JPH055078A - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

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JPH055078A
JPH055078A JP30908891A JP30908891A JPH055078A JP H055078 A JPH055078 A JP H055078A JP 30908891 A JP30908891 A JP 30908891A JP 30908891 A JP30908891 A JP 30908891A JP H055078 A JPH055078 A JP H055078A
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JP
Japan
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group
coating
hydrolyzable
vinyl resin
silyl group
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Application number
JP30908891A
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English (en)
Inventor
Yasushi Kato
康 加藤
Hisao Furukawa
久夫 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗料の保存安定性が良好で、密着性のよい塗
膜を形成しうる塗装方法をうる。 【構成】 主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、側
鎖または分子末端に加水分解性基と結合したケイ素基を
1分子中に少なくとも1個有し、さらに共重合成分とし
て重合性基を有するカルボン酸アミドを0.1 〜20%含有
し、アクリル酸エステルおよび(または)メタクリル酸
エステルを主成分とするシリル基含有ビニル系樹脂と、
加水分解性のエステル化合物および(または)アルキル
アルコールとを含む塗料を用いることを特徴とする塗装
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加水分解性シリル基を
含有し、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするビ
ニル系樹脂と、加水分解性のエステル化合物および(ま
たは)アルキルアルコールとを含む塗料を用いた塗装方
法に関し、とくに保存安定性の優れた架橋硬化性のある
塗料を用いた塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】本発明に
示されるような加水分解性基と結合したシリル基を含む
化合物は種々知られており、加水分解性シリル基によっ
て無機物に対する良好な密着性および水分、とくに大気
中の水分により常温架橋し、優れた耐久性の硬化物を形
成することから、塗料、コーティング剤、接着剤、シー
ラントおよびシランカップリング剤などとして広く用い
られている。
【0003】しかしながら、かかる化合物は保存時、保
存系内の微量の水とも反応し徐々に増粘する傾向にあ
り、上記のような用途には不都合が生じる。
【0004】したがって、このような化合物は、水分の
混入を極力抑えた状態で保存および使用されるが、それ
でもなお繰り返し使用するばあいの空気中の湿分の混
入、さらに顔料、充填剤を配合するばあい、これら配合
物が含有する、あるいは表面に吸着した水分の混入は避
けられない。
【0005】かかる理由から保存安定性の向上は実用上
大きな問題となっている。
【0006】また、前記化合物中に水酸基、カルボン酸
基、アミド基などを含み、活性水素基を含むばあい、密
着性などの物性の向上を期待できるが、米国特許4,043,
953号明細書には、水酸基、カルボン酸基、アミド基な
どを含み、活性水素基を含むばあい、保存安定性がとく
にわるく、保存中早期に増粘してゲル化することが示さ
れている。
【0007】
【課題を解決するための手段】ところが、本発明者ら
は、驚くべきことに、重合性基を有するカルボン酸アミ
ドを0.1 〜20重量%共重合成分として含む加水分解性シ
リル基を有するビニル系樹脂は非常に保存安定性に優
れ、また、加水分解性エステル化合物および(または)
アルキルアルコールを加えることによりさらに保存安定
性が改善され、また、物性面では期待通り密着性の面で
改良がはかられることを見出し、本発明に至った。
【0008】すなわち、本願発明は、主鎖が実質的にビ
ニル系重合体からなり、側鎖または分子末端に加水分解
性基と結合したケイ素基を1分子中に少なくとも1個有
し、さらに共重合成分として重合性基を有するカルボン
酸アミドを0.1 〜20%(重量%、以下同様)含有し、ア
クリル酸エステルおよび(または)メタクリル酸エステ
ルを主成分とするシリル基含有ビニル系樹脂と、加水分
解性のエステル化合物および(または)アルキルアルコ
ールとを含む塗料を用いることを特徴とする塗装方法に
関する。
【0009】
【実施例】本発明に用いるシリル基含有ビニル系樹脂
は、1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上の
加水分解性基と結合したシリル基を含有し、さらに共重
合成分として重合性基を有するカルボン酸アミドを0.1
〜20%含有するものであり、該シリル基の多くは、一般
式:
【0010】
【化1】
【0011】(式中、Xは加水分解性基、R1 、R2
水素または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基また
はアラルキル基を示し、nは1、2または3の整数であ
る)で示される。
【0012】本発明に用いるシリル基含有ビニル系樹脂
の製造は、種々の方法で可能であるが、 (A)側鎖または分子末端に炭素- 炭素二重結合を有す
るビニル系樹脂とヒドロシランとによるヒドロシリル化
反応による方法と、 (B)ビニル系化合物と重合性二重結合を有するシリル
化合物との共重合による方法とが工業的に有効な方法で
ある。
【0013】以下詳細に説明する。
【0014】(A) 本発明に用いるシリル基含有ビニ
ル系樹脂は、ヒドロシラン化合物を炭素- 炭素二重結合
を有するビニル系樹脂とVIII族遷移金属触媒の存在下で
反応させることにより、容易に製造される。
【0015】前記(A)法において使用されるヒドロシ
ラン化合物は、一般式:
【0016】
【化2】
【0017】(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、アラルキル基より選ばれる1価の炭化
水素基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ
基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、
アミノ基より選ばれる基、nは1〜5の整数である)で
示される化合物である。
【0018】この一般式で示されるヒドロシラン化合物
を具体的に例示すると、メチルジクロルシラン、トリク
ロルシラン、フェニルジクロルシランのごときハロゲン
化シラン類;メチルジエトキシシラン、メチルジメトキ
シシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメトキシシ
ラン、トリエトキシシランのごときアルコキシシラン
類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシ
シラン、トリアセトキシシランのごときアシロキシシラ
ン類;メチルジアミノキシシラン、トリアミノキシシラ
ン、メチルジアミノシラン、トリアミノシランなどの各
種シラン類があげられる。
【0019】用いるヒドロシラン化合物の量は、ビニル
系樹脂中に含まれる炭素- 炭素二重結合に対し、任意の
量の使用が可能であるが、0.5 〜2倍モル使用するのが
好ましい。これ以上の量のシランの使用を妨げるもので
はないが、未反応のヒドロシランとして回収されるだけ
である。
【0020】さらに、(A)法ではヒドロシラン化合物
として安価な基礎原料で高反応性のハロゲン化シラン類
が容易に使用できる。ハロゲン化シラン類を用いてえら
れるシリル基含有ビニル系樹脂は、空気中に暴露すると
ハロゲン化水素を発生しながら常温で速やかに硬化する
が、ハロゲン化水素による刺激臭や塗布した基材を腐食
する問題があり、限定された用途にしか実用上使用でき
ない。したがって、さらに続いてハロゲン官能基を他の
加水分解性官能基に変換することが望ましい。
【0021】(A)法に使用されるビニル系樹脂として
は、重合性基を有するカルボン酸アミドを成分として含
有し、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
メタクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メ
タクリル酸2-エチルヘキシルなどのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルを主成分とする樹脂が適当で
ある。ただし、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸な
どの酸無水物、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレートなどのエポキシ化合物、ジエチルアミノエ
チルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物の
ようなカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ
基などを含む共重合成分は、密着性の向上をもたらすが
保存安定性にわるい影響を与えるため、その使用量は0
〜5%が好ましい。
【0022】これらビニル化合物の単独あるいは共重合
体の製造時に、一部アクリル酸アリルやメタクリル酸ア
リル、ジアリルフタレートなどをラジカル共重合させる
ことにより、ビニル系樹脂中にヒドロシリル化反応のた
めの炭素- 炭素二重結合の導入が可能である。このため
に必要なモノマーの使用量は、目的とする樹脂中のシリ
ル基の数に応じて任意に定めることができる。さらに、
使用目的に合わせた分子量のシリル基含有ビニル系樹脂
をうるには、n- ドデシルメルカプタンやt-ドデシル
メルカプタンのごとき連鎖移動剤を必要に応じて加えれ
ばよい。これらビニル系化合物の重合の際には溶剤を使
用しても、また使用しなくてもよいが、使用するばあい
は、エーテル類、炭化水素類、酢酸エステル類のごとき
非反応性の溶剤の使用が好ましい。
【0023】(A)法に用いられる重合性基を有するカ
ルボン酸アミドとしては、アクリルアミド、メタクリル
アミド、イタコン酸ジアミド、α- エチルアクリルアミ
ド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジ
アミドなどが含まれ、シリル基含有ビニル系樹脂中に0.
1 〜20%、好ましくは0.5 〜10%含まれるのがよい。
【0024】(A)法においては、共重合体側鎖または
共重合体末端に残存する炭素- 炭素二重結合にヒドロシ
ラン化合物を反応させる段階で、遷移金属錯体触媒を必
要とする。
【0025】前記遷移金属錯体触媒としては、白金、ロ
ジウム、コバルト、パラジウムおよびニッケルから選ば
れたVIII族遷移金属錯体化合物が有効に使用される。
【0026】前記ヒドロシリル化反応は50〜150 ℃の任
意の温度で達成され、反応時間は1〜10時間程度であ
る。
【0027】(B) 本発明に用いるシリル基含有ビニ
ル系樹脂を製造する他の方法は、一般式:
【0028】
【化3】
【0029】(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、アラルキル基より選ばれる1価の炭化
水素基、R2 は重合性二重結合を有する有機残基、Xは
ハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキ
シ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基より
選ばれる基、nは1、2または3の整数である)で示さ
れるシラン化合物と各種ビニル系化合物とをラジカル重
合させる方法である。
【0030】(B)法に使用される前記シラン化合物と
しては、たとえば
【0031】
【化4】
【0032】などがあげられる。
【0033】これらのシラン化合物は種々の方法により
合成されるが、たとえばアセチレン、アリルアクリレー
ト、アリルメタクリレート、ジアリルフタレートと、メ
チルジメトキシシラン、メチルジクロルシラン、トリメ
トキシシラン、トリクロルシランとを、VIII族遷移金属
触媒の存在下で反応させることにより製造することがで
きる。
【0034】(B)法に使用されるビニル系化合物とし
ては、前記(A)法でビニル系樹脂合成時に用いられる
化合物を使用することが可能であるが、(A)法に記載
されたもの以外に2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-
ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2-ヒドロキシビニルエーテル、N- メチロールアク
リルアミド、アロニクス5700(東亜合成(株)製)など
の水酸基を含むビニル系化合物も可能である。ただし
(A)法と同様に、カルボン酸基、酸無水物基、エポキ
シ基、アミノ基および水酸基を含む共重合成分は、0〜
5%であるのが好ましい。
【0035】これらビニル系化合物とシラン化合物の共
重合体の合成は、通常の溶液重合法で行なわれる。ビニ
ル系化合物、シラン化合物、ラジカル開始剤、使用目的
に合わせた分子量のシリル基含有共重合体をうるために
必要に応じて使用されるn-ドデシルメルカプタン、t-
ドデシルメルカプタンのごとき連鎖移動剤を加え、50
〜150 ℃で反応させる。溶剤は、使用しても、また使用
しなくてもよいが、使用するばあいはエーテル類、炭化
水素類、酢酸エステル類のごとき非反応性の溶剤の使用
が好ましい。
【0036】このようにしてえられたシリル基含有ビニ
ル系樹脂は、公知の方法で加水分解性基を他の加水分解
性基に相互に変換することが可能である。
【0037】このようにして、主鎖が実質的にビニル系
重合体からなり、かつ加水分解性基と結合したケイ素基
を1分子中に少なくとも1個以上有し、さらに共重合成
分として重合性基を有するカルボン酸アミドを0.1 〜20
%含有するシリル基含有ビニル系樹脂がえられる。該樹
脂は保存安定性に優れ、また硬化促進剤の使用により、
または不使用でも優れた硬化性を示す。
【0038】本発明に用いるシリル基含有ビニル系樹脂
は、共重合成分として重合性基を有するカルボン酸アミ
ドを含む以外、とくに限定されないが、とくに保存安定
性のきびしい状況、たとえばシリル基含有ビニル系樹脂
1分子当りのシリル基含有量が多いばあい、または透明
酸化鉄のような水分を多量に含む顔料を分散させてエナ
メル化するばあいなどには、該樹脂の分子量が高いと保
存安定性に問題が生じることから、1,000 〜30,000の分
子量(GPCによる数平均分子量)であるのが好まし
い。
【0039】さらに前記シリル基含有ビニル系樹脂を含
有する本発明に用いる塗料において、保存安定性を改善
するために用いられる加水分解性のエステル化合物とし
ては、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、
オルトギ酸トリプロピル、オルトギ酸トリブチルなどの
オルトギ酸トリアルキル、および一般式:R(4-n) Si
n (式中、Xは加水分解可能な基、Rは1価の有機基
で官能基を含んでも含まなくてもよい。nは1〜4の整
数であり、好ましくは3または4である)で示される加
水分解性有機シリコン化合物があげられ、メチルトリエ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ- メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、オルトケイ酸テトラメチル、エチルシリケー
ト、オルトケイ酸テトラプロピル、オルトケイ酸テトラ
ブチルなどが使用される。加水分解性のエステル化合物
は、シリル基含有ビニル系樹脂100 部(重量部、以下同
様)に対して好ましくは0.1 〜50部、より好ましくは0.
2 〜30部の範囲で用いられる。
【0040】また、本発明に用いる塗料において、保存
安定性を改善するために用いられるアルキルアルコール
としては、アルキル基の炭素数が1〜10のアルコールが
好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコー
ル、tert- ブチルアルコール、n- アミルアルコール、
イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチル
アルコール、セロソルブなどが使用される。アルキルア
ルコールは、シリル基含有ビニル系樹脂100 部に対して
0.1 〜50部の範囲で用いるのが好ましい。
【0041】本発明に用いるシリル基含有ビニル樹脂と
加水分解性のエステル化合物および(または)アルキル
アルコールを含む塗料は、大気中に暴露されると、常温
で微量の水分とでも反応して網状組織を形成して硬化す
る。このばあいの硬化速度は大気温度、相対湿度および
加水分解性基の種類により変化するので、使用にあたっ
てはとくに加水分解性基の種類を充分考慮する必要があ
る。
【0042】本発明に用いる前記塗料を硬化させるにあ
たっては、硬化促進剤を使用してもよく、また使用しな
くてもよい。硬化促進剤を使用するばあい、アルキルチ
タン酸塩、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレートおよ
びオクチル酸鉛などのカルボン酸の金属塩あるいはモノ
ブチル錫サルファイド、ジオクチル錫ジオクチルメルカ
プタイドなどのスルフィド型またはメルカプチド型の有
機錫化合物、リン酸、p- トルエンスルホン酸、フタル
酸などの酸性触媒、テトラエチレンペンタミン、トリエ
チレンジアミン、N- β- アミノエチル- γ- アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどのアミン、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ触媒が有効であ
る。これら硬化促進剤の添加量は、該樹脂に対して0.00
1 〜10%であるのが好ましい。
【0043】本発明に用いる塗料は、常温または低温で
硬化が可能であるから、たとえば実施例で示すように常
温で速かに硬化して表面光沢の非常に高い、優れた塗膜
を与える。
【0044】前記塗料にエチルシリケートなど本発明に
用いるシリル基含有ビニル系樹脂と共縮合可能な化合物
を添加することにより、表面硬度が非常に高いなどの塗
膜の物性向上を図ることも可能である。また、本発明に
用いる塗料と現在塗料、コーティング剤として用いられ
ている種々の樹脂とをブレンドすることが可能であり、
たとえばラッカー系塗料、アクリルラッカー系塗料、熱
硬化型アクリル塗料、アルキッド塗料、メラミン塗料、
エポキシ系塗料などと適切な割合で混合して使用するこ
とができ、現在用いられているこれら塗料、コーティン
グ剤の基材への密着性、えられた塗膜の耐候性などの物
性を向上させることができる。
【0045】本発明に用いるシリル基含有ビニル系樹脂
組成物には、種々の充填剤や顔料などを混入させること
が可能である。充填剤、顔料としては、各種シリカ類、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化
鉄、ガラス繊維など種々のものが使用可能である。この
ようにして前記の用途だけでなく、航空機、建造物、自
動車、ガラスなどの被覆組成物、密封組成物および各種
無機物の表面処理剤としても有用である。
【0046】また、本発明に用いるシリル基含有ビニル
系樹脂組成物は、無機物、有機物に対する密着性に優れ
ていることから、無機物と無機物、有機物と有機物、と
くに無機物と有機物との接着剤、または他の接着剤に配
合することによる、これら接着剤の接着性改良剤として
有用である。
【0047】本発明の塗装方法においては、前記シリル
基含有ビニル系樹脂組成物(塗料)が、たとえばはけ
塗、スプレーコーティング、ロールコーティング、ディ
ップコーティングなどの各種方法により塗装される。
【0048】つぎに、本発明の方法を、具体的に実施例
に基づき説明する。
【0049】実施例1 90℃に加熱した90gのキシレン溶剤中に、スチレン30
g、メタクリル酸アリル19g、メタクリル酸メチル20
g、メタクリル酸n- ブチル19g、アクリル酸n-ブチ
ル14g、無水マレイン酸2g、アクリルアミド4g、n
- ドデシルメルカプタン2g、n-ブタノール10gにア
ゾビスイソブチロニトリル2gを溶かした溶液を滴下
し、10時間反応させ、分子量8,000 のアリル型不飽和基
含有のビニル系重合体をえた。
【0050】このものの赤外吸収スペクトルには1648cm
-1の炭素- 炭素二重結合による吸収および1780cm-1の酸
無水物の吸収が観測された。
【0051】えられた重合体溶液から減圧下で40gの溶
剤を除去し、大部分のn- ブタノールを除去した。
【0052】えられたアリル型不飽和基含有ビニル共重
合体溶液16gにメチルジメトキシシラン1.5 g、塩化白
金酸0.0005gをイソプロパノールに溶かした溶液を加
え、密封下90℃で6時間反応させた。このものの赤外線
吸収スペクトルには1648cm-1の吸収は消えており、シリ
ル基含有ビニル系重合体がえられた。
【0053】実施例2 90℃に加熱した70gのキシレン中に、スチレン30g、C
2 =C(CH3 )COO(CH3 3 Si(OC
3 3 22g、メタクリル酸メチル22g、メタクリル酸
n- ブチル15g、アクリル酸n- ブチル18g、アクリル
アミド4g、アセトン10gにアゾビスイソブチロニトリ
ル2gを溶かした溶液を滴下し、10時間反応させ、分子
量14,000(分子量測定法:GPC法)のシリル基含有ビ
ニル系重合体をえた。
【0054】実施例3 90℃に加熱した70gのキシレン中に、スチレン50g、C
2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OC
3 3 22g、メタクリル酸メチル22g、メタクリル酸
n- ブチル15g、アクリル酸n- ブチル18g、アクリル
アミド4g、アセトン10g、n- ドデシルメルカプタン
2gにアゾビスイソブチロニトリル2gを溶かした溶液
を滴下し、10時間反応させて分子量9,000 のシリル基含
有ビニル系重合体をえた。
【0055】実施例4 実施例3のn- ドデシルメルカプタン2gの代りにn-
ドデシルメルカプタン4gを使用して同様に反応を行な
い、分子量6,000 のシリル基含有ビニル系樹脂をえた。
【0056】実施例5 実施例4のアクリルアミド4gの代りにアクリルアミド
8gを使用して同様に反応を行ない、シリル基含有ビニ
ル系樹脂をえた。
【0057】実施例6 実施例3のn- ドデシルメルカプタン2g、アクリルア
ミド4gの代りにn-ドデシルメルカプタン6g、アク
リルアミド4g、無水マレイン酸2gを使用して同様に
反応を行ない、分子量5,000 のシリル基含有ビニル系樹
脂をえた。
【0058】比較例1 実施例4において、アクリルアミド4gを加えず、メタ
クリル酸メチル26gを加えたほかは実施例4と同様にし
て、分子量6,000 のシリル基含有ビニル系樹脂をえた。
【0059】比較例2 実施例4における、メタクリル酸メチル22g、アクリル
アミド4gに代えて、メタクリル酸メチル24g、アクリ
ル酸2gを用いた他は実施例4と同様にして、シリル基
含有ビニル系樹脂をえた。
【0060】比較例3 アクリルアミド4gをヒドロキシエチルメタクリレート
4gに代え、キシレンの温度を110 ℃にした他は実施例
3と同じ操作を行なった。えられた樹脂は粘度が6,500
と非常に高く、取り扱い性および作業性などの面から塗
料として不適でったため、保存安定性のテストは実施し
なかった。
【0061】以上の実施例1〜6および比較例1〜2で
えられた重合体溶液に白色顔料として酸化チタンを固形
分比で1対1となるようにボールミルで混合して白色エ
ナメルを合成し、表1に示す安定剤を加え、適当な粘度
に溶剤(キシレン)で希釈し保存安定性をしらべるため
に、これら希釈した白色エナメルを密封下、50℃で1ヵ
月保存し、保存前後の粘度変化を測定した。結果を表1
に示す。
【0062】また、実施例1〜6でえられた重合体溶液
に、顔料は加えず、表1に示した安定剤を加え、さらに
該混合溶液に対して6000ppm の水を加え、密封下、50℃
で1ヵ月の保存テストを行ない、保存前後の粘度変化を
測定した。さらに、比較のために安定剤を加えないこと
以外は、同一の条件で粘度の変化を測定し、結果を表1
に示した。
【0063】
【表1】
【0064】表1から明らかなように、保存安定性が劣
ると考えられるカルボン酸アミドを共重合させたシリル
基含有ビニル系樹脂に、本発明で用いる安定剤を添加し
たばあいには、従来安定といわれている極性基を含有し
ないシリル基含有ビニル系樹脂に安定剤を添加したばあ
いと同等の保存安定性がえられることがわかる。長期間
保存したのちも保存前と同等の粘度であり、長期間保存
後も塗装作業が容易に行なえる。
【0065】また、上記の白色エナメルのうち実施例4
と比較例1でえられた重合体を用いたものに硬化触媒と
してジオクチル錫ジマレートを樹脂100 部に対し3部加
え、軟鋼板に塗ったニトロセルロース系ラッカーサーフ
ェーサー塗膜の上へ上塗りしてえられた塗膜を60℃で40
分間加熱処理し、1日後に耐溶剤性試験(スポットテス
ト)を行なった。結果を表2に示す。
【0066】評価方法としては、塗膜表面上にトルエン
またはラッカー用シンナーを1滴滴下し、塗膜の異常の
有無を以下の基準で調べた。
【0067】○は変化なし。 △はわずかに変化。 ×は膨潤または剥離。
【0068】
【表2】
【0069】表2から本発明の塗装方法によれば、基材
に対して優れた密着性を有する塗膜を形成しうることが
わかる。
【0070】
【発明の効果】本発明の塗装方法によると、塗料の保存
安定性が良好であり、密着性のよい塗膜がえられる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、側鎖また
    は分子末端に加水分解性基と結合したケイ素基を1分子
    中に少なくとも1個有し、さらに共重合成分として重合
    性基を有するカルボン酸アミドを0.1 〜20重量%含有
    し、アクリル酸エステルおよび(または)メタクリル酸
    エステルを主成分とするシリル基含有ビニル系樹脂と、
    加水分解性のエステル化合物および(または)アルキル
    アルコールとを含む塗料を用いることを特徴とする塗装
    方法。
JP30908891A 1991-11-25 1991-11-25 塗装方法 Pending JPH055078A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11638605B2 (en) 2010-01-22 2023-05-02 Covidien Lp Compact jaw including split pivot pin

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