JPH0553011A - 多層膜光学フイルタ - Google Patents

多層膜光学フイルタ

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JPH0553011A
JPH0553011A JP23710791A JP23710791A JPH0553011A JP H0553011 A JPH0553011 A JP H0553011A JP 23710791 A JP23710791 A JP 23710791A JP 23710791 A JP23710791 A JP 23710791A JP H0553011 A JPH0553011 A JP H0553011A
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JP
Japan
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light
substrate
layer
refractive index
optical filter
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Application number
JP23710791A
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English (en)
Inventor
Masahiko Ishida
正彦 石田
Koichi Matsumoto
浩一 松本
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Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透過を阻止することが必要な波長の光をブロ
ックするためのブロック層を構成する薄膜の数を少なく
する。 【構成】 基板1の表面を粗面2にして、低屈折率薄膜
Lと高屈折率薄膜Hとを重ねて構成した所望の波長域の
光を透過させる層3を、基板1の前記粗面2に設けると
ともに、低屈折率薄膜Lと高屈折率薄膜Hとを重ねて構
成した、前記所望の波長域域以外のノイズ成分をブロッ
キングするブロッキング層4を基板1の他面に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、空燃比計やガ
ス分析計その他各種の用途に使用される多層膜光学フイ
ルタに関する。
【0002】
【従来の技術】前記空燃比計やガス分析計などに使用さ
れる多層膜光学フイルタにおいて、例えば、図6に示し
た多層膜光学フイルタが知られている。
【0003】図6において、21はシリコン(Si)や石
英その他の赤外線透過基板で、これは両面が鏡面に研磨
されている。そして、例えば、バンドパスフイルタにつ
いて説明すると、基板21の片面に赤外線の所定の波長帯
域を透過させるバンドパス層22(以下BP層という)
が、他面に前記透過帯域以外のノイズ成分を除くため
に、赤外線の短波長帯域と長波長帯域とをカットするシ
ョートロングカット層23(以下SLC層という)が、そ
れぞれ例えば、高屈折率材としてのゲルマニウム(G
e)からなる高屈折率薄膜Hと、低屈折率材としての一
酸化ケイ素(SiO)からなる低屈折率薄膜Lとで多層
に形成されている。そして、前記BP層22とSLC層23
のそれぞれは、前記ゲルマニウムと一酸化ケイ素とを交
互に真空蒸着してなる薄膜で構成されたものであり、か
つBP層22に比してSLC層23を厚く形成することが必
要である。この多層膜光学フイルタは、BP層22から基
板21を透過した入射光がSLC層23に入射されると、S
LC層23が赤外線の短波長帯域と長波長帯域とをカット
して、赤外線の所定の波長帯域を透過させるものであ
る。
【0004】前記多層膜光学フイルタは、所定の波長帯
域を透過させるものを示したが、例えば、6μなどの所
望の波長よりも短波長域の光をカットし、それ以上の長
波長域の光を透過させる多層膜光学フイルタもある(長
波長透過フイルタ)。この場合は、両面とも長波長域の
光を透過させるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、多層膜
光学フイルタは、バンドパスフイルタの場合、基板21の
片面にBP層22を、他面にSLC層23をそれぞれ設けて
なるものであり、かつBP層22とSLC層23とは、共に
ゲルマニウムと、一酸化ケイ素とを交互に真空蒸着して
なる薄膜を重ねて多層に構成されたものである。しか
も、BP層22は比較的薄く、換言すれば、ゲルマニウム
と一酸化ケイ素との薄膜の層数を比較的少なく形成すれ
ばよいが、SLC層23は、ゲルマニウムと一酸化ケイ素
との薄膜の層数を、BP層22よりもかなり多くして厚く
形成することが必要である。したがって、BP層22の形
成は比較的容易であるが、SLC層23は、その形成に要
する時間が長くなるとともに、蒸着に要する手間が多く
なり、コストがアップする課題がある。そして、SLC
層23は、その層数が多くそれらの残留応力が大きくなる
ので、各層の付着強度が小さくなって耐久力が低下する
などの課題も生じるものである。
【0006】本発明は前記のような課題を解決するもの
であって、例えば、前記SLC層のように、透過を阻止
することが必要な波長の光をブロックするためのブロッ
ク層を構成する薄膜の数を少なくすることを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するため手段】本発明の多層膜光学フイル
タは、高屈折率薄膜と低屈折率薄膜とを交互に重ねて多
層に構成してなる、所望の波長帯域の光を透過するパス
層と、前記所望の波長帯域以外の波長帯域の光の透過を
ブロッキングするブロッキング層とが、基板に設けられ
た多層膜光学フイルタにおいて、前記基板の表面が、前
記所望の波長帯域の光のほとんどを透過させ、それより
も短波長帯域の光を散乱させることが可能な表面粗さの
粗面にされたことを特徴とする。
【0008】前記基板表面の粗面は、そのいずれかの片
面または両面において行うものである。そして、前記パ
ス層を透過させる波長域の設定は、特定の波長帯域で
も、特定の波長よりも長波長域でもよいものである。
【0009】本発明者は、前記課題を解決するために種
々研究を行った。その結果、前記基板を構成するシリコ
ン板の表面を鏡面にしたサンプルAと、粗面の状態を異
にしたサンプルB、C、Dの赤外線と近赤外線の分光特
性を測定して、赤外線領域において 250cm-1,500cm-1
1000cm-1,2000cm-1,3000cm-1のそれぞれ、近赤外線領
域において2μm,1.5μmのそれぞれの透過率(%)を
求めた。その結果は、次に示す表1のとおりであった。
【0010】
【表1】
【0011】前記表1において、Ra は中心線平均粗
さ、RMSは自乗平均平方根粗さ、Rmax は最大高さを
それぞれ示し、これらの数値が小さいほど前記シリコン
基板の表面の状態が鏡面研磨に近くなり、大きくなるほ
ど粗面となる。したがって、サンプルBよりもサンプル
Cの方が粗面度が大きく、サンプルBよりもサンプルC
の方が粗面度が大きいものである。なお、括弧内数字
は、サンプルB〜DのそれぞれのサンプルAに対する透
過率(%)である。
【0012】表1から明らかなように、サンプルAは赤
外線と近赤外線のすべてをほぼ同程度に透過させる。こ
れに対して、サンプルBにおける赤外線の透過率は、サ
ンプルAと同程度またはそれよりもやや低下した程度を
維持しているが、赤外線よりも短波長帯域である近赤外
線の透過率は、サンプルAよりもかなり大きく低下する
ことがわかる。また、サンプルC、Dの透過率も、サン
プルAの透過率とほぼ同じ傾向になるが、赤外線の透過
率低下も大きくなる。
【0013】そして、図4は前記サンプルA〜Dの赤外
線領域における分光スペクトルを示し、図5はサンプル
A〜Dの近赤外線領域における分光スペクトルを示すも
のである。この図4〜5によって、基板の表面が粗面に
なると短波長域の透過率が低下する、サンプルA〜Dの
各透過率の傾向がより容易にかつ明確にわかる。本発明
は、前記表1及び図4〜5の結果を得て完成したもので
ある。
【0014】
【実施例】本発明の多層膜光学フイルタの第1実施例
を、バンドパスフイルタを例にとつて図1について説明
する。
【0015】図1において、1はシリコン(Si)から
なる基板で、その片面が粗面2にされている。この粗面
2は、基板1の表面をサンドブラストまたはバフ研磨す
るなどして構成するものであって、任意の手段によるこ
とが可能である。3は基板1の前記粗面2に形成された
所望の波長帯域の赤外線を透過させるバンドパス層で、
これは低屈折率材としての一酸化ケイ素からなる低屈折
率薄膜Lと、高屈折率材としてのゲルマニウムからなる
高屈折率薄膜Hとを交互に真空蒸着して形成されたもの
である。4は前記透過帯域以外のノイズ成分を除くため
に、赤外線の短波長帯域と長波長帯域とをカットするブ
ロッキング層で、これが前記基板1の他面に形成されて
いる。このブロッキング層4は、前記バンドパス層3と
同じく、低屈折率薄膜Lと高屈折率薄膜Hとを交互に真
空蒸着して形成したものである。
【0016】この多層膜光学フイルタは、前記のように
構成されたものであって、バンドパス層3から基板1に
入射された入射光5において、図2に示した分光スペク
トルの模式図における、バンドパス層3を透過した前記
所望の波長帯域の赤外線aよりも短波長帯域の光bを粗
面2が散乱させて散乱光5a(図1参照)を生じさせる。
そして、基板1を透過した入射光5において、前記所望
の波長帯域の赤外線aよりも短波長帯域の光bと長波長
帯域の光cとの透過を、前記ブロッキング層4がブロッ
キングして、所望の波長帯域の赤外線aを透過させるも
のである。このように、入射光5の所望の波長帯域の赤
外線aよりも短波長帯域の光bを、基板1の粗面2であ
らかじめ散乱光5aとして散乱させてから、前記入射光5
をブロッキング層4に入射するため、前記粗面4で散乱
させた散乱光5aに対応してブロッキング層4を構成する
低屈折率薄膜Lと高屈折率薄膜Hとの層数を減少させる
ことが可能である。したがって、ブロッキング層4の形
成に要するコストを引き下げることができるとともに、
その各層の付着力を大きくして耐久性を向上させること
が可能である。
【0017】なお、前記第1実施例は、基板1をSiで
形成しているが、この基板1は、例えば、SiO2 やA
2 3 、石英その他の任意の光学基板とすることが可
能であり、かつバンドパス層3及びブロッキング層4を
形成する高屈折率材と低屈折率材も、任意のものを使用
することが可能である。そして、基板1のバンドパス層
3を設けた面を粗面4にしているが、基板1のブロッキ
ング層4を設けた面を粗面4にすることも可能であり、
この場合の光の散乱も同じである。また、この第1実施
例の多層膜光学フイルタは、所望の波長帯域の赤外線の
みを透過させるものであるが、例えば、6μなどの所望
の波長よりも短波長域の光をカットし、それ以上の長波
長域の光を透過させる多層膜光学フイルタに実施するこ
とも可能である。
【0018】図3は第2実施例であって、基板1の両面
に粗面4a,4b を形成している。他の構成は、前記第1実
施例と同じであるから同符号を付して示した。そして、
この実施例は、基板1両面の粗面4a,4b のそれぞれで、
所望の波長域よりも短波長域の光を散乱させるから、ブ
ロッキング層4を構成する低屈折率薄膜Lと高屈折率薄
膜Hとの層数をより減少させることが可能である。
【0019】
【発明の効果】本発明の多層膜光学フイルタは、上記の
ように、基板の表面を粗面にして、所望の波長域よりも
短波長域の光を散乱させて、その透過を阻止し、かつ前
記所望の波長域以外の波長の光をブロッキング層でブロ
ッキングして、所望の波長域の光を透過させるものであ
る。したがって、基板の粗面で散乱させる散乱光に対応
して、ブロッキング層を構成する高屈折率薄膜と低屈折
率薄膜との層数を少なくすることが可能であるから、ブ
ロッキング層の形成に要する時間を短縮して、そのコス
トを引下げることが可能である。また、ブロッキング層
の層数が少なくなることによって、それらの応力も小さ
くなって各層の付着力が大きくなるので、フイルタの耐
久性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の一部を省略した拡大正面図であ
る。
【図2】第1実施例の分光スペクトルの模式図である。
【図3】第2実施例の一部を省略した拡大正面図であ
る。
【図4】表面を粗面にした基板の赤外線領域における分
光スペクトル図である。
【図5】表面を粗面にした基板の近赤外線領域における
分光スペクトル図である。
【図6】従来例の一部を省略した拡大正面図である。
【符号の説明】
1:基板、2:粗面、3:バンドパス層、4:ブロッキ
ング層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高屈折率薄膜と低屈折率薄膜とを交互に
    重ねて多層に構成してなる、所望の波長域の光を透過す
    る層と、前記所望の波長域以外の波長域の光の透過をブ
    ロッキングするブロッキング層とが、光学材からなる基
    板に設けられた多層膜光学フイルタにおいて、前記基板
    の表面が、前記所望の波長域の光のほとんどを透過さ
    せ、それよりも短波長域の光を散乱させることが可能な
    表面粗さの粗面にされたことを特徴とする多層膜光学フ
    イルタ。
JP23710791A 1991-08-22 1991-08-22 多層膜光学フイルタ Pending JPH0553011A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011524076A (ja) * 2008-02-27 2011-08-25 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 光エレメント、当該光エレメントを含むリソグラフィ装置、デバイス製造方法、およびそれによって製造されたデバイス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011524076A (ja) * 2008-02-27 2011-08-25 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 光エレメント、当該光エレメントを含むリソグラフィ装置、デバイス製造方法、およびそれによって製造されたデバイス

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