース本体の片側に２個両側に計４箇所設け、更に上側突起 ４の下に、上側突起４よりもケース面より高く底面に平行に下側突起５を片側２ 箇所計４箇所設ける。一方、平板の両側をケース本体３の内側に沿い上方へ先端 が開口して折り曲げた鍔８に、前記上側突起４に係合する穴２を４箇所設けた蓋 １を、ケース本体３の開口側にかぶせることにより穴２に上側突起４を挿入し、 蓋１とケース本体３を固定する。図２は組立を完了し、蓋１とケース本体３とを 固定した本考案の箱型ノイズフィルタケースを用いた箱型ノイズフィルタである 。図１、図２に於いて、下側突起はケース本体内に蓋を取り付ける時の蓋のケー ス本体内側へ取り付ける深さを決め、上側突起４と蓋１の穴２とにより、ケース 本体３と蓋１とを嵌合する。なほ本考案の実施例では上側突起と下側突起を夫々 ４個設けた例で示したが、形の大きな箱型ノイズフィルタのケース本体と蓋では 多くの上側突起４と下側突起５とを設け蓋１とケース本体３とを嵌合固定する。

【０００８】

【考案の効果】

以上述べたごとく本考案による蓋の下面を位置決めする下側突起と、蓋の鍔に 設けた穴に係合する上側突起を設けたケース本体とにより、ケース本体と弾性を 有する上方の開口した蓋の固定が簡単になり、従来ケース本体と蓋との固定の際 に使用していた半田が不要になるため、フィルタ回路への半田流れがなくなり、 組立が容易になるという利点を持った箱型ノイズフィルタ用ケースを提供するこ とが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による箱型ノイズフィルタ用ケースの分
解斜視図。

【図２】本考案による箱型フィルタの組立外観斜視図で
ある。

【図３】従来の箱型ノイズフィルタ用ケースの分解斜視
図。

【図４】従来の箱型ノイズフィルタの外観斜視図。

【符号の説明】

１ 蓋 ２ 穴 ３ ケース本体 ４ 上側突起 ５ 下側突起 ６ 端子 ７ 半田付部 ８ 鍔 １０ ノイズフィルタ回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気良導電金属薄板により作られたケー
   ス本体と蓋とからなる箱型ノイズフィルタ用ケースに於
   て、前記ケース本体の上部に内側を向き、側面に低面に
   平行にかつ整列して、下側が側面よりの高さが高く上下
   ２段に両側に複数の突起を設けたケース本体と、弾性を
   有し平板の両側をケース本体の内壁に沿いかつ接し折り
   曲げた上方が開口した鍔を設け、ケース本体の前記下側
   の突起に下面を接し上段の突起に係合する穴を前記鍔に
   設けた蓋を、前記ケース本体と嵌合固定するよう、形成
   したことを特徴とする箱型ノイズフィルタ用ケース。