JPH0538786Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、同一素材から各種形態の人形用衣
服を作れるようにした人形用衣服素材に関するも
のである。

解決しようとする技術課題 従来は、人形用衣服を製作するには、一枚の素
材から型取り、裁断、縫製のそれぞれ面倒な作業
を経る必要があつたから、素材からスリーブ付き
又はノンスリーブのブラウス、ジヤケツト、裾付
きズボン、裾無しスボン、スカートなどの各種の
衣服を製作することは容易でなく、児童などには
簡単に作れる訳がなかつた。

この考案は、上記の点に鑑み、素材の形状を特
殊のものとすることにより、一つの素材から、最
少限の裁断と、縫合だけで希望形態の人形用衣服
を簡単に作ることができるようにした人形衣服用
素材を提供しようとするものである。

課題解決手段 この考案では、人形胴体を挿入しうる径を有す
る大袋部に、人形の腕、脚又は首などを挿通しう
る径を有する、少なくとも３個の小袋部をその一
端において接続して、大袋部の端部と小袋部の端
部を連通させて構成してある。

そして、大袋部、小袋部又はその部分の位置・
形状の選択的裁断と縫合により、人形の上半身又
は下半身に装着する各種形状の衣服を製作するこ
とができる。

この考案の実施例 次に、この考案の一実施例を図面に基いて説明
する。

この考案に係る人形衣服用素材A₁は、第１図
に示すように、人形の胴部を挿入可能な径を有す
る大袋部１と、それぞれ人形の腕、脚及び首のい
ずれも挿通可能な径を有する少なくとも３個の小
袋部２，３，４と一体に有する。

大袋部１は、一端に開口し、他端に閉塞してお
り、小袋部２，３，４は、いずれも同様に一端に
開口して、その開口部分において大袋部１の閉塞
側に接続されて、大袋部内に連通している。

上記の構成を有する人形衣服用素材A₁を使用
するときは、第２図に一例を示すように、製作し
ようとする衣服のデザインに応じて、小袋部２，
３，４又は、小袋部と大袋部１を選択的にそれぞ
れ希望の位置と形状をもつて裁断する。すなわ
ち、同図イは左右両側の小袋部２，４を基部付近
において切除し、中央の小袋部３をほぼ中央正面
において切欠して窓５を形成した例、同図ロは３
個の小袋部２，３，４を中間部において切除した
例、同図ハは中央の小袋部３は全部切除し、左右
の小袋２，４を中間部において切除した例、同図
ニは各小袋部２，３，４を大袋部１にわずかに食
い込んで切除し、かつ、大袋部の一端の左右両側
部分を切除した例である。

そして、上記それぞれ裁断したものは、そのま
ま又は必要な場合は所要部分を縫合することによ
り、人形用衣服が完成する。すなわち、第２図イ
のものは、そのまま上半身用衣服に使用され、第
３図イに示すように、大袋部１の開口から人形の
頭部、両腕部及び胴部を挿入し、左右の小袋部
２，４にはそれぞれ腕部を挿通し、中央の小袋部
３には頭部を挿入するとともに、窓５から顔面を
外部に臨ませる。これにより、フード付きセータ
のような外観を呈する。

第２図ロのものは、第３図ロに示すように、同
様に人形の頭部、両腕部及び胴部を挿入したの
ち、中央の小袋部３の上部をめくることにより、
タートルネツク付きセータを形成している。左右
の小袋部２，４は任意の長さとしてもよい。

第２図ハのものは、第３図ハに示すように、中
央の小袋部の切除部分を縫合し、大袋部１の開口
を上向きにして、その開口から人形の脚部及び胴
部を挿入し、脚部を左右の小袋部２，４に挿通す
ることにより、ズボン又はパンツなどの下半身用
衣服としている。この場合も、左右の小袋部の切
断位置を人形の脚長に合せて任意に選択すればよ
い。

さらに、第２図ニのものは、第３図ニに示すよ
うに、人形の上部から装着したのち、大袋部の切
除部分を除いた開口部を縫合することにより、レ
オタードを形成している。

第３図に示されている容姿から分るように、毛
糸その他の合成複フイラメントで編成した素材を
使用すれば、衣服が伸縮性をもち、装着した状態
で、人形の体形に良くフイツトする。とくに、小
袋部を切除してできた端切品を、第３図ロ〜ニの
人形の帽子に利用したり、多少の縫製により靴下
に利用したりすることができる利点がある。しか
し、織成で伸縮性を有しない素材を使用して、人
形の体に対してゆとりある装着状態が得られるよ
うにしてもよいことはいうまでもない。

第４図は、小袋部を４個設けた例であり、この
ような素材A₂は、一例として第５図に示すよう
に、大袋部６の正面部分を縦に切開するととも
に、中央の２個の小袋部８，９を全部切除し、か
つ、両外側の小袋部７，１０を中間部において切
除し、さらに大袋部に少し切り込んで、その部分
を縫合することにより、第６図に示すように、左
右の袖を形成し、胸に装飾ボタン１１を取付け、
さらに、第７図に示すように、開口縁端部１２を
外側に折返すことにより、人形用ジヤケツトを完
成してある。第８図はこのジヤケツトを被着した
状態を示す。

小袋部を４個有する素材は、第９図イに示す切
線に沿つて切断し、必要部位を縫合することによ
りロに示すようにズボンを作ることができ、ま
た、第１０図イ，ロに示すように切除と細断によ
りスカートを作ることもできる。

この考案の効果 上述のように、この考案による人形用衣服素材
は、一端に開口した大袋部と、大袋部の他端に接
続され、それぞれ一端において大袋部内に連通す
る、少なくとも３個の小袋部とを有するものであ
るから、大袋部、小袋部を選択的にかつ、その位
置形状を任意に選択して切除し、必要部位を縫合
することにより、各種の形態形状の人形用衣服を
簡単に作成することができ、児童などにも手持の
人形に似合つた衣服を容易に作成し、被着して楽
しむことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例を示すものであり、
第１図は第１実施例の正面図、第２図は裁断の各
種の位置及び形状の例を示す斜視図、第３図は第
２図のものの完成使用状態を示す斜視図である。
第４図は第２実施例を示す正面図、第５図は裁断
位置を示す斜視図、第６図は裁断及び縫合後の状
態を示す斜視図、第７図は完成した衣服の例を示
す斜視図である。第８図は人形に装着した状態を
示す斜視図である。第９図及び第１０図は他の裁
断位置及び完成状態を示す正面図である。 Ａ……素材、１……大袋部、２，３，４……小
袋部、５……窓、６……大袋部、７〜１０……小
袋部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) (イ) 一端に開口した大袋部と、 (ロ) 前記大袋部の他端に接続され、それぞれ一
   端において大袋部内に連通する、少なくとも
   ３個の小袋部とを有する人形用衣服素材。 (2) 毛糸その他の複フイラメントで編成されて伸
   縮性を有することを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の人形用衣服素材。