JPH0551338A - 高品位ビスフエノールaの製造方法 - Google Patents

高品位ビスフエノールaの製造方法

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JPH0551338A
JPH0551338A JP3232354A JP23235491A JPH0551338A JP H0551338 A JPH0551338 A JP H0551338A JP 3232354 A JP3232354 A JP 3232354A JP 23235491 A JP23235491 A JP 23235491A JP H0551338 A JPH0551338 A JP H0551338A
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adduct
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度で色相にすぐれかつ溶融物の着色のな
いビスフェノールAの製造方法を提供する。 【構成】 ビスフェノールAとフェノールからなる実質
的に中性条件下にある結晶アダクトもしくはその溶融物
あるいは該結晶アダクトとフェノールとの混合物もしく
はその溶融物に、脂肪族カルボン酸を添加混合した後、
温度130〜200℃、減圧下においてフェノールを蒸
発除去させることを特徴とする高品位ビスフェノールの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度で色相にすぐれ
かつ着色のない高品位ビスフェノールAの製造方法に関
する。ビスフェノールAはポリカーボネート樹脂やエポ
キシ樹脂の原料であり、近年は、特に光学用途に適した
無色透明かつ高純度のビスフェノールAの需要が著しく
増加している。
【0002】
【従来技術及びその問題点】ビスフェノールA〔2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕を製造す
るために、酸触媒の存在下、過剰のフェノールにアセト
ンを反応させることは知られている。また、この反応生
成物から高純度ビスフェノールAを分離回収するため
に、反応生成物を冷却してビスフェノールAとフェノー
ルとの結晶アダクト(以下、単に結晶アダクトとも言
う)を晶出させ、得られたアダクト結晶からフェノール
を除去すことも知られている。このようなビスフェノー
ルAの製造方法において、製品として回収されるビスフ
ェノールAの純度は、その結晶アダクトからのフェノー
ルの除去率に大きく依存することはもちろんであるが、
アダクト結晶に含まれるフェノール以外の不純物によっ
ても影響される。結晶アダクトに含まれるフェノール以
外の不純物を除去するために、液体フェノールによりア
ダクト結晶を洗浄する方法は知られている(特開平1−
146839号)。この公知方法では、洗浄用の液体フ
ェノールとして、結晶アダクトから分離したフェノール
を用いることを特徴とし、これによって工業用フェノー
ルを用いる場合よりも、色相の良い製品ビスフェノール
Aを得ている。この場合、結晶アダクトからフェノール
は、蒸発、抽出、水蒸気によるストリッピング等によっ
て分離される。結晶アダクトから蒸発によりフェノール
を除去する方法としては、具体的には、特公昭52−4
2790号公報に示されているように、結晶アダクトを
溶融後、180℃より上の温度及び減圧下で0.1〜3
0分間で気化し、フェノールを分別凝縮させてビスフェ
ノールAから分離する方法を挙げることができる。しか
し、前記のようにして、結晶アダクトをフェノール洗浄
し、次いで蒸発処理して得られるビスフェノールAは、
未だ色相の点で不十分である上、その溶融物が着色しや
すいという問題があった。
【0003】このような問題を解決するためにシュウ酸
やクエン酸をフェノール/水/ビスフェノールA混合物
中に加えた後、蒸留処理することにより、改善された色
相を有するビスフェノールAを得る方法が提案されてい
る(特公昭40−19333号)。また、ビスフェノー
ルAの安定性を向上させるために、チオグリコール酸、
グリコール酸又はポリリン酸を添加する方法(特公昭4
7−43937号)や、乳酸、リンゴ酸又はグリセリン
酸を添加する方法(特開平2−231444号)等も知
られている。しかし、前記の方法においても、ビスフェ
ノールAの色相改善の効果は未だ充分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高純度で色
相にすぐれかつ溶融物の着色のないビスフェノールAの
製造方法を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、前記添加剤を加え
てビスフェノールAの色相を向上させる方法において未
だ充分な色相改善効果が達成されないのは、その添加剤
を添加する際の結晶アダクト中に共存する微量の強酸が
原因となって、ビスフェノールAの色相を悪化させるこ
とを見出すとともに、このような強酸を強アルカリによ
って中和すると、その中和に用いた過剰の強アルカリ
や、副生した強アルカリ金属塩がビスフェノールAの色
相を悪化させることを見出し、さらに、実質的に中性条
件にある結晶アダクトに添加剤を混合し、130〜20
0℃の温度で、減圧下、フェノールを蒸発除去させて得
られるビスフェノールAは、色相にすぐれ、かつ溶融物
の色相の経時変化の著しく抑制されたものであることを
見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によ
れば、ビスフェノールAとフェノールからなる実質的に
中性条件下にある結晶アダクトもしくはその溶融物ある
いは該結晶アダクトとフェノールとの混合物もしくはそ
の溶融物に、脂肪族カルボン酸を添加混合した後、温度
130〜200℃、減圧下においてフェノールを蒸発除
去させることを特徴とする高品位ビスフェノールの製造
方法が提供される。
【0006】本発明において用いるビスフェノールAと
フェノールの結晶アダクトは、従来公知の方法によって
製造される。即ち、過剰のフェノールとアセトンとを酸
触媒の存在下で反応させてビスフェノールAを含む反応
生成物を得たのち、この反応生成物を晶析処理すること
によって、ビスフェノールAとフェノールとの結晶アダ
クトを得ることができる。
【0007】ビスフェノールAを得るためのフェノール
とアセトンとの反応においては、酸触媒として、塩酸、
硫酸、スルホン酸型の強イオン交換樹脂等の強酸性物質
が用いられる。このような強酸性物質は、フェノールと
アセトンとの反応系においては、その触媒として作用す
る他、加熱条件下では、着色物質や不純物の発生を促進
させる作用も示し、回収されるビスフェノールA及びフ
ェノールの色相及び純度を低下させる。従って、このよ
うな強酸性物質は、加熱条件を伴う後続の脱フェノール
工程に流出させないように、反応後、除去又は中和する
ことが提案されている。例えば、塩酸を触媒として用い
る反応では、反応後、生成物を加熱して塩酸を除去し、
残留する塩酸はこれをアルカリで中和し、pH5〜6に
中和する方法が提案されている(特公昭47−4393
7号)。また、強酸型イオン交換樹脂を用いる方法で
は、反応に際し、そのイオン交換樹脂の分解により有機
スルホン酸が脱離し、生成物中に混入することから、そ
の有機スルホン酸を弱塩基性イオン交換樹脂を用いて中
和する方法が提案されている(米国特許第419184
3号)。一方、フェノール及びビスフェノールAの色相
及び純度は、酸だけでなく、アルカリによっても低下す
るので、強酸性物質のアルカリによる中和は、中和点を
超えないように行うことが必要である。
【0008】以上のように、フェノールとアセトンを強
酸性物質の存在下で反応させる反応では、反応生成物中
に存在する強酸性物質を反応後、中和点を超えないよう
に中和するか、反応系から除去することが必要であり、
また、強酸性物質の中和に用いたアルカリが残存すると
きには、このアルカリも除去することが必要である。ま
た、反応生成物中に存在する強酸性物質あるいはアルカ
リの除去は、後続の晶析工程において、多段階晶析工程
を用いることによって除去することができる。本発明で
用いる実質的に中性条件下にある結晶アダクトとは、前
記のような強酸性物質やアルカリ性物質の影響の除去さ
れた結晶アダクトを意味するものである。このような結
晶アダクトは、pH5.0を示すように酸度を調整した
メタノール水溶液に添加溶解し、フェノールの実質的非
電離条件下におけるpH測定方法において、pH4.9
0〜5.50、好ましくはpH4.95〜5.20を示
すものである。なお、本明細書において示す結晶アダク
トのpHは、前記測定法により得られたものである。本
発明では、結晶アダクトとして、前記したように、実質
的に中性条件下にあるものを用いるが、この場合、結晶
アダクトの溶融色APHAを15以下に保持するのが好
ましい。溶融色APHAが15以下の結晶アダクトは、
前記のように結晶アダクトを実質的に中性条件下に保持
することによって得ることができるが、必要に応じ、晶
析工程における晶析段数を増加させることによって得る
ことができ、また、結晶アダクトを精製フェノールで洗
浄することによって得ることができる。
【0009】結晶アダクトに対してフェノールを用いて
洗浄処理を施す場合、特別の方法で処理した精製フェノ
ールの使用が特に有効である。即ち、本発明者らは、結
晶アダクトの洗浄に適したフェノールを得るための工業
用フェノール精製法について鋭意研究を重ねた結果、工
業用フェノールを強酸型イオン交換樹脂と接触させた
後、蒸留処理して得られる精製フェノールは、製品ビス
フェノールAの着色原因物質を含まず、この精製フェノ
ールを用いて結晶アダクトを洗浄し、洗浄された結晶ア
ダクトからフェノールを除去して得られる製品ビスフェ
ノールAは、色相の極めてすぐれたものであることを見
出した。前記工業用フェノールとしては、市販品を用い
ることができ、一般的には、フェノール純度99.5重
量%以上のもの好ましくは99.93重量%以上のもの
であればよい。
【0010】結晶アダクトの洗浄に適した精製フェノー
ルを得るための方法について詳述すると、先ず、工業用
フェノールを強酸型イオン交換樹脂と接触させて処理す
る。強酸型イオン交換樹脂としては、スルホン基を有す
るものが用いられ、このような強酸型イオン交換樹脂
は、従来良く知られているものである。例えば、ローム
アンドハース社から入手し得るアンバーライト及びアン
バーリストや、三菱化成社から入手し得るダイヤイオン
等のゲル型のものを好ましく用いることができる。この
強酸型イオン交換樹脂を用いるフェノールの処理は、強
酸型イオン交換樹脂を含む充填塔にフェノールを流通さ
せる方法や、強酸型イオン交換樹脂を入れた撹拌槽にフ
ェノールを入れて撹拌する方法等により実施することが
できる。処理温度は45〜150℃、好ましくは50〜
80℃である。強酸型イオン交換樹脂とフェノールの接
触時間は、5〜200分、好ましくは15〜60分程度
である。この強酸型イオン交換樹脂を用いてフェノール
の処理を行う場合、フェノール中の水分は、0.5重量
%以下、好ましくは0.1重量%以下にする。これより
水分が多くなると、強酸型イオン交換樹脂による不純物
除去効果が悪化する。フェノール中からの0.5重量%
以下までの水分の除去は、フェノール中に公知の共沸剤
を加え共沸させることによって行うことができる。
【0011】前記強酸型イオン交換樹脂と接触処理され
たフェノールは、高沸点不純物を含むもので、蒸留処理
することにより、その高沸点不純物を蒸留残渣として分
離する。蒸留塔の運転条件はフェノールと高沸点不純物
が分離できればよいが、留出フェノール中に高沸点不純
物が混入しない条件で行う必要があり、留意すべきポイ
ントとして蒸留処理温度を180℃以下にすることであ
る。185℃以下の温度であれば運転圧力は任意に設定
されるが、通常50Torr〜600Torrの減圧下
で行われる。運転温度が185℃をこえると高沸点不純
物等の分解がおこり精製フェノールの品質を低下させる
ので好ましくない。前記処理によって得られた精製フェ
ノールは、APHA基準の色相が10以下のものであ
り、製品ビスフェノールに付着しても、その色相を特に
悪化させることはない。
【0012】精製フェノールによる結晶アダクトの洗浄
は、結晶アダクトと精製フェノールとの接触を充分に達
し得る方法であればよい。この洗浄処理は、例えば、結
晶アダクトを分離するための濾過機や遠心分離機等の固
液分離装置の中で、母液を結晶アダクトから除去した
後、精製フェノールをその固液分離装置内に導入して洗
浄する方法や、固液分離装置から排出される少量の母液
が付着する結晶アダクトを、別の撹拌槽において精製フ
ェノールにより洗浄することもできる。結晶アダクトに
対する精製フェノールの使用割合は、結晶アダクト10
0重量部に対して、30〜1000重量部、好ましくは
100〜300重量部の割合である。結晶アダクトの洗
浄に用いられた後の精製フェノールは、そのまま又は前
段の晶析工程で得られる粗製結晶アダクトの洗浄に用い
た後、ビスフェノールAの合成反応工程における原料フ
ェノールとして循環使用される。
【0013】本発明を好ましく実施するには、実質的に
中性条件下にある結晶アダクトもしくはその溶融物又は
その結晶アダクトとフェノールとの混合物もしくはその
溶融物を、脂肪族カルボン酸の存在下で溶融し、減圧下
において加熱し、フェノールを蒸発除去する。本発明で
用いる脂肪族カルボン酸は、溶融状態にあるビスフェノ
ールAを気と長時間接触させたり、高温に保持した際の
ビスフェノールAの着色を防止する作用を示すものであ
る。本発明においては、実質的に中性条件下にある結晶
アダクトに対して脂肪族カルボン酸を添加し、結晶アダ
クト中のフェノールを蒸発除去させることにより、色相
にすぐれかつ着色のないビスフェノールAを得ることが
できる。脂肪族カルボン酸としては、ビスフェノールA
に対して着色防止効果を示すものであればどのようなも
のでもよく、従来公知のものが用いられる。このような
ものとしては、例えば、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、酒
石酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、グリセリン酸等
を挙げることができる。これらのものは、反応中、16
0℃以上の温度で分解あるいは異性化を起して、ビスフ
ェノールAに対する着色防止剤としてすぐれた作用を示
す。本発明においては、着色防止剤としては、脂肪族カ
ルボン酸を用いることが必要で、シュウ酸エステル、シ
ュラ酸アンモニウム、テレフタル酸、リン酸水素ナトリ
ウム等を用いても、充分なビスフェノールAの着色防止
効果は得られず、この場合には、ビスフェノールAを長
時間空気と接触させたり、高温に保持すると、ビスフェ
ノールAに着色を生じ、その色相が著しく悪化する。脂
肪族カルボン酸の添加量は、結晶アダクトに対し、1〜
100重量ppm、好ましくは5〜50重量ppmであ
る。また、本発明において、結晶アダクト又はこれを含
む混合物をシュウ酸又はクエン酸の存在下で加熱溶融す
る場合、その溶融温度は115〜180℃、好ましくは
120〜150℃であり、溶融圧力は、1〜5atm、
好ましくは1.0〜1.9atmである。溶融雰囲気
は、できるだけ酸素濃度の低い雰囲気が好ましく、通
常、酸素濃度0.005vol%以下、好ましくは0.
001vol%以下の雰囲気の使用が有利である。ま
た、本発明においては、結晶アダクト又はこれを含む混
合物を、短時間で溶融させるために、その結晶アダクト
又はこれを含む混合物を、前記した如き精製フェノール
のような着色の殆どない熱フェノールを用いて希釈して
溶融する方法や、結晶アダクト又はこれを含む混合物の
溶融済みの液中に溶解させる方法等を採用することもで
きる。
【0014】本発明においては、前記のようにして得た
加熱溶融物を蒸発処理するが、この場合の蒸発処理は、
130〜200℃、減圧条件下で行う。好ましい蒸発処
理は、溶融物全体の温度が185℃以下でかつ溶融物の
少なくとも一部が160℃以上の温度の加熱を受けるよ
うに行う。蒸発処理温度が余りにも低くなると、着色防
止剤として添加した脂肪族カルボン酸の効果が十分発揮
されなくなり、一方、余りにも高くなると、脂肪族カル
ボン酸の着色分解を生じるようになる。この蒸発処理は
減圧下で行われ、その圧力は100トール以下、好まし
くは5〜40トールである。また、蒸発処理の雰囲気
は、できるだけ酸素濃度の低い雰囲気が好ましく、通
常、酸素濃度0.005vo%以下、好ましくは0.0
01vol%以下の雰囲気の使用が有利である。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、高純度で色相にすぐ
れ、かつ溶融時における着色の防止された製品ビスフェ
ノールAを得ることができる。また、このものは、貯蔵
安定性にもすぐれている。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0017】実施例1 フェノールとアセトンを酸触媒の存在下で反応させて得
られる、溶融色50APHAであるビスフェノールA、
フェノールおよび不純物の混合物を多段階で晶析して、
結晶アダクトを析出させた。このスラリー溶液を減圧濾
過して固形状結晶アダクトを得、これを後述する方法で
得た精製フェノールをアダクト1重量部に対し2.5重
量部の割合で用いて洗浄した。このようにして得られた
結晶アダクト(色相:APHA5〜10、pH5.05
以下)に、表1に示す添加剤20重量ppm添加し、温
度:150℃、雰囲気中酸素濃度:0.0010vol
%の条件下で溶融し、次いで得られた溶融物を、温度:
175℃、圧力:10トール、雰囲気中酸素濃度:0.
0010vol%の条件下で蒸発処理して、フェノール
を実質的に完全に除去してビスフェノールAを得た。こ
の場合、フリーフェノール含有量は30wtppm以下
であった。次に、このビスフェノールAを、空気雰囲気
下で175℃で0時間又は2時間加熱保持する熱安定性
試験(試験A)及び空気を175℃で2.0時間吹込む
加速熱安定性試験(試験B)に付して、その際の色相を
評価した。その結果を表1に示す。なお、実験No.6
〜12は比較例を示す。
【0018】
【表1】
【0019】なお、上記で使用した精製フェノールは溶
融色6APHAのものであり、市販工業用フェノール
(水分濃度0.1wt%、不純物濃度0.05wt%)
をロームアンドハース社製、アンバーライトIR−11
8H+樹脂を用いて温度80℃、接着時間50分で接触
処理し、蒸留塔底温度175℃、塔頂圧力560tor
rで蒸留して得られたものである。
【0020】比較例1 実施例1において、別途調製した溶融色APHA5〜1
0、pH4.85の結晶アダクトを用いた以外は同様に
して実験を行った。この場合得られたビスフェノールA
の色相は以下のとおりであった。また、ビスフェノール
A中のフリーフェノールは50wtppmであった。
【0021】
【表2】
【0022】比較例2 精製フェノールを蒸留する際に蒸留塔底温度200℃と
する他は実施例1と同じようにしてビスフェノールAを
得たが、このものは、175℃〜0hrの試験A後の溶
融色APHA30を示した。
フロントページの続き (72)発明者 前島 哲夫 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 西島 裕明 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノールAとフェノールからなる
    実質的に中性条件下にある結晶アダクトもしくはその溶
    融物あるいは該結晶アダクトとフェノールとの混合物も
    しくはその溶融物に、脂肪族カルボン酸を添加混合した
    後、温度130〜200℃、減圧下においてフェノール
    を蒸発除去させることを特徴とする高品位ビスフェノー
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族カルボン酸が、ギ酸、グリコール
    酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グリセリン
    酸及び酒石酸の中から選ばれる少なくとも1種である請
    求項1の方法。
  3. 【請求項3】 結晶アダクトが、フェノール中で再溶解
    及び再結晶を1回以上行った後、精製フェノールで洗浄
    されたものである請求項1又は2の方法。
JP3232354A 1991-07-10 1991-08-20 高品位ビスフェノールaの製造方法 Expired - Lifetime JPH0778030B2 (ja)

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CNB991038614A CN1190403C (zh) 1991-07-10 1992-06-30 双酚a·酚结晶加合物的晶析装置、制法及其装置
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