JPH0539349A - 共重合ポリエステルの製造法 - Google Patents

共重合ポリエステルの製造法

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JPH0539349A
JPH0539349A JP30124891A JP30124891A JPH0539349A JP H0539349 A JPH0539349 A JP H0539349A JP 30124891 A JP30124891 A JP 30124891A JP 30124891 A JP30124891 A JP 30124891A JP H0539349 A JPH0539349 A JP H0539349A
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JP
Japan
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acid
copolyester
polyester
group
glycol
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JP30124891A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Miura
勤 三浦
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は高い吸水性および保水性を有し、且
つこの高い吸水性および保水性を長期にわたって維持で
きる繊維を形成する共重合ポリエステルの製造方法に関
する。 【構成】少なくとも一種の二官能性芳香族カルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体と少なくとも一種のジオ
−ル化合物とを反応させてポリエステルを製造する際に
一般式(I)または一般式(II)で示されるポリオキ
シアルキレン基含有化合物とジカルボキシアレ−ンスル
ホン酸金属塩またはそのエステル形成性誘導体を共重合
させ、かつ極限粘度が0.5dl/g以上となるまで重
縮合させる水漏れ性に優れた共重合ポリエステルの製造
法である。 【化1】 【化2】 (式中、R1およびR3は炭素数1〜18の炭化水素基を
表わし、R2およびR4はそれぞれエチレン基および/ま
たはプロピレン基を表わし、n1およびR4は平均重合度
を表わす10〜100の数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水濡れ性に優れた共重合
ポリエステルの製造法に関する。さらに詳細には、高い
表面水濡れ易さに由来して、繊維になした際に不織布な
どの布帛のごとき集合体の形態で高い吸水性および保水
性を発揮し、しかも、洗濯などの処理にかかわらず高い
吸水性および保水性を長期にわたって維持することがで
きる繊維形成性の共重合ポリエステルの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレ−ト繊維に代表
されるポリエステル繊維はイ−ジ−ケア性をはじめ多く
の優れた特性を有しており、種々の用途に広く用いられ
ているが、疎水性であるため木綿をはじめとする天然繊
維と比較して吸水性が著しく劣り、吸水性が要求される
分野での利用が大きく制限されている。
【0003】従来より、この問題を解決するためにポリ
エステル繊維に親水性または吸水性を付与しようとする
試みがなされてきたが、大部分は繊維形状の工夫や後加
工によるものである。例えば用途上高い吸水性と保水性
が要求される不織布用途においては、繊維表面への親水
化剤のコ−ティングや、ポリオキシアルキレングリコ−
ル、スルホン酸金属塩誘導体などの親水化剤を紡糸時に
ポリエステル中に練り込むことが行われている。その中
には効果の認められるものもあるが、添加工程および使
用時にこれらの親水化剤の脱落や溶出のおそれがあり、
長期にわたっての効果は期待できない。また脱落や溶出
した親水化剤の人体に対する安全性も未知の部分がある
ため、実用上、用途がかなり限定される。
【0004】一方、親水性が付与されたポリエステルを
得る目的におけるポリマ−自身の改質方法としては、ポ
リオキシエチレングリコ−ルを共重合することが知られ
ているが、その効果は比較的小さいものにとどまってい
る。ポリマ−自身の改質によってポリエステルの欠点を
改良する他の方法として、グラフト状構造を有する重合
体、即ち側鎖にポリオキシアルキレングリコ−ル構造を
有するポリエステルについて報告がなされている。
【0005】例えば、特公昭48−8270号公報およ
び特公昭49−12915号公報によれば、式
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1はアルキレン基を表し、R2
よびR3はそれぞれアルキル基または芳香族基を表し、
1およびm2はそれぞれ1〜200の整数を表す)で示
されるコモノマ−を用いることによって吸湿性の改良さ
れた改質ポリエステルが得られるとされている。
【0008】また特開昭64−9263号公報によれ
ば、式
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Xは芳香族基を表し、R4および
5はそれぞれエステル形成性基を表し、Mは金属を表
す。)で示される金属スルホネ−ト基含有化合物と、式
【0011】
【化5】
【0012】または式
【0013】
【化6】
【0014】(式中、A1,A2およびA3はそれぞれ脂
肪族または芳香族炭化水素を表し、P1,P2およびP3
は式
【0015】[(OC24)a(OC36)b]m4 (式中、a,b,m4はそれぞれ1≦a≦200,0≦
b<a,1≦m4を満足する整数を表す。)で示される
ポリオキシアルキレン基を表し、R6,R8およびR9
それぞれ炭化水素基を表し、R7はアルキレン基を表
し、m3は1以上の整数を表す。)で示される側鎖状ポ
リアルキレングリコ−ル誘導体とを主成分とする分子量
2000〜10000の変性ポリエステル縮合体を、主
としてアルキレンテレフタレ−ト単位よりなるポリエス
テルに配合することにより得られるポリエステル組成物
は、静電性に優れるとされ、また比較的高い吸湿性デ−
タを示している。さらに特開平1−234420号公報
および特開平1−236236号公報によれば、式
【0016】
【化7】
【0017】(式中、R10は炭化水素基を表し、R11
アルキレン基を表し、m5は30〜140の整数を表
す)で示されるコモノマ−または式
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R10、R11およびm5は前記定義
のとおりである)で示されるコモノマ−を用いて得られ
た共重合ポリエステルが吸湿性および熱伝導性に優れ、
繊維になした際に大きな冷涼感を呈するとされている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが不織布な
どの布帛のごとき繊維集合体における吸水性および保水
性の観点から上記各種のポリオキシアルキレン型側鎖含
有共重合ポリエステルの性能を評価したところ、特公昭
48−8270号公報および特公昭49−12915号
公報に記載された改質ポリエステルでは、コモノマ−が
有する2個の水酸基がいずれも反応性に乏しいとされる
2級水酸基であるためか、改質ポリエステルの製造にお
いて使用したコモノマ−の多くがポリエステル分子中に
組み込まれることなく、ポリエステル樹脂中に分散して
存在していることが判明した。従って、該改質ポリエス
テルからなる繊維の集合体では、洗濯または使用に伴っ
て樹脂中に分散しているコモノマ−が溶出するものと予
想され、吸水性の長期にわたる保持は期待されない。さ
らに特開昭64−9263号公報に具体的に記載された
ポリエステル組成物では吸湿性の改善がある程度認めら
れるものの、十分な吸水性および保水性が達成されない
ことが判明した。また特開平1−234420号公報お
よび特開平1−236236号公報に具体的に記載され
た共重合ポリエステルでも、いずれも必ずしも十分な吸
水性および保水性を発揮しえないことが判明した。
【0021】しかして、本発明の目的は、布帛のごとき
繊維集合体の形態で高い吸水性および保水性を発揮しう
る繊維形成性の新規な共重合ポリエステルの製造法を提
供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、一般式(I)
【0023】
【化9】
【0024】または一般式(II)
【0025】
【化10】
【0026】(式中、R1およびR3はそれぞれ炭素数1
〜18の炭化水素基を表し、R2およびR4はそれぞれエ
チレン基および/またはプロピレン基を表し、n1およ
びn2はそれぞれ平均重合度を表す10〜100の数で
ある。)で表されるポリオキシアルキレン基含有化合物
とジカルボキシアレ−ンスルホン酸金属塩またはそのエ
ステル形成性誘導体との両方をポリエステルの共重合成
分として用いることにより前記の目的が達成される場合
がある事を見出だし、これらの知見を基にさらに検討を
続け本発明に到達した。
【0027】すなわち本発明は、少なくとも一種の二官
能性芳香族カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
と少なくとも一種のジオ−ル化合物とを反応せしめてポ
リエステルを製造するに当り、一般式(I)
【0028】
【化11】
【0029】または一般式(II)
【0030】
【化12】
【0031】(式中、R1およびR3はそれぞれ炭素数1
〜18の炭化水素基を表し、R2およびR4はそれぞれエ
チレン基および/またはプロピレン基を表し、n1およ
びn2はそれぞれ平均重合度を表す10〜100の数で
ある。)で表されるポリオキシアルキレン基含有化合物
とジカルボキシアレ−ンスルホン酸金属塩またはそのエ
ステル形成性誘導体とを反応系中に添加し反応せしめ、
かつ生成ポリエステルの極限粘度が0.5dl/g以上
となるまで重縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポ
リエステルの製造法である。
【0032】本発明の製造法により得られる共重合ポリ
エステルは、芳香族環を重合体の主たる連鎖単位中に有
する芳香族ポリエステルであって、二官能性芳香族カル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオ−ル化合
物とを主モノマ−成分とする重縮合反応により得られ
る。
【0033】ここでいう二官能性芳香族カルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4-ナフタレンジ
カルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタ
レンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,
4’-ビフェニルジカルボン酸、3,3’-ビフェニルジカル
ボン酸、4,4’-ジフェニルエ-テルジカルボン酸、4,4’
-ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルイ
ソプロピリデンジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エ
タン-4,4’-ジカルボン酸、2,5-アントラセンジカルボ
ン酸、2,6-アントラセンジカルボン酸、2,5-ピリジンジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;β−ヒドロキシ
エトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸などの芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸などが挙げられるが、特にテレフタ
ル酸が好ましい。
【0034】これらの二官能性芳香族カルボン酸は、1
種のみであっても、また2種以上であってもよい。な
お、これらの二官能性芳香族カルボン酸とともにアジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの二官能性脂肪族
カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの二官能
性脂環族カルボン酸などの酸成分を一種または二種以上
併用してもよいが、繊維用途において要求される優れた
機械的性能を有する共重合ポリエステルが得られる点か
ら使用する全酸成分の70モル%以上は二官能性芳香族
カルボン酸、とりわけテレフタル酸であることが望まし
い。
【0035】本発明においては、上記の酸成分としてそ
の低級アルキルエステルなどのエステル形成性誘導体を
使用してもよい。二官能性芳香族カルボン酸のエステル
形成性誘導体の例としては、前に例示した芳香族ジカル
ボン酸のジメチルエステルなどの低級アルキルエステ
ル;前に例示した芳香族ヒドロキシカルボン酸のメチル
エステルなどの低級アルキルエステルなどが挙げられ
る。
【0036】またジオ−ル化合物としてはエチレングリ
コ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−
ル、テトラメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ
−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、ノナメチレングリコ
−ル、3-メチルペンタン-1,5-ジオ−ル、2-メチルオク
タン-1,8-ジオ−ル、ジエチレングリコ−ルなどの脂肪
族ジオ−ル;シクロヘキサンジメタノ−ルなどの脂環族
ジオ−ルなどが挙げられる。これらのジオ−ルは、1種
のみであっても、また2種以上であってもよいが、繊維
用途において要求される優れた機械的性能を有する共重
合ポリエステルが得られる点から、ジオ−ル化合物の7
0モル%以上は、エチレングリコ−ル、トリメチレング
リコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ペンタメチレン
グリコ−ル、およびヘキサメチレングリコ−ルのごと
き、炭素数2〜6の直鎖状アルキレングリコ−ルである
ことが望ましい。なお本発明においては、ジオ−ル化合
物としてエチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイ
ドを使用してもよい。
【0037】本発明の製造法では、上記のごとき二官能
性芳香族カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、
ジオ−ル化合物などの二官能性化合物を主たるモノマ−
として使用するが、例えばグリセリン、トリメチロ−ル
プロパンなどのトリオ−ル;ペンタエリスリト−ルなど
のテトラオ−ル;トリメリット酸、トリメシン酸などの
トリカルボン酸;ピロメリット酸などのテトラカルボン
酸などの3価以上の多官能性化合物を、溶融成形が可能
な範囲内の量で共重合成分として併用することができ
る。本発明においては上記ポリエステル分子中に一般式
(I)
【0038】
【化13】
【0039】または一般式(II)
【0040】
【化14】
【0041】(式中、R1およびR3はそれぞれ炭素数1
〜18の炭化水素基を表し、R2およびR4はそれぞれエ
チレン基および/またはプロピレン基を表し、n1およ
びn2はそれぞれ平均重合度を表す10〜100の数で
ある。)で表されるポリオキシアルキレン基含有化合物
とジカルボキシアレ−ンスルホン酸金属塩またはそのエ
ステル形成性誘導体とを共重合せしめる。
【0042】一般式(I)および(II)において、R1
よびR3はそれぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表
し、好ましい例としてメチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、2−エチルヘ
キシル、n−ドデシル、n−ステアリルなどの炭素数1
〜18のアルキル基;シクロヘキシルなどの炭素数3〜
18のシクロアルキル基;フェニル、ノニルフェニルな
どの炭素数6〜18のアリ−ル基などが挙げられる。炭
化水素基R1およびR3の炭素数が19以上である場合に
は、表面濡れ易さに優れ、吸水性および保水性に優れる
繊維集合体を与える共重合ポリエステルが得られない。
またR2およびR4はそれぞれエチレン基および/または
プロピレン基を表し、得られる共重合ポリエステルの表
面濡れ易さならびにそれから得られる繊維集合体の吸水
性および保水性の高さの点から、エチレン基がより好ま
しい。R2およびR4としてエチレン基とプロピレン基が
同一のポリオキシアルキレン基含有化合物分子中に共存
してもよい。n1およびn2はそれぞれポリオキシアルキ
レン部分の平均重合度を表す数であり、10〜100の
範囲内の数である。n1およびn2が10未満の数である
場合には表面濡れ易さに優れ、吸水性および保水性に優
れる繊維集合体を与える共重合ポリエステルが得られな
い。またn1およびn2が100を越える数である場合に
はn1およびn2が10〜100の範囲内の数である場合
に達成される効果以上の効果はもはや達成されず、また
得られる共重合ポリエステルに着色が生じ易くなるので
好ましくない。表面濡れ易さに特に優れ、吸水性および
保水性に特に優れる繊維集合体を与える共重合ポリエス
テルが着色などの不都合を極力抑制して取得されること
から、n1およびn2の数は20〜80の範囲内の数であ
ることが望ましい。
【0043】かかるポリオキシアルキレン基含有化合物
の好ましい例として、ポリオキシエチレングリコ−ル-
メチル-グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレングリ
コ−ル-メチル-2,3-ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポ
リオキシエチレングリコ−ル-エチル-グリシジルエ−テ
ル、ポリオキシエチレングリコ−ル-エチル-2,3-ジヒド
ロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−
ル-n-プロピル-グリシジルエ−テル、ポリオキシエチ
レングリコ−ル-n-プロピル-2,3-ジヒドロキシプロピ
ルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル-t-ブチル
-グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル-
t-ブチル-2,3-ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリコ−ル-n-オクチル-グリシジルエ−
テル、ポリオキシエチレングリコ−ル-n-オクチル-2,3
-ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル-2-エチルヘキシル-グリシジルエ−テル、
ポリオキシエチレングリコ−ル-2-エチルヘキシル-2,3
-ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル-n-ドデシル-グリシジルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリコ−ル-n-ドデシル-2,3-ジヒドロキ
シプロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル-
n-ステアリル-グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル-n−ステアリル-2,3-ジヒドロキシプロピ
ルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル-フェニル-
グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル-
フェニル-2,3-ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリコ−ル-ノニルフェニル-グリシジルエ
−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル-ノニルフェニ
ル-2,3-ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエ
チレングリコ−ル-シクロヘキシル-グリシジルエ−テ
ル、ポリオキシエチレングリコ−ル-シクロヘキシル-2,
3-ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ−ル共重合体
のメチル-グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレング
リコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ−ル共重合体の
メチル-2,3-ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキ
シエチレングリコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ−
ル共重合体のn-プロピル-グリシジルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ
−ル共重合体のn-プロピル-2,3-ジヒドロキシプロピル
エ−テルなどが挙げられる。これらのポリオキシアルキ
レン基含有化合物は一種のみを用いても、また二種以上
を併用してもよい。
【0044】ジカルボキシアレ−ンスルホン酸金属塩と
しては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリ
ウムスルホイソフタル酸などの3,5−ジカルボキシベ
ンゼンスルホン酸アルカリ金属塩などが好ましい。また
ジカルボキシアレ−ンスルホン酸金属塩のエステル形成
性誘導体の例としては、上記例示の3,5−カルボキシ
ベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のジメチルエステス
テル、ジエチルエステルなどの低級アルキルエステルな
どが挙げられる。
【0045】本発明の製造法においては、生成ポリエス
テルがフェノ−ルとテトラクロロエタンの等重量混合溶
媒中、30℃で測定した極限粘度が0.5dl/g以上とな
るまで重縮合反応を行う。極限粘度が0.5dl/g未満の
共重合ポリエステルでは、強度などの機械的性能が不十
分となり、また溶融紡糸に付した場合における断糸が著
しくなる。一方、極限粘度が1.5dl/gを越える共重合
ポリエステルでは、溶融粘度が大きくなり過ぎて紡糸性
が不良となるおそれがある。機械的性能が特に良好とな
り、また繊維化工程上のトラブルを少なくしうる点か
ら、重縮合反応時間としては、得られる共重合ポリエス
テルの極限粘度が0.5〜1.5dl/gの範囲内とな
るような時間が好ましく、0.6〜1.0dl/gの範囲内と
なるような時間がより好ましい。
【0046】本発明の製造法では、例えば特開平1−2
34420号公報、特開平1−236236号公報など
に記載されている公知の方法に準じた操作が採用され
る。例えば、本発明の製造法は、テレフタル酸などの所
望の二官能性芳香族カルボン酸とエチレングリコ−ルな
どの所望のジオ−ルとを直接エステル化反応させるか、
テレフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸の低級アルキ
ルエステルのごとき所望の二官能性芳香族カルボン酸の
エステル形成性誘導体とエチレングリコ−ルなどの所望
のジオ−ルとをエステル交換反応させるか、または所望
の二官能性芳香族カルボン酸とエチレンオキサイドなど
の所望のアルキレンオキサイドを反応させることからな
る、二官能性芳香族カルボン酸とジオ−ル化合物とのエ
ステルまたはその低重合体を生成させる第一段階の反応
と、ついでかかる生成物を減圧下に加熱して所望の重合
度になるまで重縮合させることからなる第二段階の反応
によって行うことができる。なお、これらの反応におい
ては公知の触媒を使用することが可能である。かかる触
媒の例としては、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛などの亜鉛化合
物、酢酸マンガン、炭酸マンガンなどのマンガン化合
物、酢酸カルシウム、炭酸カルシウムなどのカルシウム
化合物、酢酸コバルト、炭酸コバルトなどのコバルト化
合物、酢酸バリウム、炭酸バリウムなどのバリウム化合
物などのエステル交換触媒;酸化アンチモンなどのアン
チモン化合物、酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化
合物、オルトチタン酸テトライソプロピルなどのチタン
化合物などの重縮合触媒などが挙げられる。
【0047】一般式(I)または(II)で示されるポリ
オキシアルキレン基含有化合物を前記のポリエステル分
子中に共重合させるには、前述した重縮合反応が完了す
るまでの任意の段階で、例えば第一段階の反応開始前、
反応中、反応終了後、第二段階の反応中などの任意の段
階で反応系中に該ポリオキシアルキレン基含有化合物を
添加し、添加後反応を完結すればよい。この際ポリオキ
シアルキレン基含有化合物の使用量は、生成する共重合
ポリエステルに対して1〜50重量%の範囲内となるよ
うな量が好ましく、5〜30重量%の範囲内となるよう
な量がより好ましい。ポリオキシアルキレン基含有化合
物の添加量が1重量%未満では得られる共重合ポリエス
テルの表面濡れ性が不十分となるおそれがあり、50重
量%を越える場合には得られる共重合ポリエステルの強
度などの機械的性能が低下するおそれがある。またジカ
ルボキシアレ−ンスルホン酸金属塩またはそのエステル
形成性誘導体を前記のポリエステル分子に共重合させる
には、前述したポリエステルの合成ににおいて第一段階
の反応開始前、反応中または反応終了後の任意の段階で
反応系中にジカルボキシアレ−ンスルホン酸金属塩また
はそのエステル形成性誘導体を添加し、添加後第二段階
の重縮合反応を完結すればよい。この際ジカルボキシア
レ−ンスルホン酸金属塩またはそのエステル成形性誘導
体の使用量は、ジカルボキシアレ−ンスルホン酸金属
塩、二官能性芳香族カルボン酸、それらのエステル形成
性誘導体などの使用する全酸成分の中で0.5〜10モ
ル%の範囲内を占める量が好ましく、1〜7モル%の範
囲内がより好ましい。ジカルボキシアレ−ンスルホン酸
金属塩またはそのエステル形成性誘導体の使用割合が
0.5モル%未満では得られる共重合ポリエステルの表
面濡れ性が不十分となるおそれがあり、また、10モル
%を越える場合には、ジカルボキシアレ−ンスルホン酸
金属塩成分のイオン間相互作用により重合中に増粘が起
こり、生成ポリエステルが所望の極限粘度を有するよう
になるまで重縮合反応を継続することが困難になるおそ
れがある。ポリオキシアルキレン基含有化合物の使用量
とジカルボキシアレ−ンスルホン酸金属塩またはそのエ
ステル形成性誘導体の使用量との相対割合については、
生成する共重合ポリエステル基準での使用するポリオキ
シアルキレン基含有化合物の重量百分率をY(重量%)
で表わし、使用する全酸成分基準での使用するジカルボ
キシアレ−ンスルホン酸金属塩およびそのエステル形成
性誘導体のモル百分率の和を(モル%)で表わす場合、
Y/Zの値が2〜30の範囲内であることが、表面濡れ
性および機械的特性の両方が特に高められた共重合ポリ
エステルが得られることから好ましい。
【0048】本発明の製造法により得られる共重合ポリ
エステルが、繊維になした際に不織布などの布帛のごと
き集合体の形態で、高い吸水性および保水性を示す理由
については現在のところ明らかではないが、本発明者ら
は一般式(I)または(II)で示されるポリオキシアルキ
レン基含有化合物に由来する側鎖状のポリオキシアルキ
レン鎖とジカルボキシアレ−ンスルホン酸金属塩成分に
由来する金属塩型のスルホン酸基が、ポリエステル分子
中に共重合された状態で何等かの相乗作用を生じている
のではないかと推定している。
【0049】本発明の製造法によって得られる共重合ポ
リエステルには、必要に応じて任意の添加剤、例えば着
色防止剤、耐熱剤、蛍光漂白剤、難燃剤、酸化防止剤、
艶消剤、着色剤、無機微粒子などが含まれていてもよ
い。
【0050】一般にポリオキシアルキレン鎖は、空気中
の酸素により容易に酸化されることが知られている。本
発明で得られる共重合ポリエステルにおいても、ポリオ
キシアルキレン鎖部分が重縮合反応や溶融紡糸条件下の
ような高温条件下において酸化されて、重合度低下や着
色といった不都合を生じるおそれがあるため、酸化防止
剤の添加が好ましい。酸化防止剤はその作用機構から連
鎖開始阻害剤、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤な
どに分類できるが、本発明により得られる共重合ポリエ
ステルに対してはラジカル連鎖禁止剤に分類される酸化
防止剤が効果の点で優れており、中でもヒンダ−ドフェ
ノ−ル系酸化防止剤が適している。
【0051】ここでいうヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防
止剤とは、そのフェノ−ル性水酸基を有する炭素原子に
隣接する2個の炭素原子の両方または一方に立体障害性
置換基を有するフェノ−ル系化合物である。ここでいう
立体障害性置換基としてはt−ブチル基などの第3アル
キル基が最も好ましい。上記ヒンダ−ドフェノ−ル系酸
化防止剤の好ましい具体例として下記の如きヒンダ−ド
フェノ−ル系化合物を挙げることができる。
【0052】
【化15】
【0053】
【化16】
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】
【化19】
【0057】上記ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤は
1種だけを用いても、また2種以上を併用してもよい。
さらに、上記ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤と他の
酸化防止剤とを併用してもよい。特にトリフェニルホス
ファイトなどのリン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプ
ロピオネ−トなどの硫黄系酸化防止剤などの過酸化物分
解剤に分類される酸化防止剤などを併用した際には、ヒ
ンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤との相乗作用により、
より高い酸化防止効果が得られることがある。この際、
該ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤の使用量は、使用
する一般式(I)または(II)で表わされるポリオキ
シアルキレン基含有化合物に対して0.2〜20重量%
の範囲内となる量であることが好ましく、0.5〜10
重量%の範囲内となる量であることがより好ましい。ヒ
ンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤の添加量が0.2重量
%未満では得られる酸化防止効果が不十分となるおそれ
があり、20重量%を超える場合には、もはや得られる
酸化防止効果の著しい向上は認められず、逆に、紡糸工
程での単糸切れなどのトラブルを招くおそれがあり、さ
らには得られる繊維の機械的性能が低下するおそれがあ
る。
【0058】本発明の製造法において、かかるヒンダ−
ドフェノ−ル系酸化防止剤を前記の共重合ポリエステル
中に配合するには、前述した重縮合反応が完了するまで
および完了後の任意の段階で、例えば第一段階の反応開
始前、反応中、反応終了後、第二段階の反応開始前、反
応中、反応終了後などの任意の段階で該ヒンダ−ドフェ
ノ−ル系酸化防止剤を添加すればよい。
【0059】本発明の製造法によって得られる共重合ポ
リエステルの成形法としては、格別の方法を採用する必
要はなく、通常のポリエステルと同様に溶融成形法が任
意に採用され、繊維、フィルム、シ−トなどの任意の成
形物を得ることができる。例えば繊維になす場合、溶融
紡糸法を採用することができる。本発明の製造法によっ
て得られる共重合ポリエステルからなる繊維は、使用す
るノズルの形状を選択することによって円形;または三
葉形、四葉形、五葉形、六葉形、七葉形、八葉形などの
多葉形やT形などの異形の任意の断面形状を有すること
ができ、中実繊維に限られることなく中空繊維であって
もよい。本発明の製造法によって得られる共重合ポリエ
ステルを溶融紡糸して製造された紡糸原糸は、常法に従
って延伸することにより延伸糸とすることができる。該
延伸糸は、さらに常法に従って熱処理、捲縮、切断など
の所望の後処理に付することも可能である。
【0060】本発明の製造法によって得られる共重合ポ
リエステルが有する高い表面濡れ易さが繊維集合体にお
ける吸水性および保水性に効果的に反映される点から
は、繊維の比表面積が大きいことが望ましい。かかる観
点から、繊維の単糸デニ−ルは5デニ−ル以下であるこ
とが望ましく、また断面形状としては多葉形、T形など
の凹部を有する断面形状であることが有利となる場合が
ある。また本発明の製造法によって得られる共重合ポリ
エステルは他の樹脂と組み合わせて、いわゆる芯鞘構造
または背腹構造の複合繊維としてもよいが、この場合本
発明の製造法によって得られる共重合ポリエステルが繊
維表面の20%以上、とりわけ40%以上を占めるよう
に配置させることが該共重合ポリエステルが有する高い
表面濡れ易さが有効に発現される点から好ましい。
【0061】本発明の製造法によって得られる共重合ポ
リエステルからなる繊維は、それ単独で不織布などの布
帛のごとき繊維製品とすることができるが、他の繊維と
混合して布帛のごとき繊維製品としてもよい。
【0062】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、実施例中の各物性値は次の方法にしたがって
測定して得られた値である。
【0063】(1)ポリマ−の極限粘度[η] フェノ−ルとテトラクロロエタンの等重量混合溶媒を用
い、対象となるポリマ−の0.25g/dl、0.50g
/dlおよび1.0g/dlの3種の濃度の溶液につい
て30℃の温度において測定した3種の還元粘度から求
めた。
【0064】(2)ポリマ−の融点Tm メトラ−社製TA−3000型DSC(示差走査熱量
計)を用いて、急冷非晶状態の試料に対し10℃/分の
昇温速度にて測定した。
【0065】(3)ポリマ−の表面濡れ性 ポリマ−の表面濡れ性は、ポリマ−フィルムと水の接触
角により評価した。試験片として使用するポリマ−フィ
ルムの調製法は次の通りである。すなわち、対象となる
ポリマ−のチップを120℃で12時間減圧乾燥した
後、280℃で5分間加熱溶解し、厚さ1mmのステン
レス板、厚さ0.3mmのテフロン製シ−ト、厚さ0.2
mmのテフロン製スペ−サ−、厚さ0.3mmのテフロ
ン製シ−トおよび厚さ1mmのステンレス板をこの順序
で積層させてなる支持具の2枚のテフロン製シ−トの間
に挾んだ状態で、280℃で1分間プレスした後、ただ
ちに水冷式の冷却プレスを用いて1分間プレスすること
によりポリマ−フィルムを作製した。
【0066】試験方法は、ポリマ−フィルムの試験片を
アセトンで洗浄した後風乾し、このフィルムを平面状に
水平に置いて、フィルム上に接触径が約3mm以下にな
るように水を落とすことによって形成された水滴のフィ
ルムとの接触角を、協和界面科学(株)製CA−DT型接
触角計により測定した。
【0067】(4)ポリマ−の吸水性 ポリマ−の吸水性はポリマ−を繊維化し、さらに不織布
にした後、水に対する吸液率と繰り返し吸液速度を求め
ることで評価した。ポリマ−を285℃にて円形ノズル
で紡糸し、75℃の温水中で延伸し熱固定した後機械捲
縮をかけ、ステアリルホスフェ−トのエチレンオキサイ
ド付加物を主成分とする油剤を0.1重量%になるよう
に付与し、150℃で10分間弛緩熱処理し、次いで5
1mmの長さに切断して単糸デニ−ル2.0の原綿を得
た。次いでかかる原綿に熱融着性繊維(鞘成分がポリエ
チレン成分から形成されている(株)クラレ製ソフィット
N-710タイプ、2デニ−ル、51mmのもの)を2
0重量%混綿し、その後カ−ドを通して目付約40g/
2のウェブを作製し、その後5m/min.の速度で
水流が30kg/cm2の条件で水流絡合させた後風乾
し、さらにオ−トドライヤ−にて150℃、1分間の条
件で熱処理することによって不織布を得た。このように
して得られた不織布を吸水性(初期性能)測定用試料と
した。
【0068】吸水性測定用試料の洗濯処理は、JIS0
217に規定された洗い方における番号103法にした
がって実施した。すなわち、40℃の水lリットルに2
gの割合で衣料用合成洗剤を添加、溶解し洗濯液とし
た。この洗濯液に浴比が1対30になるように試料およ
び必要に応じて負荷布を投入して家庭用洗濯機の運転を
開始した。5分間処理した後運転を止め、試料および負
荷布を遠心式脱水機で脱水し、次に洗濯液を常温の新し
い水に替えて同一の浴比で2分間濯ぎ洗いをした後脱水
した。再び2分間濯ぎ洗いを行い風乾させた。以上の操
作を合計10回繰り返すことによって10回洗濯後の吸
水性測定用試料を得た。
【0069】試験方法について説明すると、赤インクで
着色された水0.2gをプラスチック製の皿上に滴下
し、その赤インク上に5cm×5cmの吸水性測定用試
料を置き、1秒後に除去したときの試料が吸収した液の
重量を測定した。吸液率は、吸液した試料の重量(W)と
吸液前の試料の重量(W1)から下式によって求めた。こ
の測定を10回繰り返して行い、これらの測定値の算術
平均値を吸液率とした。 吸液率(%)=〔(W−W1)/W1〕×100
【0070】また繰り返し吸液速度の測定は、5cm×
5cmの吸水性測定用試料を水面に落としたときに水が
試料全面に広がるまでの時間を測定して吸液速度とし
た。測定に供した試料を十分に乾燥し、その後同様の測
定および乾燥を繰り返し、合計10回行って得られた吸
液速度の値の算術平均値を繰り返し吸液速度とした。
【0071】実施例1〜3 テレフタル酸971.9g、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸40.2gおよびエチレングリコ−ル750g
をエステル化反応器に仕込み、230℃で2.5kg/
cm2の圧力下で2時間エステル化反応を行った。次い
で得られた反応生成物をあらかじめ230℃に加熱して
ある重縮合器に移し、この系に式
【0072】
【化20】
【0073】で示されるポリオキシエチレン基含有化合
物を表1に示される量だけ添加し、さらに該コモノマ−
に対して5重量%の量の1,3,5−トリス(4−t−
ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3
H,5H)−トリオン(アメリカンサイアナミッド社
製、サイアノックス1790)、三酸化アンチモン0.
4gおよび亜リン酸0.12gを添加して重縮合反応系
を調製した。重縮合反応系の温度を230℃から280
℃に45分間かけて昇温しつつ、徐々に0.1mmHg
まで減圧にし、以後280℃で系の溶融粘度が、極限粘
度0.70dl/gのポリエチレンテレフタレ−トの2
80℃での溶融粘度にほぼ一致する時点まで重縮合反応
を継続することによって、それぞれ対応する共重合ポリ
エステルを得た。
【0074】得られた共重合ポリエステルについて、ポ
リマ−物性、ポリマ−フィルムの表面濡れ性評価結果お
よび不織布の吸水性評価結果を表1に示す。
【0075】実施例4 実施例1において、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
40.2gの代わりに5−ナトリウムスルホイソフタル
酸ジメチル44.4gを用い、かつポリオキシエチレン
基含有化合物に対して5重量%の量の1,3,5−トリ
ス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチ
ルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−
(1H,3H,5H)−トリオン(アメリカンサイアナ
ミッド社製、サイアノックス1790)の代わりにポリ
オキシエチレン基含有化合物に対して5重量%の量のペ
ンタエリスチリル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト〕
(チバ・ガイギ−社製、イルガノックス1010)を用
いた以外は同様にして対応する共重合ポリエステルを得
た。得られた共重合ポリエステルについて、ポリマ−物
性、ポリマ−フィルムの表面濡れ性評価結果および不織
布の吸水性評価結果を表1に示す。
【0076】実施例5〜12 実施例1において、コモノマ−の1つとしてポリオキシ
エチレン基含有化合物の代わりに下記式で示される対応
するポリオキシアルキレン基含有化合物をそれぞれ表1
に示される量だけ使用した以外は同様にしてそれぞれ対
応する共重合ポリエステルを得た。
【0077】実施例5で使用したコモノマ−:
【化21】
【0078】実施例6で使用したコモノマ−:
【化22】
【0079】実施例7で使用したコモノマ−:
【化23】
【0080】実施例8で使用したコモノマ−:
【化24】
【0081】実施例9で使用したコモノマ−:
【化25】
【0082】実施例10で使用したコモノマ−:
【化26】
【0083】実施例11で使用したコモノマ−:
【化27】
【0084】実施例12で使用したコモノマ−:
【化28】
【0085】得られた共重合ポリエステルについて、ポ
リマ−物性、ポリマ−フィルムの表面濡れ性評価結果お
よび不織布の吸水性評価結果を表1に示す。
【0086】実施例13 実施例1においてテレフタル酸971.9g、および5
−ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりに
それぞれテレフタル酸986.8gおよび、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸16.1gを使用した以外は同
様にして対応する共重合ポリエステルを得た。得られた
共重合ポリエステルについて、ポリマ−物性、ポリマ−
フィルムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸水性評
価結果を表1に示す。
【0087】実施例14 実施例1においてテレフタル酸971.9gおよび、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりに
それぞれテレフタル酸947.0gおよび、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸80.41gを使用した以外は
同様にして対応する共重合ポリエステルを得た。得られ
た共重合ポリエステルについて、ポリマ−物性、ポリマ
−フィルムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸水性
評価結果を表1に示す。
【0088】実施例15 実施例1において、ポリオキシエチレン基含有化合物の
代わりに、オキシエチレン単位およびオキシプロピレン
単位の平均重合度がそれぞれ35および5であるポリオ
キシエチレングリコ−ル・ポリオキシプロピレングリコ
−ル共重合体のn-ブチル-グリシジルエ−テルを、得ら
れるポリマ−に対して10重量%となる量で用いた以外
は同様にして対応する共重合ポリエステルを得た。得ら
れた共重合ポリエステルについて、ポリマ−物性、ポリ
マ−フィルムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸水
性評価結果を表1に示す。
【0089】実施例16 実施例1において、テレフタル酸971.9gの代わり
にテレフタル酸923.3gとイソフタル酸48.6g
の混合物を使用した以外は同様にして対応する共重合ポ
リエステルを得た。得られた共重合ポリエステルについ
て、ポリマ−物性、ポリマ−フィルムの表面濡れ性評価
結果および不織布の吸水性評価結果を表1に示す。
【0090】実施例17 実施例1において、エチレングリコ−ル750gの代わ
りにエチレングリコ−ル712.5gと1,4−シクロヘ
キサンジメタノ−ル43.4gの混合物を使用した以外
は同様にして対応する共重合ポリエステルを得た。得ら
れた共重合ポリエステルについて、ポリマ−物性、ポリ
マ−フィルムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸水
性評価結果を表1に示す。
【0091】
【表1】 表1において、(注1)は得られるポリマ−の重量基準
での添加するポリオキシアルキレン基含有化合物の重量
の百分率で示し、(注2)はモノマ−として使用した全
酸成分基準での5−ナトリウムスルホイソフタル酸また
はそのジメチルエステルのモル百分率で示す。
【0092】比較例1 実施例1において、コモノマ−を全く用いない以外は同
様にしてポリエステル(ポリエチレンテレフタレ−ト)
を得た。得られたポリエステルについて、ポリマ−物
性、ポリマ−フィルムの表面濡れ性評価結果および不織
布の吸水性評価結果を表2に示す。
【0093】比較例2 実施例1において、ポリオキシエチレン基含有化合物を
用いない以外は同様にして共重合ポリエステルを得た。
得られた共重合ポリエステルについて、ポリマ−物性、
ポリマ−フィルムの表面濡れ性評価結果および不織布の
吸水性評価結果を表2に示す。
【0094】比較例3 実施例1において、テレフタル酸971.9gおよび、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わり
にテレフタル酸996.8gのみを用いた以外は同様に
して対応する共重合ポリエステルを得た。得られた共重
合ポリエステルについて、ポリマ−物性、ポリマ−フィ
ルムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸水性評価結
果を表2に示す。
【0095】比較例4,5 実施例1において、コモノマ−の1つとしてポリオキシ
エチレン基含有化合物の代わりに下記式で示されるポリ
オキシエチレン基含有化合物を表2に示される量だけ使
用した以外は同様にしてそれぞれ対応する共重合ポリエ
ステルを得た。
【0096】比較例4で使用したコモノマ−:
【化29】
【0097】比較例5で使用したコモノマ−:
【化30】
【0098】得られた各共重合ポリエステルについて、
ポリマ−物性、ポリマ−フィルムの表面濡れ性評価結果
および不織布の吸水性評価結果を表2に示す。
【0099】
【表2】 において、(注1)は得られるポリマ−の重量基準での
添加するポリオキシアルキレン基含有化合物の重量の百
分率で示し、(注2)はモノマ−として使用した全酸成
分基準での5−ナトリウムスルホイソフタル酸のモル百
分率で示す。
【0100】比較例6 実施例1においてテレフタル酸971.9gおよび、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりに
それぞれテレフタル酸917.1gおよび、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸128.7gを使用した以外は
同様にして対応する共重合ポリエステルを得た。得られ
た共重合ポリエステルの〔η〕は0.41dl/gであ
った。この共重合ポリエステルの繊維化を行ったとこ
ろ、紡糸時において繊維の切断が多発し、さらに得られ
た紡糸原糸の延伸性も不良であったので、不織布として
の評価に至らなかった。
【0101】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、高い表面濡れ
易さを有する繊維形成性の共重合ポリエステルが得られ
る。該共重合ポリエステルは繊維になした際に、不織布
などの布帛のごとき繊維集合体の形態で、優れた吸水性
および保水性を発揮し、しかも洗濯などの処理にもかか
わらずこれらの吸水性および保水性を長期にわたって維
持することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種の二官能性芳香族カルボ
    ン酸またはそのエステル形成性誘導体と少なくとも一種
    のジオ−ル化合物とを反応せしめてポリエステルを製造
    するにあたり、一般式 (I) 【化1】 または一般式 (II) 【化2】 (式中、R1およびR3はそれぞれ炭素数1〜18の炭化
    水素基を表し、R2およびR4はそれぞれエチレン基およ
    び/またはプロピレン基を表し、n1およびn2はそれぞ
    れ平均重合度を表す10〜100の数である。)で表さ
    れるポリオキシアルキレン基含有化合物と、ジカルボキ
    シアレ−ンスルホン酸金属塩またはそのエステル形成性
    誘導体とを反応系中に添加し反応せしめ、かつ生成ポリ
    エステルの極限粘度が0.5dl/g以上となるまで重
    縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの
    製造法。
JP30124891A 1991-05-31 1991-10-22 共重合ポリエステルの製造法 Pending JPH0539349A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006149602A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Teijin Fibers Ltd 医療衛生用資材
JP2010275649A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Teijin Fibers Ltd 繊維構造体および繊維製品

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JP2006149602A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Teijin Fibers Ltd 医療衛生用資材
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