JPH0552452B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 組織をパラフインに封埋し、そのパラフイン封
埋組織をミクロトームで非常に薄くスライスする
ことによつて顕微鏡検査のための組織試料を調製
するのが標準的な操作である。封埋の準備のため
に、組織をその検査と長期安定性に適切な各種溶
液中で処理する。典型的には、パラフイン封埋前
に、組織試料は固定され、脱水され、清浄にさ
れ、溶融パラフインをしみ込ませ、そして試験に
応じて染色される。

組織学的検査を行う実験室では毎日多数の検査
用組織試料を受け取るが、組織はできるだけ効率
的に調製されることが重要である。本発明者のア
メリカ特許第3674396号明細書には、組織試料が
封埋のためにカプセル内の各種溶液に暴露される
ことによつて調製され、次いで封埋されるカプセ
ルが記載されている。これらのカプセルにおい
て、組織にその各種溶液を、そして最後に溶融パ
ラフインを接近させながら保持するのに孔あき壁
が用いられている。それらの孔は最小サイズのも
のである。孔サイズの実質的な減少は組織の処理
効率を低下させ、また現在の技術による成形には
不適切である。

典型的には、検査用組織試料は単一の連結した
組織部分であるが、しかしながらその組織試料の
小部分は組織の処理中に変位することがある。一
方、生検は直径約0.1mm以下の微小片、例えば新
しい皮膚ニードルによつて集めることができる気
管支洗浄標本、細胞標本及び吸引生検標本につい
て行うことができる。幾つかの組織カプセルを同
時に処理する場合、その処理溶液はこれらの小さ
な組織粒子、すなわち“浮遊物”を一方の試料か
ら他方の試料に運ぶことがある。一方の試料から
他方の試料への更に微小な組織粒子の移送は、特
にその検査目的が異種細胞による組織の侵入を検
出すること、例えば腫瘍が転移したかどうかを判
別することである場合に誤つた診断に導びくこと
がある。

本発明の主目的は、組織標本を最大効率で、か
つ一方の試料から他方の試料への相互汚染なしで
処理及び封埋することができる改良されたカプセ
ルを提供することである。本発明のもう１つの目
的は、係るカプセルを安価に製造し、かつ技術者
にそのカプセルを都合のよい形で提供することで
ある。本発明の更に他の目的は、調製、封埋標本
の貯蔵システムを提供することである。

発明の要約 本発明は組織標本を処理及び封埋するカプセル
を提供する。このカプセルは一対のフレームを含
み、その各々は内部開口を画成している。両フレ
ームは互いに相補関係にあるフレーム内面と、両
フレームを一緒にスナツプ止めし、相補面間に周
面接触を確立する嵌め締め手段とを有する。各フ
レームの開口を横切つてその内面から外方には多
孔質試料のウエツブが広がり、そしてフレームが
一緒にスナツプ止めされるとき、それらウエツブ
間に組織含有領域が画成される。多孔質材料のウ
エツブは処理用液体及び液化封埋材料を組織含有
領域に入らせることはできるが、組織粒子の漏出
は妨げる。処理及び封埋に続いて、組織試料は下
部凹部と空のカプセルを受容できるようになつて
いる上方部分とを有する成形用型に移される。追
加の液化封埋材料を型に注入し、凹部とカプセル
の内部領域を充満させ、１つのブロツクを注入成
形する。このブロツクはその基部として役立つカ
プセルと、凹部に形成された外方に突出する標本
保持ブロツク部とを含む。基部は封埋標本をミク
ロトームの刃にさらしてミクロトームのチヤツク
に挿入できる。

カプセルは成形機で安価に製造される。この成
形は互いに相対して接触し、及び接触を解く、そ
して一諸にされるとフレーム形成用キヤビテイー
を画成する一対の注入成形ブロツクを有する。ブ
ロツクを引き離して多孔質材料の細長いウエツブ
を両ブロツクの間に前進させる。両ブロツクをそ
の間にウエツブのセグメントをサンドイツチして
一諸にした後、溶融熱可塑性プラスチツク材料を
注入してキヤビテイーを満し、キヤビテイー内の
ウエツブ部分を含浸する。プラスチツク材料が固
化してフレームが形成されたとき、ウエツブは樹
脂でフレームに固着される。上にフレームが成形
されている長いウエツブはコイル巻きして分配パ
ツケージに形成することができる。このパツケー
ジから技術者は一度に一対の相補関係にあるフレ
ームを切り取り、あるいは裂き取ることができ
る。

注型標本を保存するのを助けるために、引出し
キヤビネツト集成装置が提供される。この装置に
おいて、注型ブロツクのカプセル基部を収容する
ためのガイドを有する広幅の上部装填引出しが
個々のキヤビネツトに嵌入される。キヤビネツト
はそれらの上端縁及び底端縁に沿つてクリツプロ
ツクを受容するためのノツチを有しており、それ
によつて個々のキヤビネツトは、実際に必要とさ
れる貯蔵空間だけの占有するように、一緒に施錠
して長期貯蔵用の積重ねキヤビネツトにすること
ができる。

好ましい態様についての詳細な説明 本発明は組織標本１２が各種液体で処理され、
液化した封埋用材料で含浸された組織標本を保持
する単純な、安価に製造されるカプセル１０を提
供する。カプセル１０は続いて型１４（第５ｅ
図）に嵌め合わされ、その型に処理された組織標
本を移し、その型に液化封埋材料を注入してカプ
セル１０が基部として働く組織含有ブロツク１６
（第５ｈ図）を注入成形する。カプセルの基部は
次にミクロトームのチヤツク１５（第５ｉ図）に
入れることができ、この結果組織含有ブロツク１
６にスライスすることができる。

カプセル１０は一対のフレーム１８ａ，１８ｂ
を含み、その各々は内面２１と外面２３を有し、
そして大きな中央開口１９を画成している。各フ
レーム１８ａ及び１８ｂはその外面２３を横切
り、開口１９を横切つて広がる多孔質材料２２の
ウエツブを有し、そしてそれらフレームはそれら
の両内面２１を接触させて相互にかみ合せる手段
２０を有し、その結果多孔質材料のウエツブ間に
組織保持用内部領域２４（第３図）が画成され
る。多孔質材料２２は組織に処理用液体及び液化
封埋用材料が内部領域２４に入るのを可能にする
ようにその内部領域２４に接近させるが、組織標
本から分離することがある小粒子（浮遊物）を含
めて組織標本は保持する。

各フレーム１８ａ及び１８ｂは熱可塑性材料、
例えばデユポン社（Du Pont）がデルリン
（Delrin）という商標名で市販するアセタール単
独重合体樹脂の単一部品として成形される。説明
したフレームは長方形であつて、それぞれ一対の
より長いサイドセグメント２６と一対のより短い
サイドセグメント２８を含む。短かい方のサイド
セグメントの１つ２８ａは対向セグメント２８ｂ
より幅が広く、ラベル貼付け面を与えている。各
フレーム１８ａ及び１８ｂの内外面２１，２３は
かみ合わせ手段２０を除いては平らである。

かみ合わせ手段２０は１つのフレーム１８ａの
長い方のセグメント２６を完全貫通して延びる複
数の細長いスロツト３０と、他のフレーム１８ｂ
の内面２１から突出するスロツト３０内に摩擦嵌
め合わせでスナツプ止めされるべき複数の細長い
タブ３２を含み、かくして相補関係にある内面を
互いに周面接触させて保持する。第二のかみ合わ
せ手段はスロツト付きフレーム１８ａの内側面か
ら突出し、かつ他のフレーム１８ｂの開口１９に
延在して他のフレーム１８ｂの短かい方のサイド
セグメント２８の内側端縁３６と協同して摩擦嵌
め合いを確立し得る対向タブ３４から成る。

多孔質材料２２はフレーム１８のそれぞれの全
外面２３に、フレーム開口１９を横切つて延在さ
せて固着せしめられ、従つてフレームがそれらの
内面２１を互いに周面接触させてかみ合わされる
とき、多孔質材料２２のウエツブ間に画成される
組織含有領域２４の厚さはフレームの合計厚さに
等しくなる。処理液及び液化封埋用材料を良好に
利用できるようにするためには、多孔質材料の多
孔度は約25％乃至約75％であるのが好ましい。好
ましい多孔質材料はモンサント社（Monsanto）
がセレツクス（Cerex）という商標名で市販する
もののような不織ナイロンである。

以下において第６図を参照して詳しく説明され
る成形装置を用いて２つのフレーム１８を多孔質
材料２２の細長いウエブ３８の上に成形する。か
くして、かみ合いフレーム１８ａと１８ｂの両外
面２３に固着した多孔質材料のウエツブは連続し
ており、そしてフレーム間にその合計厚さに少な
くとも等しい接続セグメント４０を含んでいる。
この接続セグメント４０は丁番として役立ち、ま
たフレームがかみ合わされないときそれらを接続
しておくように作用する。多孔質材料２２の連続
ウエツブ３８の上に成形されている複数のフレー
ム対は連続ウエツブがリール巻きされているパツ
ケージ４２（第５ａ図）から分配するのが好まし
い。使用時に、対になつた一組のフレーム１８ａ
及び１８ｂを含む連続ウエツブの部分４４（第５
ａ図）を、例えば切断することによつて、好まし
くは予かじめ形成された孔の線に沿つて引き裂く
ことによつてリールから切り離す。

パツケージ４２から分配された後、対になつた
フレーム１８ａおよび１８ｂを平らな表面の上に
多孔質材料２２の側を下にして置き（第５ｂ図）、
そして組織標本１２を１つのフレーム１８ａの多
孔質材料２２の上に置く。次に、他のフレーム１
８ｂをフレーム１８ａにおゝいかぶせ、それらを
一諸にスナツプ止めして組織標本を多孔質材料の
ウエツブ間の領域２４に閉じ込める（第５ｃ図）。
固着剤及び乾燥剤を含めて、処理液は多孔質材料
２２を通して、かつカプセル１０の内部領域２４
を通して流される。最後に、溶融封埋用材料を多
孔質材料２２を通してカプセルに導入し、そのカ
プセルをチヤンバー（図示せず）に入れ、そこで
真空に付し、溶融封埋用材料を組織標本１２の隙
間に引き入れる。過剰の封埋材料を次にカプセル
から排出させる。

組織標本１２は、幾つかの液体がカプセル１０
を通して流されるときでも浮遊物が逃げることが
できない領域２４内に含まれているため、多数の
カプセル化標本を一諸に処理することができる。
例えば、多数のカプセルを一諸に積み重ね、液体
類をフレーム１８ａ及び１８ｂの積重ねの整合し
た複数の開口１９で画成される中央通路を通して
流すことができるだろう。

次に、カプセル１０を開け（第５ｄ図）、ワツ
クス含浸組織標本１２ａをカプセル１０から取り
出してブロツク１６を注入成形するための型１４
に移す（第５ｅ図）。型１４は一般に長方形のパ
ンとして形づくられており、それにはワツクス含
浸標本１２ａが入れられる中央凹部５０、水平の
周辺伸縁５２、及びカプセル１０の外側端縁を密
着嵌合で受容するようになつている押縁の端縁で
立ち上つているリツプ５４を含まれる。ワツクス
含浸標本１２ａを凹部の平らな低面５６の上に位
置させる。凹部は、標本１２ａが表面５６に置か
れたとき、粘着性となるように予かじめ加温して
おくのが好ましい。技術者は粘着性標本１２ａを
正確に低面に位置させ、次いで型１４を冷却させ
て標本を次のスライス作業及び検査のために適切
な選択された位置に“凍結”させる。

中味が出されたカプセル１０は今度は第２の目
的のために、すなわち注型ブロツク１６の基部を
与えるために用いられる。すなわち、空にされた
カプセルのフレーム１８ａおよび１８ｂを再び一
諸にスナツプ止めし、その多孔質材料２２を隅か
ら隅まで直交刃ナイフ６０で切り（第５ｆ図）、
封埋用材料を注加するための開口６１を作る。こ
の空のカプセル１０を次に型１４に置く。その
際、カプセルは型の水平押縁５２の上に載せ、か
つカプセルの切られたウエツブ２２は凹部５０の
開放上端と整合させる。次に、溶融封埋用材料を
切られたウエツブを通して注加して凹部を完全
に、またカプセル１０の内部領域２４を実質的に
満し、多孔質材料２２の両切断ウエツブを封埋材
料の中に沈める。その型を冷却用表面６２の上に
載せ（第５ｇ図）、封埋材料を固化させ、注型ブ
ロツク１６を作る（第５ｈ図）。注型ブロツク１
６はカプセル１０をその基部として、及び組織標
本１２をカプセルの前表面６６に隣接配置して有
する突出部６４を含む。

第５ｉ図に示されるように、ブロツク１６の基
部として働くカプセル１０はミクロトームのチヤ
ツク１５、例えばばね押しチヤツク内に挿入する
ことができ、かくしてブロツク１６からミクロト
ームの刃７２によりスライスが切り取られる。注
型ブロツク１６の残りは、組織の再検査または結
果の確認が必要とされるときに追加のスライスを
切り取り得るように、貯蔵することができる。

本発明のもう１つの局面によれば、組織標本カ
プセル１０は、多孔質材料２２を前記のフレーム
１８ａ及び１８ｂの平らな外面に一体に固着させ
てそれらフレームを形成する一段射出成形法で形
成される。装置は第６図に示されるが、この装置
において細長い多孔質材料のウエツブ３８は成形
機１００を通して引つ張られ、成形機の成形ブロ
ツク１０２，１０４の間でサンドイツチされる。
ウエツブはその際フレーム１８ａ及び１８ｂを成
形するようにかたち作られているブロツクのキヤ
ビテイー１０８を横切つて延在している。熱可塑
性プラスチツク材料をキヤビテイー１０８に射出
すると、そのプラスチツク材料はキヤビテイー内
の多孔質材料部分を含浸し、そして材料は多孔質
材料をフレーム１８ａ及び１８ｂのプラスチツク
材料の中で恒久的に固着させて固化する。

成形機１００は常用の熱可塑性プラスチツク材
料の成形機で、囲い込まれたキヤビテイー１０８
を画成するのを助けるフレーム状凹部１０７が形
成されている低部ブロツク１０２と、平らな低表
面１１０を有し、凹部１０７を覆い、溶融プラス
チツク材料がキヤビテイーに導入される上部ブロ
ツク１０４とを含む。ブロツク１０２，１０４は
それぞれ互いに対して垂直に相対している。ピン
１１１は相対するブロツクを互いに正確に整合さ
せて案内するためにブロツクの各コーナーを通し
て延在している。

上部ブロツク１０４は熱プラスチツク材料の射
出ノズル１１４を受け入れる射出オリフイス１１
２、溶融プラスチツク材料をポイントオリフイス
１１８に運ぶチヤンネル又はランナーシステム１
１６、及び上部ブロツク１０４に高温を維持し、
プラスチツク材料がチヤンネル１１６内で固化す
るのを防止する熱ロツドヒーター１２０を有す
る。底部ブロツク１０２はかみ合いスロツト３０
及びタブ３２，３４を形成するようにかたち作ら
れている凹部１０７を含む。射出点１２２は上部
ブロツク１０４のポイントオリフイス１１８と整
合し、チヤンネル１１６からの溶融プラスチツク
材料を受け入れる。低部ブロツク１０２はまた第
６図において冷却液入口ライン１２３及び冷却液
出口ライン１２６で表わされる冷却系も含む。

フレーム１８ａ，１８ｂは断続工程で連続ウエ
ツブ３８の上に直接成形される。上部及び下部ロ
ーラ１３２，１３４，１３６，１３８及び１４０
の一連の組はフイードロール１３０から成形機１
００に、そして成形機１００を越して断続的に引
つ張られる連続ウエツブに対しほゞ水平の通路を
画成する。成形機１００の上流にある１組のロー
ラー１３２はウエツブ３８を完全に横切つて延在
している。しかしながら、成形機のすぐ下流にあ
るローラーの組１３４，１３６は連結シヤフト１
４２のそれぞれの端部に配置され、ウエツブ３８
の両側縁に接触し、かつ新しく成形されたフレー
ム１８をまたいでいるローラーから成る。下流の
ローラーのうちの少なくとも１組１３６は断続作
動モーター１４４で作動され、新しく成形された
フレームの複数対１８ａ，１８ｂを成形機１００
の領域から前進させ、追加のウエツブ３８をフイ
ードロール１３０から引つ張り、そして新しいウ
エツブを成形機の同領域内に位置させる。

静止しているウエツブ３８及び成形機のブロツ
ク１０２，１０４間に位置するウエツブの新しい
セグメントに関し、上部ブロツク１０４及び下部
ブロツク１０２がウエツブ通路の平面で一諸にな
り、それらの間にウエツブをきつちりサンドイツ
チするまで、上部ブロツクはガイドピン１１１に
沿つて下方に、一方下部ブロツクはガイドピン１
１１に沿つて上方に往復運動する。ノズル１１４
はある機構（図示せず）によつて射出オリフイス
１１２に下げられ、溶融プラスチツク材料がキヤ
ビテイー１０８に射出される。下部ブロツク１０
２の冷却システムはキヤビテイー１０８内のプラ
スチツク材料の固化を促進させ、そして十分な時
間が経過してプラスチツク材料を固化させると、
ブロツク１０２，１０４は往復運動して離れ、連
続ウエツブ３８に固着した成形されたフレーム１
０８を残す。次に、モーター１４４が作動して下
流のウエツブ３８をずれないように揃え、成形機
の下流の新しく成形されたフレーム対を前進さ
せ、そして成形機の当該領域に新しいウエツブ部
分を入れる。

引張りローラーの組１３６の下流にフレームを
固着保持するウエツブ３８ａを横断して延在し、
嵩の大きいフレーム１８ａ及び１８ｂを通過させ
る弾性掴み面を有するもう１つのローラーの組１
３８がある。弾性ローラーの組１３８は、例えば
ベルトでモーター作動ローラーの組１３６に連結
されており、ウエツブ３８ａを同程度に前進させ
る。作動されるローラーの組１３６と弾性ローラ
ーの組１３８の間にはフレームの両側端部から過
剰のウエツブをトリミングするように位置された
１組の刃１４６が配置されている。

弾性ローラーの組１３８の下流にもう１組の弾
性ローラー１４０がある。このローラーの組はウ
エツブが成形機１００を断続通過するのと連動し
てトリミングされたウエツブ３８ｂを移動させ
る。弾性ローラー１３８，１４０の両組を中間に
往復運動するナイフ１５０が配置され、一対のフ
レーム１８ａ及び１８ｂが成形機で成形されてい
る間に隣接フレーム対間に孔の線を与える。下流
の弾性ローラー１４０はウエツブを孔の線４６に
沿つて裂かないように極く弱い引張り力を加えな
がらウエツブを前進させる。

ローラーの組の下流にはフイードリール１３０
からくり出されたウエツブと連動してフレーム保
持ウエツブを巻き取るスプール１５０がある。巻
取スプール１５２は各分配パツケージ４２に入れ
るための、所定数の接続フレーム対を含むウエツ
ブリール１５３に巻く梱包装置と結び付いてい
る。これに適した梱包装置はこの技術分野で公知
で、本明細書では詳しくは述べない。

本発明は更に、将来の参照のために注型ブロツ
ク１６を貯蔵するための引出しキヤビネツトを提
供する。これは第７図に２００で一般的に示され
ている。滑り引出し２０２は関連したキヤビネツ
ト２０４を有する。キヤビネツト２０４は空間が
必要な標本のための引出し／キヤビネツトを必要
とされる程度だけ加え、かつ個々の標本充填引出
し／キヤビネツトを時間の経過後それぞれの基準
で更に離れた貯蔵場所に移せるように一諸に詰め
並べ、かつ施錠できる。

引出し２０２は低吊り（low slung）、上装填
式の長方形の箱で、前面パネル２０１、後面パネ
ル２０３、対向側面パネル２０５及び底２０７を
含み、また開放上部を有する。引出し２０２の前
面パネルから後面パネルまで縦仕切２０８が延び
ている。仕切２０８と側面パネル２０５は注型ブ
ロツク１６の基部として作用しているカプセル１
０の対向縁を受容するための案内チヤンネル２１
２を備えている。案内チヤンネル２１２はブロツ
ク１６の突出部６４を収容するように十分に離し
て配置されている。各引出し２０２に貯蔵される
ブロツクの数と各分配パツケージ４２に収容され
る巻き取られたカプセルの数とは同数であつても
よく、またカプセル及び引出しは対応する表示を
予かじめラベルとして貼り付けておいてもよい。
各引出し２０２の前面パネル２０１に取付けられ
た取手２２０はキヤビネツト２０４中の引出しを
引き出し易くする。

キヤビネツト２０４は低吊りの長方形の箱から
なり、上面パネル２３２、底面パネル２３３、対
向側面パネル２３５及び後面パネル２３７を含
み、そして引出し２０２を受け入れるための開放
前面端が残つている。対向側面パネル２３５はそ
れぞれその上端縁に密接する１個またはそれ以上
のノツチ２４１と対応する数の、その底端縁に密
接する垂直整合したノツチ２４２を有する。ノツ
チはそれぞれクリツプロツク２４０を受容するよ
うになつており、キヤビネツトが一諸に積み重ね
られるときは１つのキヤビネツトの上端縁ノツチ
２４１と上に積み重ねられたキヤビネツトの隣接
低端縁ノツチ２４２にクリツプロツク２４０が挿
し込まれる。このようにして、クリツプロツクで
施錠された複数の引出し／キヤビネツト２００は
単一の貯蔵組立体となる。

技術者は引出し案内チヤンネル２１２に封埋標
本のブロツク１６を順番に入れた単一の引出し／
キヤビネツト２００をいつでも自分の作業台に置
いておくことができる。引出し２０２に標本を入
れる操作と操作の中間において、引出しはキヤビ
ネツト２０２内に保持してちりからブロツク１６
を守る。引出し２０２が一杯になつたら、引出し
をその関連キヤビネツト２０４に入れ、貯蔵場所
に移し、そこで多数の同数に積み重ねられている
引出し／キヤビネツト２００の一番上に載せ、ク
リツプロツクで施錠する。このように施錠された
キヤビネツトは自分から立つている１つの安全な
積重ねキヤビネツトを形成している。この積重ね
キヤビネツトは充填されたキヤビネツトを含んで
いるだけであるので、必要とされる以上の貯蔵場
所は取らない。直ぐ近くの貯蔵場所が完全に占有
されたら、前に充填したキヤビネツトを有する積
重ねキヤビネツトの一部を分け、その積重ねキヤ
ビネツトの前に充填した部分を更に隔つた場所に
移すこともできる。

本発明の幾つかの利点は更に完全に評価するこ
とができる。カプセル１０は組織標本１２を処理
液及び封埋材料に極めて良好に暴露されるように
し、同時に浮遊物を含めてその組織標本のあらゆ
る部分を安全、確実に保持し、かくして多数の組
織標本を相互汚染の危険が全くなしで一諸に処理
することができる。カプセル１０は、その単純な
かみ合わせ機構、パツケージからのその分取性、
及び組織含有領域を画成するのに加えて、対にな
つたフレームを一諸に保持する丁番セグメントを
含む相互接続ウエツブを含めて、技術者によるそ
の使用を容易にする幾つかの特徴を与える。カプ
セルは自己保存性で、二重の役割、すなわち第一
に処理用カプセルとしての役割と、第二に注型ブ
ロツク１６の固定可能ベースとして注入成形用型
と共に使用する際の役割を果す。

極めて重要な事であるが、このカプセルはフレ
ーム１８ａ及び１８ｂを形成し、同時にそれらフ
レームを多孔質材料２２に固着する一段成形法で
製造される。この製造法はカプセル１０を非常に
安価に形成するのを可能にする。

本発明をある好ましい態様によつて説明したけ
れども、本発明の範囲から外れない範囲で当業者
にとつて明らかな色々な改変も加えることができ
る。例えば、別の配置のかみ合わせタブ及びスロ
ツトによりカプセルを形成する両フレームを同一
とすることができる。この場合は、単一のフレー
ムキヤビテイーを有する金型成形機が用いること
ができるだろう。

本発明の色々な特徴は前記特許請求の範囲に述
べられている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の色々な特徴を具現している、
隣接する底部及び上部フレームを示す組織標本カ
プセルの平面図であり、第２図は上部フレームを
底部フレームの上に配置して有する第１図の密閉
カプセルの側立面図であり、第３図は第２図の線
３−３に沿つて取つた断面図であり、第４図は一
体になつた多孔質材料のウエブを持たない離間関
係で示される一対のプラスチツク材料の成形フレ
ームの斜視図であり、第５ａ〜５ｉ図は第１図の
組織カプセルを用いて行われる。組織カプセルか
ら組織標本含有注型ブロツクをミクロトームでス
ライスする組織標本の製造方法を説明する工程図
であり（第５ｅ図および第５ｇ〜５ｉ図は次の頁
に示される）、第６図は第１図の組織カプセルを
製造するのに用いられる装置を図解する図であ
り、そして第７図は本発明の色々な特徴を具現す
る組織標本含有注型ブロツクの貯蔵システムの斜
視図である。 １０……カプセル、１２……組織標本、１４…
…型、１６……組織標本含有ブロツク、１９……
開口、２０……かみ合わせ手段、２２……多孔質
材料、２４……組織標本保持用領域、３８……多
孔質材料のウエツブ、４２……パツケージ、１０
０……成形機、１０２，１０４……成形ブロツ
ク、１０８……キヤビテイー、１１４……射出ノ
ズル、１１８……ポイントオリフイス、１２０…
…ロツドヒーター、１２４，１２６……冷却系、
１３０……フイードロール、１３６……引張りロ
ーラー、１５０……ナイフ、１５３……ウエツブ
リール、２００……引出し／キヤビネツト、２０
２……引出し、２０４……キヤビネツト、２４０
……クリツプロツク、２４１，２４２……ノツ
チ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 各々が中央開口を画成している１対のフレー
   ムと、該フレームの各々の中央開口に張られてい
   る多孔質のウエツブと、該フレームを接触関係で
   保持するための手段とを含んで成る、組織学的検
   査の準備のための流体処理に際して組織標本を受
   容、保持するためのカプセルにして、 該フレームは、面と面とがぴつたり合う関係で
   互いに接触することができるようになつている互
   いに相補関係にある面を有し、かつ接触している
   該フレーム内の開口は組織処理用流体のための流
   体通路を画成し、；そして 該ウエツブは、該フレームが接触関係にあると
   き離間配置されていて該ウエツブ間に組織受容領
   域を画成し、該ウエツブは該組織受容領域に置か
   れた組織標本の全ての部分を保持し、しかも同時
   に該ヴエツブを通つて流体が流れるのを可能にす
   る多孔度を有し、かつ該ウエツブは、該カプセル
   を封埋された組織のブロツクのためのベースとし
   て使用するとき、該ウエツブの封埋用媒体への浸
   漬を可能にすべく容易に切断可能なものである前
   記組識標本の受容、保持用カプセル。 ２ 該フレームが該ウエツブに成形されている、
   特許請求の範囲第１項に記載のカプセル。 ３ 該ウエツブの多孔度が25〜75％である、特許
   請求の範囲第２項に記載のカプセル。 ４ 相補関係にある一対の該フレームが互いに１
   列に離間整列された関係で該ウエツブに固着さ
   れ、かつ該フレームの面を接触させたとき該フレ
   ーム間のウエツブ部分が丁番として機能するよう
   な距離で離間配置されている、特許請求の範囲第
   １項に記載のカプセル。