JPH054254U - 入力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この考案の目的は、タッチパネルもしくはタッ
チスクリーンの動作を低コストで確実に行える入力装置
を提供することにある。 【構成】ＣＲＴ上にある電極と、電極の片側に接続した
ステップパルス発生回路と検出回路と、ステップパルス
発生回路からの信号と検出回路からの信号を入力し両者
の信号の時間差を出力する回路とを設け、接触手段上に
誘電体を置きその時の電極構造のインピーダンス変化か
ら、誘電体が置かれた位置の検出を行うことを特徴とす
る入力装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、位置検出を行う入力装置に関し、詳しくは表示画面上の誘電体の接 触により画面上の位置の検出を行う入力装置すなわちタッチスクリーンに関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来例のタッチスクリーンは、赤外線により位置検出を行っていた。 このような赤外線による位置検出には赤外線受光素子が必要であるが、この赤外 線受光素子はその製造プロセスが難しく製品化するにあたって不良率が高い。ま た赤外線はレーザー光線などと異なり指向性が無い。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような赤外線により位置検出を行うタッチスクリーンを用いると、赤外線 受光素子の採算が取りにくい、あるいは位置決め精度が悪いといった問題があっ た。 本考案は上記の課題を解決しようとしたものであり、製造コストと位置決め精 度を良くしたタッチスクリーン型の入力装置を実現しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、片方が接地され電極構造となっている接触手段と、 表示を行う画面の表面上に前記接触手段を設けたＣＲＴと、 前記電極の接地側でない接点に接続したステップパルス発生回路と、 前記電極の接地側でない接点に接続し、その接続点の信号変化を観察し、その 信号が設定された基準電圧以上であるか否かを検出する検出回路と、 前記ステップパルス発生回路からの信号と検出回路からの信号を入力し両者の 信号の時間差を出力する時間差計測回路と、 前記時間差計測回路からの信号を入力し、演算処理とステップパルス発生回路 等の制御を行う制御手段を設け、接触手段上に誘電体を置き、接触手段にステッ プパルスを与え、その反射を測定することから、誘電体の置かれた位置の検出を 行うことを特徴とする入力装置である。

【０００５】

【作用】

ＣＲＴの表面に配置された電極の上に指を置くと、電極のインピーダンスが変 化するから、インピーダンスの変化を測定することで指が置かれた位置の検出が 可能となる。尚、このインピーダンスの変化は電極の第１の接点からステップパ ルスを入力しその反射を測定する、すなわちｔｉｍｅ−ｄｏｍａｉｎ−ｒｅｆｌ ｅｃｔｏｍｅｒｔｒｙ（以下、ＴＤＲと呼ぶ）を測定することで検出される。

【０００６】

【実施例】

図１は、本考案の入力装置の構成図である。

【０００７】 図において、１は制御手段で、時間差計測回路２とステップパルス発生回路３ とＣＲＴ６の制御を行う。時間差計測回路２は、ステップパルス発生回路３から の発信信号と検出回路４からの検出信号を入力し、両者の時間差の測定を行い制 御手段１に出力する。ステップパルス発生回路３は、制御手段１からの信号でス テップパルスを発生し、接触手段５に出力する。またステップパルスの立ち上が りを示す発信信号を時間差計測回路２に出力する。検出回路４は、接触手段５か らの反射信号を入力しその信号変化を検出する。接触手段５は片側が接地され、 もう片側はステップパルス発生回路３と検出回路４に接続されている電極である 。ＣＲＴ６は通常の波形観測装置などで用いる表示のためのもので、表面上に接 触手段５を有する構造になっている。

【０００８】 このような構造における動作を説明する。制御手段１からの信号で、ステップ パルス発生回路３から接触手段５にステップパルスが入力される。このステップ パルスは、接触手段５での反射波（上記での反射信号と同等のもの）を検出する には十分な時間幅を持ち、ステップパルス発生回路３での出力インピーダンスは 接触手段５の終端抵抗に見合ったものとする。検出回路４は、接触手段５との接 続点からの信号波形（ステップパルスと反射信号の合成したもの）を入力し、こ の信号は接触手段５上に誘電体があるとそこで反射をするから信号波形に変化が 表れるから、その信号変化を検出し、検出信号を出力する。時間計測回路２では 、ステップパルスの立ち上がりから検出信号までの時間を測定し、ステップパル スの立ち上がりから信号波形が接触手段５の接地部分からの反射を示す立ち下が りまでの時間幅との前記測定結果との比を制御手段１で演算し、誘電体の位置の 検出を行う。

【０００９】 図２は、本考案の一実施例の構成図である。 図１と同一のものは同一の符号を付ける。 図１の制御手段１はＣＰＵで、時間計測回路２はカウンタ等で、ステップパルス 発生回路３はステップリカバリーダイオードＤおよびサンプラーＳ等で、検出回 路４はコンパレータ等で実施する。接触手段５は電極からなり、材料は例えば液 晶で用いる透明電極などであり、ＣＲＴの表面を覆うフィルターなどに図２に示 すような構造で埋め込む。これはＣＲＴの表示画面を見る際に電極が邪魔になら ないようにするためである。この接触手段５に指などの誘電体が近づくと、接触 手段５のインピーダンスが変化する。

【００１０】 この実施例の構成の動作を図３を用いて説明する。 図３は検出回路４と接触手段５の接続点ｐに表れる信号波形を示し、図３（ａ） は、接触手段５上に誘電体がない場合に観察される信号波形を示し、（ｂ）は接 触手段５上に誘電体がある場合に観察される信号波形を示す。接触手段５に誘電 体がない場合の信号波形を説明する。ＣＰＵからの信号で、ステップパルス発生 回路３はステップパルスを発生する。このステップパルスは電極５に入力され、 その反射を接続点ｐにて観測できる。この実施例では電極５は接地しているから 、図３（ａ）に示す信号波形が接続点ｐに表れる。この信号がＨレベルの時間幅 は（Ｔ）である。電極５に誘電体がある場合は、電極５上に誘電体がある場所で 反射が起きるから、指のように容量性の誘電体を置くと図３（ｂ）に示す信号波 形が接続点ｐに表れる。この図３（ｂ）のｂに示す変化は、変化の起きた時間が 容量性の誘電体が置かれた場所と接続点との距離に比例するから、この変化があ った時間を測定すれば誘電体がある位置が検出できる。 位置の検出について説明する。コンパレータ４は基準電圧Ｖh´としているか ら、反射が観測される信号波形のレベルであるＶh から低くなると、その出力が 反転する。図３のａ，ｂのような信号波形カウンタ２において、ステップパルス の立ち上がりで、カウントを開始し、コンパレータ４の出力の反転でカウントを 終了する。誘電体がない場合は、（Ｔ）がカウントされ、誘電体がある場合は、 （ｔ）がカウントされる。Ｌを電極の長さとすると、誘電体の電極の接続点ｐか らの距離ｌは、 ｌ＝Ｌ×（ｔ／Ｔ） で計算できるので、この計算をＣＰＵで行い、誘電体がどこに置かれたかを検出 することができる。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の入力装置によれば、ＴＤＲ測定を行うことで、 タッチパネルもしくはタッチスクリーンの動作を低コストで確実に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の構成図である。

【図２】本考案の一実施例の具体的構成図である。

【図３】本考案での反射信号の電気変化のタイムチャー
トを示す図である。

【符号の説明】

１…制御手段、 ２…時間差計測回路、 ３…ステップパルス発生回路、 ４…検出回路、 ５…接触手段、 ６…ＣＲＴ、 Ｄ…ステップリカバリダイオード、 Ｓ…サンプラー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】片方が接地され電極構造となっている接触
   手段と、 表示を行う画面の表面上に前記接触手段を設けたＣＲＴ
   と、 前記電極の接地側でない接点に接続したステップパルス
   発生回路と、 前記電極の接地側でない接点に接続し、その接続点の信
   号変化を観察し、その信号が設定された基準電圧以上で
   あるか否かを検出する検出回路と、 前記ステップパルス発生回路からの信号と検出回路から
   の信号を入力し両者の信号の時間差を出力する時間差計
   測回路と、 前記時間差計測回路からの信号を入力し、演算処理とス
   テップパルス発生回路等の制御を行う制御手段を設け、
   接触手段上に誘電体を置き、接触手段にステップパルス
   を与え、その反射を測定することから、誘電体の置かれ
   た位置の検出を行うことを特徴とする入力装置。