JPH0533129U - 面光源 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】薄型でかつ高輝度でモアレ防止が容易である面
光源を提供する。 【構成】面光源の光出射面側に凸部を外に向けて多数の
プリズム要素を配設したことを特徴とする面光源

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、液晶表示素子の背面照明や各種の表示灯に用いる面光源に関する。

【０００２】

【従来の技術】

面光源として、電界発光灯、螢光灯と反射鏡とを組み合わせた直下型面光源や 蛍光灯と導光板とを組み合わせたエッジライトなどが利用されている。

【０００３】 これらの面光源に対して、省スペースの点から厚みを削減すること及び光源と しての性能向上のための高輝度化が求められている。このため特開平２−１７号 及び特開平２−８４６１８号には、プリズム及びレンズ要素を設けることが提案 されている。これらの提案は出射面の法線方向に集中するように出射光の角度を 規制するものである。

【０００４】 しかしながら、これらの提案によっても薄型で十分高輝度の面光源を得るとの 効果の発現は未だ充分ではなく、また配列されたプリズム要素及びレンズ要素と 液晶表示素子の絵素や表示用の図柄との間にモアレを生じやすいという欠点があ った。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、薄型でかつ高輝度でしかもモアレ防止が容易である面光源を提供す ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、面光源の出射面側に凸部を外に向けて多数のプリズム要素を配設し たことを特徴とする面光源を提供するものである。プリズム要素は三角柱状、 四角錐または六角錐、円錐または楕円錐の底面を四角形または正六角形に切 り取った形状、三角柱を同心状の多角形を構成するようになしたもの、円ま たは楕円状に形成された三角プリズムを同心状に多数配設したもの、または のものを多数密に並べたものであってもよいし、また光拡散機能を持つようにな したものであってもよい。

【０００７】

【実施例】

以下に実施例をもって本考案をさらに詳しく説明する。

【０００８】 図１は、本考案の最も基本的な実施例であり、エッジライトにプリズム要素を 配設した概略の断面図を示す。図１で１は蛍光灯、２はライトカバーおよび反射 板、３は導光板であり、４がプリズム要素の配列である。プリズム部分のみの概 略図を図２に示す。

【０００９】 プリズムはＭＭＡやポリカーボネートなどの透明材料を熱プレス、ロール押し 出しまたは鋳型重合などの方法で加工して作成する。これらの材料の屈折率は１ ．４ないし１．６であるから、プリズムの頂角は６０度ないし９５度が適当であ る。

【００１０】 屈折率１．６のポリカーボネート樹脂で頂角９０度、長さ１３０ｍｍ、幅０． ３５ｍｍのプリズム要素を、長さ２１５ｍｍ、幅１３０ｍｍのエッジライトと組 み合わせた場合、出射面の法線方向の輝度を１００％として、３５度付近では８ ３％と徐々に低下し、４５度で約７％と急激に低下して本考案の出射角の規制効 果が顕著に認められた。本考案のプリズム要素を用いない場合と比較し法線方向 の平均輝度が約５０％増加した。 この面光源をＰＣ−９８０１ＮＶの液晶表示素子の背面照明光源として使用し たとき、素子の法線方向はもちろん３５度以上傾いた斜方向から観察しても表示 品位は良好であった。このプリズム要素は断面が二等辺三角形とした。

【００１１】 同様のプリズムを特開平２−１７号及び特開平２−８４６１８号に開示された ようにプリズムの凸部を面光源の光出射面側に下に向けて組み合わせると、法線 方向に対し４５度付近に輝度のピークが現れ出射角度の規制効果はあまり明瞭で はなく、法線方向の輝度もプリズム要素を用いない場合と比較して約２０％の増 加に留まった。この面光源をＰＣ−９８０１ＮＶの液晶表示素子の背面照明光源 として使用したとき、モアレが発生し表示品位は良好ではなかった。

【００１２】 図３および図４は、四角錐および六角錐状のプリズム要素を用いた例である。 図１の構成では出射角の規制は一方向にのみしか行われないが、この構成にする と二方向以上の出射角規制が行え、さらに約２０％の輝度増加が実現できる。こ のときプリズム要素の各面の大きさは必ずしも等しくする必要はない。

【００１３】 例えば液晶表示素子の背面照明光源として使用する場合、一般に左右方向に対 して上下方向の観察可能な角度は狭くてよいから、上下方向に角度規制が強く働 くようにする。すなわち図３の四角錐状のプリズム要素の場合には、底面の上下 方向の辺が短い長方形または平行四辺形になす。図４の場合にも、底面が正六角 形でなく上下に短いものにする。

【００１４】 図５に示す円錐または楕円錐状プリズム要素の配列体の場合にも、短辺が上下 方向になる楕円とすることにより、上下方向に角度規制が強く働くようにするこ とができる。

【００１５】 図６は三角状のプリズムをリング状に成型し、大きさの異なるこれらのリング 状プリズムを同心円状に組み合わせたプリズム要素の配列体である。図１ないし 図５に示すプリズム配列体を用いてもモアレが発生する場合には、有効なモアレ 防止手段にできる。

【００１６】 図７は三角柱状のプリズム要素を多角形状に配列した例である。上下方向が短 い楕円または長方形状に配列すると、上下方向に角度規制が強く働くようにする ことができる。

【００１７】 図６または図７のプリズム配列体をさらに組み合わせて図８に示すような配列 体とすることも可能である。モアレ防止のために使用できる。図６および図７の プリズム配列体のみでなく、図１ないし図５のプリズム要素との任意の組み合わ せも可能である。効果と製作の容易さとのかねあいで決める必要がある。

【００１８】 プリズムの形状や導光板および反射板などの欠点が目立つ場合には光拡散板を 用いると有効である。加工の容易さ、耐久性向上、厚みの削減などのためのプリ ズム要素に光拡散機能を持たせるとさらに高性能化できる。プリズムへの光拡散 機能の付与はプリズム材料に硫酸バリウム等の顔料を少量分散したり、光拡散性 の塗料を塗布したりして実現する。塗料の塗布は、プリズムの底面または斜面の いずれかまたは両方に行うことができる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案によれば、薄型でかつ高輝度でしかもモアレ防止が容易である面光源を 提供でき、液晶表示素子の背面照明や各種の表示灯の分野において利用価値が大 である。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本考案のプリズム要素を配設した面光源の断
面図、

【図２】は図１に配設したプリズムの概略図、

【図３】は本考案に用いるプリズム要素の平面図及び断
面図、

【図４】は本考案に用いるプリズム要素の平面図及び断
面図、

【図５】は本考案に用いるプリズム要素の平面図及び断
面図、

【図６】は本考案に用いるプリズム要素の平面図及び断
面図、

【図７】は本考案に用いるプリズム要素の平面図及び断
面図、

【図８】は本考案に用いるプリズム要素の平面図を示
す。

【符号の説明】

図中１は螢光灯、２はライトカバーおよび反射板、３は
導光板、４はプリズム要素を示す。

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 面光源の光出射面側に凸部を外に向けて
   多数のプリズム要素を配設したことを特徴とする面光
   源。
2. 【請求項２】 プリズム要素が三角柱状であることを特
   徴とする請求項１記載の面光源。
3. 【請求項３】 プリズム要素が四角錐または六角錐であ
   ることを特徴とする請求項１記載の面光源。
4. 【請求項４】 プリズム要素が円錐または楕円錐の底面
   を四角形または正六角形状に切り取った形状であること
   を特徴とする請求項１記載の面光源。
5. 【請求項５】 プリズム要素が三角柱を同心状の多角形
   を構成するようになしたものであることを特徴とする請
   求項１記載の面光源。
6. 【請求項６】 プリズム要素が円または楕円状に形成さ
   れた三角プリズムを同心状に多数配設したものであるこ
   とを特徴とする請求項１記載の面光源。
7. 【請求項７】 プリズム要素が三角柱を同心状の多角形
   を構成するようになしたものまたは円または楕円状に形
   成された三角プリズムを同心状に多数配設したものを多
   数並べたものであることを特徴とする請求項１記載の面
   光源。
8. 【請求項８】 プリズム要素が光拡散機能を持つことを
   特徴とする請求項１記載の面光源。