JPH0551659A - アルミニウム溶湯中からの脱水素方法 - Google Patents

アルミニウム溶湯中からの脱水素方法

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JPH0551659A
JPH0551659A JP20945091A JP20945091A JPH0551659A JP H0551659 A JPH0551659 A JP H0551659A JP 20945091 A JP20945091 A JP 20945091A JP 20945091 A JP20945091 A JP 20945091A JP H0551659 A JPH0551659 A JP H0551659A
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JP
Japan
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molten aluminum
inert gas
aluminum
molten
hydrogen
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JP20945091A
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English (en)
Inventor
Yoshitatsu Otsuka
良達 大塚
Yoshiaki Eguchi
義昭 江口
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Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム溶湯中に不活性ガスの気泡を吹
き込むことなく、アルミニウム溶湯中から水素を除去す
る。処理時のドロスの発生を防止し、その結果アルミニ
ウム溶湯の損失を防止する。アルミニウム溶湯の飛散を
防止し、るつぼのメンテナンスを簡単もしくは不要にす
る。 【構成】 アルミニウム溶湯(A) を不活性ガス雰囲気中
に保持しておき、このアルミニウム溶湯(A) を撹拌す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば鋳造、押
出、圧延等の各種アルミニウム一次製品の製造ラインに
おいて、アルミニウムを溶解したさいに、アルミニウム
溶湯中に溶存した不純物としての水素を除去する脱水素
方法に関する。
【0002】この明細書において、「アルミニウム」と
いう語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を
含むものとする。また、この明細書において、「不活性
ガス」という語には、周期表のアルゴンガス、ヘリウム
ガス、クリプトンガス、キセノンガスの他にアルミニウ
ムに対して不活性な、たとえば窒素ガスも含むものとす
る。
【0003】
【従来の技術】従来、上述したような溶存水素ガスを除
去する方法として、アルミニウム溶湯を撹拌しながらこ
の溶湯中に不活性ガスを微細な気泡状態で吹き込み、こ
の気泡中に水素を拡散させ、気泡とともに水素ガスとし
て浮上させる方法が知られている(特公昭60−497
00号公報、特公昭61−40737号公報および特公
昭52−36487号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、不活性ガスの気泡がアルミニウム溶湯表面に
浮上して破裂するさいに溶湯が飛散し、アルミニウムの
損失につながるドロスの発生量が多くなるという問題が
あった。特に、高価な99.99wt%以上の高純度アル
ミニウムを処理するさいに、アルミニウム溶湯の損失は
大きな問題となる。また、飛散した溶湯が処理るつぼの
周壁や天井の内面に付着するので、付着物除去のための
処理るつぼのメンテナンスに時間や費用がかかるという
問題があった。
【0005】この発明の目的は、上記問題を解決したア
ルミニウム溶湯中からの脱水素方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によるアルミニ
ウム溶湯中からの脱水素方法は、アルミニウム溶湯を不
活性ガス雰囲気中に保持しておき、このアルミニウム溶
湯を撹拌することを特徴とするものである。
【0007】上記アルミニウム溶湯中からの脱水素方法
において、不活性ガスの露点が−15℃以下であること
が好ましい。また、不活性ガス中の酸素濃度が5vol %
以下であることが好ましい。不活性ガスの露点が−15
℃以下であり、および/または不活性ガス中の酸素濃度
が5vol %以下であると、理由は明確ではないが、脱水
素効率が向上するからである。
【0008】
【作用】アルミニウム溶湯を不活性ガス雰囲気中に保持
しておき、このアルミニウム溶湯を撹拌すると、アルミ
ニウム溶湯中からの脱水素処理を効果的に行うことがで
きる。その理由は以下のように考えられる。すなわち、
不活性ガスと接する溶湯表面では雰囲気中の水蒸気分圧
に対応して平衡水素濃度が定まる。アルミニウム溶湯中
の水素濃度が溶湯表面での平衡水素濃度よりも大きい
と、溶湯中の水素は溶湯表面に拡散し、溶湯表面から雰
囲気中へ水素ガスとして抜け出ることにより溶湯中の水
素濃度が減少するが、この拡散による溶湯中の水素濃度
の減少は、拡散方程式からも予想されるように、極めて
長時間を要する。ところが、溶湯を撹拌して溶湯中に強
制対流を生じさせると、拡散による溶湯中の水素濃度の
減少が加速され、溶湯中からの脱水素を効果的に行うこ
とができる。
【0009】しかも、この方法によれば、アルミニウム
溶湯中に不活性ガスを気泡状態で吹き込む必要はなくな
る。
【0010】
【実施例】以下、この発明の方法について説明する。
【0011】図1はこの発明の方法に実施する装置の1
具体例を示す。
【0012】図1において、アルミニウム溶湯(A) の脱
水素装置は、周壁(1a)にヒータ(2)が埋設されている加
熱炉(1) 内に配置された密閉構造の処理チャンバ(3) を
備えている。処理チャンバ(3) は、たとえばステンレス
鋼から形成されかつ上端が開口したチャンバ本体(4)
と、同じくステンレス鋼から形成されかつ着脱自在の蓋
体(5) とよりなる。チャンバ本体(4) の外周面の上端部
にはシール材充填用環状溝(6) が全周にわたって設けら
れている。環状溝(6) 内には、たとえば砂からなるシー
ル材(7) が充填されている。また、チャンバ本体(4) の
周壁(4a)の下部には不活性ガス供給口(8) が形成され、
この供給口(8) に不活性ガス供給管(9) が接続されてい
る。
【0013】蓋体(5) の周縁部はチャンバ本体(4) の周
壁(4a)よりも外方に突出しており、この部分に環状下方
突出壁(5a)が全周にわたって一体に形成されている。下
方突出壁(5a)の下部は環状溝(6) の内のシール材(7) 中
に差し込まれている。また、蓋体(5) の中央部には貫通
穴(11)が形成されている。貫通穴(11)の周囲にシールド
装置(12)が設けられている。シールド装置(12)は、貫通
穴(11)を囲むように蓋体(5) の上面に固定状にかつ上方
突出状に設けられた内外2重の筒状囲繞壁(13)(14)を備
えており、両囲繞壁(13)(14)の上端間が閉鎖されてその
内部が不活性ガス通路(15)となされている。内側囲繞壁
(13)には複数の不活性ガス吹出口(16)が形成されてい
る。外側囲繞壁(14)にはシールド用の不活性ガス供給管
(18)が接続されている。また、蓋体(5) には処理チャン
バ(3) 内の余剰の不活性ガスを排出する不活性ガス排出
管(20)が貫通固定されている。図示は省略したが、蓋体
(5)には、温度検出器の挿入口が形成されており、この
挿入口を通して、処理チャンバ(3) 内に温度検出器が挿
入されている。
【0014】処理チャンバ(3) 内には、たとえばアルミ
ナから形成されたるつぼ(21)が配置されている。るつぼ
(21)の周壁(21a) 内面には、周方向に間隔をおいて複数
の邪魔板(22)が配置されている。邪魔板(22)の上端はア
ルミニウム溶湯(A) の表面から上方に突出しており、下
端はアルミニウム溶湯(A) の略半分の深さの位置にあ
る。るつぼ(21)内のアルミニウム溶湯(A) 中には、蓋体
(5) の貫通穴(11)を通された垂直回転軸(23)の下端に固
定状に設けられた円板状の撹拌部材(24)が浸漬されてい
る。撹拌部材(24)の周面には周方向に間隔をおいて複数
の撹拌羽根(24a)が形成されている。
【0015】このような構成において、アルミニウム溶
湯(A) からの脱水素処理を行うには、るつぼ(21)内に処
理すべきアルミニウム溶湯(A) を入れ、ヒータ(2) によ
って溶融温度以上に加熱保持しておく。これと同時に、
不活性ガス供給管(9) から処理チャンバ(3) 内に不活性
ガスを供給し、チャンバ(3) 内を不活性ガス雰囲気とし
ておく。また、シールド装置(12)の不活性ガス供給管(1
8)から不活性ガス通路(15)内に上記と同様な不活性ガス
を供給し、吹出口(16)から吹出させることによって垂直
回転軸(23)と貫通穴(11)との間をシールドする。そし
て、垂直回転軸(23)および撹拌部材(24)を回転させてア
ルミニウム溶湯(A) を撹拌する。すると、アルミニウム
溶湯(A) 中の水素が除去される。
【0016】次に、図1に示す装置で行ったこの発明の
方法のさらに具体的な実施例について説明する。
【0017】具体的実施例1 るつぼ(21)内に、純度99.99wt%の高純度アルミニ
ウムの溶湯(A) を入れ、ヒータ(2) により700℃に加
熱保持しておいた。この溶湯(A) 中には0.31cc/
100gの水素が含まれていた。そして、処理チャンバ
(3) 内を露点−40℃、酸素濃度1.0vol %のアルゴ
ンガス雰囲気としておき、垂直回転軸(23)および撹拌部
材(24)を回転数500rpm で回転させた。
【0018】10分経過後、20分経過後および30分
経過後のアルミニウム溶湯(A) 中の水素量を測定したと
ころ、それぞれ0.12cc/100g、0.05cc
/100gおよび0.02cc/100gであった。ま
た、ドロスの発生の有無を調べたところ、まったく発生
していなかった。
【0019】具体的実施例2 るつぼ(21)内に、純度99.99wt%の高純度アルミニ
ウムの溶湯(A) を入れ、ヒータ(2) により750℃に加
熱保持しておいた。この溶湯(A) 中には0.29cc/
100gの水素が含まれていた。そして、処理チャンバ
(3) 内を露点10℃、酸素濃度0.01vol %の窒素ガ
ス雰囲気としておき、垂直回転軸(23)および撹拌部材(2
4)を回転数600rpm で回転させた。
【0020】20分経過後および30分経過後のアルミ
ニウム溶湯(A) 中の水素量を測定したところ、それぞれ
0.11cc/100gおよび0.10cc/100g
であった。また、ドロスの発生の有無を調べたところ、
まったく発生していなかった。
【0021】具体的実施例3 るつぼ(21)内に、純度99.99wt%の高純度アルミニ
ウムの溶湯(A) を入れ、ヒータ(2) により675℃に加
熱保持しておいた。この溶湯(A) 中には0.25cc/
100gの水素が含まれていた。そして、処理チャンバ
(3) 内を露点−15℃、酸素濃度3vol %のアルゴンガ
ス雰囲気としておき、垂直回転軸(23)および撹拌部材(2
4)を回転数400rpm で回転させた。
【0022】20分経過後および30分経過後のアルミ
ニウム溶湯(A) 中の水素量を測定したところ、それぞれ
0.09cc/100gおよび0.06cc/100g
であった。また、ドロスの発生の有無を調べたところ、
まったく発生していなかった。
【0023】
【発明の効果】この発明のアルミニウム溶湯からの脱水
素方法によれば、上述のようにして、アルミニウム溶湯
中から水素を除去することができる。しかも、従来のよ
うにアルミニウム溶湯中に不活性ガスの気泡を吹き込む
必要はないので、不活性ガス気泡が溶湯表面で破裂する
ことに起因するドロスの発生を防止できる。したがっ
て、アルミニウム溶湯の損失を防止することができる。
また、不活性ガス気泡が溶湯表面で破裂することに起因
するアルミニウム溶湯の飛散を防止できるので、処理る
つぼのメンテナンスが簡単もしくは不要になり、その費
用が安くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のアルミニウム溶湯からの脱水素方法
を実施する装置の1具体例を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
A アルミニウム溶湯

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム溶湯を不活性ガス雰囲気中
    に保持しておき、このアルミニウム溶湯を撹拌すること
    を特徴とするアルミニウム溶湯中からの脱水素方法。
  2. 【請求項2】 不活性ガスの露点が−15℃以下である
    請求項1記載のアルミニウム溶湯中からの脱水素方法。
  3. 【請求項3】 不活性ガス中の酸素濃度が5vol %以下
    である請求項1記載のアルミニウム溶湯中からの脱水素
    方法。
JP20945091A 1991-08-21 1991-08-21 アルミニウム溶湯中からの脱水素方法 Pending JPH0551659A (ja)

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