JPH0535838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は洗濯機の脚装置に関するものである。

従来の技術 従来の二槽式洗濯機における問題点としては、
洗濯機使用時における振動により洗濯機全体が動
き回り使いにくいという問題があつた。この問題
を従来の洗濯機の構成をもとに説明する。まず、
この洗濯機の振動により全体が動き回り出す振動
の原因としては遠心脱水機により発生する振動時
がもつとも多いため遠心脱水機の構成をもとに説
明する。第３図において、１は洗濯機の外箱で、
外箱１の上方より洗濯機（図示せず）と一体に形
成された脱水受け槽２で内側に円筒状の上方開口
とした脱水カゴ３を内設し、この胴部には多数の
***４を設けている。また脱水カゴ３底面中央部
には脱水シヤフト５を圧入したカツプリング６を
固着させている。脱水受け槽２底部中央に設けた
穴には脱水シヤフト５を挿入させ、かつベロ状に
形成した緩衝ゴム７を装着している。また脱水シ
ヤフト５と駆動モーターシヤフト８をブレーキホ
イールと兼用した軸継ぎ手９にて連結させてい
る。１０は電動駆動モーターで、この駆動モータ
ー１０の下カバーヒンジ部１１には脱水機全体を
防振支持する緩衝体１３にて保持し外箱１の底面
に装着した台枠１２上に設置している。緩衝体１
３はコイルバネ１４にて連結し、かつコイルバネ
１４の外周に防振ゴムの筒１５を挿入し防振効果
を高めるようにしている。このように遠心脱水機
における脱水時の振動は脱水シヤフト５を挿入し
た緩衝ゴム７部と駆動モーター部の下に設けた緩
衝体１３にて振動を防止するようにしている。洗
濯槽にて洗濯した衣類を脱水カゴ３内へ投入して
駆動モーターの電源を入れることにより駆動モー
ターシヤフト８、軸継ぎ手９、脱水シヤフト５、
脱水カゴ３が回転して投入された衣類に含まれた
水分を遠心力にて分離して***４より脱水受け槽
２内へ飛散させて脱水を行なうが、このとき投入
した衣類の回転に対するバランスが悪いと遠心力
のつり合いがとれないため回転体の振れが大きく
なり、この振動がさきに述べた緩衝ゴム７と緩衝
体１３に伝わり、脱水受け槽２および台枠１２へ
と振動が伝わりこの振動が台枠１２の４コーナー
に設けられた脚部１６に装着されている移動コマ
１７に伝わり洗濯機全体を移動させる原因となつ
ている。台枠１２に設けられた移動コマを説明す
ると第４図のように台枠１２、４コーナーに設け
られた脚部１６にコマシヤフト１８を圧入し、か
つコマシヤフト１８に移動コマ１７を回動自在に
挿入している。この移動コマ１７は洗濯機を使用
場所へ設置時に移動するときに、洗濯機を押しこ
ろがしながら設置できるようにしたものである。
このように移動コマ１７は設置時においては使用
勝手が良いが使用時における振動による洗濯機の
移動については逆の作用をするため、第５図のよ
うに洗濯機の前面側２ケ所に固定足１９を装着し
て、後面側２ケ所を従来と同じ移動コマ１７を装
着して洗濯機の振動による移動を小さくさせたも
のがあつた。また第６図および第７図のように前
後ともに固定足１９を装着して洗濯機を動かない
ようにしたものがあつた。

考案が解決しようとする問題点 従来例では第５図、第６図のように後面側のみ
または前面後面ともに固定足１９として、洗濯機
使用時の移動を防止したが、先に述べた洗濯機設
置時における移動がやりにくく設置しにくくなつ
た。たとえば第５図における構造では、後面が移
動コマ１７を装着しているため洗濯機全体を第８
図のように後へ倒して２ケの移動コマ１７で移動
させなければならないが、第４図のように後へ倒
しすぎると台枠１２の脚部コーナー２１へ床がス
レて動かしにくくなる。また第６図のように前後
ともに固定足１９にすると完全に移動させるのに
洗濯機全体を持ち上げなければならなくなる。こ
のように洗濯機全体を移動させることが困難にな
るため設置がやりにくくなる。

本考案はこのような問題点を解決するもので、
使用時における洗濯機の振動による移動防止する
とともに洗濯機の移動を容易とすることを目的と
する。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案の洗濯機の脚
装置は、台枠のコーナーに形成した脚部すべてに
固定足を設けるとともに、前面あるいは後面の脚
部に移動コマを設け、かつ移動コマのシヤフトは
脚部の前面側あるいは後面側に配し、前記移動コ
マの外周が前記脚部の前面あるいは後面より外側
に位置し、洗濯機設置時には移動コマと設置面に
隙間ができるような高さとしたものである。

作 用 この構成により洗濯機を後または前へ倒して移
動コマ２ケにて移動をするとき、従来は脚部中央
へ移動コマを配していたため脚部コーナーが床に
当たつていたが、この脚部コーナー部へ移動コマ
を配することにより脚部コーナー部を支点として
洗濯機を倒して移動することができるため台枠が
床に当たることなく移動させることが可能であ
る。また従来は洗濯機を倒したときすぐに床に脚
部コーナー部が当ることにより、倒立角度が少な
く洗濯機の重心が倒立支点より前へあり移動しに
くかつたが、本考案によりスムーズに倒すことが
でき、かつ重心を倒立支点より後へ移動させて動
かすことができるためスムーズな移動をさせるこ
とが可能である。さらに、すべての脚部に固定足
を有し、かつ、洗濯機設置時には移動コマと設置
面が隙間ができるようにしているので、脱水時に
おける振動をすべての脚部の固定で受けることが
できる。

実施例 以下、本考案の一実施例について第１図および
第２図を参照して説明する。第１図は本考案を実
施した洗濯機の台枠脚部の断面図である。また第
２図は第１図の実施例の全体図である。図におい
て、１は外箱で、１２は外箱１の下面に取り付け
た台枠で、台枠１２の４コーナーに脚部１６を形
成し、かつ脚部外方コーナー部２１近辺に軸支さ
せた移動コマ１７をコマシヤフト１８で回動自在
に装着している。このように脚部外方コーナー部
２１近辺に移動コマ１７を装着することにより洗
濯機を設置移動させるとき第２図のように移動コ
マ１７を装着した方向（前面または後面）へ倒し
て横へ押してやることによりスムーズに洗濯機を
移動させることが可能である。

また、前後４つの脚部１６へ固定足１９を装着
させ、かつ固定足１９を設置した状態で移動コマ
１７と設置床面に空間ａを設けられるようにする
ことにより脱水時における振動による洗濯機の動
きを完全に止めることができ、かつ設置のための
移動時においてもスムーズに洗濯機を倒して移動
させることが可能である。

考案の効果 以上のように本考案によれば、台枠の脚部にお
いて、前面あるいは後面のいずれか一方の脚部に
移動コマを有し、その移動コマの外周が脚部の前
面あるいは後面より外側に位置するところに設け
ているので、洗濯機を倒して移動する時に台枠が
床に当たることがなく、移動がスムーズに行うこ
とができるとともに、洗濯機設置時には移動コマ
と設置面に隙間ができるような高さとしているの
で、洗濯機の使用時の振動による洗濯機の移動を
完全に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における洗濯機の脚
部の断面図、第２図は同洗濯機の側面図、第３図
は従来の洗濯機の断面図、第４図は同洗濯機の脚
部の断面図、第５図および第６図は従来の移動防
止構造を示す図、第７図は固定足の脚部の断面
図、第８図は従来の洗濯機の側面図である。 １……外箱、１２……台枠、１６……脚部、１
７……移動コマ、１８……コマシヤフト、２１…
…コーナー部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯機の外箱底面に装着した台枠と、前記台枠
   のコーナーに形成した脚部を設け、前記脚部はす
   べての脚部に固定足を有するとともに、前面ある
   いは後面のいずれか一方に移動コマを有し、かつ
   移動コマのシヤフトは脚部の前面側あるいは後面
   側に配し、前記移動コマの外周が前記脚部の前面
   あるいは後面より外側に位置し、洗濯機設置時に
   は移動コマと設置面に隙間ができるような高さと
   した洗濯機の脚装置。