JPH053657A - 超電導リニア誘導モータの一次コイル組立体 - Google Patents

超電導リニア誘導モータの一次コイル組立体

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JPH053657A
JPH053657A JP29425691A JP29425691A JPH053657A JP H053657 A JPH053657 A JP H053657A JP 29425691 A JP29425691 A JP 29425691A JP 29425691 A JP29425691 A JP 29425691A JP H053657 A JPH053657 A JP H053657A
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仁司 清水
Katsuro Oishi
勝朗 大石
Yasuzo Tanaka
靖三 田中
Shuichi Sato
修一 佐藤
Shinichi Yatabe
伸一 谷田部
Osami Tsukamoto
修巳 塚本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超電導リニア誘導モータの一次コイル組立体
の、各コイルのインピーダンスの調整が容易にでき、一
様な推力が得られると共に、巻線の動きによるクエンチ
を防止し、又、超電導線の冷却効果を容易に高めること
ができ、然も、製造が容易で、モジュール化にも適し、
コイル電流の位相パターンも任意に選択することを可能
にする。 【構成】 コイルユニット(21)は、巻き付ける超電導線
(24)の、巻枠(22)の軸線に対して外方に隣合う、或いは
巻枠の幅方向に隣合うターン間に介在され、ターン間に
隙間を形成させる、非磁性、かつ、非導電性のスペーサ
(23)を備え、各コイルユニットは、実質的に同じ構造、
同じ形状を有し、互いに所定の間隔を置いて配列され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板製造時のストリッ
プの張力制御、蛇行制御、連続鋳造装置の鋳型内溶鋼の
攪拌、鋳鋼中心部の未凝固層内の溶鋼の攪拌、鋳型への
溶鋼注入量の制御等に好適に使用される超電導リニア誘
導モータの一次コイル組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導リニア誘導モータの一次コイル組
立体は、例えば、図1に示す鋼板製造時のストリップの
蛇行制御に使用されている。誘導モータの一次コイル組
立体11は、圧延された、或いは圧延途中の、走行する
ストリップ10の上方および下方にそれぞれ左右1組
宛、このストリップ10と所定の距離だけ離間して配設
されている。これらの誘導モータの各一次コイル組立体
11には常時交流電流が流され、走行しているストリッ
プ10が誘導モータの一次コイル組立体11の配設位置
で進行方向に対して直交する方向、すなわち、幅方向に
蛇行しようとすると、変位方向と逆向きに推力が発生
し、ストリップ10は常に所定位置に保持される。
【0003】超電導リニア誘導モータの一次コイル組立
体としては、従来、図2〜図4に示される鞍形コイルが
知られている。3相交流モータの場合、U相、V相、及
びW相用の3個の鞍形コイル12,13,14が重ね合
わされコイル組立体を形成し、このコイル組立体は、二
次導体であるストリップ10と、図4に示す通り所定の
距離xだけ離間させて配置される。この誘導モータのコ
イル電流の位相パターンは、U,−V,W,−U,V,
−Wである。
【0004】各コイルは、その巻線の突発的な動きによ
る摩擦熱でクエンチが発生するのを防止するため、巻線
にエポキシ樹脂を含浸させて固定されている。さらに超
電導線には交流損失による定常的な発熱があるため、こ
れを冷却する目的で、コイルの巻線間に液体ヘリウムを
循環させるための冷却チャンネルが設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した、従来の超電
導リニア誘導モータ用一次コイル組立体は、三相の場合
は3つの鞍形コイルを重ね合わせた構造を有し、かつ、
冷却用チャンネルのためのスペースを確保しなければな
らないことから、3つのコイルは、その大きさ、巻線の
ターン数が異なり、従って、インピーダンスも互いに異
なる。このため、このような鞍形コイルからなる誘導モ
ータの推力は、コイルの並び方向に一様にならないとい
う欠点を有している。
【0006】また、上述のような誘導モータ用一次コイ
ル組立体は、その形状が鞍形であるから、超電導線を巻
く際に、均一な張力で巻くことが難しく、しかも、巻線
張力を高くすることも難しかった。このため、巻線にエ
ポキシ樹脂を含浸させて固定したにも拘わらず、巻線が
動き易く、巻線の動きによる摩擦熱でクエンチが発生し
易い。さらに上述のような鞍形コイルの重ね合わせ構造
では、コイル電流の位相パターンが、実質的にU,−
V,W,−U,V,−Wに限定されてしまう。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、各コイルのインピーダンスの調整
を容易にでき、一様な推力が得られると共に、巻線の動
きによるクエンチを防止し、又、超電導線の冷却効果を
容易に高めることができる構造を有し、然も、製造が容
易で、モジュール化にも適し、コイル電流の位相パター
ンも任意に選択することができる超電導リニア誘導モー
タの一次コイル組立体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明に依れば、非磁性、かつ、非導電性の巻枠
と、この巻枠に巻き付けた交流用超電導線とを備えた複
数のコイルユニットからなる超電導リニア誘導モータの
一次コイル組立体において、前記コイルユニットは、巻
き付ける超電導線の、巻枠の軸線に対して外方向に隣合
う、或いは巻枠の幅方向に隣合うターン間に介在され、
ターン間に隙間を形成させる、非磁性、かつ、非導電性
のスペーサを備え、各コイルユニットは、実質的に同じ
構造、同じ形状を有し、互いに所定の間隔を置いて配列
されることを特徴とする超電導リニア誘導モータの一次
コイル組立体が提供される。
【0009】本発明の一次コイル組立体の複数のコイル
ユニットは、二次導体の形状に沿って、各端面を互いに
平行、或いは互いに所定の角度をなして配列される各コ
イルユニットの二次導体に対向する面は、二次導体の形
状に適合してフラットであってもよいし、コイルユニッ
トの軸線に関して二次導体側に向かって突出していても
よい。
【0010】二次導体が棒状の長尺体である場合には、
巻枠を環状に形成し、各コイルユニットを二次導体の外
周に配置することもできる。更に、巻枠を、その端面が
環状のレーストラック形状をなすように形成し、各コイ
ルユニットを、所定のピッチで互いに重なり合って配列
するようにしてもよい。
【0011】
【作用】本発明の超電導リニア誘導モータの一次コイル
組立体は、実質的に同じ構造、同じ形状の複数のコイル
ユニットを互いに所定の間隔を置いて配列され、超電導
線の結線に応じて、コイル電流の位相パターンを任意に
設定することが可能となる。また、非磁性、かつ、非導
電性のスペーサが巻枠の軸線に対して外方向に隣合う、
或いは巻枠の幅方向に隣合うターン間に介在され、ター
ン間に隙間を形成させる。この隙間は、液体ヘリウムを
循環させるための冷却チャンネルとなり、クエンチを防
止する。そして、各巻枠に巻く超電導線のターン数等を
調整すると、各コイルのインピーダンスの調整が容易に
なる。
【0012】
【実施例】図5ないし図9は、本発明の第1の実施例
の、超電導リニア誘導モータの一次コイル組立体を示
す。この一次コイル組立体20は、同じ構造、同じ形状
の6個のコイルユニット21を等間隔に同軸AX上に配
列して構成される。各ユニット21は、全体として側面
から見てD形状を有し、巻枠22、多数の櫛形スペーサ
23、及び交流用超電導線24から構成される。
【0013】巻枠22は、図5及び図6に示されるよう
に側面から見てD形に形成され、その外周に略等間隔
に、図7ないし図9に示す櫛形をしたスペーサ23が多
数取付けられている。スペーサ23は多数の歯23aを
有し、その歯23aと歯23aの間のスペースに順番に
落とし込むようにして超電導線24が多層に巻き付けら
れ、コイル25を形成している。超電導線24をこのよ
うに巻くと、巻枠の幅方向に隣り合う超電導線24のタ
ーン間にはスペーサ23の一つの歯23aの幅に相当す
るだけの隙間S(図9参照)ができることになり、この
隙間Sは、冷却用の液体ヘリウムが流れ込む通路とな
る。
【0014】巻枠22は、2次導体に対向する面がフラ
ットであるが、全体としてその中心軸AX(図5参照)
に関して外方向に突出する形状を有している。このた
め、巻枠22に超電導線24を巻き付ける際には、巻枠
22を回転させながら、超電導線24に所要の張力を掛
けながら巻くことができる。従って、巻枠22に巻かれ
た超電導線24には緩みがない。
【0015】交流用超電導線24は、図10に示される
ように、7本のステンレス素線240aを撚って形成さ
せたコア240と、その外周に形成されたポリエステル
繊維又はガラス繊維等の編組絶縁層241と、編組絶縁
層241の外周に多数の超電導素線242が一層撚りさ
れた超電導素線層243と、超電導素線層243の外周
に形成されたポリエステル繊維又はガラス繊維等の編組
絶縁被覆層244とで構成されている。一方、巻枠22
およびスペーサ23は、GFRP(ガラス繊維強化プラ
スチック)等の非磁性、かつ、非導電性の材料で成形さ
れる。
【0016】超電導線24を巻枠22に巻き付けた後、
超電導線の端末を固定してエポキシ樹脂溶液に浸漬しす
ると、前述した超電導線24の内部(ステンレス素線及
び超電導素線間の間隙、並びに編組絶縁層)、及び超電
導線24とスペーサ23の歯23a間にエポキシ樹脂が
含浸される。その後、エポキシ樹脂溶液から巻枠22を
引上げ、編組被覆層に含浸したエポキシ樹脂を硬化させ
ると、スペーサ23の同じ溝内で隣接する超電導線24
同士、および超電導線24と歯23aとが一体化され、
これによって交流用超電導線24が巻枠22に固定され
た状態になる。しかしながら、含浸させたエポキシ樹脂
を硬化させた後も、スペーサ23によって形成された、
超電導線24のターン間の隙間S(図9)は残り、冷媒
(液体ヘリウム)の通路は確保される。
【0017】上述のようなコイルユニット21を6個、
各コイルユニットの軸線AXを合致させ、かつ、軸線A
Xに垂直な端面を互いに平行させて所定の間隔で配列し
てコイル組立体20を構成させる。コイル組立体20
は、冷媒の液体ヘリウムを入れたクライオスタット30
(図6参照)に収容され、各コイルユニット21の超電
導線24の端末は、個別にクライオスタット30の電極
(図示せず)に接続される。本発明のコイル組立体は、
複数のコイルユニットから構成されるので、各コイルユ
ニットの電極間の結線を適宜変更することにより、コイ
ル電流の位相パターンを任意に選択することが出来る。
図5に示す結線例では、コイル電流の位相パターンは、
U,−V,W,−U,V,−Wである。下表は、12コ
イルからなる一次コイル組立体の一次導体電流の、採り
える位相パターンの例を示す。
【0018】
【表1】
【0019】一次コイル組立体20を、D形コイルユニ
ット21の直線辺側を二次導体26と、所定の距離x1
だけ離間して対向させると、超電導リニア誘導モータが
得られる。第1の実施例において、各コイルユニット2
1のデメンジョンを、例えば以下のように設定する。櫛
形スペーサ23の歯幅を1mmに、溝幅を1.5mm
に、歯厚を4mmに、超電導線24の外径を1.45m
mに、コイル25の断面を幅64mm×積層厚み19.
5mmに、コイルユニット21の直線辺の長さを444
mmに、直線辺に直角な方向の最大高さを269.5m
mに、各ユニット間の間隔を10mmに、コイル組立体
20と二次導体26との離間距離x1 を60mmにそれ
ぞれ設定する。
【0020】二次導体として厚み1mmのステンレス板
を配置し、超電導線24に155A(実効値)の交流電
流(50Hz)を流すと、この誘導モータはステンレス
板26に対して推力約10kgfを与える。第1の実施
例では、超電導線24の、ユニットコア21の幅方向の
ターン間に間隙Sを設けたが、超電導線の積層方向のタ
ーン間に間隙を設けるようにしてもよい。図11および
図12は、第2の実施例のコイルユニット21Aの要部
を示し、図5に示すものと同じ巻枠22に、超電導線2
4を巻き付けるとき、積層方向のターン間に、非磁性、
かつ、非導電性の棒状スペーサ27を介在させれば、層
間に間隙S1が形成され、この間隙S1が冷媒の通路と
なる。
【0021】図5に示す第1の実施例では、6個のコイ
ルユニット21を、各軸線AXが合致するように、且
つ、各ユニット21の、軸線AXに直交する端面が互い
に平行するように配置したが、この各端面が所定の角度
をなして互いに対向するように配置するようにしてもよ
い。図13は、二次導体26Aが板状かつ円環状である
場合に、この二次導体26Aに対向して配置される一次
コイル組立体のコイルユニット21の配列を示し、各ユ
ニット21は、端面が互いにαの角度をなして配置され
る。図14は、二次導体であるストリップ26Bが湾曲
して走行する場合に、この二次導体26Bに対向して配
置される一次コイル組立体のコイルユニット21の配列
を示し、各ユニット21は、端面が互いにβの角度をな
して配置される。尚、図13および図14において、コ
イルユニット21は第1の実施例のコイルユニットと同
じ構成、同じ形状を有しているので同じ符号を付してあ
る、また、これらの図中、各矢印は、二次導体26A,
26Bの各進行方向を示している。
【0022】図15および図16は、第1の実施例に示
す超電導リニア誘導モータの一次コイル組立体20の使
用例を示す。図15は、2個の組立体20を一組として
これらを二次誘導体であるストリップ26Cを挟んで両
側対称位置に配置したリニア誘導モータを示し、この場
合、二次導体26Cに対して1個の一次コイル組立体を
配置したものより理論上2倍の推力が得られる。図16
は、連続鋳造装置により鋳造され、冷却途中にある、断
面が矩形の鋳片28の外周面に、それぞれ一次コイル組
立体20を配設したもので、この場合、誘導モータによ
り鋳片中心部の未凝固層28aの溶湯を攪拌して偏析を
防止することができる。
【0023】図17は、本発明の一次コイル組立体の第
3の実施例を示す。この一次コイル組立体20Bは、幅
方向に湾曲する二次導体26Dに適合するように、各コ
イルユニット21Bの端面形状を軸線AXに関して二次
導体26Dに向かって膨出させたものである。より詳し
くは、各コイルユニット21Bの巻枠22Bの、二次導
体26Dに対向する面が、その面と二次導体26Dとの
離間距離が一定になるように形成される。このコイルユ
ニット21Bの巻枠22Bにも、第1の実施例のコイル
ユニット21と同様にスペーサが取付けられ、超電導線
は、そのターン間に隙間を確保して巻かれていることは
勿論のことである。
【0024】第3の実施例のコイルユニット21Bのよ
うに、巻枠の外周が軸線AXに関して外方に突出してい
る場合は、巻枠を回転させながら、超電導線に所要の張
力を掛けながら超電導線を巻くことができ、巻枠に巻か
れた超電導線に緩みが生じない。図18は、本発明の一
次コイル組立体の第4の実施例を示す。この一次コイル
組立体20Cは、二次導体26Eが断面円形の棒状の長
尺体の場合に好適であり、二次導体26Eの外周に配設
される。一次コイル組立体20Cの各コイルユニット2
1Cの巻枠22Cはリング形状をなし、このコイルユニ
ット21Cの巻枠22Cにも、第1の実施例のコイルユ
ニット21と同様にスペーサが取付けられ、超電導線
は、そのターン間に隙間を確保して巻かれていることは
勿論のことである。棒状長尺体の二次導体の断面形状は
楕円、矩形等であってもよく、コイルユニットの巻枠の
形状は、棒状二次導体の断面形状に対応して、その形状
に適合した環状の形状を備えていればよい。
【0025】なお、一次コイル組立体は、そのコイルユ
ニットの軸線と、通電時に二次導体が当該一次コイル組
立体から相対推力を受ける方向とが互いに平行であるよ
うに配置される。例えば、図15の使用例の場合には、
二次導体26Cは、一次コイル組立体20から図中矢印
で示す方向に相対推力を受ける。図19ないし図22
は、本発明の一次コイル組立体の第5の実施例を示す。
この一次コイル組立体20Dは、6個の偏平な環状レー
ストラック形のコイルユニット21Dを一定ピッチ宛ず
らして積み重ねて構成される。各コイルユニット21D
の巻枠22Dは、平面形状が、円弧部分と直線部分とを
有する環状のレーストラック形をなし、断面は図22に
示すように、フランジとウェブとでU字形状をなしてい
る。この巻枠22Dに、前述した交流用超電導線24が
一層毎に整列巻きされ、各層間に棒状のスペーサ23D
を介在させてコイル25Dを形成させる。このため、超
電導線24の層間にスペーサ23Dの厚さに相当する間
隙S2(図21参照)が確保される。巻枠22Dおよび
スペーサ23Dは、GFRP(ガラス繊維強化プラスチ
ック)等の非磁性、かつ、非導電性の材料で成形され
る。巻枠22Dには隙間S2に連通し、冷媒、例えば液
体ヘリウムが流通するための小孔22dが多数穿設され
ている。
【0026】この巻枠22Dに超電導線24を巻き付け
る際には、巻枠22Dを回転させ、超電導線24に適宜
な張力を掛けながら巻く。超電導線24を巻枠22Dに
巻き付けた後、超電導線の端末を固定してエポキシ樹脂
溶液に浸漬すると、前述した小孔22dを介して隙間S
2に樹脂溶液が流れ込み、超電導線の編組被覆層及び超
電導線24とスペーサ23D間にエポキシ樹脂が含浸さ
れる。その後、エポキシ樹脂溶液から巻枠22Dを引上
げ、編組被覆層に含浸したエポキシ樹脂を硬化させる
と、同じ層内で隣接する超電導線24同士、および超電
導線24とスペーサ23Dとが一体化され、これによっ
て交流用超電導線24が巻枠22Dに固定された状態に
なる。しかしながら、含浸させたエポキシ樹脂を硬化さ
せた後も、超電導線24の層間の隙間S2(図21)は
残り、冷媒(液体ヘリウム)の通路が確保される。
【0027】上述のようなコイルユニット21Dを6
個、各コイルユニットが二次導体26Fに対する平均距
離が同一となるように、二次導体26Fに対して所定の
角度傾斜させ、コイルユニット21Dの端面を互いに平
行させて所定のピッチで配列してコイル組立体20Dを
構成させる。コイル組立体20Dは、冷媒の液体ヘリウ
ムを入れたクライオスタットに収容され、各コイルユニ
ット21Dの超電導線24の端末は、個別にクライオス
タットの電極に接続される。
【0028】第5の実施例において、各コイルユニット
21Dのデメンジョンを、例えば以下のように設定す
る。スペーサ23のフランジの厚みを1mmに、コイル
25Dの断面を幅7.5mm×積層厚み132mmに、
コイルユニット21Dの長径を600mmに、短径を5
48mmに、各ユニットの傾斜角を6.7°にそれぞれ
設定する。
【0029】なお、第5実施例では、超電導線24は、
層間にスペーサ23Dを介在させて巻かれたが、第1実
施例と同じように櫛形のスペーサを用い、コイルユニッ
トの厚み方向の超電導線の隣合うターン間に間隙を設け
るようにしてもよい。また、第5実施例の環状レースト
ラック形の巻枠22Dに代えて、図23に示すように、
直線部分がないオーバル形の環状巻枠21Eを使用して
もよい。
【0030】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
装置によれば、各コイルユニットは、巻き付ける超電導
線の、巻枠の軸線に対して外方向に隣合う、或いは巻枠
の幅方向に隣合うターン間にスペーサが介在され、この
スペーサがターン間に隙間を形成させるので、超電導線
の冷却効果を容易に高めることができ、クエンチを防止
する。また、各コイルユニットは、実質的に同じ構造、
同じ形状を有し、互いに所定の間隔を置いて配列される
ので、各コイルのインピーダンスの調整が容易であり、
一様な推力が得られ、製造が容易で、モジュール化にも
適し、コイル電流の位相パターンも任意に選択すること
ができる。更に、各コイルユニットの二次導体に対向す
る面は、二次導体の形状に適合してフラットであっても
よいし、二次導体側に向かって突出してもよく、各コイ
ルユニットの巻枠は、全体としてコイルユニットの軸線
に関して外方向に突出する形状を有するので、従来の鞍
型のコイルとは異なり、この巻枠に超電導線を巻回する
際には、巻枠を回転させながら、超電導線に所要の張力
を掛けながら巻くことができ、巻枠に巻かれた超電導線
には緩みが生じ難く、巻線の動きによるクエンチを防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リニア誘導モータの一次コイル組立体が適用さ
れる、薄鋼板製造中のストリップの蛇行を制御する蛇行
制御装置の斜視図である。
【図2】従来の、鞍形一次コイル組立体の分解斜視図で
ある。
【図3】図2の3つのコイルの組立体の斜視図である。
【図4】従来の鞍形一次コイル組立体と2次導体である
ストリップとの位置的関係を示すための側面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の、超電導リニア誘導モ
ータの一次コイル組立体の斜視図である。
【図6】図5に示す一次コイル組立体の正面図である。
【図7】図6の円A部の詳細拡大図である。
【図8】図7のB−B線に沿う断面図である。
【図9】図7のD矢視図である。
【図10】図8の円C部の詳細拡大図である。
【図11】第2の実施例のコイルユニットの要部側面図
である。
【図12】図11のE−E線に沿う断面図である。
【図13】コイルユニットの配列例を示す上面図であ
る。
【図14】コイルユニットの別の配列例を示す側面図で
ある。
【図15】本発明の超電導リニア誘導モータの一次コイ
ル組立体の使用例を示す斜視図である。
【図16】本発明の超電導リニア誘導モータの一次コイ
ル組立体の、別の使用例を示す斜視図である。
【図17】本発明の第3の実施例を示す、一次コイル組
立体の斜視図である。
【図18】本発明の第4の実施例を示す、一次コイル組
立体の斜視図である。
【図19】本発明の第5の実施例を示す、一次コイル組
立体の平面図である。
【図20】図19のF−F線に沿う断面図である。
【図21】図19に示すコイルユニットの一部切欠き部
分平面図である。
【図22】図21のG−G線に沿う断面図である。
【図23】環状レーストラック形巻枠の変形例を示す平
面図である。
【符号の説明】
20,20B,20C,20D 一次コイル組立体 21,21A,21B,21C,21D コイルユニット 22,22B,22C,22D 巻枠 23,23D,27 スペーサ 24 交流用超電導線 26,26A,26B,26C,26D,26E,26F,28 二次導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 靖三 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 修一 千葉県富津市新富20番1号 新日本製鐵株 式会社技術開発本部内 (72)発明者 谷田部 伸一 千葉県富津市新富20番1号 新日本製鐵株 式会社技術開発本部内 (72)発明者 塚本 修巳 神奈川県横浜市保土ケ谷区常盤台156

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性、かつ、非導電性の巻枠と、この
    巻枠に巻き付けた交流用超電導線とを備えた複数のコイ
    ルユニットからなる超電導リニア誘導モータの一次コイ
    ル組立体において、前記コイルユニットは、巻き付ける
    超電導線の、巻枠の軸線に対して外方向に隣合う、或い
    は巻枠の幅方向に隣合うターン間に介在され、ターン間
    に隙間を形成させる、非磁性、かつ、非導電性のスペー
    サを備え、各コイルユニットは、実質的に同じ構造、同
    じ形状を有し、互いに所定の間隔を置いて配列されるこ
    とを特徴とする超電導リニア誘導モータの一次コイル組
    立体。
  2. 【請求項2】 二次導体に対向して配置され、前記各コ
    イルユニットは、二次導体の形状に沿って配列されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の超電導リニア誘導モータ
    の一次コイル組立体。
  3. 【請求項3】 前記各コイルユニットの二次導体に対向
    する面は、二次導体の形状に適合してフラットであり、
    前記各コイルユニットの端面はD字形状を有することを
    特徴とする請求項2記載の超電導リニア誘導モータの一
    次コイル組立体。
  4. 【請求項4】 前記各コイルユニットの二次導体に対向
    する面は、二次導体の形状に適合するように、コイルユ
    ニットの軸線に関して二次導体側に向かって突出するこ
    とを特徴とする請求項2記載の超電導リニア誘導モータ
    の一次コイル組立体。
  5. 【請求項5】 前記二次導体は棒状の長尺体であり、前
    記巻枠は環状をなし、前記各コイルユニットは、二次導
    体の外周に配置されることを特徴とする請求項2記載の
    超電導リニア誘導モータの一次コイル組立体。
  6. 【請求項6】 前記巻枠は、その端面が環状のレースト
    ラック形状をなし、前記各コイルユニットは、所定のピ
    ッチで互いに重なり合って配列されることを特徴とする
    請求項1記載の超電導リニア誘導モータの一次コイル組
    立体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017171111A (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 映二 白石 航空機用の装置
US10183453B2 (en) 2013-03-14 2019-01-22 Acufocus, Inc. Process for manufacturing an intraocular lens with an embedded mask

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