JPH0536260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、基板に取り付けるコイルボビンの構
成部品間、コイルボビンに巻線を施したトランス
本体の巻線と磁性コアとの間の電気絶縁、ピン端
子相互間、及び周辺部品の間の電気絶縁特性を向
上させた事を特徴とするスイツチング電源用トラ
ンス、又はコモンモードチヨークコイル等（以下
コイルと称す）の、電気絶縁特性を向上した多巻
線インダクタの構成に関するものである。 従来、この種の多巻線インダクタの一つである
トランスは、第１図に示すコイルボビン２０の端
子板１５より、ピン端子５を端子板の下面に垂直
に巻芯１の軸芯方向に植設し、巻芯１に巻回した
巻線（図示せず）の引出し線をピン端子５に直接
巻き付ける為、引出し線と基板間の間隔が短くな
り、十分な電気絶縁が得られないという欠点があ
つた。更に隣接部品との電気絶縁にも問題が発生
することがしばしばあつた。 又、磁性コアと巻線相互間の電気絶縁は、巻線
の外周及び巻線間に電気絶縁テープを巻き付けて
行つていたが、電気絶縁が充分でない時には、巻
線間や、磁性コアを間にして巻線間で電気絶縁破
壊が生ずると云う問題が発生していた。 本考案は、従来のトランス、コイル等の多巻線
インダクタに生じていたこれらの欠点を除去する
為、第２図に示す様に巻線が巻回される巻芯１
と、その両端より張り出す鍔２と、基板へ取り付
ける端子板３の巻線が施される面上に横溝６と側
面のピン端子間に縦溝１８を設け、横溝６及び縦
軸１８に、電気絶縁材よりなる底面に設けた絶縁
板８と下面に設けた小型絶縁板９を取り付けた２
つの絶縁カバーにより巻線を施したコイルボビン
を包み込み、コイルボビンの両側より絶縁カバー
を組み合わせ、巻線と、磁性コアと、巻線の引き
出し線を接続したピン端子間を絶縁するものであ
る。 絶縁カバー１２の側壁７に設けた接合凸部１１
は、他方の絶縁カバーの対向位置に設けた接合凹
部１７と嵌合し、２つの絶縁カバー１２を組み合
わせる。絶縁カバー１２夫々の底面の両側には２
枚の大型の絶縁板８と、下面には端子板３に植設
したピン端子５の相互間を絶縁するためピン端子
５の間の縦溝１８には小型絶縁板９を、ピン端子
に挿入する切込み１０を設ける事により、２つの
絶縁カバーを組み合せることにより、ピン端子
間、及び巻線間の電気絶縁特性に優れたスイツチ
ング電源用トランス、或はコモンモードチヨーク
コイル等の多巻線インダクタを得る事を目的とす
る。 以下、本考案の一実施例について、図面を参照
しながら詳細に説明する。 第２図は、本考案の一実施例を示す磁性コア１
４、コイルボビン２０、絶縁カバー１２の組合せ
を示す分解斜視図であり、磁性コア１４をコイル
ボビン２０の本体に組込み、コアホルダー（図示
せず）により分割された磁性コア１４を組みつけ
固定した後、絶縁カバー１２によつてコイルボビ
ンに巻線（図示せず）を施したトランス、又はコ
イルを包む形状を示すものである。コイルボビン
２０に磁性コア１４を組み込み、予めコイルボビ
ン２０の端子板３の巻線を施す面上に設けた横溝
６に、絶縁カバー１２の底面の両側に設けた絶縁
板８を、コイルボビン２０の巻芯１に巻回した巻
線（図示せず）と、磁性コア１４との間に挿入
し、又端子板３の縦溝１８に絶縁カバー１２の下
面に設けてある小型絶縁板９を、ピン端子５には
切込み１０が組合うように相対し組み合わせ接合
し、絶縁カバー１２の接合凸部１１と接合凹部１
７をかん合し固定する。 第３図は、第２図Ａ−Ａ線で上下方向に切断し
た断面図を示し、絶縁カバー１２を組合せた本考
案による多巻線インダクタを直接基板に挿入した
状態を示す断面図である。１はコイルボビン２０
の巻芯、１４は磁性コア、１６は基板、３は端子
板、８は絶縁カバー１２の絶縁板を示し、１３は
巻芯１に巻回された巻線を示している。 端子板３には巻線の引き出し線を接続するピン
端子を植設し、磁性コア１４と基板１６との電気
絶縁をはかる為、端子板３の上面に横溝６と側面
のピン端子間に縦溝１８が設けてある。 以上に述べた如く、本考案によるトランス、コ
イル等の多巻線インダクタは、コイルボビン２０
の巻芯１に巻回した巻線１３の引出し線をピン端
子５に巻き付け半田付けした後、巻線を施したコ
イルボビンの外周に絶縁カバー１２を組み合せる
事により、磁性コアと巻線間、ピン端子の相互
間、トランスコイル等の多巻線インダクタと周辺
の部品間の電気絶縁を更に確実に行うもので、従
来構造のトランス、コイルの多巻線インダクタに
比べ電気絶縁特性は格段に向上し、更に絶縁カバ
ーの絶縁板８とコイルボビンの端子板３の両側上
面に設けた横溝６、絶縁カバー１２の組合せ時の
接合凸部と接合凹部、又はピン端子間に設けた縦
溝と小型絶縁板との隙間部に電気絶縁用シリコン
グリースを塗布するか、電気絶縁用樹脂を塗布
し、巻線、引き出し線、ピン端子間の空気層を完
全に遮断することにより、電気絶縁の完全なトラ
ンス、コモンモードチヨークコイル等の多巻線イ
ンダクタとすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の多巻線インダクタのコイルボ
ビンの構造を示す図。第２図は、本考案の一実施
例を示す磁性コア及び絶縁カバーを組合せる時の
多巻線インダクタを示す分解斜視図。第３図は、
第２図のＡ−Ａ線に沿う上下切断面に於ける断面
図。 １……巻芯、２……鍔、３……端子板、４……
巻枠、５……ピン端子、６……横溝、７……側
壁、８……絶縁板、９……小型絶縁板、１０……
切込み、１１……接合凸部、１２……絶縁カバ
ー、１３……巻線、１４……磁性コア、１５……
端子板、１６……回路基板、１７……接合凹部、
１８……縦溝、２０……コイルボビン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 巻線が巻回される巻芯と巻芯両端の一方にピ
   ン端子を植設した端子板とからなるコイルボビ
   ンの前記ピン端子を植設した端子板の側面のピ
   ン端子の間に設けた縦溝と、端子板の面上に巻
   線と磁性コアとの間を隔絶する絶縁板を通す巻
   芯の両側に設けた横溝とを有するコイルボビン
   と、一方が開口し開口側の両側に互いに嵌合す
   る接合凸部と接合凹部と、巻線と磁性コアとを
   隔絶する底面から開口方向に取りつけた前記コ
   イルボビンの横溝に挿入される絶縁板と、開口
   の下面に前記コイルボビンの縦溝に挿入される
   小型絶縁板と、前記コイルボビンのピン端子を
   挿入する切込みとを設けた対向する絶縁カバー
   とからなり、前記絶縁カバーを巻芯に巻線を施
   した前記コイルボビンを間に両側から組み込み
   嵌合してなることを特徴とする多巻線インダク
   タ。 ２ 請求項１記載の実用新案登録請求の範囲にお
   いて、ピン端子と切込みとの間の空隙、端子板
   の縦溝と小型絶縁板との間の空隙、絶縁板と巻
   線と磁性コアとの間の空隙、及び巻線を施した
   コイルボビンを包む絶縁カバーの内部に、電気
   絶縁用グリース、又は樹脂を充填してなること
   を特徴とする多巻線インダクタ。