JPH0535721Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、衣類や小物の簡便な収納手段として
用いられる折り畳み可能な衣類入れ又は小物入れ
（この明細書において単に衣類入れという）に関
する。

（従来の技術） 例えば衣類は簟笥に収納される場合が多いが、
近年の住宅事情の下では設置スペース等の問題も
あつて全ての衣類を簟笥に収納することが困難に
なつている。

そこで、最近では衣類を収納する簡便な手段と
して、従来から用いられている簟笥や衣類箱に加
えて、紙、プラスチツク、木等で構成された各種
の衣類入れが使用されることが多くなつている。

この種の衣類入れとしては、略直方体の形をし
た衣類ケースが広く用いられているが、該衣類ケ
ースは、その最も広い面積を有する面の一方が開
口されたケース本体と、この本体の開口部を覆う
開閉可能な蓋とで構成されるのが通例である。

（考案が解決しようとする課題） ところで、従来における上記のような衣類ケー
スにおいては、ケース本体の開口部が上部に位置
するように予め設置方向が定められていたため、
例えばベツド下や簟笥の上のような場所（縦方向
つまり高さ方向に余裕がないスペース）には置け
ても、押し入れ内の壁際にできるような幅の狭い
場所（縦方向に比べて横方向に余裕がないスペー
ス）には置けないという問題があつた。しかも、
縦方向に複数の衣類ケースが重ねられている状態
で、下側にある衣類ケース内から衣類を取り出す
場合は、上下に載つている他の衣類ケースを下ろ
した上でなければ取り出せないという面倒さがあ
つた。

また、従来の衣類ケースの場合、外部からケー
ス内を視認することができなかつたため、蓋を閉
めた状態ではケース内に収納されている衣類が何
であるか確認することができなかつた。このため
上記ベツド下のような場所に置いた衣類ケースの
内部を確認する際には、その都度、衣類ケースを
ベツド下から取り出して蓋を開けなければならな
いという問題があつた。

更に、従来の衣類ケースにおいては、例え衣類
を入れない状態でも該ケースの保管場所として比
較的広い（特にケースの数が多くなつた場合）ス
ペースが必要なため、その保管場所に困るという
問題もあつた。

本考案は従来における上記のような問題を解消
するもので、設置スペースないし保管スペースの
形態に応じて折り畳んだり広げたりした状態で設
置することができ、しかも立てた状態及び寝かせ
た状態の何れの場合でも内部に収納されている衣
類を容易に取り出すことができると共に、外側か
ら内部を視認することができ、且つ衣類を入れな
い状態では極めてコンパクトに折り畳んでおくこ
とが可能な衣類入れを提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記目的達成のため、本考案の衣類入れは、可
撓性シート材によつて形成され且つ対応する１辺
で互いに連結されていることにより当該連結部で
折り畳み可能とされた２つの収納部を有し、これ
らの収納部は、夫々その上面及び底面の三方周縁
部が対向する当該収納部の口縁部に止め具を介し
て開閉可能に結合されていると共に、各収納部に
おける少なくとも１つの側面が透明とされている
ことを特徴とする。

この場合において、上記対応する１辺をフアス
ナーで連結することにより、当該連結部で２つの
収納部を分離させ得るようにしてもよい。

また、止め具としてはフアスナー（スライドフ
アスナー、ベルベツド式フアスナー等）、スナツ
プ又はホツクなどを用い、更に上記可撓性シート
材としては、例えば、不織布等の布やビニール等
のプラスチツク製シートを使用する。

（作用） 上記の構成によれば、２つの収納部が対応する
一辺で折り畳み可能に連結されているので、例え
ば縦方向（高さ方向）に余裕の無い場所では当該
衣類入れを広げた状態で置いておき、横方向（幅
方向又は奥行き方向）に余裕の無い場所では折り
畳んだ状態で立てておくことができる。従つて、
ベツド下や押し入れ内の空間のように形態が互い
に異なつた各種の空きスペースを衣類入れの保管
場所として有効に活用することができる。

しかも、両収納部の上面側及び底面側が開口可
能とされているので、当該衣類入れへの衣類の出
し入れは、上記の広げた状態及び折り畳んで立て
た状態更に重ねた状態等の何れの状態でも容易に
行うことができる。

また、両収納部における少なくとも１つの側面
が透明とされているので、従来のように蓋をその
都度開けなくても各収納部内にある衣類が何であ
るかを確認することが可能となる。

更に、全体的に可撓性シート材で構成されてい
るから、衣類を入れない状態では極めてコンパク
トに折り畳んでおくことができ、比較的狭いスペ
ースにも当該衣類入れを保管しておくことが可能
となる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を説明する。

第１，２図に示すように、この実施例に係る衣
類入れ１は、図示の広げた状態で略直方体となる
ように２つの収納部２，３を連設した構成であ
る。

両収納部２，３は、この実施例においては、各
両側面２ａ，２ａ及び３ａ，３ａが透明なビニー
ルによつて形成され、その両側面２ａ，２ａ，３
ａ，３ａ以外の面（各端面２ｂ，２ｂ，３ｂ，３
ｂ及び各底面２ｃ，２ｃ）が不織布によつて構成
されている。そして、第２図に実線で示す状態
で、上記上面２ｄ，３ｄ側に位置する対応辺で両
収納部２，３が互いに連結されていることより、
第２図の鎖線又は第３図に示すように、当該連結
部４で両収納部２，３を折り畳むことができるよ
うになつている。

尚、図例では両収納部２，３の上面２ｄ，３ｄ
が１枚の不織布によつて形成されており、その不
織布の中央部が対応する端面２ｂ，３ｂ側の素材
に縫着されていることにより、上記連結部４が形
成されている。

また、上記両収納部２，３においては、第１，
２図及び第４図に示すように、その底面２ｃ，３
ｃ及び上面２ｄ，３ｄにおける上記連結部４側及
びその近傍を除く三方の周縁部２c₁，２d₁，３
c₁，３d₁が、対応する当該収納部２，３の口縁部
２ｅ，２ｆ，３ｅ，３ｆに各スライドフアスナー
５及び６で開閉可能に夫々結合されている。言い
換えると、上記底面２ｃ，３ｃ及び上面２ｄ，３
ｄにおける三方周縁部２c₁，２d₁，３c₁，３d₁と
これに対向する両収納部２，３の口縁部２ｅ，２
ｆ，３ｅ，３ｆとの間にスライドフアスナー５及
び６が夫々介装されており、それらの各スライド
フアスナー５，６の金具５ａ……５ａ，６ａ……
６ａを所定方向にスライドさせることにより、各
収納部２，３の口縁部２ｅ，２ｆ，３ｅ，３ｆ側
を開口させたり閉鎖したりすることができるよう
になつているのである。

上記の構成によれば、２つの収納部２，３が連
結部４で折り畳み可能とされているので、例えば
縦方向に余裕の無い場所では、第１図又は第２図
の実線で示すように当該衣類入れ１を広げた状態
で置いておくことができる。逆に、横方向に余裕
の無い場所では、例えば収納部２を第２図の矢印
イ方向に操作することにより、第３図に示すよう
に折り畳んだ上でその向きを変えて立てておくこ
とができる。従つて、ベツド下や押し入れ内の空
間のように形態が互いに異なつた各種の空きスペ
ースに衣類入れ１を設置ないし保管しておくこと
ができる。

また、両収納部２，３の底面２ｃ，３ｃ及び上
面２ｄ，３ｄが開口可能とされているから、衣類
入れ１への衣類の出し入れは、上記の広げた状
態、折り畳んで立てた状態又は重ねた状態の何れ
の状態でも容易に行えることとなる。しかも、両
収納部２，３における両側面２ａ，２ａ、及び３
ａ，３ａが透明なビニールによつて形成されてい
るので、従来のように蓋をその都度開けなくても
各収納部２，３内にある衣類が何であるかを確認
することができる。

更に、全体が可撓性シート材によつて構成され
ているから、衣類を入れない状態では衣類入れ１
の全体を極めてコンパクトに折り畳んでおくとが
でき、比較的狭いスペースに当該衣類入れ１を保
管しておくことが可能となる。

尚、この実施例においては、両収納部２，３の
底面２ｃ，２ｃ及び上面２ｄ，３ｄの三方周縁部
２c₁，２d₁，３c₁，３d₁を夫々対応する口縁部２
ｅ，３ｅに開閉可能に結合させる止め具としてス
ライドフアスナー５，６を用いたが、このような
スライドフアスナーに代えて例えばスナツプやホ
ツク、更にベルベツト式フアスナー（所謂マジツ
クテープ式フアスナー）を用いることもできる。
要するに、収納部２，３に対して衣類を出し入れ
することができるように、収納部２，３の底面２
ｃ，３ｃ及び上面２ｄ，３ｄの夫々三方周縁部２
c₁，３c₁，２d₁，３d₁と口縁部２ｆ，３ｆ，２
ｅ，３ｅとを必要に応じた分離ないし結合させ得
るものであればよい。

また、上記連結部４にフアスナーを使用するこ
とにより、該連結部４で両収納部２，３を分離さ
せ得るようにすることもできる。このようにした
場合、例えば両収納部２，３の一方を分離して他
方のみを使用するなど、必要に応じて多様な使い
方をすることができる。

更に、上記実施例では、各収納部２，３の両側
面２ａ，２ａ、及び３ａ，３ａを透明なビニール
で形成し、その他の面２ｂ，２ｃ，２ｄ，３ｂ，
３ｃ，３ｄを不織布で構成したが、このような不
織布で構成した面を必要に応じて透明なビニール
で構成するようにしてもよい。この場合、不織布
を用いると良好な通気性が得られるが、必ずしも
不織布である必要はなく、適当に折り畳むことが
できる可撓性シート材であればよいことは勿論で
ある。

（考案の効果） 以上のように本考案の衣類入れによれば、ベツ
ド下や押し入れ内の空間のように形態が互いに異
なつた各種の空きスペースに合うように、両収納
部を広げた状態だけでなく適当に折り畳んだ状態
や立てた状態でも用いることができる。

また、両収納部の上面及び底面の三方が開閉可
能とされているから、衣類入れへの衣類の出し入
れは、該衣類入れを広げた状態及び折り畳んで立
てた状態の何れの場合でも容易に行うことができ
る。しかも、その場合に、両収納部の透明な側面
を介して各収納部内を確認することができるの
で、収納部内に何があるかを知りたい場合は従来
のように蓋をその都度開けなくても済むことにな
る。

更に、全体が可撓性とされているから、衣類を
入れない状態では極めてコンパクトに折り畳んで
おくことができ、比較的狭いスペースに当該衣類
入れを保管しておくことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
該実施例の衣類入れを示す斜視図、第２図はその
側面図、第３図は両収納部を折り畳んだ状態を示
す同じく側面図、第４図は収納部の上面側の三方
周縁部を開いた状態を示す斜視図である。 １……衣類入れ、２，３……収納部、２ａ，３
ａ……側面、２ｃ，３ｃ……底面、２ｄ，３ｄ…
…上面、２c₁，２d₁，３c₁，３d₁……三方周縁
部、４……連結部、５，６……止め具（スライド
フアスナー）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 可撓性シート材によつて形成され且つ対応す
   る一辺で互いに連結されていることにより当該
   連結部で折り畳み可能とされた２つの収納部を
   有し、これらの収納部は、夫々その上面及び底
   面の三方周縁部が対向する当該収納部の口縁部
   に止め具を介して開閉可能に連結されていると
   共に、各収納部における少なくとも１つの側面
   が透明とされていることを特徴とする衣類入
   れ。 (2) 止め具はフアスナー、スナツプ又はホツクの
   うちの何れか一種である請求項第１記載の衣類
   入れ。 (3) 対応する一辺はフアスナーで互いに連結され
   ていることにより当該連結部で分離可能とされ
   ている請求項第２記載の衣類入れ。