JPH0539299A - 新規なカルシトニン - Google Patents

新規なカルシトニン

Info

Publication number
JPH0539299A
JPH0539299A JP3249322A JP24932291A JPH0539299A JP H0539299 A JPH0539299 A JP H0539299A JP 3249322 A JP3249322 A JP 3249322A JP 24932291 A JP24932291 A JP 24932291A JP H0539299 A JPH0539299 A JP H0539299A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
gland
gln
thr
peptide according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3249322A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Takei
祥郎 竹井
Akiyoshi Takahashi
明義 高橋
Yuichi Sasayama
雄一 笹山
Masaharu Takigawa
正春 滝川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP3249322A priority Critical patent/JPH0539299A/ja
Priority to PCT/JP1992/000706 priority patent/WO1992021700A1/ja
Priority to ES92910720T priority patent/ES2073924T3/es
Priority to EP92910720A priority patent/EP0541822B1/en
Priority to DE69202136T priority patent/DE69202136T2/de
Priority to US07/952,735 priority patent/US5440012A/en
Publication of JPH0539299A publication Critical patent/JPH0539299A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/575Hormones
    • C07K14/585Calcitonins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P5/00Drugs for disorders of the endocrine system
    • A61P5/10Drugs for disorders of the endocrine system of the posterior pituitary hormones, e.g. oxytocin, ADH
    • A61P5/12Drugs for disorders of the endocrine system of the posterior pituitary hormones, e.g. oxytocin, ADH for decreasing, blocking or antagonising the activity of the posterior pituitary hormones
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 軟骨魚類の鰓後腺由来の血中カルシウム低下
作用を示すカルシトニンで、次のアミノ酸配列を有す
る。H−Cys-Thr-Ser-Leu-Ser-Thr-Cys-Val-Val-Gly-Ly
s-Leu-Ser-Gln-Gln-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Asn-Ile-Gln-
Arg-Thr-Asp-Val-Gly-Ala-Ala-Thr-Pro-NH2 (ペプチド
中のシスティン残基は相互にジスルフィド結合で架橋さ
れていてもよい) 【効果】 血中カルシウム低下作用および軟骨細胞分化
促進作用を示すので、高カルシウム血症治療剤、骨粗鬆
症治療剤、骨ページェット病治療剤等として有用である
のに加え、生体カルシウム調節機構の解明や、骨代謝機
構の解明にも重要な役割を果たすと期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なペプチドに関
し、より詳しくは、軟骨魚類の鰓後腺から得られたカル
シトニンに関する。また、本発明はこのペプチドの製造
方法、およびこのペプチドを有効成分とする薬剤組成
物、特に血中カルシウム低下剤および軟骨細胞分化促進
剤にも関する。
【0002】
【従来の技術】カルシトニン(以下、CTと略す)は、
哺乳類等の甲状腺、および鳥類や硬骨魚類等の鰓後腺に
存在し、カルシウムやリン等の電解質代謝に関与するペ
プチドホルモンである。現在までに、甲状腺を主たるオ
リジンとするCTはブタ(Potts 等、Pro. Natl. Acad.
Sci. USA 59:1321-1328,1968)、ヒト (Neher 等、Natu
re 220:984-986, 1968) 、ウシ (Brewer等、Biochemist
ry 63:940-947, 1969)、ヒツジ (Potts 等、Calcium, P
arathyroid Hormone and the Calcitonin :121-127, 19
72)、ラット (Raulais 等、Eur. J. Biochem. 64:607-6
11, 1976)で構造が決定されている。
【0003】また、鰓後腺を主たるオリジンとするCT
は、サケ (Niall 等、Pro. Natl. Acad. Sci. USA 64:
771 ─778, 1969)、ウナギ (小谷等、J. Biochem. 79:
345-352, 1976) 、ニワトリ (本間等、J. Biochem. 10
0:459-467, 1986)で構造が決定されている。これまでに
見出された上記CTは、図1に示すようにその構造の相
同性から、ブタ系統(ブタ、ウシ、ヒツジ)、ヒト系統
(ヒト、ラット)、サケ系統(サケ、ウナギ、ニワト
リ)の3つの系列集団に分けることができる。また、こ
れらのCTはいずれも32個のアミノ酸よりなる単鎖の
ポリペプチドで、1番目と7番目のアミノ酸がジスルフ
ィド結合(S−S結合)をし、カルボキシル末端はプロ
リンアミドである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記CTは血清カルシ
ウムの代謝および骨代謝の調節機構に関係することが知
られているが、最近、これら以外に神経修飾物質として
鎮痛作用を示すことや、カルシウム代謝を介した抗潰瘍
作用を示すこと等が見出されてきており、その作用には
なお不明な部分がある。一方、その生理作用の強さにつ
いては、甲状腺由来のCTより鰓後腺由来のCTの方が
より強いことなど、前述の系列集団の間で大きな差があ
ることも見出されている。従って、CTの生理作用の解
明およびその治療薬としての利用には、前述の系列集団
に属さない全く新規なCTを見出すことを含めた研究が
必要とされた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これまで
のものとは別種のCTを見出すことを目的として、従
来、CTの摘出材料としては用いられていなかった軟骨
魚類の鰓後腺に注目した。鰓後腺由来のCTは、強い生
理活性を有することも期待できる。そして、この鰓後腺
より強い血中カルシウム低下因子を見出し、この活性因
子がこれまで発見されたものとは別種の新規なペプチド
であることを突き止めた。さらに検討の結果、このペプ
チドが血中カルシウム低下作用および軟骨細胞成長分化
促進作用を示し、医薬として有用であることを見出し、
本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は軟骨魚類の鰓後腺から得ら
れた、血中カルシウム低下作用および軟骨細胞分化促進
作用を有するペプチド、を要旨とする。このペプチドの
分子量は3400±400である。また、本発明は次の
一般式(1)で示されるアミノ酸配列を有するペプチド
およびその塩にも関する。
【0007】X−Cys-Thr-Ser-Leu-Ser-Thr-Cys-Val-Va
l-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Gln-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Asn-
Ile-Gln-Arg-Thr-Asp-Val-Gly-Ala-Ala-Thr-Pro-NH2
(1) (式中Xは水素、Tyr-または放射性アイソトープ標識体
と結合しうる官能基を意味する。ペプチド中のシスティ
ン残基は相互にジスルフィド結合で架橋されていてもよ
い)さらに、本発明は上記ペプチドまたはその塩を有効
成分とする血中カルシウム低下剤、および軟骨細胞分化
促進剤にも関する。
【0008】この明細書および図面で使用するアミノ酸
の略号は次の意味である。
【0009】 三文字表記 Cys : システィン Thr : スレオニン Ser : セリン Leu : ロイシン Val : バリン Gly : グリシン Lys : リジン Gln : グルタミン His : ヒスチジン Asn : アスパラギン Ile : イソロイシン Arg : アルギニン Asp : アスパラギン酸 Gly : グリシン Ala : アラニン Pro : プロリン 一文字表記 A:アラニン C:システィン D: アスパラギン酸 E:グルタミン酸 F:フェニルアラニン G: グリンシン H:ヒスチジン I:イソロイシン K: リジン L:ロイシン M:メチオニン N: アスパラギン P:プロリン Q:グルタミン R: アルギニン S:セリン T:スレオニン V: バリン W:トリプトファン Y:チロシン 本発明のペプチドは軟骨魚類アカエイの鰓後腺由来のC
Tである。硬骨性の骨格を有する脊椎動物では、CTは
骨からのカルシウム溶出の阻止、骨中の骨塩量の増加等
による骨の硬化に関与している。軟骨魚類は、その骨格
が軟骨性である点で他の脊椎動物とは異なるため、硬骨
性の骨格を有する他の脊椎動物において示されるCTの
生理作用がそのまま示されるとは考え難く、むしろ他の
生理作用を担っていることが予想される。
【0010】本発明のペプチドはその構造において、従
来のCTのいずれの系列集団にも属さない新規な種類の
CTである。そのため、血中カルシウムの代謝調節機構
や骨代謝異常疾患の原因、およびCTの生理作用の解明
に大きな役割を果たすことが期待される。例えば、前記
一般式(1) においてXがTyr-であるか放射性アイソトー
プ標識体と結合しうる官能基である場合、本発明のペプ
チドを標識することができ、これを用いてその血中濃度
の測定、あるいは半減期や作用部位の測定により本発明
ペプチドの代謝動態の解明に利用できる。
【0011】本発明のペプチドの製造方法には、該ペプ
チドを産生する細胞より回収する方法がある。用いる産
生細胞としては、軟骨魚類アカエイの鰓後腺組織細胞、
それらを細胞培養により増殖させた細胞、あるいは遺伝
子組み換え手段によって目的のペプチドを産生するよう
にした細胞がある。これらの細胞から本発明のペプチド
を単離精製するには、抽出、ゲル濾過クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマト
グラフィー、電気泳動、再結晶等の、ペプチドの単離精
製に通常用いられる処理を組み合わせて行うことがで
き、特に逆相の高速液体クロマトグラフィーを含む方法
が好ましい。
【0012】あるいは、このようにして単離精製したC
Tの分析により判明したアミノ酸配列の情報に基づき、
アミノ酸から化学的に合成することができる。合成法に
は例えばYanagisawa等の固相法アミノ酸合成法、液相法
アミノ酸合成法等の慣用のペプチド合成方法が使用でき
る。以下、アカエイを使用した場合のCTの単離精製に
ついて具体例を説明する。
【0013】まず、アカエイの鰓後腺を摘出する。アカ
エイの鰓後腺は心臓の背面に一対あって、肉眼で識別可
能であるため摘出は容易である。鰓後腺を多量に集めて
使用してもよいが、鰓後腺組織細胞を細胞培養により増
殖させ多量に得ることも可能である。摘出した鰓後腺を
凍結後破砕して蒸留水中で煮沸し、冷却後酢酸を加えホ
モジナイズして抽出を行う。得られた抽出液を遠心分離
して上清を得、これにアセトンを加え遠心分離する。こ
の上清を減圧乾固の後、酢酸に溶解し、さらにアセトン
を加え遠心分離する。ここで得られた沈渣を0.1 %トリ
フルオロ酢酸に溶解後、逆相高速液体クロマトグラフィ
ーに付し、イムノブロッティング法により活性のある分
画を確認採取し、再度逆相高速液体クロマトグラフィー
に付し精製する。
【0014】このようにして得られたアカエイCTは、
自動アミノ酸配列分析装置を用いて、エドマン分解によ
ってN末端より段階的に切断し、高速液体クロマトグラ
フィーによってアミノ酸配列を決定できる。結果は配列
表の配列番号1に示す通りである。また、得られたペプ
チドのアミノ酸分析により次のアミノ酸組成を得た。
【0015】Asp 2.0 (2) 、Gln 4.6 (4) 、CM-Cys 1.3
(2)、Ser 3.0 (3) 、Gly2.2 (2) 、His 1.0 (1) 、Arg
1.1 (1) 、Thr 4.2 (4) 、Ala 2.2 (2) 、Pro 1.1
(1) 、Val 2.4 (3) 、Ile 1.0 (1) 、Leu 4.2 (4) 、Ly
s 2.0 (2) 但し、括弧内の数字は理論モル比である。このペプチド
の分子量は3395であった。
【0016】これらの得られた結果を基に、例えばYana
gisawa等の方法 (Pro. Natl. Acad.Sci. USA 85: 6964-
6967, 1988)に準じてアカエイCTを合成することがで
きる。アカエイの鰓後腺から抽出した純粋なアカエイC
T、および合成アカエイCTをHomma 等の手法 (J. Bio
chem. 100: 459-467, 1986) に従い生理活性を測定する
と、強い血中カルシウム低下作用が認められる。
【0017】また、Bessey等の手法 (J. Boiol. Chem.
164:321-329,1964) およびLowry 等の手法 (J. Boiol.
Chem. 193:265-275,1951) に従い軟骨細胞に対する生理
活性を測定すると、強い細胞分化促進活性が認められ
る。
【0018】
【作用】本発明の、軟骨魚類の鰓後腺から得られたペプ
チドは、血中カルシウム低下作用を有することから、骨
粗鬆症治療剤、高カルシウム血症治療剤、骨ページェッ
ト(Paget)病治療剤として利用できる。さらに、神経ペ
プチドとしての作用も有することから、鎮静剤としても
利用できる。また、軟骨魚類由来であることから、軟骨
細胞分化促進活性を示し、小人症、骨折、骨粗鬆症の治
療薬として有用である。また、治療に用いられるばかり
でなく、生体のカルシウム調節機構の解明や、骨代謝機
構の解明の手掛かりともなりうる治療剤として投与する
場合は、静脈注射、筋肉内注射、皮下注射等の非経口投
与や経口投与によって、または点眼剤、経鼻投与剤等の
局所投与により行うことができるが、本発明ペプチドの
場合は筋肉内注射が好ましい。投与量は0.01〜100nm
ol/Kgであり、筋肉注射の場合、体重および期待効果に
応じた投与量を通常0.1 〜10mlの生理食塩水に溶解して
用いる。本発明ペプチドを薬剤として用いる場合、該ペ
プチドおよび添加剤を含む乳剤、水和剤、水溶剤、錠
剤、粉剤、粒剤、カプセル剤、丸剤等の種々の形態に製
剤化して使用できる。
【0019】上記製剤化に用いる添加剤は、薬理学的に
許容しうる等張化剤、安定剤、保存剤、pH調整剤、賦形
剤、崩壊剤、潤滑剤、結合剤、分散剤、可塑剤等が使用
できる。等張化剤としては塩化ナトリウム等が、安定化
剤としては精製ゼラチン等が、保存剤としてはフェノー
ル等が、pH調節剤としては塩酸、水酸化ナトリウム等
が、賦形剤としては乳糖、ブドウ糖等が、崩壊剤として
は澱粉、寒天等が、潤滑剤としてはタルク、流動パラフ
ィン等が、結合剤としては単シロップ、エタノール等
が、分散剤としてはメチルセルロース、エチルセルロー
ス等が、可塑剤としてはグリセリン、澱粉等が例示でき
る。
【0020】
【実施例】
【0021】
【実施例1】アカエイCTの単離精製 200 匹のアカエイより摘出した鰓後腺 2.2gを−50℃で
凍結後、破砕機を用いて破砕し、7倍量の蒸留水を加え
5分間煮沸した。冷却後、酢酸を加え1Mとし、ポリト
ロンミキサーでホモジナイズを行った。得られた懸濁液
を4℃、25000×gで30分間遠心分離した。この上清に
2倍量の冷却したアセトンを加え67%として、4℃、16
000 ×gで30分間遠心分離して上清を得た。この上清か
ら減圧下アセトンを留去後、凍結乾燥を行い得られたも
のを1M酢酸10mlに溶解し、さらに冷却したアセトンを
600 ml加え98.5%とし、16000 ×gで30分間遠心分離し
た。
【0022】この沈渣を乾燥した後、0.1 %トリフルオ
ロ酢酸に溶解し、この溶液を以下の条件に従い逆相高速
液体クロマトグラフィーに付した。 条件1: カラム:東ソー(株)製 ODS−120T 4.6 ×25
0mm 流速 :1ml/分 溶解液:A液(0.1 %トリフルオロ酢酸:アセトニトリ
ル=8:2) B液(0.1 %トリフルオロ酢酸:アセトニトリル=2:
8) A液からB液の直線型濃度勾配溶出(60分間) 。
【0023】このようにして得られた各画分を、抗サケ
CT血清が本発明のCTと交差反応することを利用して
イムノブロッティング法に付し、活性画分 (No.12)を得
た。即ち、凍結乾燥した画分および合成サケCTを0.1
M炭酸ナトリウムとメタノールの混合溶液 (4:1 、V/V
、pH9.5)10μlに溶解し、ナイロンメンブレン (Milli
pore 社製、Immobilin PVDF trasfer membrane)上に滴
下吸着させた。この膜を100 %メタノールに3秒間漬け
た後、0.05%Tween20 を含む10mMリン酸緩衝液 (pH7.2
:PBST) で3回洗浄後、1%ヤギ血清を含むPBST
で2回洗浄した。その後さらにPBSTで3回洗浄した
膜を、合成サケCTを用いて免疫したウサギの抗血清
(1/40000 希釈) に対し、2時間室温で反応させた。
この膜をPBSTで3回洗浄後、Vectastain ABCキット
(Vector Laboratories 社製) を用いた免疫染色を行い
活性画分を確認した。
【0024】この得られた活性画分を凍結乾燥後、同様
に以下の条件にて再度逆相高速液体クロマトグラフィー
に付した。 条件2: カラム:東ソー(株)製 ODS−120T 4.6 ×2
50mm 流速 :1ml/分 溶解液:A液(水:アセトニトリル:1M酢酸アンモニ
ウム、pH4.6=72:8:1、V/V) B液(水:アセトニトリル:1M酢酸アンモニウム、pH
4.6=25:100 :1、V/V) A液からB液の直線型濃度勾配溶出(40分間) 。
【0025】その結果、ペプチドに基づく強い吸光度
(A230) が単一ピークに認められた。この画分を凍結乾
燥して純粋な本発明CT122nmoleを得た。以上のよう
にして得られた純粋な本発明CT 12.2nmoleをS−カル
ボキシルメチル化した後、条件1と同様にして逆相高速
液体クロマトグラフィーに付し精製した。これをアミノ
酸分析に供し、前述のアミノ酸組成値を得た。さらに、
常法によりエドマン分解を行い、公知のアミノ酸配列分
析法によりアミノ基末端より順次アミノ酸配列を決定し
た。カルボキシル基末端のプロリンがアミド化されてい
ることは、アミド化された合成アカエイCTと共に上記
条件1および2の下で高速液体クロマトグラフィーに付
し、単一のピークとなることで確認した。このようにし
てアカエイCTは配列表の配列番号1に示すアミノ酸配
列を有することが決定された。
【0026】
【実施例2】実施例1で得られた本発明CTと同じアミ
ノ酸配列を有する32個のアミノ酸からなるペプチドを、
Yanagisawa等の方法 (Pro. Natl. Acad. Sci. USA 85:
6964-6967, 1988)に準じて合成した。即ち、アプライド
・バイオシステム社製全自動ペプチド合成機を用い、第
3級ブチルオキシカルボニル(BOC)法によるアミノ酸の
カップリングを行った。得られた直鎖ペプチド中のシス
ティンの保護基をフェリシアン化カリウムによる酸化に
よってジスルフィド結合を形成させた。合成品は逆相高
速液体クロマトグラフィー (島津製作所LC8A)によって
精製した。以上のようにして得られた合成ペプチドを、
実施例1で得られた本発明CTと共に条件1および2に
従い逆相高速液体クロマトグラフィーに付し、両者が同
一の溶出位置にあることを確認した。
【0027】
【実施例3】実験前24時間絶食した、体重90〜110 gの
Wistar系雄性ラット (1群10匹)に、ウシ血清アルブ
ミン0.1 %を含む0.9 %食塩水溶液 (pH4.6)に溶解した
サケCT標準溶液、ウナギCT標準溶液ならびに本発明
CTの合成品の溶液 (1pmolおよび10pmol/ラット)を
静脈注射した。投与後正確に1時間経過後、動脈より採
血し、血清中のカルシウム濃度を原子吸光分光光度計に
より測定した。標準溶液1pmolおよび10pmol/ラット投
与群のラットの血清カルシウム値とそれぞれに対応する
本発明CT投与群のラットの血清カルシウム値より、平
行検定法を用いて相対力価を求めた。用いたサケCTお
よびウナギCT標準値の力価は、約3500IU/mgと約45
00IU/mgであり、一方本発明CTの力価は約3770IU
/mgであった。このように本発明ペプチドは優れた血中
カルシウム低下作用を示す。
【0028】
【実施例4】鈴木等の方法(最新組織培養応用研究法:
山根績、遠藤浩良編、116 〜128 、ソフトサイエンス
社、東京、1985) に従い準備したウサギ肋軟骨成長軟骨
培養細胞を、ウシ胎児血清10%を含むαMEM 培地(Flow
Laboratory社) に3.5万個/mlになるように懸濁し、コ
ラーゲンでコートした24穴のマルチウエルプレート (直
径16mm: Corning 社製) の各穴に1mlづつ播種する。こ
れを炭酸ガスインキュベーター (サンヨー/フォーマ
社) を用い、5%炭酸ガス−95%空気中、37℃で9日間
培養する。この途中、培養4日目および6日目に培地交
換を行い、このとき、ウシ血清アルブミン 0.2%を含む
リン酸緩衝液に、それぞれ、サケCT標準品、ウナギCT標
準品および本発明CTを10-12mol/ml を含んだリン酸緩衝
液10μl を加えた。なお、ウシ血清アルブミン 0.2%は
含むがCTは含まないリン酸緩衝液を加えたものをコント
ロールとした。培養9日目に細胞層(1) を回収し、P−
ニトロフェニルリン酸を基質としてBesseyらの方法(J.B
iol, Chem. 164:321-329, 1946)に従って各穴当りのア
ルカリホスファターゼ活性を求めた。
【0029】また、回収した細胞層(1) をLowry 等の方
法 (J.Biol, Chem, 193:265-275,1951) に従い、ウシ血
清アルブミンを標準として各穴当りの蛋白量を測定し
た。
【0030】こうして得られたアルカリホスファターゼ
活性値と蛋白量より、単位蛋白当りのアルカリホスファ
ターゼ活性を求めると、コントロールの値の約88150nmo
l/30min/mg proteinに対し、サケCT標準品およびウナギ
CT標準品の値はそれぞれ約95000nmol/30min/mg protein
および約103000nmol/30min/mg protein であり、一方、
本発明CTの値は約106000nmol/30min/mg protein であっ
た。このように本発明CTは優れた軟骨細胞分化促進活性
を示す。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
軟骨魚類の鰓後腺から、これまでに見出されたCTとは
異なった新規なCTが提供できる。このペプチドは血中
カルシウム低下作用および軟骨細胞分化促進作用を有
し、高カルシウム血症治療剤、骨粗鬆症治療剤、骨ペー
ジェット病治療剤等の医薬として有用であるのに加え、
生体カルシウム調節機構の解明や、骨代謝機構の解明に
も重要な役割を果たすと期待される。また、従来より臨
床応用されているウナギCTやサケCTと構造が異なる
ため、ヒトの免疫機構によりそれらのCTが無効になっ
た後でも使用できる可能性が高い。
【0032】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:アカエイ(Dasyatis akajei) 組織名:鰓後腺 配列の特徴 存在位置:32 他の情報:カルボキシル基がアミド化されている 配列 Cys Thr Ser Leu Ser Thr Cys Val Val Gly Lys Leu Ser Gln Gln Leu 1 5 10 15 His Lys Leu Gln Asn Ile Gln Arg Thr Asp Val Gly Ala Ala Thr Pro 20 25 30
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のカルシトニンおよび本発明カルシトニン
のアミノ酸配列を示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟骨魚類の鰓後腺から得られた、血中カ
    ルシウム低下作用を有するペプチド。
  2. 【請求項2】 分子量が3400±400である請求項
    1記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 次の一般式で表されるペプチドおよびそ
    の塩。 X−Cys-Thr-Ser-Leu-Ser-Thr-Cys-Val-Val-Gly-Lys-Le
    u-Ser-Gln-Gln-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Asn-Ile-Gln-Arg-
    Thr-Asp-Val-Gly-Ala-Ala-Thr-Pro-NH2 (式中Xは水素、Tyr-または放射性アイソトープ標識体
    と結合しうる官能基を意味する。ペプチド中のシスティ
    ン残基は相互にジスルフィド結合で架橋されていてもよ
    い)
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載のペプチド
    を産生する細胞より、請求項1、2または3に記載のペ
    プチドを回収することを特徴とする請求項1、2または
    3に記載のペプチドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、または3に記載のペプチ
    ドまたはその塩を有効成分とし、薬剤的に許容しうる添
    加剤を含有する薬剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または3に記載のペプチド
    またはその塩を有効成分とする血中カルシウム低下剤。
  7. 【請求項7】 請求項1、2または3に記載のペプチド
    またはその塩を有効成分とする軟骨細胞分化促進剤。
JP3249322A 1991-05-31 1991-09-27 新規なカルシトニン Withdrawn JPH0539299A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3249322A JPH0539299A (ja) 1991-05-31 1991-09-27 新規なカルシトニン
PCT/JP1992/000706 WO1992021700A1 (fr) 1991-05-31 1992-05-29 Nouvelle calcitonine, et production et utilisation de cette substance
ES92910720T ES2073924T3 (es) 1991-05-31 1992-05-29 Nueva calcitonina y metodo para la preparacion y uso de la misma.
EP92910720A EP0541822B1 (en) 1991-05-31 1992-05-29 Novel calcitonin, and production and use thereof
DE69202136T DE69202136T2 (de) 1991-05-31 1992-05-29 Neuartiges calcitonin, und seine herstellung und verwendung.
US07/952,735 US5440012A (en) 1991-05-31 1992-05-29 Calcitonin and method for the preparation and use thereof

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12969591 1991-05-31
JP3-129695 1991-05-31
JP3249322A JPH0539299A (ja) 1991-05-31 1991-09-27 新規なカルシトニン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0539299A true JPH0539299A (ja) 1993-02-19

Family

ID=26465007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3249322A Withdrawn JPH0539299A (ja) 1991-05-31 1991-09-27 新規なカルシトニン

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5440012A (ja)
EP (1) EP0541822B1 (ja)
JP (1) JPH0539299A (ja)
DE (1) DE69202136T2 (ja)
ES (1) ES2073924T3 (ja)
WO (1) WO1992021700A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5571788A (en) * 1991-12-09 1996-11-05 Ciba-Geigy Corporation Stable calcitonin pharmaceutical compositions
US5962270A (en) * 1996-02-06 1999-10-05 Bionebraska, Inc. Recombinant preparation of calcitonin fragments and use thereof in the preparation of calcitonin and related analogs
GB9610281D0 (en) * 1996-05-16 1996-07-24 Ralston Stuart H Diagnostic method and apparatus
EP1053243B1 (en) * 1998-02-12 2011-03-30 Emory University Sphingolipid derivatives and their methods of use

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4898009A (ja) * 1972-03-31 1973-12-13
US4397780A (en) * 1982-02-12 1983-08-09 Armour Pharmaceutical Company Leucine22 -calcitonin

Also Published As

Publication number Publication date
EP0541822A4 (ja) 1994-01-19
EP0541822B1 (en) 1995-04-19
ES2073924T3 (es) 1995-08-16
DE69202136T2 (de) 1995-11-30
WO1992021700A1 (fr) 1992-12-10
EP0541822A1 (en) 1993-05-19
DE69202136D1 (de) 1995-05-24
US5440012A (en) 1995-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7186694B2 (en) Leptin-related peptides
ES2534434T3 (es) Composiciones y métodos de uso de péptidos proislotes y análogos de los mismos
RU2128663C1 (ru) Производные полипептида, обладающие инсулинотропной активностью, фармацевтическая композиция, способы усиления действия инсулина, способы лечения диабета
JPH10330397A (ja) サイトカイン調節剤およびサイトカインレベルの変化に関連する病状および状態における使用方法
CA2266416C (en) Insulin c-peptides
JPS61118400A (ja) 成長ホルモン放出性因子類似体及びその製造方法
JPH10502360A (ja) ヒトインターロイキン4のアンタゴニストもしくは部分的アゴニストとして用いられる新規hIL−4突然変異蛋白質
WO2011038900A2 (en) Peptide analogues of glucagon for diabetes therapy
US4734399A (en) Growth hormone releasing factor analogs
US20140088024A1 (en) Vesiculins
KR101887577B1 (ko) 항비만 및 항당뇨 효능을 갖는 펩타이드 및 이의 용도
JPH02504274A (ja) ヒトインシユリンアナログ類
JP2004501061A (ja) 熱ショックタンパク質60のフラグメントおよびアンタゴニスト
EP1124572A2 (en) Genes and proteins predictive and therapeutic for renal disease and associated disorders
JPH0539299A (ja) 新規なカルシトニン
EP0785947B1 (en) Peptides endowed with antiinflammatory activity
WO1992014834A1 (en) Insulin-like growth factor binding protein
US20030166561A1 (en) Peptide
AU669636B2 (en) Amylin antagonists and agonists
JP2005082489A6 (ja) 新規な摂食促進ペプチド、新規な成長ホルモン分泌促進ペプチド
JP2005082489A (ja) 新規な摂食促進ペプチド、新規な成長ホルモン分泌促進ペプチド
US20030050434A1 (en) Peptide
JP3728494B2 (ja) 新規な血清コレステロール低下ペプチド
US5446129A (en) Peptide or its salt for autoimmune hyperthyroidism containing it
WO2023016346A1 (zh) 含内酰胺桥的多肽化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981203