JPH0531188U - コネクタの吸着用補助具および吸着対応型コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸着ノズルによるコネクタの上部における吸
着を可能にするための吸着用補助具、および吸着ノズル
による直接的な吸着を可能とした吸着対応型コネクタを
提供する。 【構成】 吸着用補助具１は、吸着ノズルに吸着可能な
吸着面２ａを有する。そして、この吸着面２ａを上に向
けた状態でコネクタ１０の嵌合口１８ａの一部を覆うよ
うにそのコネクタ１０に着脱自在に装着される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コネクタを搬送する際に、そのコネクタを真空式の吸着ノズルに吸 着させるために用いられる吸着用補助具、および吸着ノズルによる直接の吸着を 可能とした吸着対応型コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＩＣやコンデンサ等の電子部品をプリント基板に表面実装する際には、その電 子部品をその上部に形成された平面部分において真空式の吸着ノズルに吸着させ 、プリント基板上の実装位置まで搬送できる吸着式搬送機能を備える自動実装装 置を用いることがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、同じくプリント基板に表面実装される電気的接続用のコネクタ 、例えば、プラグコネクタ（図１参照）やこのプラグコネクタに嵌合結合される レセプタクルコネクタには、それぞれ相手側コネクタとの嵌合口が、薄板状の側 壁（本体）に囲まれるように形成され、上方（嵌合方向前方の意味）に向かって 開口している。このため、これらのコネクタの上部には、吸着ノズルを吸着させ るために必要な平面部分がない。したがって、ＩＣ等と同様に吸着式搬送機能を 持つ自動実装装置を用いてプリント基板への実装を行うことができず、不便であ るという問題がある。

【０００４】 本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであり、吸着ノズルによるコ ネクタの上部における吸着を可能にするための吸着用補助具、および吸着ノズル による直接的な吸着を可能とした吸着対応型コネクタを提供することを目的とし ている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本考案の吸着用補助具は、吸着ノズルに吸着可 能な吸着面を有し、この吸着面を上に向けた状態でコネクタの嵌合口の一部を覆 うようにそのコネクタに着脱自在に装着されるように構成されている。

【０００６】

【作用】

上記吸着用補助具は、コネクタに装着されることにより、そのコネクタの嵌合 口上に吸着面を形成する。このため、吸着ノズルによって、そのコネクタをその 上部から間接的に吸着させることができる。そして、吸着終了後には、そのコネ クタから取り外される。 一方、吸着対応型コネクタは、もともと平板部がコネクタの本体に一体に形成 され、嵌合口上に吸着面を形成している。このため、吸着ノズルによって、その コネクタをその上部において直接吸着することができる。そして、吸着終了後に は、平板部はコネクタの本体から切り離される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。 なお、本考案に係る吸着用補助具を実施例１に、同吸着対応型コネクタを実施 例２において説明する。

【０００８】 （実施例１） まず、図１を用いて上記吸着用補助具を装着するプラグコネクタについて説明 する。 このプラグコネクタ１０の本体は、横方向に延びる平板状の底部１１と、この 底部１１の四方を囲む薄板状の側壁部１２と、底部１１の幅方向中央部から上方 に向かって突出するよう設けられ、かつ長手方向に延びる嵌合部１３とからなる 。

【０００９】 底部１１の長手方向の両端外方には、このコネクタ１０をプリント基板（図示 せず）に装着するための装着部１５，１５が形成されている。また、長手方向両 端の側壁部１２には、レセプタクルコネクタ（図４参照）との嵌合時にそのレセ プタクルコネクタをガイドするためのガイド溝１６，１６が形成されている。さ らに、嵌合部１３の両側面には、多数の上下に延びる電極溝１３ａ，１３ａ，… ，１３ａが長手方向に並んで形成されている。これら電極溝１３ａは、それら電 極溝１３ａの位置に合わせて底部１１に設けられた貫通孔１１ａ，１１ａ，…， １１ａにつながっている。各電極溝１３ａには、レセプタクルコネクタに取り付 けられた電極に当接可能な電極１９，１９，…，１９が、底部１１の下面側から 貫通孔１１ａを通して受容されている。なお、嵌合部１３の上端の高さは、嵌合 されるレセプタクルコネクタの構造との関係から側壁部１２の上端よりも低くな っている。

【００１０】 このプラグコネクタ１０では、側壁部１２により囲まれた空間、即ち、嵌合空 間１８に、その上端において（上方に向かって）開口する嵌合口１８ａから挿入 されるレセプタクルコネクタを受容しつつ、嵌合部１３がそのレセプタクルコネ クタの嵌合部と相互に嵌合することにより、両コネクタ間での電気的な接続が行 われる。

【００１１】 ここで、このプラグコネクタ１０の上部の大部分は、長手方向に広がる嵌合口 １８ａたる空間であるため、このままではその上部を真空式の吸着ノズル（図２ 参照）に吸着させることはできない。このため、以下に説明する上記吸着用補助 具が用いられる。 この吸着用補助具１は、平板部２の下面に脚部３が形成されてなる。 平板部２の上面は、吸着ノズルを吸着させるのに十分な面積およびなめらかさ を持つ平面、即ち、吸着面２ａになっている。また、脚部３は、いわゆる二股に 形成され、下方に延びている。この脚部３の外幅は、プラグコネクタ１０の幅方 向両側の側壁部１２間の内のりにほぼ等しい。なお、脚部３の内側に形成された 受容空間３ａには、プラグコネクタ１０の嵌合部１３を受容することができる。 さらに、上記二股部分の内側下部には、受容空間３ａの内方に突出する山状の挟 持部３ｂ，３ｂが形成されている。

【００１２】 このように形成された吸着用補助具１は、吸着面２ａを上に向けた状態で、脚 部３が嵌合口１８ａの、例えば、長手方向中央からその下の嵌合空間１８内に挿 入される。そして、脚部３の挟持部３ｂ，３ｂによってプラグコネクタ１０の嵌 合部１３を挟みつけながら、平板部２の下面における脚部３よりも外方の部分が プラグコネクタ１０の側壁部１２（幅方向両側のもの）の上端に当接するまで押 し込まれる。これにより、吸着用補助具１は、その平板部２によって、プラグコ ネクタ１０の嵌合口１８ａの長手方向中央部分を覆うようにプラグコネクタ１０ に装着される。

【００１３】 こうして吸着用補助具１が装着されたプラグコネクタ１０は、図２（側面図） に示すように、吸着ノズルＮを吸着用補助具１の吸着面２ａに吸着させることに より、間接的にその吸着ノズルＮに吸着される。そして、プリント基板における 所定の実装位置まで搬送される。 なお、プラグコネクタ１０のプリント基板への実装後、吸着用補助具１はプラ グコネクタ１０から取り外される。これにより、プラグコネクタ１０の嵌合口１ ８ａの全体が開口され、このプラグコネクタ１０をレセプタクルコネクタに嵌合 させることができる。取り外した吸着用補助具１は別のプラグコネクタの吸着搬 送時に再度使用することができる。

【００１４】 本実施例では、二股の脚部がプラグコネクタ１０の嵌合空間１８内に挿入され て、そのコネクタ１０に装着されるタイプの吸着用補助具について説明したが、 本考案に係る吸着用補助具はこれに限られるものではない。例えば、図３（側面 図）に示すように、脚部によりプラグコネクタ１０の側壁部１２の両外側を挟む ようにしてプラグコネクタ１０に装着されるタイプ（吸着用補助具２０）とする こともできる。また、脚部をプラグコネクタ１０における嵌合部１３のように形 成すれば、レセプタクルコネクタ（図４参照）に装着可能な吸着用補助具とする こともできる。

【００１５】 （実施例２） 次に、上記吸着対応型コネクタたるレセプタクルコネクタについて図４を用い て説明する。 このレセプタクルコネクタ４０の本体は、横方向に延びる平板状の底部４１と 、この底部４１の四方を囲む薄板状の側壁部４２と、この側壁部４２の内側に側 壁部４２と一体に形成され、上下及び長手方向に延びる嵌合部４３とからなる。

【００１６】 底部４１の長手方向の両端外方には、プリント基板（図示せず）に装着される 装着部４５，４５が形成されている。また、長手方向両端の側壁部１２にはプラ グコネクタ（図１参照）との嵌合時にそのプラグコネクタをガイドするためのガ イド部４６，４６が形成されている。さらに、嵌合部４３の内方側面には、多数 の上下に延びる電極溝４３ａ，４３ａ，…，４３ａが長手方向に並んで形成され ている。これら電極溝４３ａは、それら電極溝４３ａの位置に合わせて底部４１ に形成された貫通孔（図示せず）につながっている。各電極溝４３ａには、プラ グコネクタに取り付けられた電極に当接可能な電極４９，４９，…，４９が、底 部１１の下面側から貫通孔４１ａを通して受容されている。なお、嵌合部４３の 上端の高さは、嵌合されるプラグコネクタの構造との関係から側壁部４２の上端 よりも低くなっている。

【００１７】 このレセプタクルコネクタ４０では、側壁部４２により囲まれた空間、即ち、 嵌合空間４８に、その上端において（上方に向かって）開口する嵌合口４８ａか ら挿入されるプラグコネクタを受容しつつ、嵌合部４３がそのプラグコネクタの 嵌合部と相互に嵌合することにより、両コネクタ間での電気的な接続が行われる 。

【００１８】 ここで、このレセプタクルコネクタ４０の上部の大部分は、長手方向に広がる 嵌合口４８ａたる空間であるため、このままではその上部を真空式の吸着ノズル （図５参照）に吸着させることはできない。このため、幅方向両側の側壁部４２ 上端かつ長手方向中央には、その側壁部４２に一体に平面部３１が形成されてい る。 この平面部３１は、円板状に形成されおり、吸着ノズルを吸着させるのに十分 な面積およびなめらかさを持つ平面、即ち、吸着面３１ａを有する。そして、平 面部３１は、吸着面３１ａを上に向けた状態で、円板の円周両端において上記側 壁部４２につながり、レセプタクルコネクタ４０の嵌合口４８ａの長手方向中央 部分を覆っている。

【００１９】 このように形成されたレセプタクルコネクタ４０は、図５（側面図）に示すよ うに、そのレセプタクルコネクタ４０の一部である吸着面３１ａにおいて吸着ノ ズルＮに直接吸着される。そして、プリント基板における所定の実装位置まで搬 送される。 なお、レセプタクルコネクタ４０のプリント基板への実装後、平面部３１と側 壁部４２とをそれらのつながり部分を切断することにより切り離すことができる 。これにより、レセプタクルコネクタ４０の嵌合口４８ａの全体が開口され、こ のレセプタクルコネクタ４０をプラグコネクタに嵌合させることができる。

【００２０】 本実施例では、平板部が円板状に形成されたタイプの吸着対応型コネクタにつ いて説明したが、本考案に係る吸着対応型コネクタはこれに限られるものではな い。例えば、平板部を四角形状に形成したタイプ（ただし、平板部の切り離しが 容易なように工夫が必要である）でも良い。また、本実施例では、レセプタクル コネクタについて説明したが、プラグコネクタについても同様にして吸着対応型 コネクタとすることができる。

【００２１】 ところで、図６に示すように（ただし、本図においては細部を省略してある） 、コネクタ（プラグコネクタ、レセプタクルコネクタを問わず）６０に、その側 壁部６２内方の空間を長手方向に２つに仕切る仕切り部６５を形成し、１つのコ ネクタ内に２つの嵌合口６８ａ，６８ａ（および複数の嵌合空間）を設けるよう にして吸着対応型コネクタ（ただし、仕切り部６５は切り離し不可）とすること も可能である。即ち、この場合は、仕切り部６５の上面を、吸着ノズルＮを吸着 させるのに十分な面積およびなめらかさを持つ平面、即ち、吸着面６５ａとする 。これにより、上掲の実施例に示したコネクタ１０，４０と同様に、このコネク タ６０を吸着ノズルに吸着させ、搬送させることができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように本考案の吸着用補助具を、上方に向かって嵌合口が開口している コネクタに装着することにより、その嵌合口上に吸着面を形成することができる 。このため、その吸着面を吸着ノズルに吸着させることにより、コネクタをその 上部において間接的に吸着ノズルに吸着させることができる。そして、吸着終了 後には、吸着用補助具をコネクタから取り外して、そのコネクタを相手側コネク タと嵌合させることができる。 一方、本考案の吸着対応型コネクタでは、上方に向かって開口した嵌合口を覆 うように、吸着面を有する平板部が本体と一体に形成されている。このため、そ の吸着面においてコネクタ自体を吸着ノズルに直接吸着させることができる。そ して、吸着終了後には、平板部をコネクタ本体から切り離して、そのコネクタを 相手側コネクタと嵌合させることができる。 これらにより、吸着搬送機能を備えた自動実装装置を用いてコネクタをプリン ト基板に実装することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る吸着用補助具およびこの吸着用補
助具を装着するプラグコネクタの斜視図である。

【図２】上記吸着用補助具を装着したプラグコネクタの
側面図である。

【図３】上記吸着用補助具の他の実施例を示す側面図で
ある。

【図４】本考案に係る吸着対応型コネクタの斜視図であ
る。

【図５】上記吸着対応型コネクタの側面図である。

【図６】吸着対応型コネクタの別例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１，２０ 吸着用補助具 ２ａ 吸着面 １０ プラグコネクタ ３１ 平板部 ３１ａ 吸着面 ４０ レセプタクルコネクタ Ｎ 吸着ノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 浅井 鎬一 愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械 製造株式会社内 (72)考案者 森下 貢雄 愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械 製造株式会社内 (72)考案者 横前 和彦 愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械 製造株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方に向かって相手側コネクタとの嵌合
   口が開口してなるコネクタを、その上部において、真空
   式の吸着ノズルに吸着させるための吸着用補助具であっ
   て、 前記吸着ノズルに吸着可能な吸着面を有し、この吸着面
   を上に向けた状態で前記嵌合口の一部を覆うように前記
   コネクタに着脱自在に装着されることを特徴とするコネ
   クタの吸着用補助具。
2. 【請求項２】 上方に向かって相手側コネクタとの嵌合
   口が開口してなるコネクタにおいて、 真空式の吸着ノズルに吸着可能な吸着面を有する平板部
   が、その吸着面を上に向けた状態で前記嵌合口の一部を
   覆うように前記コネクタの本体に一体的に、かつそのコ
   ネクタの本体から切り離し可能に形成されたことを特徴
   とする吸着対応型コネクタ。