JPH0537328U - 中空糸膜モジユール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 排水処理等に用いて膜面への汚れの堆積およ
び膜間の接着がほとんどなく、エアーによる逆洗により
有効に洗浄できる中空系モジュールの提供。 【構成】 親水性多孔質中空糸膜１と疎水性多孔質中空
糸膜２を均等に分散し充填して作製される中空糸膜モジ
ュール。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、有機物で汚濁した液体を逆洗を併用しながら濾過する際に用いるの に適する新規な中空糸膜モジュールに関する。

【０００２】

【従来の技術】

下水処理場における二次処理、三次処理や浄化槽における固液分離等の用途に おいて、分離膜を用いる検討は様々な形で行われている。しかしながらそこに用 いられるモジュールは、従来の純水や水道水の濾過に用いていたものをそのまま 流用したものがほとんどであった。また改良を施すとしても中空糸膜の充填率や 充填形態を変えただけのものが殆んどであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したモジュールを用いて高汚濁性水（例えばＳＳ≧５０ｐｐｍ，ＴＯＣ≧ １００ｐｐｍ）の濾過処理を行った場合、逆洗を併用しながら長期使用していく 内に有機物等が膜面に付着して、中空糸膜表面の微細孔の閉塞や、中空糸間の接 着現象を惹起する。そのためにモジュール当りの透過流量が著しく低下するとい う問題点が発生していた。 本考案は、従来のこのような欠点を解消するためになされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

即ち本考案の要旨は親水性多孔質中空糸膜Ａと疎水性多孔質中空糸膜Ｂを、Ａ ：Ｂ＝１：０．２〜２の重量割合で均等に分散し充填して作製される中空糸膜モ ジュールにある。

【０００５】 具体的には図１に示すように編物状に編んだ親水性多孔質中空糸膜と疎水性多 孔質中空糸膜とを重ね寿司巻状にまとめてモジュールを成型する。中空糸膜を緯 糸とする時は、経糸には通常の編織物の経糸に用いられる糸を用いることができ るが、編成時や取扱い時に中空糸膜を損傷しないためには硬くない糸を用いるの が好しい。 本考案で均等に分散してはほぼ均等に分散していればよい。 該モジュールは親水性多孔質中空糸膜と疎水性多孔質中空糸膜が中心方向に向 って交互に存在するモジュールとなる。

【０００６】 濾過時に疎水性中空糸膜は水を通さないため表面への汚れの堆積が殆どみられ ない。よって疎水性中空糸膜は親水性中空糸膜間の接着を防ぐスペーサーの役目 を果たし、親水性中空糸膜間の接着による濾過面積の減少（＝濾過流量の減少） を減少させることができる。濾過方式は全量濾過、クロスフロー濾過どちらを用 いても差支えない。

【０００７】 逆洗時には二次側よりエアーを通気することにより、疎水性中空糸膜表面より エアーを放出させる。その放出エアーのバブリング効果により親水性中空糸膜表 面に堆積した汚れを脱落させ、また中空糸膜間の接着を剥すことができる。エア ー流量は特に限定はないが１０００Ｎｌ／ｍ² ・分以上が望ましい。

【０００８】 本考案に用いられる中空糸膜を構成する素材は、ポリエチレン、ポリプロピレ ン、ポリスルホン等を初めとする公知の材質を用いることができる。孔径、空孔 率、膜厚、外径等は特に限定されない。

【０００９】 疎水性素材からなる疎水性中空糸膜を親水化するための親水化剤としては、界 面活性剤あるいは親水性高分子を用いることができる。ことに難水溶性の親水化 剤が望ましい。親水化剤としては例えば、ヒドロキシエチルメタアクリレート、 プロピレングリコールモノステアレート、ポリビニルピロリドン、ジアセトンア クリルアミドと加橋性モノマーからの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体 の鹸化物（エチレン−ビニルアルコール系共重合体）等を挙げることができる。 もちろん、親水性高分子からなる中空糸膜を用いることもできる。

【００１０】 例えば次のような中空糸膜を疎水性中空糸膜として使用し、エチレン−酢酸ビ ニル共重合体の鹸化物（エチレン−ポリビニルアルコール系共重合体）あるいは ジアセトンアクリルアミドと架橋性モノマーからの共重合体を膜表面に保持させ た親水性中空糸膜を使用することもできる。

【００１１】 ポリエチレンよりなる多孔質中空糸であって、繊維長方向に配列したミクロフ ィブリルと、スタックドラメラからなる結節部とに囲まれて形成される短冊状微 小空孔が、中空糸内壁面より外壁面へ相互に連通した積層構造を有し、水銀ポロ シメーターで測定した微小空孔の平均孔径が２μｍを超え１０μｍ以下であり、 空孔率が７５％〜９５％、空気透過量が８×１０⁵ ｌ／ｍ² ・ｈｒ・０．５ａｔ ｍ以上の大孔径多孔質ポリエチレン中空糸膜

【００１２】 ポリプロピレンよりなる多孔質中空糸であって、繊維長方向に配列したミクロ フィブリルと、スタックドラメラからなる結節部とに囲まれて形成される短冊状 微小空孔が、中空糸内壁面より外壁面へ相互に連通した積層構造を有し、水銀ポ ロシメーターで測定した微小空孔の平均孔径が１μｍを超え１０μｍ以下であり 、空孔率が７０％〜９５％、空気透過量が４×１０⁵ ｌ／ｍ² ・ｈｒ・０．５ａ ｔｍ以上の大孔径多孔質ポリプロピレン中空糸膜

【００１３】 本考案に用いるポッティング剤は、ウレタン系、エポキシ系等の公知の材質を 用いることができる。ハウジングの材質も、ポリカーボネイト、アクリル、ポリ スルホン、ポリプロピレン等の公知の材質を使用できる。

【００１４】

【効果】

本考案による中空糸膜モジュールは、高汚濁性水の濾過において、中空糸間の 接着による流量低下を防ぐことに特にその効力を発揮する。 従って排水処理、河川水濾過、工業用水濾過等の分野に好適に用いられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】親水性，疎水性の二種類の編物状中空糸膜を重
ねた図とそれを寿司巻状にしてポッティングした状態の
模式図である。

【図２】本考案モジュールの一例を示す模式断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 編物状親水性中空糸膜 ２ 編物状疎水性中空糸膜 ３ ポッティング部 ４ 親水性中空糸膜と疎水性中空糸膜の混合物 ５ 外筒 ６ 液体導入部 ７ 液体排出部 ８ クロスフロー濾過時循環液流出部 ９ 逆洗時エアー流入部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 親水性多孔質中空糸膜Ａと疎水性多孔質
   中空糸膜Ｂを、Ａ：Ｂ＝１：０．２〜２の重量割合で均
   等に分散し充填して作製される中空糸膜モジュール。
2. 【請求項２】 編物状の親水性多孔質中空糸膜と疎水性
   多孔質中空糸膜を重ね、それを寿司巻状にして作製した
   ことを特徴とする請求項１記載の中空糸膜モジュール。
3. 【請求項３】 逆洗洗浄時に濾液側から空気を送り込
   み、気泡を疎水性中空糸表面から発生させて逆洗するこ
   とを特徴とする請求項１記載の中空糸膜モジュール。