JPH0531U - 全稈投入型コンバイン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扱室の穀稈導入口において穀稈を滞留させる
ことなく円滑に扱室内に導入できる。 【構成】 外周にスクリュー歯を備えた扱胴３を前後軸
芯Ｐ周りで回転自在に扱室４に設けるとともに、前記前
後軸芯Ｐに対して複数の棒状部材１０を放射状に配設し
てなる穀稈掻き込み機構１１を、扱胴３の前部に出退自
在に装備して、扱室４の穀稈導入口８に臨む回動位相に
おいて棒状部材１０を扱胴３から大きく突出させ、前記
回動位相から外れる位相では突出を少なくするよう構成
してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、外周にスクリュー歯を備えた扱胴を前後軸芯周りで回転自在に扱室 に設けた全稈投入型コンバインに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の全稈投入型コンバインは、扱室の穀稈導入口より導入された穀 稈を扱胴に備えたスクリュー歯で後方に移送しながら扱処理できるように、導入 された穀稈をスクリュー歯に連設した剛性部材から成る掻き込み部材で扱室内に 掻き入れていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来構造にあっては、扱室の天井壁等に前記掻き込み部材 が衝突しないよう掻き込み部材の外縁部の扱胴からの突出量が制限されており、 このため、扱室の穀稈導入口と掻き込み部材の外縁部との間に大きく隙間が生じ るものであって、この隙間部分に穀稈が滞留し易いものであった。

【０００４】 本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであって、扱室の穀稈導入口におい て穀稈を滞留させることなく穀稈を円滑に扱室内に導入できる全稈投入型コンバ インの提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかるコンバインは、上記目的を達成するために、外周にスクリュー 歯を備えた扱胴を前後軸芯周りで回転自在に扱室に設けるとともに、前記前後軸 芯に対して複数の棒状部材を放射状に配設してなる穀稈掻き込み機構を、前記扱 胴の前部に出退自在に装備して、前記扱室の穀稈導入口に臨む回動位相において 前記棒状部材を前記扱胴から大きく突出させ、前記回動位相から外れる位相では 突出を少なくするよう構成してあることを特徴構成とする。 かかる特徴構成による作用・効果は次の通りである。

【０００６】

【作用】

即ち、穀稈掻き込み機構は、扱室の穀稈導入口に臨む回動位相において棒状部 材を扱胴から大きく突出させ、前記回動位相から外れる位相では突出を少なくす るから、扱室の穀稈導入口に大きな隙間ができなくなる。そして、突出した棒状 部材によって穀稈が扱室内に掻き込まれるとともに、穀稈導入口に臨む回動位相 から外れる位相の相当する扱胴に天井壁等が近接する箇所では、棒状部材がその 天井壁等に衝突することが回避される。

【０００７】

【考案の効果】

従って、穀稈掻き込み機構によって、扱室の穀稈導入口に移送されてきた穀稈 はただちに扱室内に導入され、穀稈が扱室の穀稈導入口に滞留するという不具合 を解消できるに至った。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１に、脱穀部１と選別部２とからなる全稈投入型コンバインの脱穀装置Ａが 示されている。 脱穀部１は、前後方向軸芯Ｐ周りで回転する扱胴３を扱室４の前後にわたって 軸架し、その扱胴３の下側に受網５を配設しているとともに、扱胴３の外周に螺 旋状のスクリュー歯６を設けており、扱室４に導入された脱穀対象穀稈を脱穀作 用が与えられる状態で後方へ移送するように構成している。

【０００９】 コンバインの機体前部に備えられた刈取前処理部で刈り取られた穀稈は、搬送 ベルト７で後方に搬送され、扱室４前部下方の穀稈導入口８に送り込まれる。

【００１０】 この穀稈導入口８に臨む扱胴３の前部外周面には、図１及び図２に示すように 、螺旋状の掻き込み羽根９を設けているとともに、前後軸芯Ｐに対して３本の棒 状部材１０‥を放射状に配設するように、その３本の棒状部材１０‥を連結して 構成した穀稈掻き込み機構１１を、扱胴３の前部に出退自在に装備している。そ して、この穀稈掻き込み機構１１は、扱胴３の回転に伴って、前記穀稈導入口８ に臨む回動位相においては下方がわに向いた棒状部材１０が扱胴３から大きく突 出され、この突出に連動して、穀稈導入口８に臨む回動位相から外れる位相の棒 状部材１０，１０では扱胴３の外方への突出が少なくなるよう構成されている。 すなわち、３本の棒状部材１０‥の連結中心部は、扱胴３の回転支軸１２に片持 ち支持された前記前後方向軸芯より下位に偏位した前後軸１３に枢着されている のであって、このため、扱胴３と共に連れ回りする棒状部材１０が実際は前後軸 １３を中心として回転するものであり、前後方向軸芯Ｐ周りに回転する扱胴３に 対して棒状部材１０が扱胴３より下方の穀稈導入口８に臨む回動位相では扱胴３ から大きく突出し、この回動位相から外れた位相では扱胴３からの突出が少なく なるのである。

【００１１】 上記構成により、穀稈掻き込み機構１１は、扱胴３が回転しても、ほぼ常時、 穀稈導入口８の底面部分に向けて棒状部材１０の先端が近接または接当するよう に突出するので、穀稈導入口８に移送されてきた穀稈は滞留することなく、その 突出した棒状部材１０によって扱室４内に掻き込まれる。また、扱室４にケース ４ａの天井壁部分等扱胴３に近接した壁面に対しては、棒状部材１０の突出が少 ないので、棒状部材１０が衝突することはない。

【００１２】 尚、棒状部材１０の個数は適宜設定可能であるとともに、扱胴３を軸架する軸 に設けたカムによって、多数の放射状に配設された棒状部材１０‥を穀稈導入口 ８に臨む回動位相においてのみ扱胴３から大きく突出させ、穀稈導入口８に臨む 回動位相から外れる位相の棒状部材１０，１０では扱胴３の外方への突出が少な くなるよう構成しても良い。

【００１３】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインにおける脱穀選別部を示す縦断側面
図

【図２】扱胴の前端部を示す正面図

【符号の説明】

３ 扱胴 ４ 扱室 ８ 穀稈導入口 １０ 棒状部材 １１ 穀稈掻き込み機構 Ｐ 前後軸芯

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 外周にスクリュー歯を備えた扱胴（３）
   を前後軸芯（Ｐ）周りで回転自在に扱室（４）に設ける
   とともに、前記前後軸芯（Ｐ）に対して複数の棒状部材
   （１０）を放射状に配設してなる穀稈掻き込み機構（１
   １）を、前記扱胴（３）の前部に出退自在に装備して、
   前記扱室（４）の穀稈導入口（８）に臨む回動位相にお
   いて前記棒状部材（１０）を前記扱胴（３）から大きく
   突出させ、前記回動位相から外れる位相では突出を少な
   くするよう構成してある全稈投入型コンバイン。