JPH05310997A - スチレン系重合体の難燃性組成物 - Google Patents

スチレン系重合体の難燃性組成物

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JPH05310997A
JPH05310997A JP13994092A JP13994092A JPH05310997A JP H05310997 A JPH05310997 A JP H05310997A JP 13994092 A JP13994092 A JP 13994092A JP 13994092 A JP13994092 A JP 13994092A JP H05310997 A JPH05310997 A JP H05310997A
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styrene
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Shinichi Akitaya
真 一 秋田谷
Toru Fukazawa
沢 徹 深
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼時又は熱分解時に腐食性ガス又は有毒ガ
スを発生しないスチレン重合体の難燃性組成物を開発す
る。 【構成】 難燃剤として(A)ポリ燐酸アンモニウム2.53k
g、(B)2-ピペラジニレンー4-モルホリノ-1,3,5-トリアジ
ンのポリマー(n=11;分子量約2770)970g、(C)PP(エチレ
ン含有量8.5重量%;MFR20g/10min)780g及び(D)ポリスチ
レン樹脂5.72kgからなる組成物(100×(C)/[(C)+(D)]=
12重量%)からペレット経由で試験片(厚さ1/16インチ)を
作成し、下記の試験に供した。 【効果】 PPの共存によって、UL94垂直燃焼試験でV-
0、酸素指数測定で35.4に達する高度の難燃性が達成さ
れた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチレン系重合体の難燃
性組成物に関する。詳しくはポリスチレン系重合体、特
にスチレン系樹脂、スチレンとα−メチルスチレンとの
共重合体樹脂を主成分とし、組成物の熱分解時に腐食性
のガス又は有毒性のガスを殆ど発生しないスチレン系重
合体の難燃性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スチレン系重合体はその加工
性、成形時の寸法安定性及び電気的特性等の優位性を活
かして、電気工業製品、家具建材、一般日用品雑貨の分
野に広く用いられている。
【0003】通常のスチレン系重合体を成形する場合に
は、これに各種の添加剤を配合後に得られる組成物を融
解させて金型に充填し、成形する工程を経る。本来、ス
チレン系重合体は可燃性の成形材料である。処が、使用
される用途の拡大に伴って、スチレン系重合体成形材料
にも難燃材料としての性能が要求され始め、それに応じ
て種々の組成物が呈示されている。特に最近では、従来
のスチレン系重合体の難燃化技術の主流であるハロゲン
化合物と酸化アンチモンとの組合せにおいて、難燃性組
成物の燃焼時または成形時に発生するハロゲン系ガスの
毒性が問題視されている。そこで燃焼時及び成形時の何
れにおいても、これらのハロゲン系ガスや有毒性のガス
を発生しないことが難燃性スチレン系重合体に対しても
要求され始めている。
【0004】この様な燃焼時及び成形時の何れにおいて
もハロゲン系ガスを発生しない難燃性組成物として、オ
レフィン系重合体においては、特開昭52−14645
2号公報及び特開昭59−147050号公報に開示さ
れている様に、燐酸アンモニウム(もしくは燐酸アミ
ン)及び環状構造に挿入された基>C=O(もしくは>
C=Sもしくは>NH)を含有する窒素含有化合物とア
ルデヒドとの反応生成物又は1,3,5-トリアジン誘導体の
オリゴマー(もしくはポリマー)をポリオレフィン樹脂
に添加した組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スチレ
ン系重合体に上記燐酸アンモニウムと上記窒素含有化合
物とアルデヒドとの反応生成物(もしくは1,3,5-トリア
ジン誘導体のオリゴマーもしくはポリマー)とを配合し
た場合に、難燃効果は得られるが、その場合に多量の上
記燐酸アンモニウムと上記窒素化合物とを配合する必要
があることから、多様の難燃剤に起因する加工性低下に
加えてコスト上昇を招き、不経済でもあるという問題点
が残されている。
【0006】以上の記述から明かな様に、本発明の目的
は上述の問題を解決し、高度の難燃性を備えた成形品を
形成し得るスチレン系重合体の難燃性組成物を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは組成物の
加工時又は燃焼時に腐食性のガス又は有毒性のガスを殆
ど発生せず、難燃剤成分である上記燐酸アンモニウムと
上記窒素化合物との配合量を低減しても実質的に難燃性
を低下させないスチレン系重合体の難燃性組成物を得る
べく鋭意研究を行なった。
【0008】その結果、ポリ燐酸アンモニウム(A)及
び(B)特定の窒素含有化合物及び(C)プロピレン系
重合体を(D)スチレン系重合体に配合した組成物が
(A)ポリ燐酸アンモニウムと(B)特定の窒素化合物
のみを単純に(D)スチレン系重合体に配合した場合よ
りも良好な難燃性を示し、しかも(A)と(B)との配
合量を少なくできることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成した。
【0009】本発明のスチレン系重合体、特にポリスチ
レン樹脂又はスチレンとα−メチルスチレンとの共重合
樹脂を基材とする難燃性組成物は下記の構成を有する:
下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)からなる組
成物であり、組成物全量100重量%から難燃剤成分と
して下記配合割合の(A)と(B)とを差し引いた残量
である[(C)+(D)]中の3〜30重量%が(C)
であることを特徴とするスチレン系重合体の難燃性組成
物:難燃剤成分として、 (A)ポリ燐酸アンモニウム 14 〜33重量% (B)下記の群から選ばれる1種以上 5 〜13重量% 2個以上の窒素原子を環内に含有する五員以上の複素
環からなる環状ケトンとホルムアルデヒドとの反応生成
物群、 2個以上の窒素原子を環内に含有する五員以上の複素
環からなる環状チオケトンとホルムアルデヒドとの反応
生成物群又は 下記の一般式(「化2」=「化1」)で表わされる構
造を含有す1,3,5-トリアジン誘導体群
【0010】
【化2】
【0011】[式中、Xはモルホリノ基もしくはピペリ
ジノ基、Yはピペラジンから誘導される2価の基、nは
2〜50の正数である]。樹脂成分として、 (C)プロピレン系重合体 (D)スチレン系重合体。
【0012】本発明で用いる(A)成分であるポリ燐酸
アンモニウムとして好ましいものは一般式 (NH4PO3)
n(n≧50の正数)で表わされるものである。通常の市販
品がこの範囲のものであれば、そのまま用いることがで
きる。好ましいポリ燐酸アンモニウムの市販品の例とし
ては、以下に示すものを挙げることができる: ・商品名:Exolit 422(ヘキスト社製)及び ・商品名:Phos−Chek P−40(モンサント
社製) 本発明で用いる成分(B)(以下、「窒素含有複素環状
有機化合物」と略称することがある)とは、以下のもの
をいう。 2個以上の窒素原子を環内に含有する五員以上の複素
環からなる環状ケトンとホルムアルデヒドとの反応生成
物群、 2個以上の窒素原子を環内に含有する五員以上の複素
環からなる環状チオケトンとホルムアルデヒドとの反応
生成物群、又は 下記の一般式(「化3」=「化1」)で表わされる構
造を含有する1,3,5-トリアジン誘導体群
【0013】
【化3】
【0014】[式中、Xはモルホリノ基もしくはピペリ
ジノ基、Yはピペラジンから誘導される2価の基、nは
2〜50の正数である]。上記の窒素含有複素環状有機
化合物(B)はポリ燐酸アンモニウム(A)と共にスチ
レン系重合体中に存在する場合に、発火又は炎との接触
等による熱分解によっても非引火性ガス(水、二酸化炭
素及び窒素等)を発生するが、分解後には炭素質残渣の
みを生ずるに過ぎない。
【0015】これらの化合物の例としては、エチレン尿
素、エチレンチオ尿素、ヒダントイン、ヘキサヒドロピ
リミジン-2-オン、ピペラジン-3,6-ジオン及びバルビツ
ル酸等で構成される群から選ばれるものとアルデヒドと
の反応生成物、2-ピペラジニレン-4-モルホリノ-1,3,5-
トリアジンのオリゴマーもしくはポリマー又は2-ピペラ
ジニレン-4-ピペリジノ-1,3,5-トリアジンのオリゴマー
もしくはポリマー等を挙げ得る。
【0016】これらの中で高度の難燃性を付与する点か
ら好ましいものは次の通りである: ・エチレン尿素とホルムアルデヒドの反応生成物、 ・エチレンチオ尿素とホルムアルデヒドとの反応生成物
又は ・下記一般式(「化4」=「化1」)で表される構造を
有する1,3,5- トリアジン誘導体である2-ピペラジニレ
ンー4-モルホリノ-1,3,5-トリアジンのオリゴマーもしく
はポリマ−並びに ・2-ピペラジニレン-4-ピペリジノ-1,3,5-トリアジンの
オリゴマーもしくはポリマー。
【0017】
【化4】
【0018】[式中、Xはモルホリノ基もしくはピペリ
ジノ、基Yはピペラジンから誘導される2価の基、nは
2〜50の正数である]。本発明において(B)成分と
して用いられる1,3,5-トリアジン誘導体の1例の性状は
以下の通りである: ・溶解性:水及び通常の有機溶剤に不溶; ・融点 :なし(分解点310℃付近); ・真密度:1.2g/cc ; ・名称 :2-ピペラジニレン-4-モルホリノ-1,3,5-トリ
アジンのポリマー; ・構造式:下記「化5」の通り
【0019】
【化5】
【0020】本発明組成物の基材となるスチレン系重合
体(D)を構成するスチレン系樹脂としては、次のもの
を例示できる: (1)スチレンの単独重合体樹脂 (2)スチレンとα−メチルスチレンとの共重合体樹脂 (3)上記(1)と(2)との混合物 (4)上記(1)〜(3)の何れかと下記の1,3-ブタジエン系モ
ノマーのシス-1,4-重合による弾性体の1種以上との組
成物である通称「耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)」例え
ば、1,4-シスポリ-1,3-ブタジエン、1,4-シスポリ-1,3-
イソプレン、1,4-シスポリ-1,3-クロロプレン又はこれ
らシスポリブタジエン類の幹ポリマーにスチレン系モノ
マーをグラフト結合させたグラフトポリマー。 [基材スチレン系重合体(D)]上記スチレン系樹脂
(D)として用いるものは通常、ガラス転移点81〜8
3℃、密度1.03〜1.07g/cm3のものである。尤
も、耐衝撃性ポリスチレンにおいてはガラス転移点が上
記範囲から外れる場合があり、ブタジエン系単位として
クロロプレンを含有する耐衝撃性ポリスチレンを用いる
場合には、密度が大幅に増大する場合がある。 [プロピレン系重合体(C)]本発明の組成物を構成す
るプロピレン系重合体(C)としては、例えば下記のも
のを用いることができる: ・プロピレンの結晶性単独重合体樹脂、プロピレン主成
分とエチレンもしくは1−ブテン以上の1−オレフィン
との結晶性共重合体樹脂; ・プロピレンとエチレンもしくは1−ブテン以上の1−
オレフィンとの共重合体樹脂; ・上記樹脂の2種類以上からなる樹脂ブレンド; ・上記樹脂の変性物。
【0021】本発明の難燃性組成物の(C)成分として
好適な結晶性ポリプロピレン系樹脂は上記の様な結晶性
の単独重合体及びプロピレンを主成分とする共重合体の
何れでも良い。
【0022】本発明の難燃性組成物から得られる成形体
の剛性が重視される用途には、(C)成分としてメルト
フローレート[MFR(230 ℃;2.16kgf)]通常0.5 〜
50g/10min、好ましくは 1〜30g/10min の高結晶性
プロピレン系重合体を用いれば十分である。
【0023】本発明の難燃性組成物が成分重合体間の相
溶性を重視する場合には、プロピレン系重合体としてプ
ロピレン含有エラストマーを(C)成分に用いれば良
い。好適なプロピレン含有エラストマーはエチレン−プ
ロピレン共重合エラストマー(EPM)及び/又はエチレン
−プロピレン−非共役ジエン共重合エラストマー(EPDM)
である。
【0024】上記目的に用いるエチレン−プロピレン共
重合体エラストマーはプロピレン成分含有量通常20〜
50重量%で、そのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]通常
10〜100のものである。エチレン−プロピレン−非
共役ジエン共重合体エラストマーはEPMの構成に第三
成分である非共役ジエン成分を沃素価で表わして通常5
〜30含有し、そのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]通常
10〜120のもので十分である。
【0025】上記のEPDMにおける非共役ジエン成分
は5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン又は1,4-ヘキサジエンの群から選ばれる1種以上であ
ることが好ましい。 [重合体間の親和性向上]本発明の組成物には、スチレ
ン系重合体成分とプロピレン系重合体成分との間の親和
性向上、特に耐衝撃性向上の目的で例えば、スチレン類
−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム(S
BR)又はポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレ
ン共重合体(SBS)水素添加物等のスチレン系熱可塑
性エラストマーの様な相溶化剤を配合することができ
る。 [組成物の作成]本発明の難燃性組成物を作成するに
は、例えば次の様に行なうことができる:所定量の上述
の難燃剤(A)及び(B)並びに重合体成分(C)及び
(D)を添加した混合物を適切な攪拌混合装置、例えば
ヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー又は
タンブラーミキサー等に装入する。次いで、1〜10分
間攪拌混合した後、得られた混合物をスクリュー押出機
等を用いて溶融混練温度170〜220℃で溶融混練
し、ペレット化することによって目的の難燃性組成物を
得ることができる。 [各成分の配合量]ポリ燐酸アンモニウム(A)の配合
割合は組成物基準(含有量)で通常、14〜33重量
%、好ましくは18〜25重量%である。該配合割合が
12重量%以下では高度の難燃性を発揮する組成物が得
られず、また35重量%以上配合してもそれを超える難
燃性の向上が殆ど期待できない。
【0026】窒素含有複素環状有機化合物(B)の配合
割合は組成物基準で5〜13重量%である。該配合割合
が3重量%未満では高度の難燃性を発揮する組成物が得
られず、また15重量%を超える量で配合してもそれを
超える難燃性の向上を期待し難い。
【0027】プロピレン系重合体(C)の配合割合は本
発明の難燃性組成物全量を100重量%とした場合に、
ポリ燐酸アンモニウム(A)と窒素含有複素環状有機化
合物(B)との合計量の残量である重合体成分[(C)+
(D)]の中の3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%
に選ぶ。(C)成分の該配合割合が1重量%以下では所
期の難燃性を発揮する組成物が得られず、逆に該配合割
合が33重量%を超えても難燃性の一層の向上が認めら
れなくなる外に、スチレン系重合体(D)本来の良好な
特性が温存され難くなる。
【0028】本発明の組成物にあっては、スチレン系重
合体及びプロピレン系重合体に通常添加される各種の添
加剤例えば酸化防止剤、帯電防止剤、銅害防止剤、滑
剤、中和剤(ステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト
もしくはマナセアイト等)又は顔料等を併用することが
できる。
【0029】
【実施例】 <好適な実施態様>以下に、実施例及び比較例を用いて
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。実施例及び比較例において行なった評
価は次の方法によった。 1)難燃性 ULサブジェクト94(アンダーライター
・ラボラトリーズインコーポレーテッド)の「機器の部
品用プラスチック材料の燃焼試験」に規定された垂直燃
焼試験に準拠。試験片の肉厚1.6mm(1/16インチ)。 2)酸素指数(O.I.) JIS K7201 に準拠 所定の試験条件下において、材料が燃焼を持続する為に
必要な酸素と窒素との混合気体の容量%で表される最低
酸素濃度の数値であり、この値が大きな程、難燃性に優
れていることになる。大気中の酸素濃度が約21%であ
ることから、この値を超える酸素指数を示す試料は難燃
性を備えていることになる。しかし、本発明において
は、酸素指数24を難燃性の判定基準としてこの値以上
の試料を「難燃性あり」と評価する。
【0030】
【実施例1】ポリ燐酸アンモニウム(A)[商品名:Ex
olit422(ヘキスト社製)]2.53kg及び窒素含有複素
環状有機化合物(B)として2-ピペラジニレン-4-モル
ホリノ-1,3,5-トリアジンのポリマー(n=11;分子量約27
70)970g、更に本組成物の総仕込量10kgから上記
(A)と(B)との合計量を差し引いた残量である樹脂
成分量[(C)+(D)]の中の12重量%をポリプロピレン
樹脂(C)として結晶性プロピレン−エチレンブロック
共重合体[エチレン成分含有量8.5重量%、MFR(23
0℃;2.16kgf)20g/10min]780g、ポリスチレン樹脂
(D)として耐衝撃性ポリスチレン[商品名:スタイロ
ン475S(旭化成社製)]5.72kgをヘンシェルミキサー
(商品名)に装入して3min攪拌混合した。得られた混
合物を押出機(口径45mm)で溶融混練(200℃)後に押出し
てペレット化した。
【0031】得られたペレットを乾燥(100℃;3h)し、射
出成形機で物性評価用の試験片を成形した(シリンダー
最高温度220℃)。作成された試験片を用いて前記のUL9
4垂直燃焼試験及び酸素指数における難燃性評価を実施
した。その結果を表1に示す。
【0032】
【比較例1】ポリスチレン樹脂(D)の配合量を6.5k
gに変え、ポリプロピレン樹脂(C)を配合しない外に
は、実施例1に準拠した配合割合で各成分をヘンシェル
ミキサー(商品名)に装入して実施例1に準拠した攪拌
混合及び押出を行なってペレットを作成した。
【0033】
【実施例2及び3並びに比較例2及び3】ポリ燐酸アン
モニウム(A)、窒素含有複素環状有機化合物(B)、
ポリプロピレン樹脂(C)及びポリスチレン樹脂(D)
の配合割合を表1に示す値に変更した外には、実施例1
に準拠して各組成物をペレット化し、得られた各ペレッ
トから各試験片を作成して、同様に評価を行なった。そ
れらの結果を表1に併せて示す。 [所見]実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた結果
から、UL94垂直燃焼試験及び酸素指数測定の何れに
おいてもポリプロピレン樹脂(C)を配合した処方が非
配合に比較して、優れた難燃性を示すことが判る。
【0034】
【実施例4〜6】窒素含有複素環状有機化合物(B)と
して2-ピペラジニレン-4-ピペリジノ-1,3,5-トリアジン
のポリマー(B2)、エチレン尿素とホルムアルデヒド
との反応生成物(B3)並びにエチレンチオ尿素とホル
ムアルデヒドとの反応生成物(B4)を用いた以外に
は、実施例1に準拠して各ペレットを作成した。
【0035】得られた各ペレットを乾燥(100℃;3h)し、
射出成形機で物性評価用の各試験片を成形した(シリン
ダー最高温度220℃)。作成された各試験片を用いて前
記のUL94垂直燃焼試験及び酸素指数における難燃性
評価を実施した。それらの結果を表1に示す。
【0036】
【比較例4〜6】ポリプロピレン樹脂(C)を配合せ
ず、ポリスチレン樹脂(D)の配合割合を表1に示す値
に変更した外には、実施例4〜6に準拠して各組成物を
ペレット化し、得られた各ペレットから各試験片を作成
して、同様に評価を行なった。それらの結果を表1に併
せて示す。 [所見]実施例4〜6の結果及び比較例4〜6の結果か
ら、窒素含有複素環状有機化合物(B)の種類を変更し
た場合にも、ポリプロピレン樹脂(C)を配合した処方
が非配合に比較して、優れた難燃性を示すことが判る。
【0037】
【実施例7〜9及び比較例7】ポリプロピレン樹脂
(C)とポリスチレン樹脂(D)との配合割合を表1に
示す値に変更した外には、実施例1に準拠して各組成物
をペレット化し、得られた各ペレットから各試験片を作
成して、同様に評価を行なった。それらの結果を表1に
併せて示す。 [所見]実施例7〜9及び比較例7の結果からポリプロ
ピレン樹脂(C)の配合割合を帰納すれば、組成物全量
100重量%からポリ燐酸アンモニウム(A)と窒素含
有複素環状有機化合物(B)との合計量を差し引いた残
量である樹脂分[(C)+(D)]の中の3〜30重量%をポ
リプロピレン樹脂(C)の配合割合とすれば所期の難燃
性が達成されことが判る。
【0038】
【実施例10及び11】ポリ燐酸アンモニウム(A)、
窒素含有複素環状有機化合物(B)、ポリプロピレン樹
脂(C)及びポリスチレン樹脂(D)の配合割合を表1
に示す値に変更した外には、実施例1に準拠して各組成
物をペレット化し、得られた各ペレットから各試験片を
作成して、同様に評価を行なった。それらの結果を表1
に併せて示す。
【0039】
【比較例8】ポリプロピレン樹脂(C)を配合せず、ポ
リスチレン樹脂(D)の配合割合を表1に示す値に変更
した外には、実施例10に準拠して組成物をペレット化
し、得られたペレットから試験片を作成して、同様に評
価を行なった。その結果を表1に併せて示す。 [所見]実施例10の結果及び比較例8の結果からは、
UL94垂直燃焼試験においてはポリプロピレン樹脂(C)
の有無に起因する差異が認められない。しかし、酸素指
数測定においてはポリプロピレン樹脂(C)の配合によ
る難燃性の向上が認められる。
【0040】この結果から導出すると、組成物全量10
0重量%から、成分(A)14〜33重量%と成分
(B)5〜13重量%との合計量を差し引いた残量
[(C)+(D)]の中でポリプロピレン樹脂(C)の配合割
合が3重量%以上の範囲に、所期の難燃性向上の効果が
認められる。
【0041】
【発明の効果】本発明の難燃処方によれば、加工時にも
燃焼時にも腐食性ガス又は有毒性ガスを発生せず、しか
も高価な難燃剤の配合量を低減することができる。その
寄与によって、難燃性組成物の価格を低下させることが
できる。従って、この処方が価格面からの従来の制約を
解消して普及することが期待される。
【0042】特に、文房具、家具類、内装材類、電気製
品及び工業製品等に本発明の難燃性処方は有用である。
【0043】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/04 LDS 9166−4J 51/04 LLB 7142−4J D21H 21/34

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)、(B)、(C)及び
    (D)からなる組成物であり、組成物全量100重量%
    から難燃剤成分として下記配合割合の(A)と(B)と
    を差し引いた残量である[(C)+(D)]中の3〜3
    0重量%が(C)であることを特徴とするスチレン系重
    合体の難燃性組成物:難燃剤成分として、 (A)ポリ燐酸アンモニウム 14 〜33重量%、 (B)下記の群から選ばれる1種以上 5 〜13重量%、 2個以上の窒素原子を環内に含有する五員以上の複素
    環からなる環状ケトンとホルムアルデヒドとの反応生成
    物群、 2個以上の窒素原子を環内に含有する五員以上の複素
    環からなる環状チオケトンとホルムアルデヒドとの反応
    生成物群又は 下記の一般式(「化1」)で表わされる構造を含有す
    る1,3,5-トリアジン誘導体群 【化1】 [式中、Xはモルホリノ基もしくはピペリジノ基、Yは
    ピペラジンから誘導される2価の基、nは2〜50の正
    数である]。樹脂成分として、 (C)プロピレン系重合体 (D)スチレン系重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5795930A (en) * 1993-12-28 1998-08-18 Chisso Corporation Water insoluble ammonium polyphosphate powder for flame-retardant thermoplastic polymer composition

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