JPH0540194Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、主としてRC建築と称される鉄筋
構造建築の梁を構築する際に使用される梁型枠支
持装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種の梁型枠支持装置は、支持体の両
側のサイドパイプの上端に、両端部の上面に梁型
枠の側板傾倒防止用の傾倒防止金具が着脱自在に
取付けられた大引材の両端部の下面を、水平状態
になるよう着脱自在に載置されていた。

また、一方では、支持用支柱の上端に、両端近
傍に左右一対の縦杆が上下方向へ揺動自在に軸支
された横杆の幅方向中央部を支持するようにした
ものが提案されていた（例えば実公昭52−48572
号公報）。

（考案が解決しようとする課題） ところが、前者は、梁の構築時に、両側板と底
板とからなる梁型枠を所定形状に組立て、この梁
型枠の底板下面に大引材を、数本の根太材を介し
て配置し、この大引材の両端部上面に傾倒防止金
具を、梁型枠の両側板との間に数本の梁横端太材
を介して取付けた後、大引材の両端部を支持体の
各サイドパイプで下方から支持するように組立
て、また、梁の構築後には、先ず傾倒防止金具を
大引材から取外し、次に大引材を支持体の各サイ
ドパイプ上端から取外すように分解していた。し
たがつて、梁を構築したり、或いは梁を分解する
たびに、前述のような操作を繰返さなければなら
ないため、架構築時の組立操作や梁構築後の分解
操作が極めて困難で、熟練を要するばかりでな
く、精確に組立てることができず、しかも梁構築
現場から他の梁構築現場への搬出が頗る面倒であ
つた。

また、後者は、支持用支柱の上端に、両端近傍
部に左右一対の縦杆が上下方向へ揺動自在に軸支
された横杆の幅方向中央部を支持しているため、
支持用支柱のみでは梁用コンクリート型わくの底
側の型わく板の水平出しが極めて困難であつた。

そこで、この考案は、叙上のような課題を解消
すべく案出されたもので、熟練を要することな
く、誰でも梁構築時の組立操作や梁構築後の分解
操作を極めて容易、且つ精確にできるようにし、
しかも、梁構築現場から他の梁構築現場への搬出
を頗る簡単にでき、更に、梁型枠の底板の水平出
しを極めて容易にできるような梁型枠支持装置を
提供するものである。

（課題を解決するための手段） この考案は、従来の課題を解決するために、両
側のサイドパイプの上下端及び真中のセンターパ
イプの上端に高さ調節用のジヤツキベースを設
け、且つ各サイドパイプの下端部には移動用のキ
ヤスターを接地自在に取付けてなる支持体を形成
し、この支持体のセンターパイプのジヤツキベー
ス上端に、外側端部の上面に梁型枠の側板傾倒防
止用の傾倒防止金具が取付けられた左右一対の大
引材の内側端部を、外側端部の下面が前記各サイ
ドパイプの上側のジヤツキベース上端に水平状態
に載置されるよう梁型枠の底板下面に根太材を介
して下方へ揺動自在に軸支したことを技術的手段
とする。

（作用） この考案は、叙上のような技術的手段により、
梁の構築時及び構築後に支持体の各サイドパイプ
の上側の各ジヤツキベースを高く或いは低くし
て、各大引材を上下方向へ揺動する操作と、支持
体のセンターパイプの上側のジヤツキベースを高
く或いは低くする操作のみで済むようにする。ま
た、梁の構築後に支持体の各サイドパイプの下側
のジヤツキベースを上げてキヤスターを接地する
ようにする。更に、支持体のセンターパイプ上端
のジヤツキベースで梁型枠の底板の高さを調節し
た後、各サイドパイプ下端のジヤツキベースで梁
型枠の底板の水平出しをするようにする。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

図において、１は支持体であつて、この支持体
１は、両側のサイドパイプ２と、このサイドパイ
プ２より短いセンターパイプ３とを、上端が同一
高さになるよう水平な横パイプ４及び斜状の補強
パイプ５を介して適宜間隔に配設し、各サイドパ
イプ２の上下端及びセンターパイプ３の上端には
ジヤツキベース１２を夫々設け、且つ各サイドパ
イプ２の下端部には移動用のキヤスター６を接地
自在に取付けるように形成されている。更に詳細
に説明すると、前記各サイドパイプ２は、上端部
に高さ調節孔７が穿設されたサイド大パイプ８
と、このサイド大パイプ８より若干小径で且つ短
く、下端部には高さ調節孔９が上下長手方向へ適
宜間隔に穿設されたサイド小パイプ１０とからな
り、そして、サイド大パイプ８の上端からサイド
小パイプ１０が、高さ調節孔７と各高さ調節孔９
のいずれかとに高さ調節ピン１１を差込んで高さ
調整自在になるように挿入されている。また、前
記各ジヤツキベース１２は、各サイドパイプ２の
上端側及びセンターパイプ３の上端側は上向きに
なり、且つ各サイドパイプ２の下端側は下向きに
なるよう夫々装着されており、そして、この各ジ
ヤツキベース１２か各サイドパイプ２の上下端及
びセンターパイプ３の上端に回転自在に支持され
たハンドル１３付きナツト１４に、上端に側面上
向きコ字形状の受板１５（各サイドパイプ２の上
端側）又は接地盤１６（各サイドパイプ２の下端
側）又は支持筒１７（センターパイプ３の上端
側）が設けられたネジ棒１８をねじ込むように形
成されている。それに、前記キヤスター６は、各
サイドパイプ２の下端部の両側外面に、下部面が
前記各サイドパイプ２の下端側ジヤツキベース１
２のネジ棒１８を上方へ一杯にねじ込んだ際にネ
ジ棒１８の下端の接地盤１６より下になるよう取
付片１９を介して取付けられている。

すなわち、前述のように形成された数個の支持
体１を、相対向するサイドパイプ２同士に筋交い
２０を介して適宜間隔に連結すると共に、各支持
体１の相対向するセンターパイプ３のジヤツキベ
ース１２の上端相互間には梁型枠Ａの底板Ｂ下面
架渡用の根太材２１を載置し、この根太材２１の
両側に配設された他の各根太材２２，２３との相
互間には一対の大引材２４の内側端部を、外側端
部が各サイドパイプ２の上側のジヤツキベース１
２上端に水平状態に載置されるよう軸受２５及び
軸棒２６，２７を介して下方へ揺動自在に支持
し、この各大引材２４の外側端部上面には梁型枠
Ａの側板Ｃの傾倒防止金具２８を上向きに対向さ
れるよう着脱自在に取付けたものである。

しかして、前記傾倒防止金具２８は、前記大引
材２４に対応させて側面下向きコ字形状に成形さ
れた金具本体２９の上面に主パイプ３０を立設
し、且つ金具本体２９の外側端にはこれより低い
側面下向きコ字形状のプレート３１を突設し、こ
のプレート３１の外側端部上面と前記主パイプ３
０の上下方向略中央部外側面との間には補強パイ
プ３２を斜状に架設し、更に主パイプ３０の内側
面上端、上下方向略中央部、下端部の夫々には梁
横端太Ｄ支持用の支持片３３を設け、それに主パ
イプ３０の上端にはコンクリート板Ｅ保持用の端
太材Ｆ及び桟木Ｇを支持する支持片桟４を、ボル
ト３５及びナツト３６を介して高さ調節自在に設
けるように形成されている。そして、各大引材２
４の外側端部上面に金具本体２９及びプレート３
１を載置して、金具本体２９の前後面中央部及び
各大引材２４に穿設された各取付孔に係止ピン３
７を差込むように取付けられている。

（考案の効果） この考案は、叙上のように両側のサイドパイプ
２の上下端及び真中のセンターパイプ３の上端に
高さ調節用のジヤツキベース１２が設けられた支
持体１を形成し、この支持体１のセンターパイプ
３のジヤツキベース１２上端に、外側端部の上面
に梁型枠Ａの側板Ｃ傾動防止用の傾倒防止金具２
８が取付けられた左右一対の大引材２４の内側端
部を、外側端部の下面が前記各サイドパイプ２の
上側のジヤツキベース１２上端に水平状態に載置
されるよう梁型枠Ａの底板Ｃ下面に根太材２１，
２２，２３を介して下方へ揺動自在に軸支するよ
うに構成したから、梁の構築時には、先ず両側板
Ｃと底板Ｂとからなる梁型枠Ａを所定形状に組立
て、この梁型枠Ａの底板Ｂ下面に一対の大引材２
４を、各根太材２１，２２，２３を介して配置
し、次に梁型枠Ａの両側板Ｃ外側の各大引材２４
の外側端部上面に傾倒防止金具２８を、梁横端太
Ｄ、端太材Ｆ、桟木Ｇ等を介して取付け、そし
て、根太材２１の下面を支持体１のセンターパイ
プ３で、且つ各大引材２４の外側端部下面を支持
体１の各サイドパイプ２で支持した後、支持体１
の各サイドパイプ２及びセンターパイプ３の上側
の各ジヤツキベース１２を高くする。また、梁の
構築後には、先ず、支持体１の各サイドパイプ２
上側のジヤツキベース１２を低くし、且つ各大引
材２４を軸支部を中心にして下方へ夫々揺動し
て、梁型枠Ａの両側板Ｃを梁から外し（第１図に
二点鎖線で示してある）。次に支持体１のセンタ
ーパイプ３の上側のジヤツキベース１２を低くし
て、梁型枠Ａの底板Ｂを梁から外すようにする。

すなわち、この考案の梁型枠支持装置を一度組
立ててしまえば、あとは梁の構築時及び構築後に
支持体１の各サイドパイプ２の上側の各ジヤツキ
ベース１２を高く或いは低くして、各大引材２４
を上下方向へ揺動する操作と、支持体１のセンタ
ーパイプ３の上側のジヤツキベース１２を高く或
いは低くする操作のみで良いため、熟練を要する
ことなく、誰にでも梁構築時の組立操作や梁構築
後の分解操作を極めて容易、且つ精確にできるの
である。

しかも、熟練を要することなく、誰にでも梁構
築後の分解操作が極めて容易にできることによつ
て、梁構築現場から他の梁構築現場への搬出が頗
る簡単である。この場合、支持体１の両側のサイ
ドパイプ２の下端に高さ調節用のジヤツキベース
１２を設け、且つ各サイドパイプ２の下端部には
移動用のキヤスター６を接地自在に取付けてある
ことによつて、梁の構築後に支持体１の各サイド
パイプ２の下側のジヤツキベース１２を上げてキ
ヤスター６を接地できるため、梁構築現場から他
の梁構築現場への移動が容易になつて、梁構築現
場から他の梁構築現場への搬出が一層簡単であ
る。

また、両側のサイドパイプ２の上下端及び真中
のセンターパイプ３の上端に高さ調節用のジヤツ
キベース１２が設けられた支持体１を形成し、こ
の支持体１のセンターパイプ３のジヤツキベース
１２上端に左右一対の大引材２４の内側端部を、
外側端部の下面が前記各サイドパイプ２の上側の
ジヤツキベース１２上端に水平状態に載置される
よう梁型枠Ａの底板Ｃ下面に根太材２１，２２，
２３を介して下方へ揺動自在に軸支するように構
成したから、支持体１のセンターパイプ３上端の
ジヤツキベース１２で梁型枠Ａの底板Ｂの高さを
調節した後、各サイドパイプ２下端のジヤツキベ
ース１２で梁型枠Ａの底板Ｂの水平出しを極めて
容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は正面図、第２図は一部省略側面図、第３図は
平面図である。 １……支持体、２……サイドパイプ、３……セ
ンターパイプ、４……横パイプ、５……補強パイ
プ、６……キヤスター、７……高さ調節孔、８…
…サイド大パイプ、９……高さ調節孔、１０……
サイド小パイプ、１１……高さ調節ピン、１２…
…ジヤツキベース、１３……ハンドル、１４……
ナツト、１５……受板、１６……接地盤、１７…
…支持筒、１８……ネジ棒、１９……取付片、２
０……筋交い、２１……根太材、２２……根太
材、２３……根太材、２４……大引材、２５……
軸受、２６……軸棒、２７……軸棒、２８……傾
倒防止金具、２９……金具本体、３０……主パイ
プ、３１……プレート、３２……補強パイプ、３
３……支持片、３４……支持片、３５……ボル
ト、３６……ナツト、３７……係止ピン、Ａ……
梁型枠、Ｂ……底板、Ｃ……側板、Ｄ……梁横端
太、Ｅ……コンクリート板、Ｆ……端太材、Ｇ…
…桟木。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側のサイドパイプの上下端及び真中のセンタ
   ーパイプの上端に高さ調節用のジヤツキベースを
   設け、且つ各サイドパイプの下端部には移動用の
   キヤスターを接地自在に取付けてなる支持体を形
   成し、この支持体のセンターパイプのジヤツキベ
   ース上端に、外側端部の上面に梁型枠の側板傾倒
   防止用の傾倒防止金具が取付けられた左右一対の
   大引材の内側端部を、外側端部の下面が前記各サ
   イドパイプの上側のジヤツキベース上端に水平状
   態に載置されるよう梁型枠の底板下面に根太材を
   介して下方へ揺動自在に軸支したことを特徴とす
   る梁型枠支持装置。