JPH053146Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案はコンパクト容器に関するもので、よ
り具体的には、容器本体と蓋体とが後端部で開閉
自在に結合され、該容器本体上にレフイル容器が
着脱自在に収納されてなるコンパクト容器に関す
る。

《従来の技術》 従来、一般的なコンパクト容器にあつては、収
納凹所の形成された容器本体内に直接化粧料が充
填されていた。従つて、一旦充填された化粧料を
使い果たした後はそのコンパクト容器は使いすて
られていた。しかしながら、コンパクト容器自体
はより長期の使用にもたえうるものであるため、
近年の省資源の要請に適したものとはいえず、ま
た、消費者にとつても化粧料がなくなつた時点で
新しいコンパクト容器ごとかわなければならず不
経済であつた。

そこで、最近ではコンパクト容器とは別に形成
された皿に化粧料を充填し、この化粧料が充填さ
れた皿（レフイル容器）を容器本体に着脱可能に
取り付け、化粧料を使い果たしたとき、或いは、
別の化粧料（他の色、他の種類等）を使用したい
場合に、使用中のレフイル容器を取り外すととも
に別のレフイル容器を容器本体に取り付けるよう
にしたものが種々開発されている。

これにより、耐用年数の長いコンパクト容器を
使いすてることなく長期間使用できると言う利点
を有する。

そして、このようなコンパクト容器としては、
容器本体とレフイル容器との間に両面接着テープ
や接着剤を介在させ、その接着力を利用して容器
本体の凹所内にレフイル容器を固着するように
し、一方、取り外すときには容器本体の底面に形
成した透孔に裏面から針などを挿入してレフイル
容器を上方に押圧することにより行うようにして
いるものがある。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、上記した従来のコンパクト容器
によれば、レフイル容器の着脱回数が増加するに
つれ、両面テープなどの接着強度が低下し、レフ
イル容器を容器本体内に固定できず、使用中に誤
つてレフイル容器が離脱してしまうおそれがあ
る。

また、接着剤を用いた場合にはレフイル容器を
外したときにレフイル容器の下面に接着剤の一部
がくつついてしまう場合がある。その際、化粧料
を使いきりレフイル容器を捨てる場合にはさほど
問題はないが、別の化粧料を使用するために取り
替えた場合には以下のような問題を生じる。すな
わち、取り外したレフイル容器は、その内部に化
粧料が残存しており、次回の使用に備え保管しな
ければならないが、その保管中に他のものにレフ
イル容器が接着剤を介してくつついてしまうおそ
れがある。また、仮に、保管をうまくおこない他
のものにくつつくことがなくても、レフイル容器
の下面には部分的に接着剤がくつついているため
面一にはならず、再度容器本体内に取り付ける際
に綺麗に接着固定できないおそれがある。

この考案は、上記した問題点に鑑みてなされた
ので、その目的とするところは、たとえ多数回に
わたつてレフイル容器を取換えたとしても、使用
中に誤つてレフイル容器が離脱したりすることな
く確実に固定でき、一方、保管も容易に行うこと
のできるコンパクト容器を提供するにある。

《問題点を解決するための手段》 上記した目的を達成するため、本考案に係るコ
ンパクト容器では、容器本体の後端部にこれを開
閉する蓋体が回動自在に設けられ、該容器本体内
にはその上方から着脱可能にレフイル容器が収納
されてなるコンパクト容器において、上記容器本
体の後端部に回動手段を介して回動自在に支持さ
れ、かつまた該回動手段の回動中心から偏心させ
て配置された蝶番手段を介して、該容器本体を開
閉する上記蓋体を回動自在に支持し、該蓋体に作
用する回動力が該蝶番手段を介して該回動手段の
回動中心回りに作用され回動されて上記レフイル
容器に対して上方から係合し離脱される蝶番部片
と、該蝶番部片と上記容器本体との間に設けら
れ、上記レフイル容器から離脱する該蝶番部片の
回動を係脱自在に規制する規制手段と、を備えた
ことを特徴とする。

《実施例》 以下、本考案の好適な実施例について添付図面
を参照にして説明する。

第１図〜第４図は本考案に係るコンパクト容器
の好適な一実施例を示している。

本実施例は基本的には、容器本体１の後端部に
これを開閉する蓋体７が回動自在に設けられ、容
器本体１内にはその上方から着脱可能にレフイル
容器１６が収納されてなるコンパクト容器におい
て、容器本体１の後端部に回動手段としての小突
起５ａ及び小孔２１ａを介して回動自在に支持さ
れ、かつまた小突起５ａ及び小孔２１ａで構成さ
れる回動中心から偏心させて配置された蝶番手段
としての蝶番部２３のピン孔２３ａ及び図示され
ないピンを介して、容器本体１を開閉する蓋体７
を回動自在に支持し、蓋体７に作用する回動力が
蝶番部２３等を介して上記小突起５ａ及び小孔２
１ａによる回動中心回りに作用され回動されてレ
フイル容器１６に対して上方から係合し離脱され
る蝶番部片２０と、蝶番部片２０と容器本体１と
の間に設けられ、レフイル容器１６から離脱する
蝶番部片２０の回動を係脱自在に規制する規制手
段としての係合凹部２８及び係合突部３２と、を
備えて構成されている。

同図に示すように、平面略矩形の容器本体１の
上面に凹所２が穿設されている。また、容器本体
１の前端中央部には凹状切欠部３が穿設され、こ
の凹状切欠部３の奥面上方部には第１の係合突起
４が一体的に突出形成されている。

一方、容器本体１の後端部に開閉自在に連繋さ
れた蓋体７は、容器本体１と略同一平面形状から
なり、その内面に鏡１０が貼着されている。ま
た、蓋体７の前方中央部下面には爪片１１が一体
的に垂下形成されており、その爪片１１の内面に
第２の係合突起１２が突出形成されている。そし
て、この第２の係合突起１２が蓋体７の閉止位置
において容器本体１に形成した第１の係合突起４
と係止して蓋体７が止錠される。

さらに容器本体１の凹状切欠部３内にはプツシ
ユピース１５が揺動可能に配設されており、蓋体
の止錠位置からこのプツシユピース１５を押圧す
るとプツシユピース１５が爪片１１を押し上げて
第１、第２の係合突起４，１２の係合を解除でき
るようになつている。

また、容器本体１に形成した凹所２内に化粧料
が充填されたレフイル容器１６が着脱自在に収納
されるようになつている。そして、容器本体１の
凹所２の内周面前面部には、その上端部に凸条１
７が後方に向けて突出形成され、レフイル容器１
６収納時にレフイル容器１６の前方に形成された
第１のフランジ部１６ａと係止しあうようになつ
ている。

ここで本考案では、まず、容器本体１と蓋体７
とが、蝶番部片２０を介して開閉可能に連結され
ている。すなわち、容器本体１の後端部に形成さ
れた切欠凹所５内に略符合する蝶番本体２１の両
側部に一対の小孔２１ａが穿設され、この小孔２
１ａが切欠凹所５の内側面に形成された小突起５
ａ，５ａと係合しあい、この小突起５ａを中心と
して蝶番本体２１が回動するようになつている。
そして、蝶番本体２１の上端後方部には後方への
びるフランジ部２２が一体的に突出形成されてお
り、そのフランジ部２２の後端両側部には小円柱
場の蝶番部２３，２３が一体的に突出形成されて
いる。この蝶番部２３には横方向に貫通するピン
孔２３ａが同一線上に夫々穿設されている。そし
て、両蝶番部２３，２３間に上記した蓋体７の後
端部に垂下形成された蝶番片２５が挿入配置さ
れ、ここにおいて、両ピン孔２３ａ，２３ａ内に
挿入されたピンにて蓋体７が枢着されるようにな
つている。

更に本考案では、蝶番本体２１の上端前面部
に、平板状の係止突片２７が一体的に突出形成さ
れている。そして、この係止突片２７は、蝶番本
体２１より若干幅狭に形成されている。更にま
た、蝶番本体２１の上面前端両側部は凹状に切除
され係合凹部２８，２８が穿設されている。

一方、容器本体１の凹所２の奥面中央部が切除
されて開口部３０が形成されており、この開口部
３０を介して凹所２と切欠凹所５とが連通するよ
うになつている。そして、この開口部３０は、上
記した蝶番部片２０に形成した係止突片２７と略
同一幅から形成されており、この開口部３０内
に、係止突片２７が挿入配置可能となつている。

さらに、開口部３０に近接する凹所２を形成す
る内壁部は、その上端が後方へ向けて折曲されて
係合突部３２が形成されている。そして、この係
合突部３２は、切欠凹所５の前端上方部の一部を
覆うように配置されており、蝶番部片２０に形成
した係合凹部２８と係合可能となつている。すな
わち、これら係合突部３２と係合凹部２８とによ
り係合手段が構成されている。

さらにまた、本実施例では、容器本体１の底部
後方に貫通口４０が穿設されており、この貫通口
４０内に作動小棒４２を挿入し、収納されたレフ
イル容器１６を押し上げ可能としている。

また、本実施例で用いられるレフイル容器１６
は、その後端部が後方に延出されて第２のフラン
ジ部１６ｂが形成され、さらにその後端に一段低
い段部が形成され係合部１６ｃとなつている。

次に上記実施例の作用に付いて説明すると、ま
ず、レフイル容器１６を容器本体１に収納するに
は、蝶番部片２０を後方（図上時計方向）に回転
させて、蝶番部片２０の係止突片２７を凹所２の
後端より更に後方へ移動させる（第４図ａ）。

そして、この状態からレフイル容器１６を容器
本体１の凹所２内に収納する。この時、まず、レ
フイル容器１６の先端部から凹所２内に装着して
レフイル容器１６の第１のフランジ部１６ａと容
器本体１に設けた凸条１７とを係止させ、その
後、レフイル容器１６を凹所２内に符合させ収納
する。次いで、蝶番部片２０を反時計方向に回動
させる。そして、蝶番部片２０の蝶番本体２１が
容器本体１の切欠凹所５内に略符合する（起立位
置）まで移動させると、蝶番本体２１はその上端
前方部に形成した係合凹部２８と容器本体１に形
成した係合突部３２とがスナツプ係合して蝶番本
体２１の回動を抑制する。このとき同時に係止突
片２７が容器本体１の開口部３０内に位置してお
り、係止突片２７の下面とレフイル容器１６の係
止部１６ｃとが当接する（第３図ｂ参照）。これ
により、レフイル容器１６の後端部が係止突片２
７によりその上方から押さえ付けられ、容器本体
１内に離脱不能に収納固定される。

上記のように蝶番部片２０の係合凹部２８と容
器本体１の係合突部３２とが係合した状態におい
て蝶番部片２０の回動はロツクされることにな
り、この状態で通常の蓋体７の開閉操作が行われ
る。一方、蓋体７を閉止状態から開放して180度
回転させると、第４図ｂに示されているように、
蓋体７の蝶番片２５の背面が蝶番部片２０の後端
面に当接するようになる。この状態から蓋体７を
更に回動すると、上記当接により蝶番部片２０が
小突起５ａと小孔２１ａの係合部を中心とする回
転力を受け、これにより第４図ａに示すように蝶
番部片２０の係合凹部２８と容器本体１の係合突
部３２との係合が解除して蝶番部片２０が回転
し、その係止突片２７がレフイル容器１６の後端
部から上方に分離する。その後は、第４図ｃに示
すように、作動小棒４２を容器本体１に形成した
貫通口４０の下方から上方へ挿入することによつ
てレフイル容器１６を持ち上げて取り出すことが
できる。尚、この場合、作動小棒４２を用いるこ
となく、容器本体１をひつくり返してレフイル容
器を自重で落下させて取り出すこともできる。

また、蝶番部片と容器本体との間に配設された
係合手段は、上記した実施例のものに限られない
のはいうまでもない。

さらにまた、収納するレフイル容器も１個に限
ることなく、複数個収納しうるようにしても良
い。

《考案の効果》 以上のように本考案に係るコンパクト容器によ
れば、レフイル容器を容器本体に収納する際に接
着媒体を用いることなく収納固定しているため、
接着力（固定力）の低下のおそれがなく、レフイ
ル容器を何回でも取替えることができる。そし
て、レフイル容器自体には何等接着力（固定力）
がないため、コンパクト容器から取り外した後、
次回の使用にそなえて保管する場合に、その保管
中にレフイル容器が他のものにくつついたりする
おそれがなく、容易に保管することができる。

さらに、容器本体に収納されたレフイル容器
は、その後端部が係止部材により上方から押え付
けられて固定されているため、使用中に誤つて離
脱するおそれもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンパクト容器の好適な
一実施例を示す斜視図、第２図、第３図はレフイ
ル容器が収納された状態を示す斜視図、第４図は
作用を示す図である。 １……容器本体、７……蓋体、１６……レフイ
ル容器、２０……蝶番部片、２７……係止突片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器本体１の後端部にこれを開閉する蓋体７が
   回動自在に設けられ、該容器本体内にはその上方
   から着脱可能にレフイル容器１６が収納されてな
   るコンパクト容器において、 上記容器本体の後端部に回動手段を介して回動
   自在に支持され、かつまた該回動手段の回動中心
   から偏心させて配置された蝶番手段を介して、該
   容器本体を開閉する上記蓋体を回動自在に支持
   し、該蓋体に作用する回動力が該蝶番手段を介し
   て該回動手段の回動中心回りに作用され回動され
   て上記レフイル容器に対して上方から係合し離脱
   される蝶番部片２０と、 該蝶番部片と上記容器本体との間に設けられ、
   上記レフイル容器から離脱する該蝶番部片の回動
   を係脱自在に規制する規制手段と、 を備えたことを特徴とするコンパクト容器。