JPH0535156A - クリーニング方法 - Google Patents

クリーニング方法

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JPH0535156A
JPH0535156A JP20993791A JP20993791A JPH0535156A JP H0535156 A JPH0535156 A JP H0535156A JP 20993791 A JP20993791 A JP 20993791A JP 20993791 A JP20993791 A JP 20993791A JP H0535156 A JPH0535156 A JP H0535156A
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JP
Japan
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cleaning blade
photoconductor
developer
cleaning
tip
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Application number
JP20993791A
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English (en)
Inventor
Seiji Kojima
誠司 小島
Kenji Masaki
賢治 正木
Shuji Iino
修司 飯野
Isao Doi
勲 土井
Mochikiyo Osawa
以清 大澤
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂成分を含む有機感光層上に非晶質炭化水
素膜からなる表面保護層が設けられた感光体の表面にク
リーニングブレードの先端部を圧接させて、この感光体
の表面に残留する現像剤を除去するにあたり、現像剤が
感光体の表面に融着したり、現像剤の拭き残しが生じた
り、クリーニングブレードから高周波音が発生したり、
クリーニングブレードが反転したりするのを防止する。 【構成】 樹脂成分を含む有機感光層上にビッカース硬
度が200〜1000の非晶質炭化水素膜からなる表面
保護層が設けられた感光体2の表面にクリーニングブレ
ード1の先端部を圧接させて、この感光体1の表面に残
留する現像剤を除去するにあたり、感光体2の表面に接
触するクリーニングブレード1の先端部の硬度が65〜
70、反発弾性が60〜80%のクリーニングブレード
1を用いるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機やプリンター
等の画像形成装置において、感光体の表面に形成された
トナー画像を転写紙に転写させた後、この感光体の表面
にクリーニングブレードの先端部を圧接させて、感光体
の表面に残留する現像剤をこのクリーニングブレードに
よって除去するようにしたクリーニング方法に係り、特
に、感光体として、樹脂成分を含む有機感光層の上に非
晶質炭化水素膜からなる表面保護層が設けられた感光体
を用いた場合におけるクリーニング方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンター等の画像形成装置に
おいては、従来より感光体の表面に形成されたトナー像
を転写紙に転写した後、この感光体の表面に残留してい
る現像剤を感光体の表面から除去するため、一般に、ウ
レタン系ゴム等で構成されたクリーニングブレードの先
端部を感光体の表面に圧接させ、上記のように感光体の
表面に残留している現像剤をこのクリーニングブレード
によって除去することが行われていた。
【0003】ここで、上記の感光体としては、セレン,
硫化カドミウム,アモルファスシリコン等の無機系の感
光層が形成された感光体の他に、感光性材料を結着樹脂
に配合させてなる有機感光層が形成された感光体も広く
使用されるようになった。
【0004】しかし、このように感光性材料を結着樹脂
に配合させて有機感光層を形成した感光体は、一般にそ
の表面における有機感光層の硬度が低いため、上記のよ
うにクリーニングブレードの先端部をこの感光体の表面
に圧接させてクリーニングを繰り返して行った場合、上
記有機感光層がクリーニングブレードとの接触によって
次第に削れてしまうという問題があった。
【0005】そこで、近年においては、上記のように樹
脂成分を含む有機感光層を形成した感光体の表面に、非
晶質炭化水素膜からなる表面保護層を設けた感光体が使
用されるようになった。
【0006】このように有機感光層が形成された感光体
の表面に非晶質炭化水素膜からなる表面保護層を設けた
場合、一般にこの表面保護層の硬度がビッカース硬度2
00〜1000と高く、このため上記クリーニングブレ
ードによる有機感光層の削れが抑制されるようになっ
た。
【0007】しかし、このように硬度が高くなった感光
体の表面にクリーニングブレードの先端部を圧接させ
て、感光体の表面に残留する現像剤をクリーニングブレ
ードによって除去するようにした場合、感光体の表面に
接触するクリーニングブレード先端部の硬度が低いと、
長期の使用によってクリーニングブレードの先端部が摩
耗して、感光体の表面から現像剤が充分に除去されなく
なり、逆にクリーニングブレードが現像剤を感光体の表
面に押し付けるようになり、この押し付け力や摩擦熱等
によって現像剤が感光体の表面に融着してしまうとい
う、所謂フィルミング現象が発生するという問題が生じ
た。
【0008】また、上記のように非晶質炭化水素膜から
なる表面保護層を設けた場合、感光体表面の摩擦係数が
高くなり、ウレタン系ゴム等で構成されたクリーニング
ブレードをこの感光体の表面に圧接させて感光体を駆動
させる場合、従来の有機感光層を形成しただけの感光体
に比べ、感光体の駆動に2倍以上のトルクが必要になっ
た。
【0009】さらに、この感光体の表面に上記クリーニ
ングブレードを圧接させて感光体を駆動させるにあた
り、有機感光層が形成された感光体に対して一般に使用
されているクリーニングブレードを用いると、クリーニ
ングブレードが微振動し、その振動が周辺の部材と共鳴
して一種の金属音のような高周波音が発生し、所謂ブレ
ード鳴きが生じるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、樹脂成分
を含む有機感光層上に非晶質炭化水素膜からなる表面保
護層が設けられた感光体の表面にクリーニングブレード
の先端部を圧接させて、感光体の表面に残留する現像剤
を上記クリーニングブレードによって除去するにあた
り、上記のようにクリーニングブレードの先端部が削れ
て感光体の表面に現像剤が融着したり、クリーニングブ
レードから金属音のような高周波音が発生したりするの
を防止することを課題とするものである。
【0011】そこで、本発明者等は上記のように非晶質
炭化水素膜からなる表面保護層が設けられた感光体の表
面にクリーニングブレードの先端部を圧接させて現像剤
を除去するにあたり、クリーニングブレードの先端部が
摩耗するのを抑制するため、硬度の高いクリーニングブ
レードを使用することを検討した。しかし、クリーニン
グブレードの硬度をあまり高くし過ぎると、クリーニン
グブレードが脆くなり、感光体との摺擦、現像剤との衝
突、転写紙から回り込んだ紙粉との衝突等によりその先
端部に欠けや荒れ摩耗等による凹凸が生じ、その凹部を
現像剤が通り抜けて、現像剤の拭き残しが発生するとい
う問題が生じた。
【0012】また、本発明者等は、感光体の表面に圧接
させるクリーニングブレードの先端部における反発弾性
が高いほど、クリーニングブレードから金属音のような
高周波音が発生しやすいということを発見し、反発弾性
の低い材料で構成されたクリーニングブレードを用いる
ことを検討した。しかし、クリーニングブレードの反発
弾性が低すぎると、クリーニングブレードの先端部が感
光体に食い込んだ状態になって、クリーニングブレード
と感光体表面との接触面積が大きくなり、感光体を駆動
させる際に、クリーニングブレードの先端部と感光体と
の摩擦力が大きくなって、クリーニングブレードが反転
する等の問題が生じた。
【0013】そこで、本発明者等は、上記のようにクリ
ーニングブレードの先端部が削れて感光体の表面に現像
剤が融着したり、クリーニングブレードから金属音のよ
うな高周波音が発生したりするのを防止すると共に、ク
リーニングブレードの先端部に欠け等が生じて現像剤の
拭き残しが発生したり、感光体を駆動させる際にクリー
ニングブレードが反転したりするのを防止するため更に
研究を重ね、この発明を完成するに至ったのである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、樹脂成分を含む有機感
光層上に非晶質炭化水素膜からなる表面保護層が設けら
れた感光体の表面にクリーニングブレードの先端部を圧
接させて、感光体の表面に残留する現像剤を上記クリー
ニングブレードによって除去するようになったクリーニ
ング方法において、上記感光体における表面保護層のビ
ッカース硬度を200〜1000とし、この感光体の表
面に圧接させるクリーニングブレードとして、感光体の
表面に接触する先端部の硬度が65〜70、反発弾性が
60〜80%のクリーニングブレードを使用するように
したのである。
【0015】ここで、上記のようにクリーニングブレー
ドとして、その先端部の硬度が65〜70のものを用い
るようにしたのは、その硬度が65より低いと、前記の
ようにクリーニングを繰り返し行っているうちにクリー
ニングブレードの先端部が摩耗して、感光体の表面から
現像剤が充分に除去されなくなり、逆にクリーニングブ
レードが現像剤を感光体の表面に押し付けるようになっ
て、現像剤が感光体の表面に融着してフィルミングが発
生する一方、その硬度が70より高いと、クリーニング
ブレードの先端部が脆弱になり、クリーニングを繰り返
し行っているうちに、感光体との摺擦、現像剤との衝
突、転写紙から回り込んだ紙粉との衝突等によりその先
端部に欠けや荒れ摩耗等による凹凸が生じ、その凹部を
現像剤が通り抜け、現像剤の拭き残しが発生するためで
ある。
【0016】また、クリーニングブレードの先端部にお
ける反発弾性が60〜80%のものを用いるようにした
のは、その反発弾性が60%より低いと、前記のように
クリーニングブレードの先端部が感光体に食い込んだ状
態になって、クリーニングブレードと感光体表面との接
触面積が大きくなり、感光体を駆動させた時におけるク
リーニングブレードの先端部と感光体との摩擦力が大き
く、クリーニングブレードが反転してしまい、感光体に
駆動不良が生じたり、感光体が傷付いたりすると共に、
クリーニングブレードが破損したりする等の問題がある
一方、その反発弾性が80%より高いと、クリーニング
ブレードが感光体との摺擦によって微振動し、金属音の
ような高周波音が発生するという所謂ブレード鳴きの現
象が生じるためである。
【0017】なお、この明細書中において、クリーニン
グブレードの先端部における硬度については、日本工業
規格(JIS−K−6301)に規定されるスプリング
式硬さ試験のA形及びC形を用いて測定した値を示し、
またクリーニングブレード先端部の反発弾性について
も、日本工業規格(JIS−K−6301)に規定され
る反発弾性試験によって測定した値を示した。
【0018】また、上記クリーニングブレードとしてウ
レタン系ゴム等で構成されたものを用いた場合、このク
リーニングブレードにおける上記硬度及び反発弾性が温
度によって変化するため、このようなクリーニングブレ
ードを使用する場合には、クリーニングブレード自体、
このクリーニングブレードを保持するホルダー、感光体
等に適当な温度調整手段を設け、この温度調整手段によ
ってクリーニングブレードの温度を調整して、このクリ
ーニングブレードの先端部における硬度が65〜70、
その反発弾性が60〜80%になるようにすることが好
ましい。
【0019】一方、上記のようなクリーニングブレード
によって表面に残留する現像剤を除去する感光体として
は、上記のように樹脂成分を含む有機感光層上にビッカ
ース硬度が200〜1000の非晶質炭化水素膜からな
る表面保護層を設けたものであればどのようなものであ
ってもよく、例えば、導電性支持体上に電荷発生層と電
荷輸送層を順々に積層させた機能分離型の積層感光体
や、導電性支持体上に電荷輸送層と電荷発生層とを順々
に積層させた逆積層型の感光体や、電荷発生機能と電荷
輸送機能とを合わせもつ単層型の感光体であってもよ
い。
【0020】ここで、上記導電性支持体は、その表面が
導電性を有する支持体であればどのようなものであって
もよく、円筒形状,平板状,ベルト状等の形状であって
もよく、またその表面に粗面化処理,酸化処理,着色処
理等を施したものであってもよい。
【0021】また、電荷発生層や電荷輸送層を形成する
のに使用する電荷発生材料,電荷輸送材料,結着樹脂等
も公知の材料を目的に応じて適宜選択して使用すること
ができ、酸化亜鉛,硫化カドミウム,セレン系合金,ア
モルファスシリコン系合金等の無機系材料を使用するこ
とも可能である。
【0022】さらに、上記感光体においては、その帯電
性能,画質,感光層の接着性等を改善するために下引き
層を設けるようにしてもよい。なお、このように下引き
層を設けるにあたっては、紫外線硬化性樹脂,常温硬化
性樹脂,熱硬化性樹脂等の樹脂、その樹脂中に抵抗調整
材料を分散した混合樹脂、金属酸化物,金属硫化物等を
真空中で蒸着法やイオンプレーティング法等で薄膜化し
た真空薄膜材料、プラズマ重合法を用いて作成された不
定形炭素膜,不定形炭化ケイ素膜等を用いることができ
る。
【0023】また、上記のように有機感光層が形成され
た感光体において、その表面にビッカース硬度が200
〜1000の非晶質炭化水素膜からなる表面保護層を設
けるにあたっては、図1や図2に示すような公知のプラ
ズマ−CVD装置を使用することができる。
【0024】ここで、図1に示すプラズマ−CVD装置
においては、第1〜第6のタンク101〜106に、常
温において気相状態にある原料及びキャリアガスを密封
させるようにし、これらの各タンク101〜106に、
それぞれ対応する第1〜第6の調節弁107〜112
と、第1〜第6の流量制御器113〜118とを接続さ
せている。
【0025】また、第1〜第3の容器119〜121に
は、常温において液相または固相状態にある原料を封入
させるようにしており、これらの容器119〜121に
封入された各原料を気化させるため、各容器119〜1
21にそれぞれ対応する第1〜第3の温調器122〜1
24を設けている。さらに、これら各容器119〜12
1には、それぞれ対応する第7〜第9の調節弁125〜
127と、第7〜第9の流量制御器128〜130とを
接続させている。
【0026】そして、これらのガスを混合器131内に
おいて混合した後、主管132を介して反応室133に
送り込むようになっている。なお、途中の配管部分にお
いては、常温において液相または固相状態にあった原料
化合物を気化させたガスが凝結しないように、配管部分
の適当な位置に配管加熱器134を配置し、加熱できる
ようにしている。
【0027】また、反応室133においても、常温にお
いて液相または固相状態にあった原料化合物を気化させ
たガスが凝結しないように、その周囲に反応室加熱器1
51を配置し、加熱できるようにしている。
【0028】そして、この反応室133内においては、
接地電極135と電力印加電極136とを対向するよう
にして設置すると共に、これらの両電極135,136
にそれぞれ電極加熱器137を設け、両電極135,1
36を加熱できるようにしている。
【0029】ここで、電力印加電極136には、接続選
択スイッチ144を介して、高周波電力用整合器138
が設けられた高周波電源139と、低周波電力用整合器
140が設けられた低周波電源141と、ローパスフィ
ルタ142が設けられた直流電源143とを接続させ、
上記接続選択スイッチ144により、周波数の異なる電
力を適宜選択して印加できるようにしている。
【0030】また、上記反応室133内の圧力を調整す
るために圧力制御弁145を設けており、反応室133
内の圧力を減圧する場合には、排気系選択弁146を介
して、拡散ポンプ147,油回転ポンプ148により、
あるいは冷却除外装置149,メカニカルブースターポ
ンプ150,油回転ポンプ148によって行うようにし
ている。なお、排ガスについては、さらに適当な除外装
置153を介して安全無害化した後に、大気中に排気す
るようにしている。
【0031】さらに、これら排気系配管においても、常
温において液相または固相状態にあった原料化合物を気
化させたガスが途中で凝結しないようにするため、配管
加熱器134を適当な位置に配置し、加熱できるように
している。
【0032】また、図2に示すプラズマ−CVD装置
は、反応室133内部の形態が上記の図1に示したプラ
ズマ−CVD装置と異なるだけであり、他の部分は上記
のプラズマ−CVD装置と同じである。
【0033】ここで、図2に示すプラズマ−CVD装置
においては、反応室133の内部に接地電極135とし
て、有機系感光層が導電性支持体上に形成されてなる円
筒形の基板152を設置し、その内部に電極加熱器13
7を配するようにしている。また、上記基板152周囲
には同じく円筒形状をした電力印加電極136を配し、
さらにその外側に電極加熱器137を配している。な
お、有機系感光層が形成されている基板152は、外部
より駆動モータ154を用いて自転できるようにしてい
る。
【0034】そして、これらのプラズマ−CVD装置を
使用して、感光体に非晶質炭化水素膜からなる表面保護
層を設けるにあたっては、上記反応室を拡散ポンプによ
り予め10-4〜10-6Torr程度まで減圧し、真空度
の確認と装置内部に吸着したガスの脱着を行うと共に、
必要に応じて、電極加熱器により、電極並びに電極に固
定して配された基板を所定の温度まで昇温する。なお、
このように基板を昇温させる場合、感光体に形成された
有機系感光層の熱変成を防止するために、基板温度を1
00℃以下(常温〜100℃)に設定する。
【0035】次いで、第1〜第6タンク及び第1〜第3
容器から適宜炭化水素系の原料ガスを第1〜第9流量制
御器を用いて定流量化しながら反応室内に導入し、圧力
調整弁により反応室内を一定の減圧状態に保つようにす
る。
【0036】そして、ガス流量が安定化した後、接続選
択スイッチにより、例えば、低周波電源を選択し、電力
印加電極に低周波電力を投入し、両電極間において放電
を開始させて、基板上に固相の膜を形成する。なお、こ
のように基板上に固相の膜を形成するにあたっては、そ
の反応時間によってその膜厚を制御し、所定の膜厚に達
したところで放電を停止し、感光体に非晶質炭化水素膜
からなる表面保護層を設けるようにする。
【0037】また、このようにして感光体に非晶質炭化
水素膜からなる表面保護層を設ける場合、必要に応じて
この非晶質炭化水素膜に、酸素,窒素,周期律表第3族
原子,周期律表第4族原子,周期律表第5族原子等の不
純物を含有させてもよい。
【0038】なお、原料ガスにブタジエンを用い、有機
感光層が形成された感光体の表面に上記のようにして非
晶質炭化水素膜からなる表面保護層を設けるようにした
場合、形成される非晶質炭化水素膜は概ね下記のような
物性を有する。 正孔易動度 10-7〜10-10[cm2/V/sec] 電子易動度 10-7〜10-10[cm2/V/sec] イオン化ポテンシャル 5.0〜5.8[eV] 光学的禁制帯幅 2.0〜2.8[eV] 比誘電率 2.4〜3.0 可視光吸収係数 200〜4000[l/cm] スピン密度 2.0×1018〜9.0×1019[l/cm] 屈曲率 1.5〜1.7 ビッカース硬度 200〜1000 熱伝導度 5〜12[W/mK]
【0039】なお、使用する原料ガスによっては、上記
のような物性からはずれるものもあるが、この発明にお
いて、感光体の表面に形成する非晶質炭化水素膜からな
る表面保護層は一般に下記の1〜4の構造的特徴を備え
るものである。 1.少なくとも炭素原子と水素原子とを含有すること。 2.構造中にC=C結合を有すること。 3.構造中に未結合手を有すること。 4.不定形構造を有し、X−ray回折やラマン散乱等
に明確なピークを有さないこと。
【0040】また、この発明において、上記のようにし
て製造された感光体を使用するにあたり、液晶シャッタ
ーアレイ,PLZTシャッターアレイ等の可視光を光源
とした作像システム或いは一般の複写機で常用されてい
る可視光及びレンズとミラー光学系によるアナログ作像
システムにおいて使用する場合には、比視域に感度を有
する感光体を用いるようにし、また半導体レーザー(7
80nm)光学系やLEDアレイ(680nm)光学系
等の長波長光を用いた作像システムにおいて使用する場
合には、長波長域に感度を有する感光体を用いるように
する。
【0041】そして、上記のように非晶質炭化水素膜か
らなる表面保護層が形成された感光体の表面にクリーニ
ングブレードの先端部を圧接させて、感光体の表面に残
留する現像剤をこのクリーニングブレードによって除去
するにあたっては、通常、図3の(A)に示すように、
一定厚みになった平板状のクリーニングブレード1をブ
レード保持部材11に保持させ、このクリーニングブレ
ード1の先端部を回転する感光体2の表面に圧接させる
ようになっている。
【0042】なお、このようにクリーニングブレード1
の先端部を感光体2の表面に圧接する場合、感光体2の
表面に接触するクリーニングブレード1の接触面1a
と、その接触点における感光体2の接線Xとの角度θ,
すなわちクリーニングブレード1の圧接角θが8〜20
°、感光体2に対するクリーニングブレード1の圧接力
が0.1〜10g/mmになるように設定することが好
ましい。
【0043】また、この発明において使用するクリーニ
ングブレード1は同図の(A)に示すような平板状のも
のに限られず、例えば、同図(B)に示すように、上記
感光体2の表面に接触するクリーニングブレード1の先
端部において、感光体2と反対側の角部が角取りされて
先端部が鋭角になったものや、同図(C)に示すよう
に、クリーニングブレードの厚さが一定でなく、感光体
2の表面に接触するクリーニングブレード1の先端部が
薄くなったものや、同図(D)に示すように、感光体2
の表面に接触するクリーニングブレード1の先端部が湾
曲したたわみ型のものを用いることも可能である。
【0044】なお、これらいずれのクリーニングブレー
ド1を用いる場合も、上記の場合と同様に、感光体2に
接触するクリーニングブレード1の接触面1aと、その
接触点における感光体2の接線Xとのなす角度θ,すな
わちクリーニングブレード1の圧接角θを8〜20°に
設定すると共に、感光体2に対するこれらのクリーニン
グブレード1の圧接力を0.1〜10g/mmに設定し
て使用することが好ましい。
【0045】また、上記のように回転する感光体2の表
面から残留する現像剤を効率良く掻き落とすため、図4
に示すように、クリーニングブレード1を感光体2の軸
方向に揺動させるようにすることが好ましい。
【0046】さらに、使用する感光体2の種類によって
は、クリーニングブレード1によって長時間一定の箇所
が圧接され続けると、ハーフ画像を複写した場合に、そ
の接触部分が画像ノイズとして現れる、いわゆる接触メ
モリーを起こすものも存在するため、感光体2が回転し
ていない時には、上記クリーニングブレード1を、感光
体2の表面から離すようにすることが好ましい。
【0047】
【作用】この発明においては、上記のように有機感光層
上にビッカース硬度が200〜1000の非晶質炭化水
素膜からなる表面保護層を設けた感光体の表面にクリー
ニングブレードの先端部を圧接させて、感光体の表面に
残留する現像剤を上記クリーニングブレードによって除
去するにあたり、上記のように感光体の表面に接触させ
るクリーニングブレードの先端部の硬度が65〜70及
び反発弾性が60〜80%のクリーニングブレードを用
いるようにする。
【0048】このように感光体の表面に接触する先端部
の硬度が65〜70になったクリーニングブレードを用
いて上記のような感光体の表面に残留する現像剤を除去
するようにしたため、クリーニングを繰り返し行った場
合においてもクリーニングブレードの先端部における摩
耗が少なく、感光体の表面に残留する現像剤を長期にわ
たって安定して除去することができ、従来のように、ク
リーニングブレードが現像剤を感光体の表面に押し付け
るようになって、現像剤が感光体の表面に融着されてフ
ィルミングされるということがなくなると共に、感光体
との摺擦、現像剤との衝突、転写紙から回り込んだ紙粉
との衝突等によって、クリーニングブレードの先端部に
欠けや荒れ摩耗等による凹凸が生じるということもな
く、現像剤の除去が確実に行われ、現像剤の拭き残しも
なくなる。
【0049】また、上記のように感光体の表面に接触す
る先端部の反発弾性が60〜80%になったクリーニン
グブレードを用いて上記のような感光体の表面に残留す
る現像剤を除去するようにしたため、このクリーニング
ブレードの先端部を上記のように感光体の表面に圧接さ
せて感光体を駆動させた場合において、クリーニングブ
レードが微振動して一種の金属音のような高周波音が発
生するというブレード鳴きがなくなると共に、感光体を
駆動させた際にクリーニングブレードが反転するという
こともなくなる。
【0050】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て具体的に説明する。
【0051】ここで、この発明の実施例のクリーニング
方法を実施するにあたって使用したクリーニング装置の
例を図5に基づいて具体的に説明する。
【0052】ここで、この実施例において使用したクリ
ーニング装置10においては、クリーニングブレード1
としてウレタン系ゴムで構成された平板状のものを用い
るようにした。一方、感光体2としては円筒状になった
ものを用いるようにし、図6に示すように、導電性支持
体2a上に樹脂成分を含む有機感光層2bを形成し、さ
らにこの有機感光層2b上にビッカース硬度が200〜
1000になった非晶質炭化水素膜からなる表面保護層
2cを設けられたものを用いるようにした。
【0053】そして、上記感光体2を周速26〜50c
m/secの高速で回転させる一方、上記クリーニング
ブレード1をブレード保持部材11に保持させ、このク
リーニングブレード1の先端部を上記のように回転する
感光体2の表面に圧接させるようにした。
【0054】ここで、上記のようにクリーニングブレー
ド1の先端部を回転する感光体2の表面に圧接させるに
あたっては、このクリーニングブレード1を保持した上
記ブレード保持部材11を圧力調整用のスプリング12
が設けられた押圧部材13に取り付け、この圧力調整用
のスプリング12の付勢力によって、クリーニングブレ
ード1の先端部を上記感光体2の表面に圧接させるよう
にした。
【0055】また、このクリーニング装置10において
は、上記感光体2及びブレード保持部材11を加熱手段
(図示せず)によって加熱できるようにし、この加熱手
段によってブレード保持部材11に保持された上記クリ
ーニングブレード1の温度を調整して、感光体2の表面
に接触するクリーニングブレード1の先端部の硬度が6
0〜70、反発弾性が60〜80%になるようにした。
【0056】そして、上記ブレード保持部材11を介し
て感光体2に対するクリーニングブレード1の角度を調
整し、感光体2に接触するクリーニングブレード1の接
触面1aと、その接触点における感光体2の接線Xとの
なす角度θ、所謂感光体2に対するクリーニングブレー
ド1の圧接角θを8〜20°になるようにすると共に、
上記圧力調整用のスプリング12によって、クリーニン
グブレード1の圧接力を調整し、感光体2に対するクリ
ーニングブレード1の圧接力が0.1〜10g/mmの
範囲になるようにした。
【0057】このようにしてクリーニングブレード1の
先端部を、周速26〜50cm/secの高速で回転す
る感光体2の表面に圧接させ、このクリーニングブレー
ド1によって、感光体2の表面に残留している現像剤を
掻き落とすようにし、このように掻き落とされた現像剤
を、回転羽根ホルダー14に取り付けられた案内部材1
5により回転羽根ホルダー14内の回収羽根16に導
き、この回収羽根16によって掻き落とされた現像剤を
搬送して回収ボトル(図示せず)に回収するようにし
た。
【0058】次に、上記のようなクリーニング装置10
を、図7に示すように、電子写真装置20に搭載して転
写後における感光体2の表面に残留している現像剤を除
去する場合について具体的に説明する。
【0059】ここで、上記電子写真装置20としては、
市販の複写機(ミノルタカメラ株式会社製,EP87
0)を改造し、使用する感光体2の帯電極性に応じて、
プラス帯電とマイナス帯電との切り換えが行えるように
したものを用いるようにした。
【0060】そして、上記のように円筒状の導電性支持
体2a上に樹脂成分を含む有機感光層2bが形成され、
さらにこの有機感光層2b上にビッカース硬度が200
〜1000になった非晶質酸化水素膜からなる表面保護
層2cが設けられてなる感光体2をこの電子写真装置2
0に搭載すると共に、上記のクリーニング装置10を転
写・分離器21とイレーサーランプ22との間に配する
ようにした。
【0061】そして、このように搭載した感光体2を2
6〜50cm/secの高速で回転させ、この感光体2
の表面を帯電器23によって帯電させた後、光学系24
によって画像情報に基づいた露光を行い、上記感光体2
の表面に静電潜像を形成するようにした。
【0062】次いで、このように感光体2の表面に形成
された静電潜像に現像装置25から現像剤を供給して感
光体2の表面にトナー像を形成するようにした。
【0063】そして、このように感光体2の表面に形成
されたトナー像を、転写・分離器21を介して記録紙2
6上に転写させ、このように転写されたトナー像を定着
ローラ27によって記録紙26上に定着させた後、排紙
トレイ28に排紙するようにした。
【0064】一方、上記のようにして感光体2からトナ
ー像を記録紙26に転写した後は、クリーニング装置1
0に設けられたクリーニングブレード1の先端部を、前
記のようにして回転する感光体2の表面に圧接させ、こ
のクリーニングブレード1によって感光体2の表面に残
留している現像剤を掻き落として、感光体2の表面から
除去した後、この感光体2の表面をイレーサーランプ2
2で除電するようにした。
【0065】次に、上記のような電子写真装置20を使
用し、感光体2の表面に圧接させるクリーニングブレー
ド1の先端部の硬度及び反発弾性を変化させて、転写後
において感光体2の表面に残留する現像剤を除去する実
験を行い、クリーニングブレード1における前記のよう
なブレード鳴き,クリーニングブレード1の反転の状
況,クリーニングブレード1による現像剤の拭き残し,
感光体2への現像剤のフィルミングを調べるようにし
た。
【0066】ここで、感光体2の表面に圧接させるクリ
ーニングブレード1としては、下記の表1に示すウレタ
ンゴム材料で構成された9種類のクリーニングブレード
B1〜B9を用いるようにした。
【0067】また、これらのクリーニングブレードB1
〜B9の感光体2の表面に接触する先端部の硬度および
反発弾性を変化させるにあたっては、上記電子写真装置
20を環境試験室内に設置し、この環境試験室における
温度調整とクリーニングブレード1自体の温度を調整す
る前記加熱手段とによってその温度を0〜60℃まで変
更できるようにした。
【0068】
【表1】
【0069】そして、上記のようなウレタンゴム材料で
構成された各クリーニングブレードB1〜B9の温度の
変化による硬度や反発弾性等の各特性の変化を下記の表
2〜表10に示した。ここで、各クリーニングブレード
B1〜B9における温度は接触式温度計(日置社製,3
412)で測定するようにした。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】
【表8】
【0077】
【表9】
【0078】
【表10】
【0079】一方、この実験においては、上記の電子写
真装置20に搭載する感光体2として、下記のようにし
て製造したものを用いるようにした。
【0080】ここで、この感光体においては、導電性支
持体として、マグネシウムを0.7重量%,ケイ素を
0.4重量%含有したアルミニウム合金で構成され、外
径が80mm,長さが340mm,肉厚が2mmになっ
た円筒状のものを用いるようにした。
【0081】一方、下記の化1に示すアゾ化合物0.4
5重量部と、ポリエステル樹脂(東洋紡績社製,バイロ
ン200)0.45重量部とシクロヘキサノン50重量
部とをサンドグラインダーに入れて24時間分散させ、
20℃における粘度が20cpの電荷発生層用塗液を調
整した。
【0082】
【化1】
【0083】そして、このように調整した電荷発生層用
塗液中に上記導電性支持体を浸漬させ、導電性支持体の
表面にディッピング法によって上記電荷発生層用塗液を
塗布し、その後これを20℃の循環空気中で30分間乾
燥させて、導電性支持体の表面に膜厚が0.3μmの電
荷発生層を形成した。
【0084】次いで、下記の化2に示すスチリル化合物
10重量部と、ポリカーボネイト樹脂(帝人化成社製,
パンライトK−1300)7重量部とを1,4−ジオキ
サン40重量部からなる溶媒中に溶解させて、20℃に
おける粘度が240cpの電荷輸送層用塗液を調整し
た。
【0085】
【化2】
【0086】そして、上記のように電荷発生層が形成さ
れた導電性支持体をこの電荷輸送層用塗液中に浸漬さ
せ、導電性支持体に形成された上記電荷発生層上に、デ
ィッピング法によって上記電荷輸送層用塗液を塗布し、
これを100℃の循環空気中で30分間乾燥させて、膜
厚が32μmになった電荷輸送層を形成した。
【0087】このようにして導電性支持体上に電荷発生
層と電荷輸送層とからなる有機感光層を形成した後、こ
の有機感光層上に非晶質炭化水素膜からなる表面保護層
を設けるようにした。
【0088】ここで、非晶質炭化水素膜からなる表面保
護層を設けるにあたっては、前記の図2に示したプラズ
マCVD装置を使用し、下記に示す成膜条件で非晶質炭
化水素膜からなる表面保護層を設けるようにした。
【0089】 (成膜条件) 原料ガス ブタジエン 15sccm キャリアガス 水素 300sccm 真空度 1Torr 電極間距離 38mm ドラム回転数 5rpm 電力 150W 電源周波数 80KHz ドラム温度 70℃ 成膜時間 3分間 このようにして非晶質炭化水素膜の成膜を行った場合、
ビッカース硬度600で膜厚が0.10μmになった非
晶質炭化水素膜からなる表面保護層が得られた。
【0090】なお、表面保護層のビッカース硬度を変更
させるためには、原料ガス種,成膜時間,ドラム温度等
を考慮する必要があるが、一般に真空度を高くすればビ
ッカース硬度の高い表面保護層が形成されるようにな
り、例えば、上記の条件において真空度だけを変更さ
せ、その真空度を2Torrにするとビッカース硬度が
200、1.5Torrにするとビッカース硬度が40
0,0.7Torrにするとビッカース硬度が800,
0.5Torrにするとビッカース硬度が1000にな
った表面保護層が得られる。
【0091】また、上記のような感光体の表面に静電潜
像を形成した後、前記のように現像装置25から現像剤
を供給して感光体の表面にトナー像を形成するにあた
り、上記現像装置25に用いる現像剤としては、トナー
とキャリアとを含む2成分系のものを用いるようにし
た。
【0092】ここで、トナーとしては、スチレン−n−
ブチルメタクリレート樹脂(軟化点132℃,ガラス転
移点60℃)100重量部と、カーボンブラック(三菱
化成株式会社製,MA#8)5重量部と、ニグロシン染
料(オリエント化学株式会社製,ボントロンN−01)
3重量部と、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業株
式会社製,ビスコール550P)2重量部とをボールミ
ルで充分混合し、次いでこれらを140℃に加熱した3
本ロール上で混練した後、これを放置して冷却させ、そ
の後、これをフィザーミルを用いて粗粉砕し、さらにジ
ェットミルで微粉砕した。そして、このように微粉砕さ
れたものを風力分級し、平均粒径が9μmになったプラ
ス帯電性のトナーを用いるようにした。
【0093】また、このトナーを使用するにあたって
は、このトナー100重量部に対し、日本アエロジル社
製のコロイダルシリカR−974(商品名)を0.01
重量部を加えて後処理したものを用いるようにした。
【0094】一方、キャリアとしては、ポリエステル樹
脂(軟化点123℃,ガラス転移点65℃,AV23,
OHV40)100重量部と、Fe−Zn系フェライト
微粒子(TDK株式会社製,MRP−2)500重量部
と、カーボンブラック(三菱化成株式会社製,MA♯
8)2重量部とを、ヘンシェルミキサーによって充分に
混合して粉砕し、次いで、シリンダ部180℃,シリン
ダヘッド部170℃に設定した押し出し混練機を用いて
溶融・混練し、この混練物を冷却させた後、フィザーミ
ルで粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕した後、分
級機を用いて分級し、平均粒径が60μmになったキャ
リアを用いるようにした。
【0095】そして、上記の各クリーニングブレードB
1〜B9を用い、上記電子写真装置20によって耐刷試
験を行うようにした。
【0096】ここで、耐刷試験を行うにあたっては、電
子写真装置20に搭載した上記感光体2を回転させ、こ
の感光体2の表面を前記帯電器23によって−800V
に帯電させるようにした。そして、このように帯電され
た感光体2の表面に前記の光学系24により6%チャー
トを用いて露光を行い、感光体2の表面に静電潜像を形
成した後、この感光体2の表面に現像装置25から上記
現像剤を供給してトナー像を形成し、このように感光体
2の表面に形成されたトナー像を記録紙26に転写させ
た後、この感光体2の表面に残留する現像剤を上記の各
クリーニングブレードB1〜B9を用いて除去するよう
にした。
【0097】また、感光体2の表面に残留する現像剤を
上記の各クリーニングブレードB1〜B9を用いて除去
するにあたっては、各クリーニングブレードB1〜B9
の温度をそれぞれ0℃,25℃,50℃に設定し、感光
体2の表面に接触する各クリーニングブレードB1〜B
9の先端部の硬度と反発弾性とを変化させて耐刷試験を
行うようにした。
【0098】このようにして所要数の耐刷試験を行い、
上記の各クリーニングブレードB1〜B9の温度をそれ
ぞれ0℃,25℃,50℃に設定した場合において、各
クリーニングブレードにおけるブレード鳴き,各クリー
ニングブレードによる感光体表面への現像剤のフィルミ
ングの状態,各クリーニングブレードが反転する可能
性,各クリーニングブレードによる現像剤の拭き残しを
下記のようにして評価するようにし、その結果を下記の
表11及び12に示した。なお、これらの評価を行うに
あたっては、回転する上記感光体の周速を26〜50c
m/sec,感光体に対するクリーニングブレードの圧
接角θを8〜20°,クリーニングブレードの感光体に
対する圧接力を0.1〜10g/mmの範囲で変更さ
せ、最も悪い場合における結果を表示するようにした。
【0099】(クリーニングブレードにおけるブレード
鳴きの評価)回転する感光体の表面にクリーニングブレ
ードを圧接させて、感光体の表面に残留する現像剤を除
去する際に、クリーニングブレードが振動して金属音を
発生するというブレード鳴きについては、1000枚の
上記耐刷試験中において1度でもこのような金属音が発
生した場合を×で、金属音が1度も発生しなかった場合
を〇で表示するようにした。
【0100】(感光体表面への現像剤のフィルミングの
評価)感光体表面への現像剤のフィルミングについて
は、1000枚の上記耐刷試験後において、それぞれの
感光体の表面をアルコールをしみこませた布で軽く拭
き、その布が黒くなった場合を×で、布の色が変わらな
かった場合を〇で表示するようにした。
【0101】(クリーニングブレードが反転する可能性
の評価)感光体を駆動させた際に、この感光体の表面に
圧接されていたクリーニングブレードが反転する可能性
については、感光体の回転トルクが高くなるほどクリー
ニングブレードの反転が発生しやすくなるため、100
0枚の上記耐刷試験後において、上記感光体の回転トル
クを測定するようにした。ここで、感光体の回転トルク
を測定するにあたっては、上記電子写真装置に搭載した
感光体の駆動軸にトルクゲージ(株式会社共和電業製,
TP−10KCE)を取り付け、同社製のアンプリファ
イヤWGA−700A(商品名)を用いて測定するよう
にした。そして、上記のように測定された回転トルクが
5kg・cmを越え、クリーニングブレードの反転が起
こる可能性が高い場合を×,回転トルクが3kg・cm
を越え、クリーニングブレードの反転が偶発的に起こる
可能性のある場合を△、回転トルクが3kg・cm以下
でクリーニングブレードが反転する可能性がなく良好な
場合を〇として表示した。
【0102】(クリーニングブレードによる現像剤の拭
き残しの評価)クリーニングブレードによる現像剤の拭
き残しを評価するにあたっては、1000枚の上記耐刷
試験を行った後、記録紙にトナー像を転写させず、トナ
ー像が付与されたままの状態で感光体の表面に各クリー
ニングブレードを圧接させて、感光体の表面に付与され
た現像剤を除去するようにした。次いで、このような状
態で、露光を行わずにベタ黒相当分の現像剤を感光体の
表面に付与し、このように付与された現像剤を上記の各
クリーニングブレードによって感光体の表面から除去す
るようにして、50枚続けてこのような操作を行った
後、この感光体の表面における現像剤の状態を調べるよ
うにした。そして、目視観察した場合に現像剤の拭き残
しが確認され、コピー画像上に画像ノイズが現れる場合
を×で、目視観察では現像剤の残存が確認できないが、
白色のネル布で感光体の表面を拭いた時にネル布に僅か
に現像剤が付着するが実用上は問題ない場合を△で、ネ
ル布で拭いた場合でも全く現像剤の残存が認められず好
適な場合を〇で表示するようにした。
【0103】なお、下記の表11及び表12において
は、クリーニングブレードにおけるブレード鳴きの評価
を(鳴)として、感光体表面への現像剤のフィルミング
の評価を(フ)として、クリーニングブレードが反転す
る可能性の評価を(反)として、クリーニングブレード
による現像剤の拭き残しの評価を(拭)として表示する
ようにし、表11においては、クリーニングブレードB
1〜B5を用いた場合の結果を、また表12において
は、クリーニングブレードB6〜B9を用いた場合の結
果を示した。
【0104】
【表11】
【0105】
【表12】
【0106】この結果から明らかなように、感光体の表
面に接触するクリーニングブレード先端部の硬度が65
未満であると、クリーニングブレードの先端部が摩耗し
て、感光体の表面に現像剤がフィルミングされやすくな
る一方、その硬度が70を越えると、クリーニングブレ
ードの先端部に欠け等が生じて、現像剤の拭き残しが発
生しやすくなり、フィルミングと拭き残しの点からすれ
ば、クリーニングブレード先端部の硬度が65〜70の
範囲に存在することが好ましかった。
【0107】また、感光体の表面に接触するクリーニン
グブレード先端部の反発弾性が60%未満であると、感
光体を駆動させた際におけるクリーニングブレードの反
転が起りやすくなる一方、その反発弾性が80%を越え
ると、クリーニングブレードが微振動してブレード鳴き
が発生しやすくなり、クリーニングブレードの反転とブ
レード鳴きの点からすれば、クリーニングブレード先端
部の反発弾性が60〜80%のものが好ましかった。
【0108】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係るク
リーニング方法においては、有機感光層上にビッカース
硬度が200〜1000の非晶質炭化水素膜からなる表
面保護層を設けた感光体の表面にクリーニングブレード
の先端部を圧接させて、感光体の表面に残留する現像剤
を上記クリーニングブレードによって除去するにあた
り、感光体の表面に接触するクリーニングブレードの先
端部の硬度が65〜70のクリーニングブレードを用い
るようにしたため、クリーニングを繰り返して行った場
合におけるクリーニングブレード先端部の摩耗が少な
く、感光体の表面に残留する現像剤を長期にわたって安
定して除去することができ、従来のように現像剤が感光
体の表面に融着してフィルミングされるということがな
く、また感光体との摩擦等によってクリーニングブレー
ドの先端部に欠け等による凹凸が生じるということもな
く、現像剤の拭き残しもなくなった。
【0109】また、この発明に係るクリーニング方法に
おいては、上記のクリーニングブレードとして、その先
端部の反発弾性が60〜80%になったものを用いるよ
うにしたため、このクリーニングブレードの先端部を上
記感光体の表面に圧接させて感光体の表面に残留する現
像剤を除去する際に、クリーニングブレードが微振動し
て一種の金属音のような高周波音が発生するということ
がなく、またこのクリーニングブレードの先端部を圧接
させた状態で感光体を駆動させた際に、このクリーニン
グブレードが反転するということもなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光体の表面に非晶質炭化水素膜からなる表面
保護層を設けるのに使用するプラズマCVD装置の例を
示す概略図である。
【図2】感光体の表面に非晶質炭化水素膜からなる表面
保護層を設けるのに使用するプラズマCVD装置の変更
例を示す概略図である。
【図3】この発明においてクリーニングブレードを感光
体に接触させる状態を示す説明図である。
【図4】この発明においてクリーニングブレードを感光
体の軸方向に揺動させる状態を示す概略斜視図である。
【図5】この発明の一実施例において使用したクリーニ
ング装置の概略断面図である。
【図6】この発明の一実施例において使用する感光体の
構造を示した概略説明図である。
【図7】この発明の一実施例において使用したクリーニ
ング装置を搭載した電子写真装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 クリーニングブレード 2 感光体 2b 有機感光層 2c 表面保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯野 修司 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 土井 勲 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 大澤 以清 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタカメラ株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 樹脂成分を含む有機感光層上に非晶質炭
    化水素膜表面保護層が設けられた感光体の表面にクリー
    ニングブレードの先端部を圧接させて、感光体の表面に
    残留する現像剤を上記クリーニングブレードによって除
    去するようになったクリーニング方法において、上記感
    光体における表面保護層のビッカース硬度を200〜1
    000とし、この感光体の表面に圧接させるクリーニン
    グブレードとして、感光体の表面に接触する先端部の硬
    度が65〜70、反発弾性が60〜80%のクリーニン
    グブレードを使用することを特徴とするクリーニング方
    法。
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