JPH0543360A - 摺動材料及びその製造方法 - Google Patents

摺動材料及びその製造方法

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JPH0543360A
JPH0543360A JP20046491A JP20046491A JPH0543360A JP H0543360 A JPH0543360 A JP H0543360A JP 20046491 A JP20046491 A JP 20046491A JP 20046491 A JP20046491 A JP 20046491A JP H0543360 A JPH0543360 A JP H0543360A
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JP
Japan
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solid lubricant
sliding
sliding material
powder
strength
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JP20046491A
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English (en)
Inventor
Jun Isono
純 磯野
Masahiko Kinoshita
昌彦 木下
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1に回転、揺動、スラスト等あらゆる摺動
形態において、高速、高面圧、そして高温条件下で、優
れた自己潤滑性と耐摩耗性を長期間に渡って維持できる
摺動材料を得る。また第2にかかる摺動材料を、冷間成
形を経て焼結するという最も汎用的でコスト面でも実用
的な製法で、大きな密度低下、強度低下を伴わずに製造
する。 【構成】 第1の目的を達成するために本発明の摺動材
料は、固体潤滑剤を含有したセラミックス多孔質体の開
放気孔中に潤滑油が含浸されて成る。すなわち固体潤滑
剤と潤滑油が同時に含有されたセラミックスで形成され
ている。そして第2の目的を達成するために、その製造
工程において固体潤滑剤を適当な添加物(バインダー)
とともに造粒し、別に調整されたマトリックス形成粉と
均一分散混合したものを成形用粉末として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自己潤滑性および耐摩
耗性に優れた摺動材料、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックスは、その優れた耐摩
耗性を利用して様々な分野の摺動材料として用いられて
きた。一般にセラミックスは高硬度、高強度を有してお
り、メカニカルシールや軸受等の摺動部品等に適した材
料であることが知られている。しかしながら、セラミッ
クスは、それ自体、潤滑作用は乏しいものが多く、無給
油で高速、高面圧条件下で用いることは難しい。これま
で自己潤滑性に乏しいセラミックスを補う方法として、
多孔質セラミックスにふっ化エチレン樹脂や二硫化タン
グステン、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を含有させ
たり(例えば特開昭57−118080号公報)、フル
オロエチレン、フルオロエステルといったフッ素系オイ
ルを含浸させたり(特開昭61−281086号公報)
されてきた。
【0003】セラミックス−固体潤滑剤複合体の従来の
一般的な製法として、図4のフローチャートに示すよう
に、マトリックス相(セラミックス)となる原料と添加
物(バインダー)を均一混合し、造粒した後、分散相
(固体潤滑剤)となる原料を混合させ、冷間成形を経て
焼結に至る手法とホットプレスを用いる手法とがあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、セラミックスの
母材中に固体潤滑剤または潤滑油を単一で複合させた場
合、それらの摺動材料はそれぞれ特有の問題点を有し、
その使用条件を制限される。すなわち固体潤滑剤のみ含
有させたものは、一般に低速高面圧用として用いられて
おり、高速の摺動では潤滑油に比べるとマクロ的な固体
接触が不可避なため、焼付きが発生しやすいという問題
点があった。
【0005】一方、潤滑油のみ含浸させたものは、一般
に高速低面圧用として用いられており、揺動、間欠運動
下のように極荷重が加わったり、摩擦速度がゼロとなる
箇所が存在する場合には、油膜の部分的な破断が起こり
やすく不利とされていた。また、高温条件下において、
潤滑油の粘性の低下によって耐荷重性も低下し、やはり
油膜切れが発生しやすい。さらに表面ににじみ出した潤
滑油は、やがて摺動面外に流れ出していくが、含油性材
料は一般にその含油量のおよそ20%を消費すると寿命
と言われており、スラスト運動などのように摺動面積が
広く油の消費量が多い場合にも不利とされていた。
【0006】セラミックス−固体潤滑剤複合体の従来の
製造手法において、前者の場合、一般的に焼結密度が上
がらず、そのために強度不足となり、実用的でない場合
が多い。この場合、分散相となる固体潤滑剤がマトリッ
クス相の焼結阻害物質として働き、複合体の焼結を阻害
したり、マトリックス相にクラックを発生させ、複合体
の強度劣化を起こさせる。また、後者の手法を用いれば
焼結密度は前者の手法に比べて上昇し、強度などの物性
面からは満足できるが、ホットプレスは装置が高価で量
産性に乏しく、また、成形される形状が単純形状品に限
定されてしまう等コスト面において実用的でない。
【0007】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、回転、揺動、スラスト等あらゆ
る摺動形態において、高速、高面圧、そして高温条件下
で、優れた自己潤滑性と耐摩耗性を長期間に渡って維持
できる摺動材料を得ることを第1の目的としている。ま
たかかる摺動材料を、冷間成形を経て焼結するという最
も汎用的でコスト面でも実用的な製法で、大きな密度低
下、すなわち強度低下を伴わずに製造することを第2の
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めに本発明の摺動材料は、固体潤滑剤を含有したセラミ
ックス多孔質体の開放気孔中に潤滑油が含浸されて成
る。すなわち固体潤滑剤と潤滑油が同時に含有されたセ
ラミックスで形成されている。そして第2の目的を達成
するために、その製造工程において固体潤滑剤を適当な
添加物(バインダー)とともに造粒し、別に調整された
母材形成粉と均一分散混合したものを成形用粉末として
用いる。
【0009】
【作用】上記の構成を有する本発明の技術的手段によ
り、摺動面には固体潤滑剤と共に潤滑油が供給され、高
速の摺動においては、形成された油膜が部分的に発生す
る固体同士のマクロ的な接触を妨げ焼付きを防止する。
【0010】一方、揺動、間欠運動下のように極荷重が
加わって油膜の破断が起こったり、油膜の保持が困難な
運動形態の場合、耐荷重性に優れた固体潤滑剤が摺動面
間に介在してやはり母材同士の固体接触を妨げる。また
潤滑油の粘度が低下して耐荷重性能が劣化するような高
温摺動条件においても、固体潤滑剤は高温安定性に優
れ、その性能を十分発揮できる。さらにスラスト運動の
ように潤滑油が摺動面外に排出され、消費され易い場合
においても、固体潤滑剤は母材に均一に分散されてお
り、その供給は常に維持されるので、潤滑油の不足分を
補い長期間の運転を可能にする。
【0011】また前記の手段を有する本発明の製造方法
により、かかる摺動材料はその焼結段階において以下の
ような特徴を持って形成される。
【0012】(1)固体潤滑剤造粒時に添加される造粒
用添加物(バインダー)の保持力によって母材形成粉と
混合、均一分散させたときに固体潤滑剤の微粉が母材相
に拡散することを防止し、母材の焼結が阻害されること
なく進む。
【0013】(2)造粒された固体潤滑剤の粉末は焼結
時に発生する圧縮応力を造粒粉の容易な塑性変形によっ
て吸収、緩和できるため母材相のクラック発生を防ぎ複
合体の母材相の強度劣化を生じさせない。
【0014】(3)固体潤滑剤造粒時に母材相との適合
性を持った添加物を加えることによって、潤滑剤相と母
材相との親和性を高め、潤滑剤相の保持力の強化が実現
でき、摺動部材としての使用時に境界層近傍の母材粒子
の脱落や潤滑剤相のマクロ的脱落を防止できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0016】図1に本実施例の摺動材料の製法をフロー
チャートにして示す。母材相となるβ型炭化珪素粉末
(平均粒径:0.28μm)に焼結助剤としてB4C 0.
4重量%、フェノール樹脂 4重量%を均一に湿式混合
した後、噴霧乾燥、造粒した。
【0017】一方、固体潤滑剤となるグラファイトに
は、B4C 0.4重量%、フェノール樹脂 15重量%を
同様に湿式混合して造粒した。この際、グラファイトは
#16〜#250の範囲のある粒度に分級される。これ
らの分級されたグラファイト造粒粉を前記炭化珪素造粒
粉に5〜40容積%添加し乾式混合した。この炭化珪素
とグラファイトの混合造粒粉を金型成形法にて250kg
f/cm2の圧力で予備成形し、その後、冷間静水圧成形法
にて2000kgf/cm2の圧力で本成形したものをArガ
ス雰囲気中で2180℃で45分間焼結し、炭化珪素−
グラファイト系複合材料を得た。
【0018】これらの焼結体について密度をアルキメデ
ス法によって、曲げ強度をJISのファインセラミック
スの曲げ強度試験法(R1601)に準じて三点曲げ試
験によって測定した。得られた結果を図2、及び図3に
示す。なお密度については、炭化珪素とグラファイトの
混合比からそれぞれ真比重を求めてその相対密度で示し
た。
【0019】図2、図3よりグラファイト造粒粉の添加
量が少なく、またその粒径が小さくなるほど高密度、高
強度になる傾向があり、例えば#60〜#120,10
容積%添加で15.9kgf/mm2、#120〜#250,1
0容積%添加で18.1kgf/mm2と強度的に実用範囲にあ
ると考えられる。グラファイト粒径が#60を越えると
曲げ強度の、また添加量が30%を越えると曲げ強度、
相対密度ともに低下が著しくなる。なおグラファイト造
粒粉の添加量が5%を下回るようだと高密度、高強度は
期待できるが肝心の潤滑作用が低下してしまう。以上か
らグラファイト粒径が#60以下、そしてその添加量が
5〜30容積%の範囲の焼結体が軸受のような機械部品
として実用可能である。
【0020】さてこれらの焼結体は、なお10〜20容
積%の気孔を有している。次の工程として焼結体の開気
孔中に潤滑油を例えば耐熱性のすぐれたフッ素系オイル
(CTFE油、PEPE油)、あるいはタービン油等、
真空中で含浸せしめる。あるいは前記潤滑油中に焼結体
を浸し、オーブン中で100〜150℃にて熱しても含
浸は可能である。含浸する潤滑材の種類は、使用する環
境、条件等によってそれぞれ適したものを選定する。
【0021】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の摺動材料は、回転、揺動、スラスト等あらゆる摺
動形態において用いることが可能であり、高速、高面
圧、または高温という摺動にとって極めて厳しい条件下
で、優れた自己潤滑性と耐摩耗性を長期間に渡って維持
することができる。また本発明のかかる摺動材料の製造
方法によれば、冷間成形を経て焼結するという最も汎用
的でコスト面でも実用的な製法で、また大きな密度低
下、強度低下を伴わずに軸受、メカニカルシール等の機
械部品に適合した摺動材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における複合材の製造方法のフ
ローチャート図である。
【図2】本発明の実施例における複合材の相対密度とグ
ラファイト造粒粉の添加量及び粒径の関係を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施例における複合材の曲げ強度とグ
ラファイト造粒粉の添加量及び粒径の関係を示す図であ
る。
【図4】従来例における複合材の製造方法のフローチャ
ート図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体潤滑剤粉末が含有されたセラミック
    ス多孔質体の開放気孔中に潤滑油が含浸されてなる摺動
    材料。
  2. 【請求項2】 固体潤滑剤と適当な添加物(バインダ
    ー)の造粒粉を作成する工程と、前記造粒粉と別に調整
    された母材形成粉とを均一分散混合した粉末を用いて成
    形、焼結する工程と、その後潤滑油を含浸させる工程と
    からなる請求項1に記載の摺動材料の製造方法。
JP20046491A 1991-08-09 1991-08-09 摺動材料及びその製造方法 Pending JPH0543360A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8188268B2 (en) 2005-12-26 2012-05-29 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Porous crystalline saccharide, its preparation and uses

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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