JPH05317324A - 医療用穿刺具 - Google Patents

医療用穿刺具

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JPH05317324A
JPH05317324A JP4126242A JP12624292A JPH05317324A JP H05317324 A JPH05317324 A JP H05317324A JP 4126242 A JP4126242 A JP 4126242A JP 12624292 A JP12624292 A JP 12624292A JP H05317324 A JPH05317324 A JP H05317324A
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inner needle
tip
blade
trocar
tube
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JP4126242A
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English (en)
Inventor
Shuichi Kimura
修一 木村
Takeshi Tsukagoshi
壯 塚越
Shirou Bitou
士郎 備藤
Akio Nakada
明雄 中田
Seiji Kuramoto
聖治 倉本
Minoru Tsuruta
稔 鶴田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、体腔内まで安全に穿刺することがで
きる医療用穿刺具を提供することを目的とする。 【構成】この医療用穿刺具は、外套管1と内針2とから
なるトラカールにおいて、内針2の少なくとも先端穿刺
部18をその長手軸方向に沿って少なくともその一方が
移動操作自在な複数の針部5,6に分割して構成した。
これによると、一方の針部5,6を先に穿刺し、その後
に他方の針部5,6を穿刺することで、容易に刺入可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内針と外套管とからな
り、体壁へ穿刺した外套管を通じて、例えば内視鏡等の
器具を体腔内に挿入する際のガイドとして使用する医療
用穿刺具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なトラカールは、先端に刃を付け
た内針とこれを挿入する外套管とからなり、このトラカ
ールを使用する場合には、外套管に内針を挿入して組み
合わせた状態で腹壁に刺入していく。この刺入操作では
トラカールの手元側部分を術者がその手で握りながら押
す力を加える。
【0003】また、特公平2−28965号公報のもの
では、前述した従来のものに加えて次のような安全手段
を付加している。つまり、外套管の先端からばねの付勢
力によって弾性的に突出する保護シールドを設け、通常
は突き出した保護シールドによって内針の穿刺先端を覆
うとともに、腹壁に刺入するときにはその保護シールド
が腹壁の抵抗により手元側に押し戻され、内針の穿刺先
端が突き出した状態で刺入して行き、腹腔内へ到達する
と、保護シールドがばねの付勢力によって自動的に先方
へ突出し、再び、内針の穿刺先端を覆う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的な前者の構成の
ものにあっては、内針を腹壁に刺入している間、それな
りに抵抗があり、かなりの押込み力が必要であり、外套
管の先端が腹腔内に露出するまで入ると、その抵抗が急
減する一方、術者の押付け力は加わったままである。術
者はその抵抗の急減を感知して押付けを停止しようとす
るが、実際には急に押付け力を止めることが困難である
ため、ある程度の突出を余儀無くされる。したがって、
急な突出により臓器の損傷等を回避する細心の注意と熟
練が必要であった。
【0005】また、後者の構成のものにあっては、外套
管の先端から弾性的に突出する保護シールドを設けてあ
っても、外套管の先端が腹腔内に突き抜けて保護シール
ドの突出が完了する前においては、前述したと同様の急
な突出し作用があり、同様の問題があった。本発明は前
記課題に着目してなされたもので、その目的とするとこ
ろは、体腔内まで安全に穿刺することができる医療用穿
刺具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の医療
用穿刺具は、内針と外套管からなるトラカールにおい
て、内針の少なくとも先端穿刺部をその長手軸方向に沿
って少なくともその一方が移動操作自在な複数の針部に
分割して構成した。これによると、一方の針部を先に穿
刺し、その後に他方の針部を穿刺することができる。
【0007】
【実施例】本発明の第1の実施例に係るトラカールを、
図1ないし図3を参照して説明する。このトラカールは
挿入部としての外套管1とこれに挿入される内針2とか
らなり、外套管1の手元端には把持部材3が固定的に取
着されている。この把持部材3には外套管1の内孔に通
じる差込み口4が形成され、前記内針2はその差込み口
4から差し込まれて外套管1の内孔に挿入されるように
なっている。
【0008】内針2はその中心軸に沿う面で均等に2分
割されており、その各内針部5,6の断面の形状は、図
1の(c)で示すようにそれぞれ半円形である。また、
各内針部5,6はその分割面で摺接してその内針2の長
手軸方向に沿って互いに移動自在に取り付けられてい
る。第1の内針部5はその手元側端を操作部7のケース
部材8に固定的に連結されており、その第1の内針部5
より手元端を長く延出形成した第2の内針部6の手元端
には後述する操作レバー9が連結されている。
【0009】操作部7のケース部材8内にはその操作レ
バー9を連結した第2の内針部6の手元側端部が移動で
きる空洞部11が形成されている。操作レバー9は第2
の内針部6の長手軸方向に直交して延出し、ケース部材
8の側壁に開口して形成したスリット12を通じて外へ
突き出している。操作レバー9の延出先端には、操作つ
まみ13が設けられている。この操作つまみ13を操作
することにより、前記固定的な第1の内針部5に対して
第2の内針部6を内針2の長手軸方向に沿ってスライド
させることができる。
【0010】また、操作レバー9は、第2の内針部6の
手元端部にスライド自在に嵌挿されており、その途中に
は固定用係止爪具14が固着されている。この固定用係
止爪具14と第2の内針部6の手元端部との間には操作
レバー9の外周に巻装した弾性付勢用のコイルばね15
が介装されている。このコイルばね15は操作レバー9
とともに、その固定用係止爪具14を前記スリット12
側へ弾性的に付勢している。
【0011】固定用係止爪具14は前記空洞部11の内
面に前記スリット12の側縁に沿って形成した受け歯1
6に係止して保持されるようになっている。受け歯16
は第2の内針部6が手元側に戻るのを阻止する向きの鋸
歯状に形成されている。そして、操作レバー9を押し込
むことによりその受け歯16から固定用係止爪具14の
係合を解除でき、固定的な第1の内針部5に対して第2
の内針部6を進退できるようになっている。前記スリッ
ト12の一端に設けたストッパ17に操作レバー9を当
てることにより第2の内針部6の押込み終端を規制する
ようになっている。また、このとき、内針2の先端穿刺
部18は腹壁の厚さに相当する長さLだけ、外套管1の
先端から突き出す。
【0012】固定的な第1の内針部5と押込み終端に位
置する第2の内針部6との各先端部分は一致して三角錐
形状の先端穿刺部18を形成している。この先端穿刺部
18の稜部は図1の(b)で示すように各内針部5,6
にわたって内針2の先端中心から3等角で放射的に延び
る3つの刃部19を形成しており、その1つの刃部19
は内針部5,6の分割面に沿って形成されており、他の
刃部19は、各内針部5,6に1個づつ形成されてい
る。
【0013】次に、このトラカールの作用を、図2〜3
を参照して説明する。まず、操作レバー9を押し込んで
受け歯16から係止爪具14を解除し、その操作レバー
9を引上げ、第2の内針部6を外套管1内に引き込む。
そして、操作レバー9の押込みを解放することにより係
止爪具14が受け歯16に係止する。これで、第1の内
針部5は外套管1の先端から突き出し、第2の内針部6
は外套管1内に引き込まれた状態で固定される。
【0014】そこで、図2の(a)で示すように、予め
気腹されている腹壁21に第1の内針部5の先端を当て
その刃部19によりその腹壁21を切開し、外套管1の
先端がその腹壁21に当たるまで刺入する。このとき、
外套管1の先端は腹壁21に当たってそれ以上の刺入を
阻止するストッパとなるため、第1の内針部5はそれ以
上刺入しない。この状態に外套管1と第1の内針部5を
維持して、図2の(b)(c)、および図3の(d)で
示す手順で、操作レバー9を押し下げて第2の内針部6
を第1の内針部5と同じ位置まで刺入して再び固定す
る。この後、図3の(b)で示すように、第1の内針部
5と第2の内針部6を固定したまま、外套管1を腹腔内
まで押し込む。これにより、腹壁にトラカールの外套管
1を腹壁21に穿刺することができる。内針2はその外
套管1から引き抜くことができる。それ以後は一般的な
トラカールと同様に使用することができる。
【0015】しかして、このトラカールの構成によれ
ば、内針2は分割した第1の内針部5と第2の内針部6
とに分けて腹壁に刺入するから、細いものを順次挿入す
ることになり、一体の内針2を刺入する場合に比べてそ
の刺入する力量が軽くて済み、刺入操作が容易である。
また、その内針2の先端穿刺部18が腹腔内に突出する
量は僅かで済み、気腹した腹壁と臓器の距離未満に充分
に収めることができるので、臓器を損傷する距離まで刺
入することが回避できる。さらに、第1の内針部5を腹
壁の厚さに相当する長さLまで刺入すると、外套管1の
先端が腹壁に当たりそれ以上の刺入が阻止されるので、
腹腔内には必要最小限である刃部の長さのみしか突出し
ない。このため、それ以上の急な突き出しが起こらない
ため、安全である。
【0016】本発明の第2の実施例に係るトラカール
を、図4ないし図6を参照して説明する。前述した第1
の実施例のトラカールのものと異なる点を中心に説明す
ると、内針2はその中心軸で不均等に2分割されてお
り、図4の(b)で示すように、円を2つの扇形に分割
した断面形状であって、その円周角は第1の内針部5の
ものが小さく、第2の内針部6のものが大きく、その分
割面で摺接してその内針2の長手軸方向に沿って互いに
移動自在に取り付けられている。図4の(c)で示すよ
うに、先端穿刺部18において、第1の内針部5は先端
鋭利な3つの刃部22を有し、第2の内針部6は側方に
鈍な1つの刃部23を有している。
【0017】また、固定的な第1の内針部5に対して摺
動する第2の内針部6の手元端には、操作杆24が連結
されている。操作杆24には、第2の内針部6の手元端
部にその長手軸方向に直交して貫通する雌ねじ25に螺
挿する雄ねじ26が形成している。そして、操作杆24
は、第2の内針部6の雌ねじ25に螺挿する一端部を螺
挿するとともにその他方端部をスリット12を通じて操
作部7のケース部材8の外に突き出している。操作杆2
4の突出先端には操作つまみ27が設けられている。
【0018】この操作つまみ27を回転操作することに
より、第2の内針部6の雌ねじ25に螺挿することによ
り操作杆24の内方先端を前記ケース部材8の空洞部1
1の壁面に押し付けることによりその第2の内針部6を
固定できるようになっている。また、操作杆24を緩
め、上下すれば、固定的な第1の内針部5に対して第2
の内針部6を進退させることができる。
【0019】そこで、図5の(a)で示すように、外套
管1の先端より引っ込んだ位置に第2の内針部6を固定
し、予め気腹されている腹壁21に第1の内針部5の先
端を当てその刃部22によりその腹壁21を切開し、外
套管1の先端がその腹壁21に当たるまで刺入する。こ
のとき、外套管1の先端は腹壁21に当たってそれ以上
の刺入を阻止するストッパとなるため、第1の内針部5
はそれ以上刺入しない。この状態に外套管1と第1の内
針部5を維持して、図5の(b)(c)で示すように、
操作杆24を緩めて第2の内針部6を押し下げる。そし
て、このとき、第2の内針部6の鈍な1つの刃部23で
切り拡げて刺入する。第2の内針部6を固定する。この
後、図3の(b)で示すように、第1の内針部5と第2
の内針部6を固定したまま、外套管1を腹腔内まで押し
込む。これにより、腹壁21にトラカールの外套管1を
穿刺することができる。内針2はその外套管1から引き
抜くことができる。それ以後は一般的なトラカールと同
様に使用することができる。
【0020】しかして、この実施例の構成によれば、第
2の内針部6の刃部23が鈍であるため、第1の内針部
5の位置まで腹腔内に刺入したとき、第1の内針部5の
鋭利な刃部22を覆う。結果として内針2の先端穿刺部
18は鈍なものとなり、外套管1を腹腔内に挿入すると
きの安全性を向上できる。仮に、気腹圧力が低く、腹壁
と臓器の距離が小さい場合でも、内針2を押し込んで
も、臓器を傷付けことがない。
【0021】以下は本発明と平行に検討したトラカール
である。図7ないし図11はその一例を示している。こ
のトラカールは挿入部としての外套管31とこれに挿入
される内針としての内管32とからなり、外套管31の
手元端には、把持部材33が固定的に取着されている。
この把持部材33には外套管31の内孔に通じる差込み
口34が形成され、その差込み口34を通じて外套管3
1の内孔に前記内管32が差し込まれる。差込み口34
の途中には内管32などを抜去した際にその差込み口3
4を自動的に閉塞する気密弁35が設けられている。
【0022】前記内管32の手元端には操作部36のケ
ース部材37が取着されている。このケース部材37内
の空洞部38にはピン39によって中間部を枢着した操
作レバー40が設けられており、その一端には内管32
の中心に貫通して形成したガイド孔41に挿通した操作
リンク42の一端に連結されている。操作レバー40の
一端には長孔43が形成され、この長孔43には前記操
作リンク42の一端に取着したピン44が移動自在に嵌
挿されている。操作レバー40の他端はケース部材37
の側壁に形成したスリット45を通じて外へ露出してお
り、この露出端には操作つまみ46が取着されている。
【0023】しかして、操作つまみ46を持って操作レ
バー40をスリット45に沿って上下に回動することに
より操作リンク42を進退操作する。また、スリット4
5の上端には係止用突起47が形成され、操作つまみ4
6にはその突起47に係止する溝48が形成されてお
り、突起47に操作レバー40の操作つまみ46を係止
して、その位置に操作レバー40を保持することができ
る。
【0024】また、把持部材33には外套管31の壁部
内にわたり形成した送液路51に通じる送液口52が設
けられている。外套管31の壁部にはその送液路51に
それぞれ通じるとともに外套管31の内面に開口する吐
出孔53が適当な間隔で形成されている。そして、送液
口52から送液路51および吐出孔53を通じて送水す
れば、外套管31の内面を洗浄することができ、例えば
スコープを挿入する際、そのレンズ面が汚れることがな
くなり、何時でも術野を確保できる。また、スコープの
レンズ面が汚れたり曇ったりしたときには外套管31の
途中までレンズ面を引いたところで送水してやれば、そ
のレンズ面を短時間で簡単に洗浄することができ、視野
を再確保することが可能となる。
【0025】ところで、図7の(a)で示すように、前
記内管32の先端部54は、外套管31の先端から露出
しており、この先端部54の左右両面がそれぞれ傾斜面
55になっており、その偏平な中間部分にはスリット5
6が形成されている。また、この先端部55の最先端縁
は半円弧状に形成されている。前記スリット56内には
後述する回動操作用リンク機構によって操作される2枚
の薄板状の刃部材57が重なり合って配設されている。
各刃部材57はその中間部を別々のピン58によって内
管32に枢着されており、各刃部材57の一端部分には
それぞれ円弧状の溝孔59が形成されており、また、各
刃部材57の他端部にはそれぞれ刃部61が形成されて
いる。そして、この場合の回動操作用リンク機構は、そ
の各刃部材57の溝孔59やその枢支位置等を考慮し
て、操作レバー40が引き上げられていることにより、
操作リンク42が押し込まれている位置において各刃部
材57が閉じ、このとき、各刃部61が、内管32の先
端部54の半円弧状の最先端縁中央に位置して噛み合っ
た重合状態でスリット45から僅かに突き出すように設
定してある。この各刃部材57の刃部61は先端部54
の半円弧状最先端縁から僅かに突き出す長さに形成され
ている。なお、各刃部材57の刃部61はこの位置から
後述する回転する向きに向って弧状に形成されている。
【0026】さらに、各刃部材57の溝孔59には前記
操作リンク42の先端に取着した1本の操作用ピン62
が共通に嵌め込まれるとともに、その溝孔59に対して
相対的に摺接移動自在に取り付けられている。図8で示
すように、操作リンク42が引き上げられた位置にある
ときには、各刃部材57の他端部にある刃部61は内管
32の先端部54の半円弧状の最先端縁中央に位置して
噛み合った重合状態でスリット45から僅かに突き出し
ている。また、操作リンク42が押し込まれる場合に
は、図10の(a)から(b)で順次示すように、各刃
部材57の刃部61が、内管32の先端部54における
半円弧状最先端縁に沿って逆向きに回動し、最後にはそ
の半円弧部が途切れたところからスリット45内に収納
されて没入する。
【0027】そこで、腹壁21に穿刺する場合には図1
1で示すような手順で行われる。すなわち、外套管31
に内管32を装着してその外筒管31の先端から突き出
した内管31の先端部55を腹壁21に押し当てる。そ
して、先端部54における半円弧状最先端縁から突き出
す刃部61によって切り込み、さらに、その先端部55
の半円弧状最先端縁によって押し拡げることにより穿刺
することができる。また、図11の(b)で示すよう
に、腹膜63に達したところで、操作レバー40を押し
上げて操作リンク42を押し込むと、各刃部材57の刃
部61が、図11の(c)ないし(e)で示すように切
開して容易に腹腔内まで穿刺させることができる。これ
により、腹壁21にトラカールの外套管31を穿刺する
ことができる。内管32はその外套管31から引き抜く
ことができる。それ以後は一般的なトラカールと同様に
使用することができる。なお、最初から刃部材57の回
動を繰り返しながら刃部61による切開を繰り返し、図
11の(a)で示すように腹壁21に切開部64を形成
して穿刺するようにしてもよい。
【0028】しかして、このトラカールによれば、穿刺
する際の腹壁21を押す力が非常に軽くて済む。また、
内管32の先端部54が鈍な形状であり、その刃部材5
7の刃部61の突出量が小さく、最終的に先端部55内
に引き込まれる。また、内管32の先端部54に傾斜を
付けているため、挿入がスムーズである。これらの理由
により穿刺時に急激な突き出しがなく、腹壁21がトラ
カールが挿入可能な大きさまで拡開されると刃部61が
完全に収納されるため、腹腔内の臓器を損傷することを
避け得、安全にトラカールを体腔内に挿入することがで
きる。
【0029】図12ないし図13は前記トラカールの変
形例を示すものである。この場合の回動操作用リンク機
構は、図13で示すように、その各刃部材57の溝孔5
9やその枢支位置等を考慮して、操作レバー40が押し
下げられていることにより、操作リンク42が引き上げ
られている位置において、各刃部材57が閉じ、このと
き、各刃部61が内管32の先端部54の半円弧状の最
先端縁中央に位置して噛み合った重合状態で、スリット
56から僅かに突き出すように設定している。しかし
て、操作レバー40を引き上げて操作リンク42を押し
込むと、各刃部材57が回動して開き、各刃部61によ
る切開操作を行うことができる。しかして、この場合に
は操作つまみ46の溝48を係止する突起47は、スリ
ット45の下端に形成する。
【0030】さらに、この変形例にあっては、操作部3
6のケース部材37に、高周波入力用端子65を設け、
この端子65はケース部材37の空洞部38内に設けた
導電部材66に電気的に接続され、その導電部材66に
は操作レバー40を枢着するピン39が取り付けてい
る。これらを通じて端子65を導電性部材からなる操作
リンク42に導通させている。さらに、この操作リンク
42、ピン62を通じて前述した刃部材57に導通させ
ている。なお、この導通部分以外は絶縁処理を施してい
る。さらに、刃部材57はその刃部61を除き、少なく
ともその内管32から露出する面を絶縁処理を施してい
る。そして、刃部材57により組織を切開する際、これ
に高周波電流を流して高周波切開作用を付加して刃自体
の切れ味の劣化に関係なく、切開を効率的に行うことが
できる。また、その高周波電流による組織の凝固作用を
利用して止血しながら切開を行うことができる。
【0031】図14ないし図18を参照して他のトラカ
ールを説明する。このトラカールは挿入部としての外套
管71とこれに挿入される内管72とからなり、外套管
71の手元端には把持部材73が固定的に取着されてい
る。この把持部材73には外套管71の内孔に通じる差
込み口が形成され、前記内管72をその差込み口から差
し込んで外套管71の内孔に挿入するようになってい
る。図17で示すように、その差込み口には前記内管7
2や医療用器具を外套管71に挿通時及び非挿通時にお
いて気密を保つ弁74が設けてある。この弁74はスリ
ット75を設けた弾性部材からなり、そのスリット75
には親水潤滑処理を施して挿入力量を低減させるように
なっている。したがって、これよりスコープや処置具を
挿脱する際の抵抗が小さくなり、操作力量が軽くなる。
また、スコープや処置具を抜去する時に外套管71が腹
腔から抜けることがなくなる。この弁74はスコープや
処置具を抜去した時にはそのスリット75が閉じるの
で、腹腔内との気密を保持でき、気密機構が1つで済
む。なお、図14の(a)で示すように、外套管71の
把持部材73にはその外套管71内を通じて送気するた
めの送気用コック76が設けられている。
【0032】また、前記内管72は外側管77と内側管
78とからなる二重管構造に構成されている。外側管7
7の内部に内側管78が摺動自在に挿入されている。内
管72の先端部81においての外側管77と内側管78
は左右側面部分が、傾斜面部82,83として形成さ
れ、偏平に形成されている。前述した例と同じくその偏
平部には外側管77と内側管78にわたり互いに連通一
致するスリット84,85が形成されている。
【0033】図15の(a)で示すように、外側管77
の手元端には、操作部79のケース部材80が固定的に
連結されている。また、外側管77の内部に摺動自在に
挿入された内側管78は、ケース部材80の内部に収納
されたコイルばね86によって手元側へ向けて弾性的に
付勢されている。このため、外側管77に対して内側管
78は手元側へ一定量、後退している。内側管78の手
元端には操作釦87が取り付けられている。
【0034】また、内側管78には前述したトラカール
のものと同じように操作レバー88に連結された操作リ
ンク89が進退自在に挿入されている。操作レバー88
は前記ケース部材80の側周壁部に設けたスリット91
を通じて操作部79の外に露出しており、操作レバー8
8の突出先端には操作つまみ92が取り付けられてい
る。しかして、操作つまみ92を持って操作レバー88
を上下することにより、内側管78に対して操作リンク
89を進退させることができる。
【0035】内管72の先端部81におけるスリット8
4,85内には、内側管78にピン90により枢着され
た回転刃93が設けられており、この回転刃93はその
回転先端に円弧状の刃部94を形成している。手元側の
操作釦87を先端側へ押した量だけ、内側管78を先端
側へ移動させることができる。そして、この内側管78
の先端に取り付ける前記回転刃93の回転中心は、外側
管77に内側管78を終端まで押し込んだ位置において
先端部81の中心にあり、このとき、回転刃93の先端
に設けた刃部94は、その先端部81における半円弧状
最先端縁から僅かに突き出した状態で回転するようにな
っている。
【0036】この回転刃93は連結リンク95を介して
前記操作リンク89の先端に連結され、いわゆるスライ
ダクランクリンク機構を構成して操作リンク89を進退
させることにより回転刃93を回転させることができる
ようになっている。しかして、図16の(a)で示すよ
うに、操作部79において、操作つまみ92を持って操
作レバー88を上下することにより、操作リンク89を
進退させれば、その内管72の先端部81の半円弧状最
先端縁に沿って刃部94を僅かに突き出した状態で回転
刃93を回転することができる。
【0037】また、回転刃93を保持する内側管78
は、通常、図16の(b)で示すように、前述したコイ
ルばね86の付勢力によって外側管77に対して後退し
ており、このため、通常の状態では、回転刃93はスリ
ット84,85内に収納され、その刃部94が内管72
の先端部81から突き出すことがない。
【0038】外套管71の把持部材73に設けた送気用
コック76は図18で示すように構成されている。すな
わち、これは把持部材73に固定された第1のコック部
材96と係合する第2のコック部材97とからなり、第
1のコック部材96に対して第2のコック部材97の回
動を一定量規制するため、その一方には溝98が他方に
は突起99が設けられている。第1のコック部材96に
は偏心した位置に第1の管路101が形成され、第2の
コック部材97にはその第1の管路101に通じる開口
を一端とする蛇行する第2の管路102が形成されてい
る。第2の管路102の他端にはルアーコック口金10
3が形成されている。このルアーコック口金103に接
続できる送気チューブを回転してそれに取り付けると、
第2のコック部材97が送気チューブと一緒に例えば9
0度回転し、第1の管路101と第2の管路102が連
通して送気可能な状態になる。また、送気チューブを回
転して第2のコック部材97から取り外すと、そのコッ
ク部材97が取り付けるときとは逆向きに90度回転
し、第1の管路101と第2の管路102が閉じた状態
になる。
【0039】これによると、送気チューブを取り付けた
場合のみ、管路101,102が連通して送気できるよ
うになる。送気チューブを取り外している場合には、管
路101,102が遮断して送気不能な状態になる。し
たがって、コックの締め忘れによる気腹ガスの漏れを防
止できる。また、送気チューブが不意に外れた際のガス
漏れを防止できる。
【0040】このトラカールを使用する場合、把持部材
73を握り、操作釦87を押すと、内側管78が押し込
まれて回転刃93の刃部94が内管72の先端部81か
ら突き出せる状態になる。そして、前述したように回転
刃93を回転して腹壁を切開する。また、トラカールを
挿入するときには操作釦87の押し込みを緩め、内側管
78を手元側へ引っ込めれば、回転刃93の刃部94は
内管72の先端部81から突き出さない状態で行うこと
ができる。
【0041】このトラカールによれば、メスによる腹壁
の切開が浅くても、先端部81における半円弧状最先端
縁から刃部94が僅かに突き出す状態で回転刃93を連
続的に回転することができるので、トラカールを腹壁へ
押し付ける力が非常に軽い状態で、腹壁を切開しつつ、
徐々にトラカールを挿入していくこともできる。これに
より、腹腔内への急の突き出しがなく、安全にトラカー
ルを腹腔内に挿入することができる。また、内管72の
先端部81が鈍であるため、仮に、気腹圧力が低く、腹
壁と臓器の距離が小さい場合でも、内針2を押し込んで
も、臓器を傷付けことがない。トラカールを安全に体腔
内に挿入できる。
【0042】なお、図19は前記送気用コック76の変
形例を示す。これは把持部材73に固定された第1のコ
ック部材96の口金部105に第2のコック部材106
を摺動自在に組み込み、この第2のコック部材106に
は第1のコック部材96に通じる連通孔107が設けら
れている。そして、この第2のコック部材106は、第
1のコック部材96内に設けたコイルばね108によっ
て口金部105の内面によって連通孔107が閉塞され
る位置まで付勢されて待機し、この状態にあっては送気
用コック76は閉塞している。なお、109は連通用切
欠きである。
【0043】そこで、第1のコック部材96の口金部1
05にルアーコックにより送気チューブを取り付ける
と、その際に第2のコック部材106が押し込まれ、連
通孔107が第2のコック部材106内で開放させられ
て送気用コック76は開放する状態になる。送気チュー
ブを取り外せば、送気用コック76は自動的に閉塞す
る。これによると、送気チューブを取り付けた場合の
み、送気できるようになる。また、送気チューブを取り
外している場合には遮断し、安全を確保する。
【0044】図20はさらに他のトラカールの内針11
0の例を示す。この内針110の先端部111は三角形
状としてなり、その各稜の部分を刃部112としてい
る。さらに、先端部111の途中から手元側部分におい
て、刃部112を避けた面部に開口するスリット113
を設けてなり、このスリット113には前述したような
回転刃93が設けられている。回転刃93は連結リンク
95を介して操作リンク89の先端に連結され、いわゆ
るスライダクランクリンク機構を構成してその操作リン
ク89を進退させることにより回転刃93を回転するよ
うになっている。そして、回転刃93は回転する際にそ
の刃部94が先端部111の面部から突き出す。なお、
スライダクランクリンク機構の駆動は前述したような手
段によって行う。
【0045】しかして、この内針110を用いたトラカ
ールを腹壁に穿刺する場合、トラカールの手元側から押
す力を加えてその内針110の先端部111の刃部11
2を用いて刺入していくが、腹壁の抵抗が大きくなり、
重くなった時点で、回転刃93を回転してその刃部94
により切開を加え、内針110の外径まで切開を行い、
さらにトラカールを刺入していく。したがって、トラカ
ールの刺入がスムーズになり、これにより急激な突き抜
けがなくなり、腹腔内臓器を傷付けることが回避され、
安全に刺入することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、内
針は分割した複数の内針部に分けて構成され、それらの
内針部が分けて腹壁に刺入されるから、細いものを順次
挿入することになり、一体の内針を一度に刺入する場合
に比べて刺入する力量が軽くて済み、刺入操作が容易で
ある。これと同時に、その内針の先端穿刺部が腹腔内に
突出する量は僅かで済み、気腹した腹壁と臓器の距離未
満に充分に収めることができるので、臓器を損傷する距
離まで刺入することが回避できる。また、第1番目の内
針部を腹壁の厚さに相当する長さまで刺入すると、外套
管の先端を腹壁に当るようにすることが可能で、このよ
うにすれば、それ以上の刺入が阻止される結果、腹腔内
には必要最小限である刃部の長さのみしかで突出せず、
それ以上の急な突き出しが起りにく、安全に刺入するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るトラカールを示
し、(a)はその斜視図、(b)は先端部の正面図、
(c)は(a)中C−C線に沿う断面図、(d)はその
トラカールの縦断面図である。
【図2】(a)(b)(c)は同じく本発明の第1の実
施例に係るトラカールを使用する際の刺入途中までの手
順を示す説明図。
【図3】(a)(b)は前述した手順に続く前記トラカ
ールの刺入手順を順次示す説明図。
【図4】本発明の第2の実施例に係るトラカールを示
し、(a)はそのトラカールの斜視図、(b)は(a)
中B−B線に沿う断面図、(c)はそのトラカールの先
端部の正面図、(d)はそのトラカールの先端部の側面
図、(e)は第1の内針部の側面図である。
【図5】(a)(b)(c)は同じく本発明の第1の実
施例に係るトラカールを使用する際の刺入途中までの手
順を示す説明図。
【図6】(a)(b)は前述した手順に続く前記トラカ
ールの刺入手順を順次示す説明図。
【図7】本発明と平行に検討したトラカールを示し、
(a)はその斜視図、(b)はその手元側部分の縦断面
図である。
【図8】(a)(b)はそのトラカールの内管の先端部
の断面図である。
【図9】図8の(a)中A−A線に沿う断面図である。
【図10】各刃部材の動作を示す説明図である。
【図11】そのトラカールを使用するときの作用順序を
示す説明図である。
【図12】本発明と平行に検討した他のトラカールを示
し、(a)はその斜視図、(b)はその手元側部分の縦
断面図である。
【図13】そのトラカールの内管の先端部の断面図であ
る。
【図14】本発明と平行に検討したさらに他のトラカー
ルを示し、(a)はその斜視図、(b)はその内管を展
開して示すその先端部付近の斜視図である。
【図15】(a)(b)は前記トラカールにおける内管
の操作部の断面図、(c)はその内管の先端部分の断面
図、(d)はその内管の先端部分の異なる向きの断面図
である。
【図16】(a)(b)はその内管の先端部分における
回転刃の動作を示す説明図である。
【図17】その手元部の斜視図である。
【図18】(a)はそのトラカールの送気用コックの縦
断面図、(b)は(a)中A−A線に沿う断面図であ
る。
【図19】他のトラカールの送気用コックの縦断面図で
ある。
【図20】他のトラカールの内針の先端部の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…外套管、2…内針、5…第1の内針部、6…第2の
内針部、7…操作部、9…操作レバー、13…操作つま
み、18…先端穿刺部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】しかして、このトラカールの構成によれ
ば、内針2は分割した第1の内針部5と第2の内針部6
とに分けて腹壁に刺入するから、細いものを順次挿入す
ることになり、一体の内針2を刺入する場合に比べてそ
の刺入する力量が軽くて済み、刺入操作が容易である。
したがって、刺入の際、腹壁を腹腔内に押し込む量が減
り、腹壁と臓器は離れた位置にあるので、若干内針先端
部が腹腔内に突出しても臓器の損傷には至らない。さら
に、第1の内針部5を腹壁の厚さに相当する長さLまで
刺入すると、外套管1の先端が腹壁に当たりそれ以上の
刺入が阻止されるので、腹腔内には必要最小限である刃
部の長さのみしか突出しない。このため、それ以上の急
な突き出しが起こらないため、安全である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明の第2の実施例に係るトラカール
を、図4ないし図6を参照して説明する。前述した第1
の実施例のトラカールのものと異なる点を中心に説明す
ると、内針2はその中心軸で不均等に2分割されてお
り、図4の(b)で示すように、円を2つの扇形に分割
した断面形状であって、その円周角は第1の内針部5の
ものが小さく、第2の内針部6のものが大きく、その分
割面で摺接してその内針2の長手軸方向に沿って互いに
移動自在に取り付けられている。図4の(c)ないし
(e)で示すように、先端穿刺部18において、第1の
内針部5は先端鋭利な3つの刃部22を有し、第2の内
針部6は先端が鈍であり、側方に1つの刃部23を有し
ている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】そこで、図5の(a)で示すように、外套
管1の先端より引っ込んだ位置に第2の内針部6を固定
し、予め気腹されている腹壁21に第1の内針部5の先
端を当てその刃部22によりその腹壁21を切開し、外
套管1の先端がその腹壁21に当たるまで刺入する。こ
のとき、外套管1の先端は腹壁21に当たってそれ以上
の刺入を阻止するストッパとなるため、第1の内針部5
はそれ以上刺入しない。この状態に外套管1と第1の内
針部5を維持して、図5の(b)(c)で示すように、
操作杆24を緩めて第2の内針部6を押し下げる。そし
て、このとき、第2の内針部6の1つの刃部23で切り
拡げて刺入する。第2の内針部6を固定する(図6の
(a)を参照)。この後、図の(b)で示すように、
第1の内針部5と第2の内針部6を固定したまま、外套
管1を腹腔内まで押し込む。これにより、腹壁21にト
ラカールの外套管1を穿刺することができる。内針2は
その外套管1から引き抜くことができる。それ以後は一
般的なトラカールと同様に使用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】しかして、この実施例の構成によれば、
端が鈍な第2の内針部6が、第1の内針部5の位置まで
腹腔内に刺入したとき、第1の内針部5の鋭利な刃部2
2を覆う。結果として内針2の先端穿刺部18は鈍なも
のとなり、外套管1を腹腔内に挿入するときの安全性を
向上できる。仮に、気腹圧力が低く、腹壁と臓器の距離
が小さい場合でも、内針2を押し込んでも、臓器を傷付
けことがない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】ところで、図7の(a)で示すように、前
記内管32の先端部54は、外套管31の先端から露出
しており、この先端部54の左右両面がそれぞれ傾斜面
55になっており、その偏平な中間部分にはスリット5
6が形成されている。また、この先端部55の最先端縁
は半円弧状に形成されている。前記スリット56内には
後述する回動操作用リンク機構によって操作される2枚
の薄板状の刃部材57が重なり合って配設されている。
各刃部材57はその中間部を別々のピン58によって内
管32に枢着されており、各刃部材57の一端部分には
それぞれ円弧状の溝孔59が形成されており、また、各
刃部材57の他端部にはそれぞれ刃部61が形成されて
いる。そして、この場合の回動操作用リンク機構は、そ
の各刃部材57の溝孔59やその枢支位置等を考慮し
て、操作レバー40が引き上げられていることにより、
操作リンク42が押し込まれている位置において各刃部
材57が閉じ、このとき、各刃部61が、内管32の先
端部54の半円弧状の最先端縁中央に位置して噛み合っ
た重合状態でスリット56から僅かに突き出すように設
定してある。この各刃部材57の刃部61は先端部54
の半円弧状最先端縁から僅かに突き出す長さに形成され
ている。なお、各刃部材57の刃部61は前記各刃部材
57の最先端部分とこの位置から後述する回転する向き
設けた弧状部分とからなる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】さらに、各刃部材57の溝孔59には前記
操作リンク42の先端に取着した1本の操作用ピン62
が共通に嵌め込まれるとともに、その溝孔59に対して
相対的に摺接移動自在に取り付けられている。図8で示
すように、操作リンク42が引き上げられた位置にある
ときには、各刃部材57の刃部61は内管32の先端部
54の半円弧状の最先端縁中央に位置して噛み合った重
合状態でスリット45から僅かに突き出している。ま
た、操作リンク42が押し込まれる場合には、図10の
(a)から(b)で順次示すように、各刃部材57の刃
部61が、内管32の先端部54における半円弧状最先
端縁に沿って逆向きに回動し、最後にはその半円弧部が
途切れたところからスリット45内に収納されて没入す
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】そこで、腹壁21に穿刺する場合には図1
1で示すような手順で行われる。すなわち、外套管31
に内管32を装着してその外套管31の先端から突き出
した内管31の先端部55を腹壁21に押し当てる。そ
して、先端部54における半円弧状最先端縁から突き出
す刃部61によって切り込み、さらに、その先端部55
の半円弧状最先端縁によって押し拡げることにより穿刺
することができる。また、図11の(b)で示すよう
に、腹膜63に達したところで、操作レバー40を押し
上げて操作リンク42を押し込むと、各刃部材57の刃
部61が、図11の(c)ないし(e)で示すように切
開して容易に腹腔内まで穿刺させることができる。これ
により、腹壁21にトラカールの外套管31を穿刺する
ことができる。内管32はその外套管31から引き抜く
ことができる。それ以後は一般的なトラカールと同様に
使用することができる。なお、最初から刃部材57の回
動を繰り返しながら刃部61による切開を繰り返し、図
11の(a)で示すように腹壁21に切開部64を形成
して穿刺するようにしてもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】このトラカールによれば、メスによる腹壁
の切開が浅くても、先端部81における半円弧状最先端
縁から刃部94が僅かに突き出す状態で回転刃93を連
続的に回転することができるので、トラカールを腹壁へ
押し付ける力が非常に軽い状態で、腹壁を切開しつつ、
徐々にトラカールを挿入していくこともできる。これに
より、腹腔内への急の突き出しがなく、安全にトラカー
ルを腹腔内に挿入することができる。また、内管72の
先端部81が鈍であるため、仮に、気腹圧力が低く、腹
壁と臓器の距離が少ない場合でも、内針2を押し込んで
も、臓器を傷付けることがない。トラカールを安全に体
腔内に挿入できる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】図20はさらに他のトラカールの内針11
0の例を示す。この内針110の先端部111は三角
形状としてなり、その各稜の部分を刃部112としてい
る。さらに、先端部111の途中から手元側部分におい
て、刃部112を避けた面部に開口するスリット113
を設けてなり、このスリット113には前述したような
回転刃93が設けられている。回転刃93は連結リンク
95を介して操作リンク89の先端に連結され、いわゆ
るスライダクランクリンク機構を構成してその操作リン
ク89を進退させることにより回転刃93を回転するよ
うになっている。そして、回転刃93は回転する際にそ
の刃部94が先端部111の面部から突き出す。なお、
スライダクランクリンク機構の駆動は前述したような手
段によって行う。
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 明雄 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 倉本 聖治 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 鶴田 稔 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内針と外套管からなる医療用穿刺具にお
    いて、内針の少なくとも先端穿刺部がその長手軸方向に
    沿って少なくともその一方が移動操作自在な複数の針部
    に分割して構成したことを特徴とする医療用穿刺具。
JP4126242A 1992-05-19 1992-05-19 医療用穿刺具 Withdrawn JPH05317324A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4126242A JPH05317324A (ja) 1992-05-19 1992-05-19 医療用穿刺具

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