JPH0540232U - 用紙給送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 用紙の円滑な分離や繰り込みを行い得ること
ができるようにする。 【構成】 給紙トレイ４を、装置フレーム１の上部にお
いて挿入口２と対応する位置に配置する。その給紙トレ
イ４を、装置フレーム１に傾斜状態で固定された固定ト
レイ１７と、その固定トレイ１７の上端に軸１９をもっ
て回動可能に支持された回動トレイ１８とより構成す
る。そして、回動トレイ１８をバネにより回動付勢し、
常には回動トレイ１８と固定トレイ１７とが一平面をな
す状態に保持する。そして、回動トレイ１８を下方へ押
圧することにより、同回動トレイ１８をバネの付勢力に
抗して回動させ、固定トレイ１７と回動トレイ１８との
間に所定の角度を形成する。即ち、給紙トレイ４の固定
トレイ１７と回動トレイ１８との間に、頂部が上方へ向
かう屈曲部Ｋを形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばファクシミリ装置において原稿用紙を１枚ずつ給送する原稿 用紙給送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ファクシミリ装置における原稿用紙給送装置においては、図６に示す ように、原稿用紙Ｇを積層支持する支持台２１が装置フレーム２２の上面に傾斜 状態で配置されている。そして、その支持台２１の下端近傍に、原稿用紙Ｇに対 して繰り込み力を付与する繰り込みローラ２３が設けられるとともに、積層され た原稿用紙Ｇに対して繰り込み力に抗する力を付与する摩擦部材２４が設けられ ている。このため、繰り込みローラ２３が回転すると、支持台２１上の原稿用紙 Ｇのうち、繰り込みローラ２３に接している最下部の原稿用紙Ｇから１枚ずつ装 置内の図示しない原稿読取部に繰り込まれ、他の原稿用紙Ｇは摩擦部材２４によ り支持台２１上の位置を保持される。このようにして、支持台２１上の原稿用紙 Ｇが１枚ずつ分離されて繰り込まれる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記のように構成した装置において、図６に示すように、支持台２ １上に多数枚の原稿用紙Ｇをその前端縁を揃えた状態でセットすると、最上部の 原稿用紙Ｇが摩擦部材２４によって保持されるために、最下部の原稿用紙Ｇが繰 り込みローラ２３に確実に接触せず、原稿用紙Ｇの繰り込みが円滑に行われない おそれがあった。又、図７に示すように、最下部の原稿用紙Ｇ以外の原稿用紙Ｇ が下方（前方）へ突出して繰り込みローラ２３に接触しているような場合には、 その突出している原稿用紙Ｇが最下部の原稿用紙Ｇより先に繰り込まれたり、或 いは、その突出原稿用紙Ｇと最下部の原稿用紙Ｇとが同時に繰り込まれたりして 、原稿用紙Ｇの分離とそれに伴う繰り込みとが円滑に行われないおそれもある。

【０００４】 本考案は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、用 紙の円滑な分離や繰り込みを行い得ることができる用紙給送装置を提供すること にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、この考案では、用紙を積層支持する支持台と、 その支持台の先端近傍に設けられた繰り込みローラと、その繰り込みローラと対 向するように配置された摩擦部材とを有し、前記繰り込みローラと摩擦部材との 協働作用により支持台上の用紙を１枚ずつ繰り込むようにした用紙給送装置にお いて、前記支持台に頂部が上方へ向かう屈曲部又は湾曲部を設けたものである。

【０００６】

【作用】

従って、本考案によれば、支持台に頂部が上方へ向かう屈曲部又は湾曲部が形 成されているので、支持台上の用紙の前端縁が斜状をなすように捌かれる。従っ て、最下部の用紙が最も前方へ突出し、その最も突出する最下部の用紙から１枚 ずつ確実に分離して繰り込みを行うことができる。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の用紙給送装置をファクシミリ装置における原稿用紙給送装置 に具体化した一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００８】 図１に示すように、装置フレーム１の上面には原稿用紙Ｇの挿入口２が、同装 置フレーム１の前縁には原稿用紙Ｇの排出口３が形成されている。原稿用紙Ｇを 積層支持する支持台としての給紙トレイ４は、前記装置フレーム１の上部におい て前記挿入口２と対応する位置に傾斜状態で配置されている。

【０００９】 繰り込みローラ５は前記給紙トレイ４の下端近傍において装置フレーム１内に 積極回転可能に支持されている。摩擦部材としての分離パッド７は、繰り込みロ ーラ５と対向するように支持板６を介して装置フレーム１に固定されている。そ の分離パッド７は繰り込みローラ５の外周面と接触するように、図示しないバネ 手段により常に繰り込みローラ５に向かって付勢されている。

【００１０】 そして、給紙トレイ４上に多数枚の原稿用紙Ｇが積層支持された状態で、繰り 込みローラ５が回転駆動されると、給紙トレイ４上の原稿用紙Ｇのうち、繰り込 みローラ５に接している１枚の原稿用紙Ｇにのみ繰り込み力が付与されて、同原 稿用紙Ｇが装置フレーム１内に繰り込まれる。このとき、他の原稿用紙Ｇは分離 パッド７により装置フレーム１内への繰り込みが阻止されて、給紙トレイ４上の 位置を保持される。つまり、繰り込みローラ５の回転に伴い、同繰り込みローラ ５と分離パッド７との協働作用により、給紙トレイ４上の原稿用紙Ｇが１枚ずつ 分離して装置フレーム１内に繰り込まれる。

【００１１】 一対のガイド板８は前記繰り込みローラ５の下流側に配置され、両ガイド板８ 間に前記繰り込まれた原稿用紙Ｇの移送通路が形成されている。読取窓９は一方 のガイド板８に形成され、両ガイド板８間を移送される原稿用紙Ｇに、光源１０ から読取窓９を通して光が照射される。そして、その原稿用紙Ｇからの反射光が 読取窓９を通して複数のミラー１１及びレンズ１２を介してイメージセンサ１３ に導かれて、原稿用紙Ｇ上の画像の読み取りが行われる。

【００１２】 複数の送りローラ１４，１５，１６は前記ガイド板８の下流側に配設され、そ れらの回転により、画像読み取り後の原稿用紙Ｇに送りが付与されて、同原稿用 紙Ｇが前記排出口３から外部へ排出される。

【００１３】 図１及び図２に示すように、前記給紙トレイ４は、装置フレーム１に傾斜状態 で固定された固定トレイ１７と、その固定トレイ１７の上端に軸１９をもって回 動可能に支持された回動トレイ１８とより構成されている。バネ２０は前記軸１ ９の周囲に配置され、その一端が固定トレイ１７の下面に係合しているとともに 、他端が回動トレイ１８の下面に係合している。

【００１４】 そして、回動トレイ１８はバネ２０の付勢力により図示反時計方向（Ａ方向） へ回動付勢され、常には固定トレイ１７と回動トレイ１８との対向端面が突き合 わされて両トレイ１７，１８が一平面をなす状態に保持されている。そして、回 動トレイ１８を下方へ押圧すると、図３に示すように、回動トレイ１８はバネ２ ０の付勢力に抗して図示時計方向（Ｂ方向）へ回動され、固定トレイ１７と回動 トレイ１８との間に所定の角度が形成される。即ち、給紙トレイ４の固定トレイ １７と回動トレイ１８との間に、頂部が上方へ向かう屈曲部Ｋが形成される。尚 、固定トレイ１７と回動トレイ１８との長さの比率はほぼ２：３となっている。

【００１５】 さて、上記のように構成された原稿用紙給送装置においては、先ず、図１に示 すように、給紙トレイ４上に多数枚の原稿用紙Ｇがその前端縁を揃えた状態で積 層支持される。この場合、積層状態の原稿用紙Ｇの前端縁が分離パッド７に当接 して、最下部の原稿用紙Ｇが繰り込みローラ５に接触しない状態で保持されてし まうことがあり、この状態では、装置を始動しても原稿用紙Ｇを円滑に繰り込む ことができない。

【００１６】 次に、図３に示すように、回動トレイ１８を下方へ押圧して、同回動トレイ１ ８をバネ２０の付勢力に抗して図示Ｂ方向へ回動させると、給紙トレイ４ととも に、その上面に積層支持された原稿用紙Ｇが屈曲される。このとき、積層状態の 原稿用紙Ｇの前端は上部の原稿用紙Ｇほど後退位置へずれて、同前端縁が全体と して斜状をなすように捌かれ、最下部の原稿用紙Ｇが最も下方（前方）へ突出し た状態となる。

【００１７】 そして、この状態で、回動トレイ１８の下方への押圧を解除すると、図４に示 すように、同回動トレイ１８がバネ２０の付勢力により図示Ａ方向へ回動され、 給紙トレイ４が一平面状態に復帰される。このとき、積層状態の原稿用紙Ｇの前 端縁が斜状に捌かれているので、同用紙Ｇの前端が繰り込みローラ５と分離パッ ド７との間の先窄まり状の空間内に入るように、原稿用紙Ｇが全体として前方へ 移動される。従って、最下部の原稿用紙Ｇが繰り込みローラ５に確実に接触する とともに、他の原稿用紙Ｇの前端縁は分離パッド７に確実に接触して、その繰り 込みが確実に阻止される。

【００１８】 従って、繰り込みローラ５の回転駆動に伴い、同繰り込みローラ５と分離パッ ド７との協働作用により、給紙トレイ４上の原稿用紙Ｇを１枚ずつ確実に分離し て原稿読み取り側へ繰り込むことができる。つまり、前記従来とは異なり、最下 部の原稿用紙が繰り込みローラに確実に接触しなかったり、最下部の原稿用紙以 外の原稿用紙が前方へ突出して繰り込みローラに接触したりするということがな く、原稿用紙Ｇの円滑な分離及び繰り込みを行うことができる。

【００１９】 尚、この考案は前記実施例に限定されるものではなく、例えば固定トレイ１７ と回動トレイ１８との長さの比率を適宜変更したり、図５に示すように屈曲部Ｋ を有する給紙トレイ４を一体形成して、屈曲角度を固定にしたり、給紙トレイ４ を全体として湾曲形状に形成したり、屈曲部Ｋにバネ２０を設けずに、給紙トレ イ４を一平面状態に保持する別の保持手段を設け、その保持手段を解除して手動 にて回動トレイ１８を回動させるように構成したり、或いは原稿用紙給送装置以 外の用紙給送装置、例えばプリンタ等に具体化したりするなど、この考案の趣旨 を逸脱しない範囲で各部の構成を任意に変更して具体化することも可能である。

【００２０】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案によれば、きわめて簡単な構成をもって用紙の円滑 な分離や繰り込みを行い得ることができるという優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の用紙給送装置を原稿用紙給送装置に具
体化した一実施例を示す部分断面図である。

【図２】給紙トレイの屈曲部を拡大して示す部分正面図
である。

【図３】給紙トレイを屈曲させた状態を示す部分断面図
である。

【図４】給紙トレイの屈曲状態を解除した状態を示す部
分断面図である。

【図５】この考案の別例を示す部分断面図である。

【図６】従来の原稿用紙給送装置を示す部分断面図であ
る。

【図７】従来における原稿用紙のセット状態を示す部分
拡大断面図である。

【符号の説明】

４ 支持台としての給紙トレイ、５ 繰り込みローラ、
７ 摩擦部材としての分離パッド、１７ 固定トレイ、
１８ 回動トレイ、Ｇ 原稿用紙、Ｋ 屈曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙を積層支持する支持台と、その支持
   台の先端近傍に設けられた繰り込みローラと、その繰り
   込みローラと対向するように配置された摩擦部材とを有
   し、前記繰り込みローラと摩擦部材との協働作用により
   支持台上の用紙を１枚ずつ繰り込むようにした用紙給送
   装置において、前記支持台に頂部が上方へ向かう屈曲部
   又は湾曲部を設けたことを特徴とする用紙給送装置。