JPH0531261Y2

JPH0531261Y2 -

Info

Publication number: JPH0531261Y2
Application number: JP1987115609U
Authority: JP
Priority date: 1987-07-28
Filing date: 1987-07-28
Publication date: 1993-08-11
Anticipated expiration: 2002-07-28
Also published as: JPS6421259U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は小型エンジンのエアクリーナに関す
る。

（従来技術）小型エンジンではコンパクト化を図る必要性か
ら、気化器ベンチユリーに概ね直交するようにエ
アクリーナを直結したものが多く採用されてい
る。従来この種のエアクリーナは、第４図に示す
ように気化器ベンチユリー２の吸入口側となる後
部にエアクリーナケース５を接続し、該エアクリ
ーナケース５の後部にエアクリーナキヤツプ６を
取り付け、ベンチユリー２に対向するエレメント
１０をエアクリーナケース５の内部に設けてい
る。しかしベンチユリー２を通過するエンジン音
（吸気音及び爆発音等）を遮蔽するのは、主とし
てエアクリーナキヤツプ６の後壁６ａだけである
ので、上記エンジン音が外部に透過する率が高
く、十分に騒音を防止できない。また、エアクリ
ーナからの吹き返しによる燃料流出により、エア
クリーナの外部に燃料が排出することがある。な
お先行技術としては実公昭61−28040がある。

（考案の目的）本考案の目的は、エアクリーナから漏れるエン
ジン音を低減すると共に、エアクリーナからの燃
料流出を防止することにより、エアクリーナの外
部に燃料が排出することを防止することである。

（目的を達成するための技術的手段）気化器ベンチユリーの吸入口側となる後部にエ
アクリーナケースを接続し、該エアクリーナケー
スの後部にエアクリーナキヤツプを取り付け、ベ
ンチユリーに対向するエレメントをエアクリーナ
ケース内部に設けた小型エンジンのエアクリーナ
において、エレメントの気化器側の前面には、衝
突板を配置し、上記衝突板と反対側の後側には、
エレメントとキヤツプ後壁の間に延びかつベンチ
ユリーの延長上に位置する内壁をエアクリーナケ
ースと一体に形成し、内壁とキヤツプ後壁の間に
空気層を備え、上記内壁を、エレメントの後面外
周端部を押えるフランジ部のエレメント下部の位
置から上方に立ち上がるように形成することによ
り、内壁とエレメント間に油溜まりを形成したこ
とを特徴とする小型エンジンのエアクリーナであ
る。

（作用）気化器ベンチユリーを通過したエンジン音は、
先ずエレメントの前側の衝突板に衝突し、エレメ
ントを通過した後、内壁に衝突して空気層により
減衰され、それにより外部へのエンジン音の漏れ
は低減される。

また、エレメントから垂れるオイルは、内壁内
に溜まり、外部に漏れることはなく、しかも、オ
イル量が増加すると再びエンジンに吸い込まれ、
それによりエアクリーナ外部が燃料により汚され
るのを防止する。

（実施例）第１図は本考案を適用したエアクリーナの縦断
面図を示しており、この第１図において、気化器
１のベンチユリー２は、前端部がエンジンの吸気
通路に連通し、後端部が空気吸入口２ａとなつて
エアクリーナに連通している。エアクリーナはエ
アクリーナケース５とエアクリーナキヤツプ６を
備え、エアクリーナケース５は例えばポリプロピ
レン等の樹脂でできており、ベンチユリー２の中
心線Ｏに対して略直角に配置されている。エアク
リーナケース５及びエアクリーナキヤツプ６はボ
ルト１６（第２図）により気化器２の後部に締着
（共締め）されている。エアクリーナケース５は
エレメント嵌合用筒部８を一体に備えると共に、
下端部に空気取り入れ口１７を備え、前記筒部８
の後端部にはエレメント挾持用の内向フランジ部
９が形成されている。筒部８内にはベンチユリー
２に対向する円形状のエレメント１０が嵌合し、
エレメント１０の前には衝突板３が配置されてい
る。エレメント１０はスポンジ等の多孔性材料で
できており、前述のようにベンチユリー２に対向
しているが、エレメント中心はベンチユリー軸心
線Ｏよりも上方に偏心している。衝突板３はベン
チユリー軸心Ｏと同軸心に配置されており、保持
リング１３と一体に形成されている。筒部８の前
端は気化器１の後部いんろう部１５にいんろう嵌
合し、いんろう部１５とフランジ部９の間で前記
エレメント１０及び衝突板３の保持リング１３を
挾持している。エアクリーナキヤツプ６はエアク
リーナケース５と同一の樹脂材料でできており、
前述のように共締め用のボルト１６によりエアク
リーナケース５の後端部に着脱自在に取り付けら
れ、ベンチユリー２の軸心線Ｏと略直角な後壁６
ａを有している。

本考案の要部である内壁２０はエアクリーナケ
ース５のフランジ部９の下半部分と一体に形成さ
れており、少し後方に延びると共に、エレメント
１０とキヤツプ後壁６ａの間を後壁６ａと平行に
上方に立ち上がつている。これにより内壁２０と
キヤツプ後壁６ａの間に空気層２１を形成し、か
つ内壁２０の下半部分とエレメント１０の間で油
溜まり２３を形成している。

第２図はエアクリーナケース５内の第１図矢
視図であり、内壁２０はその下半部はフランジ９
の内径と同径の円弧状に形成され、上半部はフラ
ンジ９の内径よりも小さい径の円弧状に形成され
ており、上端部２０ａは少し後方に湾曲してい
る。エアクリーナケース５の後端縁にはキヤツプ
固定用の複数の突起部２４が形成されている。又
前記ケース取付け用ボルト１６は左右に２本配置
されており、フランジ９のボス部分に挿入されて
いる。

第３図は衝突板３の第１図矢視図を示してお
り、衝突板３はベンチユリー２の径より少し大き
くかつ前述のように略同軸心に位置し、多数の放
射状連結部１２を介して保持リング部１３に一体
成形されており、連結部１２間は空気孔１４とな
つている。保持リング１３はエレメント１０と同
径同軸心であるので、結果として衝突板３は保持
リング１３に対して下方に偏心している。

次に空気の流れ及び防音機能について説明す
る。第１図の下端の空気取り入れ口１７から取り
入れられた空気は上方へと流れ、上方から内壁２
０とエレメント１０の間に入り、そしてエレメン
ト１０及び空気孔１４を通過してベンチユリー２
へと吸い込まれる。

エンジン運転中、エンジン音（爆発音）が仮想
線の矢印で示すようにベンチユリー２を通つてエ
アクリーナへと伝わるが、まず衝突板３にぶつか
り、そして内壁２０にぶつかつて空気層２１によ
り減衰し、それにより外部に漏れるエンジン騒音
は減少する。

又いわゆる吹き返し現象により燃料がベンチユ
リー２を後方へと戻つてエレメント１０に付着し
て溜まつても、内壁２０によりエアクリーナ外部
への燃料の流出を防ぎ、しかもオイル量が増加す
ると再びエンジンに吸い込まれる。それによりエ
アクリーナ外部が燃料により汚されるのを防止す
る。

（考案の効果）以上説明したように本考案によると、 (1) ベンチユリー２に対向するエレメント１０と
エアクリーナキヤツプ後壁６ａの間に内壁２０
を形成して、内壁２０とエアクリーナキヤツプ
後壁６ａの間に空気層２１を形成しているの
で、ベンチユリー２からのエンジン音を遮蔽す
る部分が空気層を有する２重壁構造となり、小
型エンジンにおけるエンジン騒音減衰効果が向
上する。

(2) 内壁２０をエアクリーナケース５と一体成形
しているので、エアクリーナの組み付けが容易
である。

(3) エレメント１０の気化器側の前側に衝突板３
を、反対側に後側に内壁２０を備えていること
により、エレメント１０の前後、即ち、エレメ
ント通過前及び通過後の両時点において、二重
にエンジン音を吸収でき、エンジン騒音減衰効
果が一層向上する。

(4) 内壁２０を、エレメント１０の後面下部の位
置から上方に立ち上がるようにエアクリーナケ
ース５に一体に形成し、これにより、内壁２０
とエレメント１０間に油溜まりを形成するよう
にしているので、エレメント１０から垂れ流れ
る油を、漏らすことなく、効率良く溜めること
ができる。

すなわち、吹き返し現象により燃料がベンチ
ユリー２を後方へと戻つてきてエレメント１０
に付着しても、それは油溜まり２３に溜まり、
エアクリーナ外部への燃料の流出は防がれる。

しかもオイル量が増加すると再びエンジンに
吸い込まれ、それによりエアクリーナ外部が燃
料により汚されるのを防止する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した小型エンジンのエア
クリーナの縦断面図、第２図はエアクリーナケー
スの第１図の矢視図、第３図は衝突板の第１図
矢視図、第４図は従来例の縦断面図である。１……気化器、２……ベンチユリー、５……エ
アクリーナケース、６……エアクリーナキヤツ
プ、９……フランジ部、６ａ……後壁、１０……
エレメント、２０……内壁、２１……空気層、２
３……油溜まり。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

気化器ベンチユリーの吸入口側となる後部にエ
アクリーナケースを接続し、該エアクリーナケー
スの後部にエアクリーナキヤツプを取り付け、ベ
ンチユリーに対向するエレメントをエアクリーナ
ケース内部に設けた小型エンジンのエアクリーナ
において、エレメントの気化器側の前面には、衝
突板を配置し、上記衝突板と反対側の後側には、
エレメントとキヤツプ後壁の間に延びかつベンチ
ユリーの延長上に位置する内壁をエアクリーナケ
ースと一体に形成し、内壁とキヤツプ後壁の間に
空気層を備え、上記内壁を、エレメントの後面外
周端部を押えるフランジ部のエレメント下部の位
置から上方に立ち上がるように形成することによ
り、内壁とエレメント間に油溜まりを形成したこ
とを特徴とする小型エンジンのエアクリーナ。