JPH0532447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は瓶などの瓶栓部を封緘するためのキヤ
ツプシールに関し、更に詳しくは、悪戯防止用
（封緘保証用）の機能をもたせたキヤツプシール
に関する。

［従来の技術］ 一般に、瓶に詰められた内容物を密封し保護す
るためにさまざまの種類のクロージユアが用いら
れており、その外観は商品価値を高め、購買意欲
をそそらせる視覚に訴えるデザインを施すのが通
常である。

そうした中で、瓶形状等の兼ね合いから、密封
手段として、スクリユーキヤツプ，コルク栓，傘
付コルク栓等が選ばれることもあるが、この場
合、クロージユアの機能の一つである盗用防止と
も称されるピルフアプルーフ性（封緘性）が保証
できない。そこで、合成樹脂製にあつては熱収縮
性を利用して装飾性を兼ね備えたキヤツプシール
を、瓶栓部に被冠し、密着させる封緘性に対する
配慮がなされている。この場合、封緘性を完全に
し、キヤツプシールが容易に抜けないようにする
ため、シールを密着させる瓶栓部は、瓶口外径に
対して段差をもたせる形状とするのが通常であ
り、ビードをもつた形状、或いは曲率形状等の手
段がとられる。

そして、開封に際しては、破断部を設けないキ
ヤツプシールにあつてはナイフ等で、またスクリ
ユーキヤツプを始めとするその他のキヤツプ（例
えばツイストオフキヤツプ）にあつては、キヤツ
プ相当部分のみを取り外せるように形成された破
断部（一般的はミシン目と称する断続した切り
目）を破断して、その上部を除去することにより
瓶栓部の封緘を除去する方法が一般的に採用され
ている。

こうしてキヤツプシールに設けられたミシン目
が破かれない限り封緘性が保たれていることにな
る。

これらはワイン製品を始めとして多くの製品に
合成樹脂フイルム製、或いは一体成型シール等に
その例をみることができる。

第１０図及び第１１図は従来技術を示したもの
で、熱収縮性合成樹脂製のキヤツプシールを施し
た例を示す。１０１は瓶の瓶栓部で、１０１ａは
細口部である。この細口部１０１ａの開口部側に
は拡径した大径部１０１ｂを形成してある。１０
２はキヤツプシールで、前記瓶栓部１０１を被覆
し、大径部１０１ｂを覆う部分には切り取り用の
舌片１０２ａを形成するとともに、この舌片１０
２ａに連設するミシン目１０２ｂ及び、細口部１
０１ａの大径部１０１ｂ近傍を覆う部分に周方向
のミシン目１０２ｃを形成してある。これらのミ
シン目１０２ｂ，１０２ｃは目の長さ及びピツチ
が0.3〜1.0mm程度に形成されている。このミシン
目１０２ｂ，１０２ｃの切り目の長さ及びピツチ
はキヤツプシールの材質及び厚みによつて多少異
なるが、舌片１０２ａを持つて比較的強い力で引
張つて破れるように形成されている。即ち（容
器）軸方向にミシン目を先ず切りさき、次いで、
周方向全周にわたつて設けたミシンを目切り離す
ことにより、その上部が除去できる。

［考案が解決しようとする課題］ ところで捩つて開封するクロージユア封緘用の
上記従来の破断部を設けたキヤツプシールにあつ
ては、ミシン目の破断部は水平方向にループ状に
形成されていたために、キヤツプシールをツイス
トすれば、つまり捩ればミシン目の破断部はきれ
いに切断され、元に戻せば切断されていることが
判らなくなり、一見、正常な状態の包装形態を保
つていると誤認される虞れがある。

この従来技術によれば容器デザイン上の点から
瓶栓部の大径部と細口部との径の差を大きくでき
ない場合や、熱収縮性合成樹脂製のキヤツプシー
ルにあつては、加熱した際の熱収縮度が十分でな
かつたり、または、合成樹脂フイルムの材質が柔
らかいものであつたり、フイルム厚みが薄かつた
場合や、更には接着剤でキヤツプシールを瓶栓部
に固着させる場合、完全に固着できてなければ、
装着後のキヤツプシールが抜け易くなり、このた
め、前述したようにキヤツプシールを捩つてミシ
ン目を破断して、該ミシン目の上部を瓶栓部から
抜き取つてから、瓶栓を抜き、内容物を盗用した
り、内容物にいたずらを加えたのち、抜き取つた
キヤツプシールの上部を元のように瓶栓部に嵌合
して、破断したミシン目の部分を合わせれば、封
緘を外し内容物にいたずらを加えたことが殆ど判
らず、封緘性が損なわれるという問題点があつ
た。

本考案は上記従来の問題点を既決し、キヤツプ
シールを捩つてミシン目等の破断切込を破断すれ
ばすぐに、それと判かる悪戯防止用キヤツプシー
ルを提供することを目的として為されたものであ
る。

［課題を解決するための手段］ 周方向にミシン目等の破断切込を施して破断部
を形成し、該破断部を破断して、その上部を除去
することにより瓶栓部の封緘を解除するようにし
た悪戯防止用キヤツプシールにおいて、 前記周方向のミシン目等の破断切込を、端部が
段違いになるように形成した。

［作用］ 破断部を破断するべく、キヤツプシールを捩れ
ば、段違いになつているミシン目等の破断切込の
端部間に亀裂が入つたり、破れたりして、その痕
跡が一目瞭然になる。

［実施例］ 次に本考案を図面を参照して説明する。

第１〜４図は本考案の悪戯防止用キヤツプシー
ルの第１実施例を示す。

第１〜２図はスクリユーキヤツプを用いた瓶１
の瓶栓部２に悪戯防止用キヤツプシール３を装着
した場合の一部破断斜視図と断面図であり、前記
瓶栓部２は細口部２ａの開口部の外周側にスクリ
ユーキヤツプ２ｂが螺合されていると共に、該ス
クリユーキヤツプ２ｂの下端が当接する部分に
は、スクリユーキヤツプ２ｂと同形もしくはやや
大きめのキヤツプシール抜止用のビード２ｃが形
成されている。そして、悪戯防止用キヤツプシー
ル３は、その上端側が前記スクリユーキヤツプ２
ｂの上面外周部が掛り、下端側が前記キヤツプシ
ール抜止用のビード２ｃよりも下方に伸びた状態
で密着嵌合されていて、瓶栓部２を封緘するよう
になつていると共に、前記ビード２ｃの周面に位
置する部分には破断部４が形成されている。この
破断部４は0.3〜1.2mm程度のピツチでミシン目等
の破断切込５を周方向に設けることにより形成さ
れていて、両端部が段違いになつている。そし
て、瓶の内容物を盗用したり、内容物にいたずら
を加えるべく、悪戯防止用キヤツプシールを捩つ
て、破断部４を破断すれば、該破断部４の両端部
間が第３図に示したように破れて、その痕跡が残
るので、開封後に元に戻していたずらしたことが
解るのである。

なお、６は破断防止用キヤツプシール３の上端
側に連設された破断用の舌片６であり、該舌片６
から前記破断部４に向けて、ミシン目７が形成さ
れていて、該舌片６を引張ると前記ミシン目７を
介して破断部４が破断されるようになつている。

第５図は本考案の悪戯防止用キヤツプシール３
の第２実施例を示す。この実施例において破断部
４はキヤツプシールの一側に形成された半円孤状
の破断切込８と、該破断切込８の両端部と段差を
もたせた状態でキヤツプシールの他側に形成され
た半円孤状の破断切込９とで構成されていて、キ
ヤツプシールを捩ると２ケ所に亀裂等が入るよう
になつている。

第６図は本考案の第３実施例を示す。この実施
例において、破断部４は、キヤツプシールの一側
に上下２段に亘つて平行に形成された２本の半円
孤状の破断切込１０，１２と、これら破断切込１
０，１２の中間に位置するようにキヤツプシール
の他側に形成された１本の半円孤状の破断切込１
１とで構成されている。

第７図は本考案の第４実施例を示す。この実施
例において、破断部４は、第１実施例の破断切込
５の下方に半円孤状の破断切込１３を形成した場
合を示している。

第８〜９図は本考案の第５〜６実施例を示す。
この実施例において切断部４はループ状の破断切
込１４，１５を上下２段に形成し、キヤツプシー
ルを捩つたときに、これら破断切込み１４，１５
間に切目が入るようにした場合を示している。

なお破断切込はミシン目のほか、凹溝（薄肉線
状部）を形成してもよく、この凹溝はカツターで
僅かに筋をつけることにより形成することができ
る。

また破断切込は瓶の細口部の大径部の下方に位
置するように形成してもよい。

［効果］ 以上、説明したように本考案の悪戯防止用キヤ
ツプシールは、周方向の破断切込を、端部が段違
いになるように形成したので、キヤツプシールを
捩れば、段違いになつている破断切込の端部間に
亀裂やシワが入つたり、破れたりして、その痕跡
が一目瞭然になるので、封緘が破られたか否かを
容易に判別でき、封緘性に優れた安全な商品を提
供することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の悪戯防止用キヤツプシー
ルの使用状態の一部破断斜視図、第２図は第１図
の−線断面図、第３図は開封後戻した状態の
斜視図、第４図は第１実施例のキヤツプシールの
破断切込の形状を示す説明図、第５図は第２実施
例の説明図、第６図は第３実施例の説明図、第７
図は第４実施例の説明図、第８図は第５実施例の
説明図、第９図は第６実施例の説明図、第１０図
は従来例の斜視図、第１１図は同断面図である。 １……スクリユーキヤツプを用いる瓶、２……
瓶栓部、３……悪戯防止用キヤツプシール、４…
…破断部、８〜１５……破断切込。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 周方向に破断切込を施して上下切離しのための
   破断部を形成し、該破断部を破断して、その上部
   を除去することにより瓶栓部の封緘を解除するよ
   うにした悪戯防止用キヤツプシールにおいて、 前記周方向の破断切込を、端部が段違いになる
   ように形成したことを特徴とする悪戯防止用キヤ
   ツプシール。