JPH0536595B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本願発明は、支持地盤等の硬質地盤を含む地盤
に基礎杭造成等のための竪孔を掘削する工法及び
それに使用する竪孔掘削機に関する。

（従来の技術） 従来、支持地盤に食いこむ竪孔の掘削工法とし
て、円筒状ケーシングを回転又は往往復回転させ
て地中に建込みつつクラブバケツト等を用いてケ
ーシング内の土砂を排出して該ケーシングに囲ま
れた竪孔を形成していき、支持地盤に至つたとき
上記クラブバケツトに代えダウンホールハンマを
ケーシング内に挿入し、該ハンマの回転打撃とケ
ーシングの回転（又は往復回転）圧入により支持
地盤にもケーシングに囲まれた竪孔を連続的に形
成していく工法が知られている。

（発明が解決しようとする課題） しかし、この従来工法では、支持地盤の掘削に
おいてケーシングとハンマを互に別個独立に回転
させているため、それぞれの回転に煩雑な調整及
び保全管理作業が必要となり、しかも使用する装
置が大型で高価なものとなる欠点があつた。

本願第１発明は、従来の欠点を除くことのでき
る竪孔掘削工法を提供することを課題とし、 本願第２発明は、上記第１発明の竪孔掘削工法
に有効に使用することができる竪孔掘削機を提供
することを課題とする。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するため、本願第１発明の竪孔
掘削工法は、 円筒状ケーシングを回転させて地中に建込みつ
つ該ケーシング内の土砂を排出してケーシングに
囲まれた竪孔を形成していき、 硬質地盤に至つたとき、下端に上下駆動される
打撃ハンマを有するハンマ掘削体を上記ケーシン
グ内に挿入し、該ハンマ掘削体をケーシングから
の回転伝達により従動回転させつつハンマの打撃
を行つて硬質地盤を掘削することと、上記ケーシ
ングの回転建込みとにより硬質地盤に上記竪孔と
連続してケーシングで囲まれた竪孔を形成する、 構成を採り、 また、本願第２発明の竪孔掘削機は、 円筒状ケーシングと、上記ケーシングを回転さ
せつつ地中への建込みを行うケーシング回転建込
み装置と、上記ケーシング内に挿脱自在であつて
下端に上下駆動される打撃ハンマを有するハンマ
掘削ロツドとから成り、 上記ケーシングの内周面に回転伝達部材を固定
又は着脱自在に設けると共に、上記ハンマ掘削ロ
ツドの外周面に、少くともケーシング回転時上記
回転伝達部材と係止して回転を伝達されるべき回
転従動部材を設けた、 構成としてある。

なお、本願第１及び第２発明における「ケーシ
ングを回転させ」とは、ケーシングを一方向へ回
転させること及び一定角度往復回転させることを
含む。又本願第２発明における「ハンマ掘削ロツ
ド」には、ダウンホールハンマ等の圧搾空気によ
りハンマを連続的に上下駆動させるもののほか、
油圧、エンジン等によるものも適宜選択的に使用
される。

以下本願発明の実施例について図面を参照して
説明する。

（実施例） 初めに、第２発明の竪孔掘削機の実施例につい
て説明する。第１〜５図において、ケーシング１
は円筒状鋼管からなるもので、その上端に同じく
同径の円筒状鋼管からなる短い回転伝達用補助ケ
ーシング２を溶接等により固定状態に、又はボル
ト、コツター等により着脱自在に同軸的に継ぎ足
してあり、この補助ケーシング２の内周面に特に
第２図示のように母線方向に延長する４本の回転
伝達歯３…を互に等間隔をあけて突設してある。
４…はケーシング１の下端に形成した掘削刃であ
る。

ハンマ掘削ロツド５は、本例ではダウンホール
ハンマを備えたもので、上記ケーシング１内に挿
脱自在の長い円筒状ロツド６の下端部内に圧搾空
気によるハンマ駆動機構を内蔵し、該駆動機構に
より連続的に上下駆動されるハンマ７をロツド６
下端から突出し、このロツド６の外周面に、母線
方向全長にわたつて延長する４本の回転従動歯８
…を互に等間隔をあけて突設し、該ハンマ掘削ロ
ツド５をケーシング１内に挿入してケーシング１
を回転させたとき、ケーシングの回転伝達歯３…
が回転従動歯８…に係止してケーシング１の回転
をハンマ掘削ロツド５に伝達するようにしてあ
る。９は一端部をロツド６上端から突出し、他端
を上記ハンマ駆動機構に連通させた圧搾空気案内
管、１０は上記案内管９の突出部にスイベルジヨ
イント１１を介して接続されたエア供給フレキシ
ブル管で、エアコンプレツサに他端を接続されて
いる。

ケーシング回転建込み装置３３は次のようであ
る。ほぼ矩形の扁平箱形ギヤボツクス１２が、そ
の四隅にアーム１３…を介して取付けられた昇降
支持脚１４…により水平に支持され、該ギヤボツ
クス１２の上下両板に円形のケーシング挿通孔１
５を開設し、該挿通孔１５の上板孔縁に、特に第
５図示のように環状支持枠１６を上記挿通孔１５
を貫通して下方へ突出した状態にボールベアリン
グ１７を介して回転自在に吊支し、この支持枠１
６のギヤボツクス１２内の外側部に環状の大歯車
１８を固定すると共に、ギヤボツクス１２上面に
設置されたケーシング回転用ギヤードモータ１
９，１９の各出力軸２０，２０に固定した小歯車
２１，２１を上記大歯車１８にかみ合わせてあ
る。一方、支持枠１６の下端には、上下両板に円
形のケーシング挿通孔２２をあけた扁平チヤツク
ケース２３を連設し、該ケース２３内の直径方向
の相対する位置に支持された軸２４，２４′に、
第４図示のように４分の１円弧の締着面を有する
一対づつのチヤツク板２５，２５及び２５′，２
５′の各一端部をそれぞれ揺動自在に支挙させる
と共に、相対するチヤツク板２５，２５′及び２
５，２５′の各他端部間にチヤツク用油圧シリン
ダ２６，２６、そのラム２７，２７を連結してあ
る。

上記昇降支持脚１４…は、第１図示のように順
次差し合わされた３段の筒単体２８，２９，３０
からなるテレスコピツク筒体に構成され、該筒体
内の一端に油圧シリンダ３１を取付けると共に、
筒体内他端にラム３２を連結し、該シリンダ３１
の油圧を開放すると支持脚１４全体が縮少するよ
うにしてある。

次に、上例の掘削機を使用した本願発明の竪孔
掘削工法の実施例について、掘削機の作用と共
に、説明する。

まず、第６図示のように上例のケーシング回転
建込み装置３３を用い、その支持脚１４…を伸長
させた状態で、そのケーシング挿通孔１５，２２
に補助ケーシング２が取付けられていないケーシ
ング１を挿通させ、ついでチヤツク用油圧シリン
ダ２６，２６の後退駆動により各チヤツク板２
５，２５，２５′，２５′でケーシング１を挟着す
る。次にケーシング回転用モータ１９，１９の始
動によりその回転を小歯車２，２１、大歯車１８
及び支持枠１６を経てチヤツクケース２３に伝え
てケーシング１を回転させると共に、各支持脚１
４…の油圧シリンダ３１…の油圧を開放すると、
回転するケーシング１が下端の掘削刃４…で地盤
を掘削しつつケーシングの自重で徐々地中に進入
していき、それと共にクラブバスケツト３４を用
いてケーシング１内の土砂をかき取り、ケーシン
グ外に排出する。上記ケーシング回転建込み装置
３３の操作は、支持脚１４…の最短縮少位置まで
ケーシング１を建込んだら、チヤツク板２５，２
５′の締着を一旦解除して各支持脚１４…を最長
まで伸長させ、その位置で再びチヤツク板でケー
シングを締着して回転建込みを再開し、以下これ
を繰返す。上記ケーシング１の回転進入と土砂排
出とを継続することにより普通地盤Ａにケーシン
グ１で囲まれた竪孔を形成していく。

ケーシング１が第７図示のように支持地盤Ｂに
達したら、ケーシング回転及び土砂排出を停止
し、次に第８図示のようにケーシング１の上端に
上例の回転伝達用補助ケーシング２を溶接又はボ
ルト、コツター等により同軸的に継ぎ足す。

次に、第９図示のように上例のハンマ掘削ロツ
ド５を上記補助ケーシング２及びケーシング１に
上から挿入する。その状態で第１０，１１図示の
ようにケーシング回転建込み装置３３の駆動によ
りケーシング１の回転及び進入を開始すると、そ
の回転伝達歯３…及び回転従動歯８…を介してハ
ンマ掘削ロツド５に伝達され、それによりハンマ
７が回転しつつ連続打撃を開始し、支持地盤Ｂに
普通地盤Ａの既成竪孔と連続するケーシング１で
囲まれた竪孔を形成していく。なお、ハンマ掘削
ロツド５のハンマ駆動機構で使用ずみの圧搾空気
はハンマ７の下端から孔内に噴出され、これがハ
ンマ７により掘削粉砕された細石等をハンマ掘削
ロツド５とケーシング１との間隙を通つてケーシ
ング上端から外部に排出する。

支持地盤Ｂに第１２図示のように所要深さまで
進入したら、ハンマ掘削ロツド５をケーシング１
から引き抜くと、第１３図示のように普通地盤Ａ
から支持地盤Ｂに連続して食いこむケーシング１
で囲まれた竪孔Ｈを形成する。ケーシング１はそ
のまま杭として利用するか、又は杭造成のコンク
リートを打ちこんだ後引き抜く。

他の実施例として、回転伝達用補助ケーシング
２を予めケーシング１の上端に溶接等により固定
状態に又はボルト、コツター等により着脱自在に
取付け、この補助ケーシング２つきケーシング１
を用いて第６図示の普通地盤での竪孔掘削を開始
し、以下上例と実質的に同一の工程を行う例もあ
る。

（発明の効果） 本願第１発明の竪孔掘削工法によれば、従来工
法に比較しケーシング及びハンマ掘削体の回転の
調整及び保全管理作業が簡単となり、しかも使用
する装置の小型化、低廉化を実現できるのであ
る。

本願第２発明の竪孔掘削機によれば、硬質地盤
の竪孔掘削機として回転の調整及び保全管理が容
易で小型、低廉価のものが得られ、しかも第１発
明の実施に使用する場合、その回転伝達部材つき
ケーシング又は回転伝達部材なしのケーシングを
用いて普通地盤での竪孔掘削を行い、硬質地盤に
至つたときハンマ掘削ロツドを回転伝達部材つき
ケーシングに挿入し、又は回転伝達部材なしのケ
ーシングには回転伝達部材を取付けて挿入するこ
とにより、そのまま継続的に硬質地盤での竪孔掘
削を連続的に行うことができ、第１発明全体を有
効に実施することができるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本願発明の実施例を示し、第１図は竪孔
掘削機の一部切欠正面図、第２図は第１図の−
線切断端面図、第３図はケーシング回転建込み
装置の一部切欠平面図、第４図は第１図−線
に沿うケーシング回転建込み装置の断面図、第５
図は第３図−線一部省略拡大断面図、以下竪
孔掘削工法を示し、第６図は普通地盤での竪孔掘
削工程の略線断面図、第７図は支持地盤までケー
シングを建込んだ状態の同上断面図、第８図は補
助ケーシングを継ぎ足した状態の同上断面図、第
９図はハンマ掘削ロツドを挿入した状態の同上断
面図、第１０図、１１図は支持地盤での竪孔掘削
工程の同上断面図、第１２図は支持地盤での掘削
完了状態の同上断面図、第１３図はハンマ掘削ロ
ツドを引き抜いた状態の同上断面図である。 １……ケーシング、２……回転伝達補助ケーシ
ング、３………回転伝達歯、５………ハンマ掘削
ロツド、７……打撃ハンマ、８……回転従動歯、
３３……ケーシング回転建込み装置、Ａ……普通
地盤、Ｂ……支持地盤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円筒状ケーシングを回転させて地中に建込み
   つつ該ケーシング内の土砂を排出してケーシング
   に囲まれた竪孔を形成していき、 硬質地盤に至つたとき、下端に上下駆動される
   打撃ハンマを有するハンマ掘削体を上記ケーシン
   グ内に挿入し、該ハンマ掘削体をケーシングから
   の回転伝達により従動回転させつつハンマの打撃
   を行つて硬質地盤を掘削することと、上記ケーシ
   ングの回転建込みとにより硬質地盤に上記竪孔と
   連続してケーシングで囲まれた竪孔を形成する、 竪孔掘削工法。 ２ 円筒状ケーシングと、上記ケーシングを回転
   させつつ地中への建込みを行うケーシング回転建
   込み装置と、上記ケーシング内に挿脱自在であつ
   て下端に上下駆動される打撃ハンマを有するハン
   マ掘削ロツドとから成り、 上記ケーシングの内周面に回転伝達部材を固定
   又は着脱自在に設けると共に、上記ハンマ掘削ロ
   ツドの外周面に、少くともケーシング回転時上記
   回転伝達部材と係止して回転を伝達されるべき回
   転従動部材を設けた、 竪孔掘削機。