JPH05337285A - 洗濯機の糸くず捕集装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】糸くず捕集に際し、洗濯中の布が液吸入口に張
り付いてこれを閉塞し、洗濯液の吸入量が大幅に減少し
て、糸くず捕集効率が大きく低下する不具合をなくし、
また少量洗濯時に低い水位でも糸くず捕集効率が低下す
ることのない、改良された洗濯機の糸くず捕集装置の提
供。 【構成】洗濯液を洗濯槽６の底部に設けた液吸入口２３
より吸入して撹拌翼１４に内蔵のフィルター３３を通過
させると同時に、前記洗濯液中に含まれる糸くずをフィ
ルター３３内に捕集した後、フィルタ３３ーを通過した
洗濯液を、撹拌翼１４の外周部に移動させて吐出する経
路を具備したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗濯機の糸くず捕集装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種技術としては、特開昭５６
−２８７９９号公報に示されているように、撹拌翼の中
央部に位置して、上向きに開口するフィルターを設け、
また洗濯槽底部の液吸入口の上流側に位置して、皿状の
フィルターを設け、撹拌翼の裏羽根によるポンプ作用で
洗濯液を撹拌翼の上下方向から吸入し、洗濯液中の糸く
ずを前記フィルターで捕集するようにしたものが提案さ
れている。

【０００３】また、特開昭６０−７２５９８号公報に示
されているように、背高に構成された撹拌翼の中央塔体
部にフィルターを取り付け、前記撹拌翼中央塔体部の上
方から洗濯液を吸入して、撹拌翼に内蔵のフィルターを
通過させると同時に、前記洗濯液中に含まれる糸くずを
フィルター内に捕集した後、フィルターを通過した洗濯
液を、撹拌翼の外周部に移動させて吐出する経路を備え
たものも提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭５６−
２８７９９号公報に記載の構成によれば、上方からの洗
濯液の吸入に対しては、洗濯中の布が同時に吸引され、
液吸入口に張り付いてこれを閉塞し、洗濯液の吸入量が
大幅に減少して、糸くず捕集効率が大きく低下する他、
下方からの洗濯液の吸入に対しては、フィルターが洗濯
槽の底部外側に設置されているために、フィルターが目
詰まりした場合の清掃が困難である。

【０００５】また、特開昭６０−７２５９８号公報に記
載の構成によれば、背高に構成された撹拌翼の中央塔体
部にフィルターを取り付け、前記撹拌翼中央塔体部の上
方から洗濯液を吸入するようにしているため、少量洗濯
時の低い水位では、糸くず捕集効率が低下するか、場合
によっては不可能になるという問題があった。

【０００６】本発明の目的は、糸くず捕集に際し、洗濯
中の布が液吸入口に張り付いてこれを閉塞し、洗濯液の
吸入量が大幅に減少して、糸くず捕集効率が大きく低下
する不具合をなくし、また少量洗濯時に低い水位でも糸
くず捕集効率が低下することのない、改良された洗濯機
の糸くず捕集装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的は、撹拌翼内に
フィルターを着脱自在に取り付け、かつ裏羽根によるポ
ンプ作用で洗濯液を循環させる洗濯機の糸くず捕集装置
において、洗濯液を洗濯槽の底部に設けた液吸入口より
吸入して前記撹拌翼に内蔵のフィルターを通過させると
同時に、前記洗濯液中に含まれる糸くずをフィルター内
に捕集した後、フィルターを通過した洗濯液を、撹拌翼
の外周部に移動させて吐出する経路を具備することによ
って達成される。

【０００８】

【作用】以上の構成において、洗濯液は、裏羽根によっ
て発生するポンプ作用により、洗濯槽の底部に設けた液
吸入口を経て、撹拌翼内に内蔵のフィルターに送りこま
れ、その後、撹拌翼の外周部に移動して吐出される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を、図示実施例にもとづいて説
明する。

【００１０】図２は本発明の糸くず捕集装置を組み込ん
だ洗濯機の全体的内部構造を示す縦断面図である。

【００１１】図１において、１は洗濯機を操作する制御
部で、タイマーを含むマイクロコンピュータ等で構成さ
れている。

【００１２】２は蓋で、支点３を軸にして上方に開く。

【００１３】４は洗濯物投入口、５は洗濯槽６と外槽１
０との間に洗濯物が落下するのを防止するカバーで、カ
バー５は、外槽１０の上部に設けられている。

【００１４】７は脱水孔で、洗濯槽６の壁面に穿孔さ
れ、脱水時同孔より水を排出する。

【００１５】８はバランスリングで、脱水運転時洗濯槽
６の回転をスムーズにおこなわせる。

【００１６】１１ａ，１１ｂは吊り棒で、ばね１２ａ，
１２ｂを介して外槽１０を懸垂する。

【００１７】１４は撹拌翼で、洗濯槽６の底部に設置さ
れている。

【００１８】９は撹拌翼１４の中央塔体部で、その内部
には、後で詳述するフィルター内蔵用の部屋を有してい
る。

【００１９】１４′は撹拌翼の羽根部、１５は中央塔体
部９の上部に設けた蓋部、１６はモータで、モータ１６
は、モータプーリ１７，ベルト１８，従動プーリ１９，
クラッチ・減速部２０，軸２２を介し、洗濯，すすぎ時
には撹拌翼１４を、また脱水時には洗濯槽６を駆動す
る。

【００２０】２１はモータ１６の冷却用フアンである。

【００２１】２２は撹拌翼１４を駆動する軸、２５は洗
濯槽６の底部２４に固定された保持板で、保持板２５は
液吸入口２３を有し、二重軸２２′と結合している。

【００２２】２６は洗濯機本体を支える脚部、２７は外
槽１０の底部に設けた排水孔で、排水孔２７の下流側に
は、制御部１からの指令で開閉する電磁弁２８を有して
いる。

【００２３】２９は外枠後部に設けた裏蓋である。

【００２４】図１、および図３〜図６は本発明の要部を
示し、撹拌翼１４の中央塔体部９の上部には、指かけ３
０を有する蓋部１５が、嵌合部３１を介して嵌合されて
いる。 ３２は袋状フィルター３３の開口部で、ゴム等
の軟質材、あるいは樹脂等で形成されている。

【００２５】３４は撹拌翼１４の中央塔体部９に設けら
れた糸くず捕集用の専用通路で、図１の矢印のごとく、
前記した保持板２５の吸入口２３、さらには下記する円
板４３の吸入部４４を経由して洗濯液を導入し、フィル
ター３３に流入させる。

【００２６】３５は専用流路３４と下記する裏羽根４６
の流路とを遮断する壁面、３６は撹拌翼１４のボス部
で、ボス部３６は、軸２２の段部３７に当接し、ねじ３
８で軸２２の先端部に撹拌翼１４を固定する。

【００２７】３９は専用流路３４を形成する、中央塔体
部９の内側壁面、４０はフィルター３３の液出口側流路
を壁面４１とともに構成する、中央塔体部９の上部壁
面、４２は洗濯槽底部２４と保持板２５とを固定するね
じである。

【００２８】４３は液吸入部４４を有し、フィルター３
３の液出口流路と前記液吸入部４４の上流部とを遮断す
る円板で、円板４３は、撹拌翼１４のボス部近傍に接着
されている。

【００２９】４５は二重軸２２′の段部で、保持板２５
を止めねじ５１とともに支承する。

【００３０】４６は撹拌翼１４の裏羽根で、裏羽根４６
は、洗濯液を、前記保持板２５の液吸入口２３→円板４
３の液吸入部４４→撹拌翼１４に設けられた中央塔体部
９の専用流路３４→フィルター３３を経由して、撹拌翼
１４の外周部に移動させる。なお、その場合、複数から
なる全ての裏羽根４６の根元部を切り欠いておけば、全
ての裏羽根が洗濯液の循環に寄与する。

【００３１】４７は軸２２と二重軸２２′との間を封止
するシール、４８は中央塔体部９の外周部を形成する壁
面である。

【００３２】なお、図６において、４９は撹拌翼１４の
先端部に設けた液吐出口、５０は洗濯槽６の底面２４に
設けた液吐出孔である。

【００３３】以上の構成において、洗濯槽６内に洗濯物
と洗剤とを投入し、洗濯機を動作させると、図示を省略
した給水弁が開き、洗濯槽６、さらには外槽１０内に水
が供給される。

【００３４】次に、洗濯水位が所定の高さに達した時点
でモータ１６が回転し、その動力がモータプーリ１７，
ベルト１８，従動プーリ１９，クラッチ・減速部２０を
経て撹拌翼１４に伝達され、撹拌翼１４が回転して「洗
い」を実行する。

【００３５】なお、この時、撹拌翼１４の回動に伴い、
裏羽根４６のポンプ作用が発生し、洗濯液は、洗濯槽６
の底面より、保持板２５の液吸入口２３→円板４３の液
吸入部４４→撹拌翼１４に設けられた中央塔体部９の専
用流路３４を介して吸入され、図１の矢印のごとく、フ
ィルター３３を経て撹拌翼１４の外周部に移動した後、
撹拌翼１４の先端部に設けた液吐出口４９、さらには洗
濯槽６の底面２４に設けた液吐出孔５０より吐出する。

【００３６】そして、その過程で、洗濯液中の糸くずが
フィルター３３に捕集される。

【００３７】洗濯終了後は、蓋部１５を取り外し、フィ
ルター３３を取り出して糸くずを廃棄すればよく、蓋部
１５や中央塔体部９を透明にしておけば、フィルター３
３内の糸くず捕集状況が目視で容易に確認することがで
きる。

【００３８】図７〜図１０に本発明の第２の実施例を示
す。

【００３９】この第２の実施例において、先の第１実施
例と同一符号は同一部分を示し、本実施例においては、
撹拌翼１４の中央塔体部９に設けられたフィルター内蔵
用部屋の底部を傾斜底部５２として、その傾斜底部５２
にねじ３８の通し孔５３を設けるとともに、長めの袋状
フィルター３３を液出口側流路付近まで延長させて配設
したものであって、この構成によれば、フィルター３３
の液出口側流路近傍の空間を有効に利用して多量の糸く
ずを捕集することができる。

【００４０】図１１〜図１５に本発明の第３の実施例を
示す。

【００４１】この第３の実施例は、先の第２実施例の変
形例とも云うべきもので、第１，第２実施例と同一符号
は同一部分を示し、本実施例においては、撹拌翼１４の
中央塔体部９に設けられた糸くず捕集用の専用通路３４
を半円形とし、かつフィルター３３を内蔵する部屋の底
部を傾斜底部５２とするとともに、前記フィルター３３
の開口部３２をも半円形にしたものであって、この構成
によれば、フィルター３３の開口部を大きくすることが
でき、また長めの袋状フィルター３３を液出口流路付近
まで延長させて配設することにより、これまたフィルタ
ー３３の液出口側流路近傍の空間を有効に利用して多量
の糸くずを捕集することができる。

【００４２】図１６に本発明の第４の実施例を示す。

【００４３】この第４の実施例において、先の第１，第
２，第３実施例と同一符号は同一部分を示し、本実施例
においては、フィルター３３の糸くず導入口を、撹拌翼
１４に設けられた塔体部９の溝５３に沿って上方から挿
入するようにしたものであって、この構成によれば、フ
ィルター３３の脱着を容易におこなうことができる。

【００４４】なお、蓋部１５を拡大してこの蓋１５内に
溝を設けてフィルターを装着する構成としても、前記第
４の実施例と同様の効果を奏することができる。

【００４５】

【発明の効果】本発明は以上のごときであり、本発明に
よれば、洗濯液は、裏羽根によって発生するポンプ作用
により、洗濯槽の底部に設けた液吸入口を経て、撹拌翼
内に内蔵のフィルターに送りこまれ、その後、撹拌翼の
外周部に移動して吐出されるものであって、前記洗濯液
の吐出経路を備える本発明によれば、洗濯液吸入口は、
常に洗濯中の布と接触することはなく、したがって糸く
ず捕集に際し、洗濯中の布が液吸入口に張り付いてこれ
を閉塞し、洗濯液の吸入量が大幅に減少して、糸くず捕
集効率が大きく低下する不具合をなくすことができる。

【００４６】また、フィルターに送りこまれた後の洗濯
液は、撹拌翼の外周部に移動して吐出されるものであっ
て、この構成によれば、少量洗濯時の低い水位であって
も、糸くず捕集効率が低下するものではなく、洗濯機の
使勝手を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る洗濯機用糸くず捕集装置の一実施
例を示す要部の縦断面図である。

【図２】図１に示す糸くず捕集装置を組み込んだ洗濯機
の全体的内部構造を示す縦断面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ断面図である。

【図５】図１のＣ−Ｃ断面図である。

【図６】図１と異なる他の要部の縦断面図である。

【図７】本発明装置の第２の実施例を示す要部の縦断面
図である。

【図８】図７のＤ−Ｄ断面図である。

【図９】図７のＥ−Ｅ断面図である。

【図１０】図７のＦ−Ｆ断面図である。

【図１１】本発明装置の第３の実施例を示す要部の縦断
面図である。

【図１２】図１１のＧ−Ｇ断面図である。

【図１３】図１１のＨ−Ｈ断面図である。

【図１４】図１１のＩ−Ｉ断面図である。

【図１５】図１１，図１２に符号３３で示すフィルター
の斜視図である。

【図１６】本発明装置の第４の実施例を示す要部の縦断
面図である。

【符号の説明】

９…中央塔体部、１４…撹拌翼、１５…蓋部、２３…液
吸入口、３３…フィルター、３４…専用流路、４４…液
吸入部、４６…裏羽根。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】撹拌翼内にフィルターを着脱自在に取り付
   け、かつ裏羽根によるポンプ作用で洗濯液を循環させる
   洗濯機の糸くず捕集装置において、洗濯液を洗濯槽の底
   部に設けた液吸入口より吸入して前記撹拌翼に内蔵のフ
   ィルターを通過させると同時に、前記洗濯液中に含まれ
   る糸くずをフィルター内に捕集した後、フィルターを通
   過した洗濯液を、撹拌翼の外周部に移動させて吐出する
   経路を具備したことを特徴とする洗濯機の糸くず捕集装
   置。
2. 【請求項２】撹拌翼中央部に設けた塔体部と蓋部とで形
   成される部屋内に着脱自在にフィルターを取り付け、か
   つ裏羽根によるポンプ作用で洗濯液を循環させる洗濯機
   の糸くず捕集装置において、洗濯液を洗濯槽の底部に設
   けた液吸入口より吸入して前記撹拌翼に内蔵のフィルタ
   ーを通過させると同時に、前記洗濯液中に含まれる糸く
   ずをフィルター内に捕集した後、フィルターを通過した
   洗濯液を、撹拌翼の外周部に移動させて吐出する経路を
   具備したことを特徴とする洗濯機の糸くず捕集装置。
3. 【請求項３】請求項１において、撹拌翼内に設けられた
   フィルター内蔵用部屋の底部を傾斜底部とするととも
   に、この傾斜底部に沿う長めの袋状フィルターを配設し
   た洗濯機の糸くず捕集装置。