JPH0532457B2 - - Google Patents

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JPH0532457B2
JPH0532457B2 JP1067508A JP6750889A JPH0532457B2 JP H0532457 B2 JPH0532457 B2 JP H0532457B2 JP 1067508 A JP1067508 A JP 1067508A JP 6750889 A JP6750889 A JP 6750889A JP H0532457 B2 JPH0532457 B2 JP H0532457B2
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JP
Japan
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pitting corrosion
corrosion resistance
aluminum alloy
added
aluminum
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JP1067508A
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English (en)
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JPH02247349A (ja
Inventor
Hiroyuki Matsura
Kazuhiro Fukada
Masafumi Mizochi
Yutaka Okuda
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Sky Aluminium Co Ltd
Original Assignee
Sky Aluminium Co Ltd
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Publication of JPH02247349A publication Critical patent/JPH02247349A/ja
Publication of JPH0532457B2 publication Critical patent/JPH0532457B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、缶胴を鉄とする缶容器の蓋の材料に
使用するアルミニウム合金圧延板に関するもので
ある。 (従来の技術) 食品容器としての金属缶の組み合わせは、缶胴
にアルミニウム合金、缶蓋にもアルミニウム合金
が使用される場合、缶胴、缶蓋にブリキあるいは
テインフリースチール等の鉄が使用される場合、
そして、缶胴に鉄、缶蓋にアルミニウム合金が使
用される場合が一般的なものである。 缶蓋として使用されるアルミニウム合金は、ひ
きちぎれ性、成形性などにすぐれており、一方缶
蓋として使用される鉄は缶蓋強度にすぐれてい
る。しかし鉄蓋のひきちぎれ性は不良であるた
め、EOE缶には使用できないなど用途が限定さ
れる。よつて一般に、缶蓋用材料としては
JIS5052,5182に代表されるA−Mg合金が使
用されている。 (発明が解決しようとする課題) 缶胴、缶蓋すべてがアルミニウム合金からなる
金属缶の場合、塩分などの腐食成分を含んでいて
も何等問題はない。しかしながら、コスト・強度
面から鉄とアルミニウム合金を組み合わせて使用
する場合があり、この場合は孔食が発生すること
がある。すなわち、アルミニウム合金缶蓋の保護
膜である塗装が不充分であつたり、成形により塗
膜の損傷を受けたりすると、C-イオン濃度が
高い、あるいは溶存酸素濃度が高いなど腐食条件
が厳しい場合、FeとAの電位差によるガルバ
ニツク作用により局部溶解・孔食を発生し、穿孔
を生ずる。 (課題を解決するための手段) 本発明者等は上記に説明したアルミニウム合金
使用上の問題点を解決するために、鋭意研究の結
果優れた耐食性、特に耐孔食性を有する食品容器
用アルミニウム合金圧延板を開発するに至つた。
本発明に係わる耐孔食性に優れた缶容器蓋用アル
ミニウム合金は、 Ti:0.05−1.0wt%を含有し、残部がアルミニ
ウム及び不可避不純物からなり、缶胴を鉄とする
缶容器蓋用アルミニウム合金圧延板を第1の発明
とし、 Ti:0.05〜1.0wt%を含有し、更にMn:2.5wt
%以下、Cu:1.0wt%以下の一種または二種以上
を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物
からなり、缶胴を鉄とする缶容器蓋用アルミニウ
ム合金圧延板を第2の発明とし、 Ti:0.05〜1.0wt%を含有し、更にMn:2.5wt
%以下、Cu:1.0wt%以下の一種又は二種以上、
およびMg:0.05〜5.0wt%を含有し、残部がアル
ミニウム及び不可避不純物からなり、缶胴を鉄と
する缶容器蓋用アルミニウム合金圧延板を第3発
明とする3つの発明からなるものである。 本発明に係わる耐孔食性に優れた食品容器用ア
ルミニウム合金の各成分の限定理由を説明する。 Ti: 第1発明から第3発明のいずれにおいてもTi
は耐孔食性向上の基本元素である。従来微細化成
分として考えられていたTiはBと共にTiB2を形
成して鋳塊結晶粒微細化に効果がある。しかし、
耐孔食性向上のためにはTiの他にBがアルミニ
ウム合金中に存在することは必要でなく、むしろ
TiがTiB2として完全に固定されると、耐孔食性
は向上しない。したがつて、Bは全く添加しない
か、あるいは結晶微細化のために添加するにして
も50ppm以下が好ましい。Tiは圧延板表面にこ
れと平行な濃縮層を作る。すなわち、EPMA等
の微小部分定量機器で圧延板表面を測定すると、
全体の平均含有量より2倍以上の高濃度偏析領域
が圧延板表面と平行に存在するのが認められる。
これがTi濃縮層である。 Ti濃縮層は、含有TiによりC-含有液中の腐
食速度を遅延させる働きと共に、腐食進展方向を
圧延面に平行な層状の方向に変えることによつて
孔食を起こり難くし、腐食が圧延板の表面全体で
ゆつくり進行させる働きをもつ。TiがTi濃縮層
に偏析した当然の結果として、Ti濃縮層に接し
てTi濃度が添加含有量よりも低い層状領域が存
在する。このような相対的にTi濃度の低い部分
では腐食速度が速くなり、Ti無添加合金とほぼ
同等のレベルになる。しかしながら、Ti濃縮層
が塩分などの腐食成分のバリヤーとして働き、こ
の結果耐孔食性は飛躍的に向上する。 Ti濃縮層と低Ti濃度層はA中のTi固溶量の
差異により生じる。一方Ti鋳造時に初晶として
晶出すると、Aとの巨大金属間化合物が生成さ
れ、多量の初晶が生成される場合は、A地中の
固溶Ti量は少なくなり、Ti固溶量の差異が少な
くなる。したがつて、Ti濃縮層を積極的に生成
させるためには、連続鋳造法などの冷却速度が速
い鋳造法を採用することが好ましい。耐孔食性は
Ti添加量とともに向上する。 Ti含有量が0.05wt%未満では耐孔食性向上の
効果は弱い。一方、Tiを1.0wt%を越える含有さ
せた場合圧延性・加工性を損なうため上限を
1.0wt%とした。好ましくは、0.15〜0.80wt%の
Ti含有量範囲が耐孔食性にも優れ、加工性にも
優れる。 Cu,Mn: Cu,MnをTiに加えて、さらに添加することに
より、耐孔食性がさらに向上する。CuはA合
金のマトリツクスそのものの電位を貴にするた
め、缶蓋が缶胴のブリキの自然電極電位に近付
き、耐孔食性が向上する。Cuを添加した場合、
Tiの添加は少なくすることができ、板の圧延性
および缶蓋の成形性を向上することができる。
Cuを1.0wt%以上を添加した場合、鋳造時に割れ
を発生しやすくなり、操業上好ましくないので、
Cu添加量の上限を1.0wt%とする。Cuの添加量が
0.05wt%未満では耐孔食性向上効果が現われない
ので、Cu添加量の下限は0.05wt%が好ましい。 Mnは孔食の発生を助長するFe系の晶出物ある
いは析出物の発生を防止しかつMn系の晶出物は
電位がアルミニウム合金のマトリツクスと非常に
近いために、Mnは耐孔食性向上に効果がある。
Mnの添加量が0.05wt%以下ではFe量が多い場合
その悪影響を排除することができず、2.5wt%以
上では効果はあるものの板の圧延性および缶蓋の
加工性を劣化するため、好ましい下限を0.05wt
%、上限を2.5wt%とした。 なお、MnもCuと同様にTiの添加量を少なく
し、圧延性および加工性を向上することに有効で
ある。したがつて、本発明のTi,Cu,Mnの添加
量範囲内において、耐孔食性と圧延性・加工性が
バランスするようにこれら元素の添加量を定める
ことが必要である。尚、Cu,Mnは強度向上にも
有効な元素である。 Mn,Cuを添加する第2、第3発明ではTi含有
量が0.5%以下で耐孔食性と圧延性・加工性が良
好にバランスした圧延板を得ることができる。 Mg: Mgは、一般に、圧延性を劣化させることが少
なく強度を向上させる耐孔食性を劣化させる。と
ころが、Ti,Cu,MnとともにMgを添加すると
Mg添加による悪影響を顕現させることなく強度
向上が図ることができる。Mgの添加量は強度向
上の効果が現われる0.05wt%を好ましい下限と
し、上限は圧延性上の操業リミツトとなる5.0wt
%とした。 Crは焼付け時の軟化を遅らせるなど耐熱性向
上のために添加してもよいが、Tiと同時に添加
した場合、初晶の発生を促すので、0.2wt%以下
に押さえる必要が有る。上記元素の他、通常のア
ルミニウム合金と同様にFe,Siが不可避不純物
として含有される。これらは、いずれも耐孔食性
を劣化させるので少なければ少ないほど良い。し
かし、Mnが添加される第2、第3発明の圧延板
には総量0.5wt%までの不純物含有が許容される。 次に本発明に係わる耐孔食性に優れた食品容器
用アルミニウム合金圧延板の実施例について説明
する。 (実施例) 第1表に示す含有成分のアルミニウム合金を、
実験室規模で、40mm銅モールド、20mmまたは40mm
鉄モールド、一方向凝固装置および小型連鋳機を
用いて鋳造した。凝固速度は、小型連鋳機>一方
向凝固(凝固端より15mm)>40mm鉄モールド>20
mm鉄モールドの順であつた。鋳造後、一率550℃
×1時間の均熱後、冷間圧延により、0.28mm板厚
のアルミニウム合金板を作製した。耐孔食性腐食
試験は、通常缶蓋で行なわれる塗装焼付け後の試
験より厳しい条件である塗装せずに焼付けに相当
する熱処理(200℃×20分、又は270℃×20秒)の
みを行なつた状態で行なつた。一方の極に供試合
金板を対極にブリキを導線でつなぎ、試験液中に
40℃で24時間浸漬した後の供試合金板の孔食深さ
を測り、耐孔食性を比較した。 試験液はクエン酸クエン酸ナトリウムNaC
CuC2系成分でPH2.94〜3.02,C濃度が525
〜625ppm,Cu2+濃度が1.04〜1.13ppmのもので
ある。 表中、「加工性」は、圧延性と、製品圧延板の
成形性を総合して、◎非常に容易、○容易、×難
の三段階で評価した。また、Ti濃縮層数は
EPMAで圧延板表面の深さ100μm当たりの層数
を測定した値である。第1図にTi濃縮層を示す
EPMA写真(1000倍)を示す。 本発明合金圧延板No.1〜8のうち、No.1〜3は
Mn,Cu,Mg,Cr,Fe,Siは不純物である第1
発明の実施例であり、No.4〜5はMg,Cr,Fe,
Siが不純物である第2発明の実施例であり、No.6
〜8はCr,Fe,Siが不純物である第3発明の実
施例である。 第1表から明らかなように、本発明に係わる合
金圧延板は1100,5052,5082合金と比較して耐孔
食性に優れており、加工性は1100,5052合金と同
等である。 また、本発明に係わる合金圧延板の孔食深さ、
Ti濃縮層数及び組成の関係をみると、Ti量が多
く、Ti濃縮層数が多い方が、孔食深さが浅くな
つており(合金1〜3);Mn,Cuの添加により
一層孔食深さが浅くなつている(合金5)ことが
分かる。 なお、Ti添加量、Tiの固溶量に影響する第3
元素の量、鋳造速度などを変化させて、Ti濃縮
層を変化させたところ、Ti濃縮層数は少なくと
も片側(塩分を含む溶液と接触する側)の表面か
ら100μmで8層以上あると耐孔食性が良好な結果
が得られた。 表1中の合金6〜合金8はプロセスを従来法の
範囲で調整しても、ベーキング後の耐力で
20kgf/mm2から37kgf/mm2が可能となり、極めて
高強度の缶蓋が得られる。
【表】 (発明の効果) このように本発明の耐孔食性に優れた食品容器
用アルミニウム合金圧延板は耐孔食性が極めて良
好であり、深い孔食は発生しないため、特に食塩
を含有した飲料、食品スチール缶の蓋には好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る圧延合金板のTi濃縮層
を示すEPMA金属組織写真(倍率1000倍)であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Ti:0.05−1.0wt%を含有し、残部がアルミ
    ニウム及び不可避不純物からなり、缶胴を鉄とす
    る缶容器蓋用アルミニウム合金圧延板。 2 Ti:0.05〜1.0wt%を含有し、更にMn:
    2.5wt%以下、Cu:1.0wt%以下の一種または二
    種以上を含有し、残部がアルミニウム及び不可避
    不純物からなり、缶胴を鉄とする缶容器蓋用アル
    ミニウム合金圧延板。 3 Ti:0.05〜1.0wt%を含有し、更にMn:
    2.5wt%以下、Cu:1.0wt%以下の一種又は二種
    以上、およびMg:0.05〜5.0wt%を含有し、残部
    がアルミニウム及び不可避不純物からなり、缶胴
    を鉄とする缶容器蓋用アルミニウム合金圧延板。
JP6750889A 1989-03-22 1989-03-22 耐孔食性に優れた缶容器蓋用アルミニウム合金圧延板 Granted JPH02247349A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56102565A (en) * 1980-01-16 1981-08-17 Kobe Steel Ltd Manufacture of al alloy plate for packing
JPS60145348A (ja) * 1984-11-22 1985-07-31 Mitsubishi Alum Co Ltd 成形性および耐食性のすぐれた高強度Al合金薄板、並びにその製造法
JPS6238421A (ja) * 1985-08-13 1987-02-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶表示素子
US4828794A (en) * 1985-06-10 1989-05-09 Reynolds Metals Company Corrosion resistant aluminum material

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