JPH0544767A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

液体封入式防振装置

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JPH0544767A
JPH0544767A JP19548891A JP19548891A JPH0544767A JP H0544767 A JPH0544767 A JP H0544767A JP 19548891 A JP19548891 A JP 19548891A JP 19548891 A JP19548891 A JP 19548891A JP H0544767 A JPH0544767 A JP H0544767A
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liquid chamber
vibration
orifice
liquid
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Kunio Saito
邦夫 斉藤
Keisuke Takeuchi
啓祐 竹内
Toshiyuki Shibayama
俊之 柴山
Michiyoshi Arima
道儀 有馬
Minoru Furuichi
稔 古市
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】液体封入式防振装置として、シェイク振動とア
イドリング振動の両周波数域での防振効果を高め、特に
アイドリング時の荷重変動による主液室内液量の増減に
伴う液圧に負けることなく、予期する防振効果を確実に
果し得るものを得る。 【構成】2つの部材1,2を防振基体3を介して結合
し、その内部の主液室8に通じる2つのオリフィス1
1,21と、この2つのオリフィスにより前記主液室8
と連通する2つのダイヤフラム副液室10,20とを備
える。断面積の大きいオリフィス11に連なるダイヤフ
ラム副液室10のダイヤフラム13に接する空気室14
を、大気圧と真空もしくは高圧源とのいずれかを導入可
能にする。ダイヤフラム13の体積弾性率K1 と、断面
積の小さいオリフィス21に連なるダイヤフラム副液室
20のダイヤフラム23の体積弾性率K2 と、防振基体
3の体積弾性率K0 とを、K0 >K1 >K2 に設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として自動車のパワ
ーユニットと支持フレームまたはシャーシ等の車体側と
の間で使用される液体封入式防振装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】自動車の
エンジン等のパワーユニットを、その振動を車体へ伝達
させないように支承するマウント等の液体封入式の防振
装置は、液体が充満された主液室とダイヤフラム副液室
とをオリフィスにより連通させ、このオリフィス内液体
の共振により振動減衰効果を得るものである。
【0003】近年、この種の防振装置として、エンジン
シェイク時の振動とアイドリング時の振動とが異なった
周波数域にあることから、主液室とダイヤフラム副液室
との間に複数、例えば二つのオリフィスを設け、このそ
れぞれのオリフィスの断面積や長さを変えて各オリフィ
スのロスファクタピーク周波数を異にし、それぞれのオ
リフィスによって前記の異なった周波数域にある振動に
対する減衰を受けもたせるようにしたものが提案されて
いる。また前記の二つのオリフィスについて、各々別個
の専用のダイヤフラム副液室を設けたものも提案されて
いる。
【0004】ところが、前記のように例えば二つのオリ
フィスを設けた場合、仮に断面積が小さく液体通過抵抗
の大きい一方のオリフィスでロスファクタを発生させよ
うとした場合に、断面積が大きく液体通過抵抗の小さい
他方のオリフィスを介して容易に液体移動がなされてし
まい、したがって液体通過抵抗の大きいオリフィスによ
るロスファクタの発生が有効になされなくなり、期待す
る充分な振動減衰効果が得られない。
【0005】そのため、自動車走行中のシェイク振動と
呼ばれる10〜15Hzの振動と、停車中の20〜45
Hzのアイドリング振動の両周波数域での振動減衰効果
を両立させる上では不利であり、それぞれの周波数域の
一つを対象にしてみると、単一のオリフィスの効果には
及ばない。
【0006】そこで、本出願人らは、2つのオリフィス
にそれぞれ専用のダイヤフラム副液室を設けた液体封入
式防振装置として、シェイク振動とアイドリング振動と
の異なる両周波数域の双方で、それぞれ充分な振動減衰
効果を発揮させるために、2つのオリフィスのうちの液
体通過抵抗の小さい(例えば断面積が大きい)オリフィ
スに連なる一方のダイヤフラム副液室におけるダイヤフ
ラム外側の空気室を、大気圧と真空圧源のいずれかに選
択的に切換えることにより、振動状態に応じてこの空気
室に接するダイヤフラムの動きを可動状態と不動状態に
切換え制御し得るように構成し、液体通過抵抗の大きい
(例えば断面積が小さい)オリフィスを機能させる際に
は、前記ダイヤフラムの動きを止めて、断面積の大きい
オリフィスを機能させないようにした防振装置を提案し
ている(実願平2−121676号)。
【0007】前記提案の防振装置において、アイドリン
グ時は、断面積の大きいオリフィス(第1のオリフィ
ス)に連なる一方のダイヤフラム副液室におけるダイヤ
フラムの外側の空気室が大気圧に連通してこのダイヤフ
ラムが平衡状態にあって、液体の移動が前記第1のオリ
フィスを通して行なわれ、この第1オリフィスと前記ダ
イヤフラムによって防振の効果を得るものであるが、こ
の際、荷重変動が生じて主液室内の液量が増減すると、
断面積の小さいオリフィス(第2オリフィス)に連なる
他方のダイヤフラム副液室のダイヤフラムの体積弾性率
に応じた液圧が作用する。
【0008】そのため、前記の断面積の大きい第1オリ
フィスに連なる一方のダイヤフラム副液室のダイヤフラ
ムの体積弾性率K1 が、前記断面積の小さい第2オリフ
ィスに連なる他方のダイヤフラム副液室のダイヤフラム
の体積弾性率K2 より小さい(すなわちK1 <K2 )
と、前記K1 の体積弾性率を持つダイヤフラムが、前記
の液圧に負けて壁面に密着してしまい、その機能が損な
われ、予期する防振効果が得られないことになる。
【0009】本発明は、上記に鑑みて、シェイク振動と
アイドリング振動の両周波数域の双方で、それぞれ充分
に高い制振または防振の効果を得ることができるととも
に、特にアイドリング時において、荷重変動による主液
室内の液量が増減に伴う液圧に負けることなく、予期す
る防振効果を確実に果し得る液体封入式防振装置を提供
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の液体封入式防振装置は、振動源側と支持側との2つ
の部材がゴム等の弾性体よりなる厚肉の防振基体を介し
て結合され、前記防振基体が室壁の一部をなす主液室
と、この主液室に通ずる断面積を異にする第1および第
2の2つのオリフィスと、この2つのオリフィスにより
前記主液室と連通する第1および第2の2つのダイヤフ
ラム副液室とを内部に備え、断面積の大きい第1オリフ
ィスに連なる第1のダイヤフラム副液室のダイヤフラム
に隣接する空気室を、外部において大気圧と真空もしく
は高圧源とのいずれかに切替接続可能となし、真空もし
くは高圧導入によりダイヤフラムを拘束状態に保持して
防振特性を変化させるようにした液体封入防振装置にお
いて、前記第1のダイヤフラム副液室のダイヤフラムの
体積弾性率K1 と、断面積の小さい第2オリフィスに連
なる第2のダイヤフラム副液室のダイヤフラムの体積弾
性率K2 と、防振基体の体積弾性率K0 とを、 K0 >K1 >K2 に設定したことを特徴とする。
【0011】
【作 用】上記の構成において、断面積の大きい第1オ
リフィスに連なる第1のダイヤフラム副液室におけるダ
イヤフラムの外側の空気室が大気圧に連通していると
き、該ダイヤフラムが平衡状態(可動状態)にあって、
液体の移動が前記の第1オリフィスを通して行なわれ
る。
【0012】この際、荷重変動が生じて主液室内の液量
が増減し、他方の断面積の小さい第2オリフィスに連な
る第2のダイヤフラム副液室のダイヤフラムの体積弾性
率に相応した液圧が作用するが、前記の第1のダイヤフ
ラム副液室におけるダイヤフラムの体積弾性率K1 が、
第2のダイヤフラム副液室におけるダイヤフラムの体積
弾性率K2 より大きいために、K1 の体積弾性率を持つ
前記ダイヤフラムが、前記の液圧に負けることがない。
それゆえ荷重変動が生じても、その機能が損なわれな
い。
【0013】したがって、断面積の大きい第1オリフィ
スと平衡状態(可動状態)にあるダイヤフラムとによっ
て決まる周波数で動的ばね定数を最小にすることがで
き、この周波数をアイドリング時の周波数に適合させて
おくことにより、アイドリング振動の減衰を効果的にな
し得る。
【0014】一方、前記第1のダイヤフラム副液室に接
する空気室に真空もしくは高圧を導入して、ダイヤフラ
ムを拘束状態に保持したとき、該空気室に接するダイヤ
フラムが機能せず、この第1のダイヤフラム副液室に対
する液体移動は行なわれなくなる。その結果、液体の移
動は全て断面積の小さい第2オリフィスを通じて第2の
ダイヤフラム副液室に対してなされる。
【0015】それゆえ、この第2オリフィスおよび第2
ダイヤフラム副液室におけるダイヤフラムの体積弾性率
に対応した周波数でロスファクタあるいは減衰係数がピ
ーク値を示し、高いロスファクタ値が得られる。したが
って、この周波数をシェイク振動の周波数に適合させて
おくことにより、シェイク振動の減衰を効果的になし得
る。
【0016】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例の防振装置の断
面図を示している。
【0017】同図において、(1)は例えば自動車のパ
ワーユニット等の振動源側に連結される部材、(2)は
車体のフレームやシャーシ等の支持側に連結されるケー
スを兼ねる筒状の部材である。
【0018】(3)はゴム等の弾性体よりなる厚肉の防
振基体であり、図に示すように略傘形の湾曲形状をなし
ている。この防振基体(3)の中央部に前記振動源側の
部材(1)の拡径端部(1a)が固着されており、また
防振基体(3)の外周に中間筒(4)が加硫接着される
とともに、この中間筒(4)が前記筒状の部材(2)の
上部側の筒部(2a)に収められ固着されている。こう
して前記両部材(1)(2)が防振基体(3)を介して
結合されている。
【0019】前記のように筒部(2a)と防振基体
(3)との間に中間筒(4)を介在させることによっ
て、加硫時の金型がコンパクトとなり、組立が簡単とな
るほか、必要に応じて径方向に絞りを与えることによ
り、耐久寿命を延ばすことができる。(5)は振動源側
の部材(1)の過度の振動を抑止するストッパーであ
り、振動が大きいとき、部材(1)の拡径端部(1a)
の外側に設けたゴム部(6)が弾力的に当接するように
なっている。
【0020】支持側になる筒状の部材(2)の下部側筒
部(2b)の内周には、部材(2)の下部開口を閉塞す
るように仕切部材(7)が密に嵌着されている。この仕
切部材(7)と、前記2つの部材(1)(2)および防
振基体(3)とにより液体が充満される主液室(8)が
形成されており、防振基体(3)がその室壁の一部をな
している。
【0021】仕切部材(7)は、図のように下部側筒部
(2b)に内嵌する筒体(7a)の内方に仕切壁部(7
b)を有している。この仕切壁部(7b)の主液室
(8)側の筒体(7a)内には、断面積S1 の大きい第
1オリフィス(11)を形成する部材(12)が装着さ
れており、このオリフィス形成部材(12)によって主
液室(8)と画成される第1のダイヤフラム副液室(1
0)が形成され、このダイヤフラム副液室(10)は前
記第1オリフィス(11)を介して主液室(8)と連通
している。(11a)(11b)は第1オリフィス(1
1)の流出入口を示す。
【0022】前記オリフィス形成部材(12)内部のダ
イヤフラム副液室(10)の室壁の一部をなすダイヤフ
ラム(13)の外側には、図のように第1の空気室(1
4)が形成されている。この空気室(14)の内部には
ダイヤフラム(12)の一定以上の動きを規制する有孔
板等の拘束板(15)が配されている。これによりダイ
ヤフラム(13)をその拘束時に適当な撓み形状に抑え
ることができ、その耐久寿命を向上できることになる。
【0023】前記の第1の空気室(14)は、仕切部材
(7)および筒状の部材(2)を側方に貫通する空気給
排用の通気路(16)を介して大気圧と真空圧源とに選
択的に切替接続可能に構成されている。すなわち、大気
圧導入と真空圧導入の切換機能を有しかつ真空圧導入時
の空気排出を行なう吸引手段(17)が、前記の通気路
(16)に接続されている。この吸引手段(17)は、
例えば本装置をエンジンマウントとして使用する場合、
エンジンの回転信号あるいは停止信号等によって切換え
作動されるように構成される。(18)は空気給排用の
管を接続するためのニップル等の管接続部材である。
【0024】また、前記の仕切部材(7)の仕切板部
(7b)の下側における筒体内にはオリフィス形成用の
補助部材(7c)が装着されて、仕切部材(7)に設け
られた縦方向の通路(21a)により前記第1オリフィ
ス(11)と通じ、かつ後述の第2のダイヤフラム副液
室に開口(21b)する第2オリフィス(21)が設け
られている。このオリフィス(21)の断面積S2 は、
第1オリフィス(11)の断面積S2 より小さくなって
いる。すなわちS1 >S2 に設定されている。
【0025】(23)はゴム等の弾性体よりなるダイヤ
フラムであって、前記の筒状の部材(2)の筒部(2
b)と閉塞金具(25)との結合部において、仕切部材
(7)と閉塞金具(25)との間に挾着されており、こ
のダイヤフラム(23)と仕切部材(7)との間が第2
のダイヤフラム副液室(20)として形成されている。
またダイヤフラム(23)と閉塞金具(25)の間の空
間が、小孔(26)によって大気圧に通じる第2空気室
(24)として形成されている。
【0026】そして、上記の構成において、第1のダイ
ヤフラム副液室(10)のダイヤフラム(13)の体積
弾性率K1 と、第2のダイヤフラム副液室(20)のダ
イヤフラム(23)の体積弾性率K2 と、防振基体
(3)の体積弾性率K0 とを、 K0 >K1 >K2 に設定している。
【0027】次に、上記構成の防振装置を自動車のエン
ジンマウントに使用した場合について説明する。
【0028】第1のダイヤフラム副液室(10)側の第
1空気室(14)に大気圧を導入した状態においては、
図1のように第1のダイヤフラム副液室(10)に接す
るダイヤフラム(13)が平衡状態にある。同図の鎖線
は第1空気室(14)に真空圧を導入した状態を示して
いる。
【0029】図2は、第1のダイヤフラム副液室(1
0)側のダイヤフラム(13)に接する第1空気室(1
4)に大気圧を導入した図1の状態でのばね定数とロス
ファクタ(tanδ)を示している。
【0030】図1の状態において、第2オリフィス(2
1)の断面積S2 が小さいため、アイドリング時におけ
る液体の移動は、第1オリフィス(11)を介して主に
第1のダイヤフラム副液室(10)に対して行なわれ、
主液室(8)の圧力変動は殆ど第1のダイヤフラム副液
室(10)のダイヤフラム(13)と接する第1空気室
(14)に吸収され、第2オリフィス(21)の機能は
実質的には殆ど働かない。そのため、第1オリフィス
(11)とダイヤフラム(13)とによって決る周波数
域(例えば25Hz付近)でロスファクタのピーク値を
示し、またほぼ同じ周波数でばね定数がボトム値を示す
ことになる。
【0031】特にこのとき、荷重変動が生じて主液室
(8)内の液量が増減すると、上記のように体積弾性率
K1 、K2 、K0 を設定したことにより、断面積の小さ
い第2のオリフィス(21)に連なる第2のダイヤフラ
ム副液室(20)のダイヤフラム(23)の体積弾性率
K2 に相応した液圧が作用するが、前記の第1オリフィ
ス(11)に連なる第1のダイヤフラム副液室(10)
のダイヤフラム(13)の体積弾性率K1 が、前記ダイ
ヤフラム(23)の体積弾性率K2 より大きいため、K
1 の体積弾性率を持つダイヤフラム(13)が、前記の
液圧に負けることがない。それゆえ荷重変動が生じて
も、その機能が損なわれることがなく、図2に示す特性
を確保できる。
【0032】したがって、第1オリフィス(11)の断
面積S1 と、ダイヤフラム(13)の体積弾性率K1 と
によって、例えば停車中の20〜45Hzのアイドル振
動の周波数に動的ばね定数のボトム値を容易に適合させ
ることができ、これによりアイドリング振動時に高い防
振の効果を得ることができる。
【0033】また、図3は第1空気室(14)に真空圧
を導入した状態(図1鎖線)でのばね定数とロスファク
タ(tanδ)を示す。
【0034】この状態においては、ダイヤフラム(1
3)が第1空気室(14)内部の拘束板(15)に密着
しその動きが拘束されて機能しなくなるため、液体は第
1オリフィス(11)を流れるものの、第1のダイヤフ
ラム副液室(10)に対する移動は行なわれなくなり、
その結果、液体の移動は全て第2オリフィス(21)を
通して第2のダイヤフラム副液室(20)に対してなさ
れ、この第2オリフィス(21)と第2のダイヤフラム
副液室(20)におけるダイヤフラム(23)に対応し
た周波数、例えば10〜15Hz付近の周波数で、ロス
ファクタがピーク値を示し、一方、ばね定数は前記周波
数以外では高い数値を保つことになる。
【0035】したがって、この第2オリフィス(21)
とダイヤフラム(23)によって決る周波数を、例えば
10〜15Hzのシェイク振動の周波数に適合させるこ
とにより、シェイク振動の減衰を効果的になし得る。
【0036】なお、上記の実施例において、第1の空気
室(14)の内部に拘束板(15)を設けない場合もあ
り、その場合、図4に例示するように、空気室(14)
の形状、すなわち仕切部材(7)の形状を、ダイヤフラ
ム(13)の拘束時の撓み形状に相応するように適宜工
夫して、局部的な変形を与えないようにしておくのがよ
い。
【0037】また第2オリフィス(21)を、第1オリ
フィス(11)を介さずに縦方向通路(21a)のみに
より主液室(8)と連通させた構成とすることもでき
る。
【0038】図5は第2の実施例の防振装置を示してお
り、次の構成よりなる。
【0039】筒状の部材(2)の下部側筒部(2b)に
仕切部材(7)を密に嵌着して、この仕切部材(7)の
下側に、断面積S2 の小さい第2オリフィス(21)を
介して主液室(8)と通ずる第2のダイヤフラム副液室
(20)を設け、この第2のダイヤフラム副液室(2
0)のダイヤフラム(23)と接する空気室(24)を
閉塞金具(25)に有する小孔(26)により大気圧に
連通させている点では上記の実施例と同じである。
【0040】しかして第1のダイヤフラム副液室(1
0)については、次のように構成されている。振動源側
の部材(1)の拡径端部(1a)が、防振基体(3)の
中央部に貫通して主液室(8)に露出状態で固着されて
おり、この拡径端部(1a)の内面側が凹設され、該凹
設部(1b)内に、断面積S1 の大きい第1オリフィス
(11)を形成する部材(32)が装着され、その内部
に該オリフィス(11)により主液室(8)と通ずる第
1のダイヤフラム副液室(10)が形成されている。そ
してダイヤフラム(13)の外側の第1の空気室(1
4)には、ダイヤフラム(13)の拘束時の撓み形状を
規制す有孔の拘束板(15)が設けられている。また空
気室(14)は部材(1)の軸心部を上方に貫通する空
気給排用の通気路(16)を介して、大気圧導入と真空
圧導入の切換機能を有しかつ真空圧導入時の空気排出を
行なう吸引手段(17)と接続されている。
【0041】そしてこの実施例においても、第1のダイ
ヤフラム副液室(10)のダイヤフラム(12)の体積
弾性率K1 と、第2のダイヤフラム副液室(20)のダ
イヤフラム(21)の体積弾性率K2 と、防振基体
(3)の体積弾性率K0 とを、 K0 >K1 >K2 に設定している。
【0042】この第2の実施例の防振装置において、第
1のダイヤフラム副液室(10)に接する空気室(1
4)に真空圧あるいは大気圧を導入した場合、それぞれ
上記の第1の実施例の場合と同様の作用を果す。
【0043】特に、この第2の実施例の場合、振動源側
の部材(1)の内部に、第1のオリフィス(11)およ
び第1のダイヤフラム副液室(10)を収めて構成して
いるために、防振装置全体がコンパクトになる。また第
1空気室(14)に対する大気圧、真空圧の切替えのた
めの空気給排用の通気路(16)を軸芯部に設けたこと
により、製造上の組立て構成が容易になる。
【0044】図6は第3の実施例の防振装置を示してい
る。
【0045】この実施例の場合、断面積S1 の大きい第
1オリフィス(11)を形成する部材(42)が、筒状
の部材(2)の下部側筒部(2b)の内周に嵌着され
て、前記第1オリフィス(11)を介して主液室(8)
と連通する第1のダイヤフラム副液室(10)が形成さ
れている。前記オリフィス形成部材(41)の下側に、
筒部(2b)の下端開口を閉塞するように厚肉の閉塞金
具(45)がかしめ付け手段により固設され、この閉塞
金具(45)の内部に有する前記第1のダイヤフラム副
液室(10)におけるダイヤフラム(13)と接する第
1空気室(14)が形成されている。(15)はダイヤ
フラム(13)の拘束時の撓み形状を規制す有孔の拘束
部材である。前記空気室(14)は、閉塞金具(45)
を軸芯方向に貫通する空気給排用の通気路(16)を介
して、大気圧導入と真空圧導入の切換機能を有しかつ真
空圧導入時の空気排出を行なう吸引手段(17)と接続
されている。
【0046】また、振動源側の部材(1)の拡径端部
(1a)は、防振基体(3)の中央部に貫通して主液室
(8)に露出状態で固着されており、この拡径端部(1
a)の内面側が凹設されて、該凹設部(1b)内に、断
面積S2 の小さい第2オリフィス(21)を形成する部
材(52)が装着されており、その内部に該オリフィス
(21)により主液室(8)と通ずる第2のダイヤフラ
ム副液室(20)が形成されている。そしてダイヤフラ
ム(23)外側の空気室(24)は部材(1)の軸心部
を上方に貫通する通路(56)により外部の大気圧に連
通している。
【0047】そしてこの実施例においても、第1のダイ
ヤフラム副液室(10)のダイヤフラム(12)の体積
弾性率K1 と、第2のダイヤフラム副液室(20)のダ
イヤフラム(21)の体積弾性率K2 と、防振基体
(3)の体積弾性率K0 とを、 K0 >K1 >K2 に設定している。
【0048】この第3の実施例の場合も、第1のダイヤ
フラム副液室(10)に接する空気室(14)に真空圧
あるいは大気圧を導入した場合において、それぞれ上記
の第1の実施例の場合と同様の作用を果す。
【0049】特に、振動源側の部材(1)の内部に、第
2のオリフィス(21)および第2のダイヤフラム副液
室(20)を収めて構成しているために、防振装置全体
がコンパクトになる。また第1の空気室(14)に対す
る大気圧、真空圧の切替えのための空気給排用の通気路
(16)に対する管接続用の部材(18)を下面に結合
できるので、組立てが容易になる。また第1のオリフィ
ス(11)の断面積を大きくとるこどがてきるので、ア
イドリング時の動的ばね定数を著しく低下させることが
でき、高性能の防振装置を構成できることになる。
【0050】なお、上記の各実施例は、断面積の大きい
第1オリフィス(11)に連なる第1のダイヤフラム副
液室(10)に接する空気室(14)を、大気圧と真空
圧源とのいずれかに切替接続するように構成した場合を
示したが、これに代えて、大気圧と高圧源とのいすれか
に切替接続可能に構成して実施することができる。
【0051】この場合、第1のダイヤフラム副液室(1
0)におけるダイヤフラム(13)は、空気室(14)
の高圧導入によってダイヤフラム副液室(10)にくい
込むように変形することになるので、例えば図7に示す
ように、ダイヤフラム副液室(10)の内壁面を、高圧
導入によって撓んだダイヤフラム(13)が無理なく密
着できる形状に形成するか、あるいは図8に示すよう
に、ダイヤフラム副液室(10)内に設けた拘束板(1
5)にダイヤフラム(13)が密着するように形成して
おき、空気室(14)への高圧導入時にはダイヤフラム
(13)の動きを拘束できるように構成する。(16)
は通気路、(19)は大気圧と高圧源との切替手段であ
る。
【0052】また高圧源を使う場合、断面積の小さいオ
リフィス(21)に連なる第2のダイヤフラム副液室
(20)に接する第2空気室(24)を大気圧と通じな
いで密閉型とすることもできる。
【0053】この実施例の場合、前記空気室(14)に
対する高圧導入時が、上記した各実施例の真空圧導入時
に相応し、やはり上記と同様の作用を果すことになる。
【0054】また、上記いずれの実施例の場合も、軸心
部に配される部材(1)を振動源側にし、ケースを兼ね
る筒状の部材(2)を支持側にするほか、これとは逆
に、部材(1)を支持側に、部材(2)を振動源側にし
て実施することもできる。
【0055】
【発明の効果】上記のように本発明によれば、断面積の
大きいオリフィスに連なる第1のダイヤフラム副液室に
おけるダイヤフラムの外側の空気室を、大気圧と真空も
しくは高圧源とのいずれかに切替ることにより、このダ
イヤフラム副液室におけるダイヤフラムの動きを抑止す
るか、あるいは前記のダイヤフラムの拘束を解除するこ
とで、それぞれ異なる周波数域において、ロスファクタ
のピークあるいはばね定数のボトム値を示現するよう
に、その防振特性を容易に切替えることができる。特に
前記の第1のダイヤフラム副液室におけるダイヤフラム
の体積弾性率K1を、第2のダイヤフラム副液室におけ
るダイヤフラムの体積弾性率K2 より大きく設定してあ
るために、前記のダイヤフラムの拘束を解除した状態に
おいて、荷重変動が生じてもその機能が損なわれず、ア
イドリング振動の減衰を確実にかつ効果的になし得る。
【0056】したがって、アイドリング時の振動の周波
数に、前記ダイヤフラムの非拘束時のばね定数のボトム
値の周波数を合致させ、またシェイク振動の周波数に、
前記ダイヤフラム拘束時のロスファクタピーク周波数を
合致させておくことにより、自動車の走行状態等に応じ
てシェイク振動およびアイドリング振動のいずれの周波
数域においても、理想的な制振あるいは防振を行なうこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す縦断面図である。
【図2】空気室に大気圧を導入した場合の動的ばね定数
とロスファクタの関係を示す線図である。
【図3】空気室に真空圧を導入した場合の動的ばね定数
とロスファクタの関係を示す線図である。
【図4】仕切部材の形状の変更例を示す縦断面図であ
る。
【図5】第2の実施例を示す縦断面図である。
【図6】第3の実施例を示す縦断面図である。
【図7】大気圧と高圧源とを導入する場合の実施例を示
す一部の断面図である。
【図8】大気圧と高圧源とを導入する場合の他の実施例
を示す一部の断面図である。
【符号の説明】
(1) 振動源側の部材 (2) 筒状の部材 (3) 防振基体 (7) 仕切部材 (8) 主液室 (10) 第1のダイヤフラム副液室 (11) 第1オリフィス (13) ダイヤフラム (14) 空気室 (15) 拘束部材 (16) 通気路 (17) 吸引手段 (20) 第2のダイヤフラム副液室 (21) 第2オリフィス (23) ダイヤフラム (24) 空気室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴山 俊之 愛知県西加茂郡三好町大字打越字生賀山3 番地 東洋ゴム工業株式会社自動車部品技 術センター内 (72)発明者 有馬 道儀 愛知県西加茂郡三好町大字打越字生賀山3 番地 東洋ゴム工業株式会社自動車部品技 術センター内 (72)発明者 古市 稔 大阪府茨木市西中条町5番7号 東洋ゴム 工業株式会社技術開発研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動源側と支持側との2つの部材がゴム
    等の弾性体よりなる厚肉の防振基体を介して結合され、
    前記防振基体が室壁の一部をなす主液室と、この主液室
    に通ずる断面積を異にする第1および第2の2つのオリ
    フィスと、この2つのオリフィスにより前記主液室と連
    通する第1および第2の2つのダイヤフラム副液室とを
    備え、断面積の大きい第1オリフィスに連なる第1のダ
    イヤフラム副液室のダイヤフラムに隣接する空気室を、
    外部において大気圧と真空もしくは高圧源とのいずれか
    に切替接続可能となし、真空圧もしくは高圧導入により
    ダイヤフラムを拘束状態に保持して防振特性を変化させ
    るようにした液体封入防振装置において、 前記第1のダイヤフラム副液室のダイヤフラムの体積弾
    性率K1 と、断面積の小さい第2オリフィスに連なる第
    2のダイヤフラム副液室のダイヤフラムの体積弾性率K
    2 と、防振基体の体積弾性率K0 とを、 K0 >K1 >K2 に設定してあることを特徴とする液体封入式防振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP5642241B1 (ja) * 2013-09-20 2014-12-17 株式会社ブリヂストン 防振装置

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