JPH0530888B2 - - Google Patents
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- JPH0530888B2 JPH0530888B2 JP24396386A JP24396386A JPH0530888B2 JP H0530888 B2 JPH0530888 B2 JP H0530888B2 JP 24396386 A JP24396386 A JP 24396386A JP 24396386 A JP24396386 A JP 24396386A JP H0530888 B2 JPH0530888 B2 JP H0530888B2
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は加工性に優れた電縫鋼管用熱延高張力
鋼の製造方法に係り、引張強さ55Kg・f/mm2以
上、降伏比が62%以下の熱延高張力鋼に関し、油
井管の分野で利用される。 〔従来の技術〕 電縫油井管用鋼は溶接性に優れていることは勿
論であるが、更に高強度で造管加工が容易な低降
伏比であることが望ましく、鋼種として
API5AK55鋼がある。 低降伏比を得るため、例えば自在丸らは熱延後
の冷却パターンを後半急冷に変えることにより降
伏比が65%未満の低降伏比材が得られることを示
した(R&D 神戸製鋼 技報 vol33、No.4)。
また、特開昭60−21325号では化学成分を規制す
ることにより、引張強さが60Kg・f/mm2以上で降
伏比75%未満の低降伏比材が得られることを示し
ている。しかしながら従来の方法では板厚が8mm
以下で降伏比が62%未満を平均して得ることはき
わめて困難であつた。 これは板厚が薄くなると仕上圧延での全圧下率
が必然的に高くなり、γ粒が細粒化し、変態後の
フエライト粒も細粒化するためである。結晶粒が
細粒化すると降伏点が上昇する効果は“Hall−
Petchの関係”として一般的に知られている事項
である。この結果、板厚の薄い材料では降伏比が
高くなり、実際上、62%未満を得ることは困難で
あつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決
し、板厚8mm以下の材料で引張強さ55Kg・f/mm2
以上、降伏比62%以下を得ることのできる熱延高
張力鋼の製造方法を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段および作用〕 本発明の上記の目的は次の2発明によつて達成
される。第1発明の要旨とするところは次の如く
である。すなわち、重量比にて C:0.60%以下 Si:0.50%以下 Mn:2.0%以下 全Al:0.05%以下 を含有し、かつC、Si、Mnの組成比が 97.6(%C)+11.0(%Si)+14.5(%Mn)≧52.4 なる関係式を満足し、残部がFeおよび不可避的
不純物より成る鋼片を加熱後粗圧延する工程と、
前記粗圧延後タンデム圧延機において温度範囲が
800〜1000℃で、かつ全圧下率が30〜80%で3〜
5のスタンドを使用して仕上圧延を行う工程と、
前記仕上圧延後水冷して550〜650℃の温度範囲で
巻取る工程と、を有して成り引張強さが55Kg・
f/mm2以上、降伏比が62%以下であることを特徴
とする板厚8mm以下の加工性に優れた電縫鋼管用
熱延高張力鋼の製造方法である。 第2発明の要旨とするところは、第1発明と同
一の基本成分のほかに、更にCa:0.0050%以下を
含有し、残部がFeおよび不可避的不純物より成
る鋼片を第1発明と同一条件で仕上圧延を行う電
縫鋼管用熱延高張力鋼の製造方法である。 本発明は主成分のC、Si、Mn、AlおよびCaの
含有量とその組成比を限定し、仕上圧延における
温度、全圧下傘、スタンド数およびコイル巻取温
度を制御することにより加工性に優れた高強度油
井管用熱延鋼を製造する方法である。 次に、本発明の成分限定理由を説明する。 C: Cは含有量が多い程引張強さ向上に有利である
が、0.60%を越すと中心偏析により溶接部の割れ
を生じやすくなるので上限を0.60%に限定した。 Si: Siはγ→α変態促進元素であるため、含有量が
多い程フエライト分率が高くなり延性と加工性が
向上する。しかし、一方で固溶強化元素としてフ
エライト地の降伏点を上昇させるため過度に多量
を添加するのは好ましくない。また、Siが0.50%
を越すと鋼板表面の赤スケールの発生が著しくな
り製品としての価値が損われるのでSiの上限を
0.50%にした。 Mn: Mnも引張強さを確保するため必要な元素であ
り、また熱間圧延時における低融点のFeSの形成
を防止するためにも必要な元素であるが、2.0%
を越えると中心偏析部に低温変態組織を生じ、溶
接時にその部分から割れが発生するのでMn量は
2.0%以下に限定した。 Al: Alは鋼を脱酸して清浄化する目的で添加する
が、添加量が多過ぎると置換型固溶原子として鋼
中に過剰に存在するAlが溶接時に酸素と結びつ
いてペネトレータを作りやすくなる。このように
全Alが製造コスト面でも不利となるため、全Al
の上限を0.05%に限定した。 上記C、Si、Mn、全Alの各限定量をもつて本
発明の高張力鋼の基本成分とするが、更に下記限
定量のCaを添加する場合にも、本発明の目的を
より有効に達成することができるので必要により
添加する。その限定理由は次の如くである。 Ca: Caは硫化物の形態制御をすることにより靭性
を向上させるので、靭性が要求される場合には必
要な元素であるが、0.0050%を越えるとCaOを作
り鋼の清浄性を劣化するので好ましくなく、Ca
の上限は0.0050%とした。 次に上記の如く限定したC、Si、Mnの組成比
とコイル巻取温度を限定した理由を説明する。第
1表に示す12種類の100Kg真空溶解鋼を熱間圧延
し厚さ50mm、幅200mm、長さ200mmの鋼片を作成
し、それを加熱後800〜900℃の温度範囲で厚さ3
〜10mm、幅200mm、長さlmmに仕上圧延をした後、
500〜650℃までの任意の温度に水冷し、その後コ
イルに巻取後の熱履歴に相当する熱処理を行い、
材質を調査し、その結果650℃における引張強さ
TSと化学成分との間に次の関係があることを見
出した。 TS(Km・f/mm2)=2.6+97.6(%C) +11.0(%Si)+14.5(%Mn) ……(1)
鋼の製造方法に係り、引張強さ55Kg・f/mm2以
上、降伏比が62%以下の熱延高張力鋼に関し、油
井管の分野で利用される。 〔従来の技術〕 電縫油井管用鋼は溶接性に優れていることは勿
論であるが、更に高強度で造管加工が容易な低降
伏比であることが望ましく、鋼種として
API5AK55鋼がある。 低降伏比を得るため、例えば自在丸らは熱延後
の冷却パターンを後半急冷に変えることにより降
伏比が65%未満の低降伏比材が得られることを示
した(R&D 神戸製鋼 技報 vol33、No.4)。
また、特開昭60−21325号では化学成分を規制す
ることにより、引張強さが60Kg・f/mm2以上で降
伏比75%未満の低降伏比材が得られることを示し
ている。しかしながら従来の方法では板厚が8mm
以下で降伏比が62%未満を平均して得ることはき
わめて困難であつた。 これは板厚が薄くなると仕上圧延での全圧下率
が必然的に高くなり、γ粒が細粒化し、変態後の
フエライト粒も細粒化するためである。結晶粒が
細粒化すると降伏点が上昇する効果は“Hall−
Petchの関係”として一般的に知られている事項
である。この結果、板厚の薄い材料では降伏比が
高くなり、実際上、62%未満を得ることは困難で
あつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決
し、板厚8mm以下の材料で引張強さ55Kg・f/mm2
以上、降伏比62%以下を得ることのできる熱延高
張力鋼の製造方法を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段および作用〕 本発明の上記の目的は次の2発明によつて達成
される。第1発明の要旨とするところは次の如く
である。すなわち、重量比にて C:0.60%以下 Si:0.50%以下 Mn:2.0%以下 全Al:0.05%以下 を含有し、かつC、Si、Mnの組成比が 97.6(%C)+11.0(%Si)+14.5(%Mn)≧52.4 なる関係式を満足し、残部がFeおよび不可避的
不純物より成る鋼片を加熱後粗圧延する工程と、
前記粗圧延後タンデム圧延機において温度範囲が
800〜1000℃で、かつ全圧下率が30〜80%で3〜
5のスタンドを使用して仕上圧延を行う工程と、
前記仕上圧延後水冷して550〜650℃の温度範囲で
巻取る工程と、を有して成り引張強さが55Kg・
f/mm2以上、降伏比が62%以下であることを特徴
とする板厚8mm以下の加工性に優れた電縫鋼管用
熱延高張力鋼の製造方法である。 第2発明の要旨とするところは、第1発明と同
一の基本成分のほかに、更にCa:0.0050%以下を
含有し、残部がFeおよび不可避的不純物より成
る鋼片を第1発明と同一条件で仕上圧延を行う電
縫鋼管用熱延高張力鋼の製造方法である。 本発明は主成分のC、Si、Mn、AlおよびCaの
含有量とその組成比を限定し、仕上圧延における
温度、全圧下傘、スタンド数およびコイル巻取温
度を制御することにより加工性に優れた高強度油
井管用熱延鋼を製造する方法である。 次に、本発明の成分限定理由を説明する。 C: Cは含有量が多い程引張強さ向上に有利である
が、0.60%を越すと中心偏析により溶接部の割れ
を生じやすくなるので上限を0.60%に限定した。 Si: Siはγ→α変態促進元素であるため、含有量が
多い程フエライト分率が高くなり延性と加工性が
向上する。しかし、一方で固溶強化元素としてフ
エライト地の降伏点を上昇させるため過度に多量
を添加するのは好ましくない。また、Siが0.50%
を越すと鋼板表面の赤スケールの発生が著しくな
り製品としての価値が損われるのでSiの上限を
0.50%にした。 Mn: Mnも引張強さを確保するため必要な元素であ
り、また熱間圧延時における低融点のFeSの形成
を防止するためにも必要な元素であるが、2.0%
を越えると中心偏析部に低温変態組織を生じ、溶
接時にその部分から割れが発生するのでMn量は
2.0%以下に限定した。 Al: Alは鋼を脱酸して清浄化する目的で添加する
が、添加量が多過ぎると置換型固溶原子として鋼
中に過剰に存在するAlが溶接時に酸素と結びつ
いてペネトレータを作りやすくなる。このように
全Alが製造コスト面でも不利となるため、全Al
の上限を0.05%に限定した。 上記C、Si、Mn、全Alの各限定量をもつて本
発明の高張力鋼の基本成分とするが、更に下記限
定量のCaを添加する場合にも、本発明の目的を
より有効に達成することができるので必要により
添加する。その限定理由は次の如くである。 Ca: Caは硫化物の形態制御をすることにより靭性
を向上させるので、靭性が要求される場合には必
要な元素であるが、0.0050%を越えるとCaOを作
り鋼の清浄性を劣化するので好ましくなく、Ca
の上限は0.0050%とした。 次に上記の如く限定したC、Si、Mnの組成比
とコイル巻取温度を限定した理由を説明する。第
1表に示す12種類の100Kg真空溶解鋼を熱間圧延
し厚さ50mm、幅200mm、長さ200mmの鋼片を作成
し、それを加熱後800〜900℃の温度範囲で厚さ3
〜10mm、幅200mm、長さlmmに仕上圧延をした後、
500〜650℃までの任意の温度に水冷し、その後コ
イルに巻取後の熱履歴に相当する熱処理を行い、
材質を調査し、その結果650℃における引張強さ
TSと化学成分との間に次の関係があることを見
出した。 TS(Km・f/mm2)=2.6+97.6(%C) +11.0(%Si)+14.5(%Mn) ……(1)
【表】
【表】
引張強さは一般にコイル巻取温度が低いほど高
くなるので650℃における引張強さが55Kg・f/
mm2以上となる成分の鋼は、巻取温度が550〜650℃
の範囲内にある場合は必ずTS≧55Kg・f/mm2と
なる。従つて次の(2)式が成立する。 2.6+97.6(%C)+11.0(%Si) +14.5(%Mn)≧55(Kg・f/mm2)……(2) 従つて 97.6(%C)+11.0(%Si) +14.5(%Mn)≧52.4 ……(3) すなわち、引張強さを55Kg・f/mm2以上とする
ためには(3)式の条件が必要である。 前記(3)式の成分範囲から引張強さレベルを55
Kg・f/mm2以上とするためには巻取温度は650℃
以下とする必要がある。一方、巻取温度が550℃
未満になるとベイナイト変態が起り、強度が急激
に上昇し、板形状が乱れてしまうことが判明し
た。従つてコイル巻取温度を550〜650℃の範囲に
限定した。 なお、成分組成およびコイル巻取温度のみで
は、降伏比62%以下の熱延鋼が安定して得られな
いので、800〜1000℃における仕上全圧下率およ
び仕上タンデム圧延機の圧下スタンド数について
調査した。すなわち、第2表に示す2種類の成分
の鋼を転炉で溶製し連続鋳造した鋳片を同表の条
件で各種板厚に熱間圧延した後600℃近傍の温度
でコイルに巻取つた。製造した熱延鋼板の材質を
調査し、同じく第2表に示した。 第2表の結果をまとめて第1図に示した。第1
図において降伏比が62%以下のものを白抜きの記
号、62%を越えるものを黒塗りの記号で示し、記
号の右の数字は板厚(mm)を示している。 第1図から板厚8mm以下の材料をコイル巻取温
度を550〜650℃の範囲で巻取つて、降伏比が62%
以下の材質を得るために熱延条件は、仕上の圧下
スタンド数を3スタンド以上、5スタンド以下と
し、かつ800〜1000℃間の仕上全圧下率を80%以
下とする必要のあることがわかる。
くなるので650℃における引張強さが55Kg・f/
mm2以上となる成分の鋼は、巻取温度が550〜650℃
の範囲内にある場合は必ずTS≧55Kg・f/mm2と
なる。従つて次の(2)式が成立する。 2.6+97.6(%C)+11.0(%Si) +14.5(%Mn)≧55(Kg・f/mm2)……(2) 従つて 97.6(%C)+11.0(%Si) +14.5(%Mn)≧52.4 ……(3) すなわち、引張強さを55Kg・f/mm2以上とする
ためには(3)式の条件が必要である。 前記(3)式の成分範囲から引張強さレベルを55
Kg・f/mm2以上とするためには巻取温度は650℃
以下とする必要がある。一方、巻取温度が550℃
未満になるとベイナイト変態が起り、強度が急激
に上昇し、板形状が乱れてしまうことが判明し
た。従つてコイル巻取温度を550〜650℃の範囲に
限定した。 なお、成分組成およびコイル巻取温度のみで
は、降伏比62%以下の熱延鋼が安定して得られな
いので、800〜1000℃における仕上全圧下率およ
び仕上タンデム圧延機の圧下スタンド数について
調査した。すなわち、第2表に示す2種類の成分
の鋼を転炉で溶製し連続鋳造した鋳片を同表の条
件で各種板厚に熱間圧延した後600℃近傍の温度
でコイルに巻取つた。製造した熱延鋼板の材質を
調査し、同じく第2表に示した。 第2表の結果をまとめて第1図に示した。第1
図において降伏比が62%以下のものを白抜きの記
号、62%を越えるものを黒塗りの記号で示し、記
号の右の数字は板厚(mm)を示している。 第1図から板厚8mm以下の材料をコイル巻取温
度を550〜650℃の範囲で巻取つて、降伏比が62%
以下の材質を得るために熱延条件は、仕上の圧下
スタンド数を3スタンド以上、5スタンド以下と
し、かつ800〜1000℃間の仕上全圧下率を80%以
下とする必要のあることがわかる。
【表】
一般に普通炭素鋼では800〜1000℃の温度域で
の圧下率により仕上圧延出側のオーステナイト粒
径(γ粒径)が大きく変わり圧下率が高い程細粒
化する。γ→αの変態に際しては、細粒γからは
細粒αが出やすく、このため降伏点は高くなる。
すなわち、仕上の全圧下率を増す程降伏点および
降伏比は高くなる傾向がある。 一方、同一圧下率の場合、パス回数が多い程、
各パス後のγ粒の再結晶回数が多くなるためγ粒
は微細化する傾向を示し、その結果、降伏比も高
くなる傾向がある。結局、全圧下率が低い程、そ
してまたパス回数が少ない程降伏比の低いものが
得られることになる。 第1図の結果から800〜1000℃での全圧下率が
80%以下で、かつ5スタンド以下で圧延すること
により降伏比62%以下の材質が得られた。このた
め800〜1000℃での全圧下率の上限を80%とし、
かつスタンド数の上限を5スタンドに定めた。一
方、3スタンド未満で圧延すると1スタンド当り
の荷重負荷が過大となり、形状不良および操業不
安定がおきるのでスタンド数の下限を3スタンド
に定めた。また、圧下率については上記の理由か
ら低い程降伏比には有利であるが、圧下率が低過
ぎると圧延機の通板に支障をきたすので下限値を
30%とした。 通常、熱間圧延での圧下率が材質に影響をおよ
ぼすのはγ領域の低温側1000〜800℃と考えられ
る。この温度を越えると再結晶およびその後の粒
成長が大きくなり材質はほとんど変化しない。ま
た、800℃未満では圧延荷重が大きくなり操業が
困難となる。このため、材質および実操業上効果
のある800〜1000℃の温度範囲での圧下率を規定
した。 また、各スタンドの圧下率配分は通常、均等で
よく、特に限定しないが、板の形状の観点から最
終スタンドの圧下率を前段よりも軽圧下にするこ
とが望ましい。 〔実施例〕
の圧下率により仕上圧延出側のオーステナイト粒
径(γ粒径)が大きく変わり圧下率が高い程細粒
化する。γ→αの変態に際しては、細粒γからは
細粒αが出やすく、このため降伏点は高くなる。
すなわち、仕上の全圧下率を増す程降伏点および
降伏比は高くなる傾向がある。 一方、同一圧下率の場合、パス回数が多い程、
各パス後のγ粒の再結晶回数が多くなるためγ粒
は微細化する傾向を示し、その結果、降伏比も高
くなる傾向がある。結局、全圧下率が低い程、そ
してまたパス回数が少ない程降伏比の低いものが
得られることになる。 第1図の結果から800〜1000℃での全圧下率が
80%以下で、かつ5スタンド以下で圧延すること
により降伏比62%以下の材質が得られた。このた
め800〜1000℃での全圧下率の上限を80%とし、
かつスタンド数の上限を5スタンドに定めた。一
方、3スタンド未満で圧延すると1スタンド当り
の荷重負荷が過大となり、形状不良および操業不
安定がおきるのでスタンド数の下限を3スタンド
に定めた。また、圧下率については上記の理由か
ら低い程降伏比には有利であるが、圧下率が低過
ぎると圧延機の通板に支障をきたすので下限値を
30%とした。 通常、熱間圧延での圧下率が材質に影響をおよ
ぼすのはγ領域の低温側1000〜800℃と考えられ
る。この温度を越えると再結晶およびその後の粒
成長が大きくなり材質はほとんど変化しない。ま
た、800℃未満では圧延荷重が大きくなり操業が
困難となる。このため、材質および実操業上効果
のある800〜1000℃の温度範囲での圧下率を規定
した。 また、各スタンドの圧下率配分は通常、均等で
よく、特に限定しないが、板の形状の観点から最
終スタンドの圧下率を前段よりも軽圧下にするこ
とが望ましい。 〔実施例〕
【表】
本発明は、上記実施例からも明らかな如く、成
分を限定し、仕上圧延における温度、全圧下率、
スタンド数およびコイル巻取温度を制御すること
により、引張強さが55Kg・f/mm2以上、降伏比が
62%以下の加工性に優れた電縫鋼管用熱延高張力
鋼を製造することができた。
分を限定し、仕上圧延における温度、全圧下率、
スタンド数およびコイル巻取温度を制御すること
により、引張強さが55Kg・f/mm2以上、降伏比が
62%以下の加工性に優れた電縫鋼管用熱延高張力
鋼を製造することができた。
第1図は800〜1000℃間の仕上全圧下率および
仕上の圧下スタンド数が降伏比におよぼす影響を
示す関係図、第2図は鋼板の急峻度を説明する模
式図である。
仕上の圧下スタンド数が降伏比におよぼす影響を
示す関係図、第2図は鋼板の急峻度を説明する模
式図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量比にて C:0.60%以下 Si:0.50%以下 Mn:2.0%以下 全Al:0.05%以下 を含有し、かつC、Si、Mnの組成比が 97.6(%C)+11.0(%Si)+14.5(%Mn)≧52.4 なる関係式を満足し、残部がFeおよび不可避的
不純物より成る鋼片を加熱後粗圧延する工程と、
前記粗圧延後タンデム圧延機において温度範囲が
800〜1000℃で、かつ全圧下率が30〜80%で3〜
5のスタンドを使用して仕上圧延を行う工程と、
前記仕上圧延後水冷して550〜650℃の温度範囲で
巻取る工程と、を有して成り引張強さが55Kg・
f/mm2以上、降伏比が62%以下であることを特徴
とする板厚8mm以下の加工性に優れた電縫鋼管用
熱延高張力鋼の製造方法。 2 重量比にて C:0.60%以下 Si:0.50%以下 Mn:2.0%以下 全Al:0.05%以下 を含有し、更に Ca:0.0050%以下 を含有し、かつC、Si、Mnの組成比が 97.6(%C)+11.0(%Si) +14.5(%Mn)≧52.4 なる関係式を満足し、残部がFeおよび不可避的
不純物より成る鋼片を加熱後粗圧延する工程と、
前記粗圧延後タンデム圧延機において温度範囲が
800〜1000℃で、かつ全圧下率が30〜80%で3〜
5のスタンドを使用して仕上圧延を行う工程と、
前記仕上圧延後水冷して550〜650℃の温度範囲で
巻取る工程と、を有して成り引張強さが55Kg・
f/mm2以上、降伏比が62%以下であることを特徴
とする板厚8mm以下の加工性に優れた電縫鋼管用
熱延高張力鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24396386A JPS63100126A (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 加工性に優れた電縫鋼管用熱延高張力鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24396386A JPS63100126A (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 加工性に優れた電縫鋼管用熱延高張力鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63100126A JPS63100126A (ja) | 1988-05-02 |
JPH0530888B2 true JPH0530888B2 (ja) | 1993-05-11 |
Family
ID=17111647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24396386A Granted JPS63100126A (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 加工性に優れた電縫鋼管用熱延高張力鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPS63100126A (ja) |
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JP2563547Y2 (ja) * | 1991-09-25 | 1998-02-25 | 凸版印刷株式会社 | コンパクトディスク用保護ジャケット及びそれを綴じた書籍 |
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KR100482201B1 (ko) * | 2002-10-18 | 2005-04-14 | 주식회사 포스코 | 권취 품질이 우수한 라인파이프용 열연강판의 제조방법 |
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RU2605396C2 (ru) | 2012-04-09 | 2016-12-20 | ДжФЕ СТИЛ КОРПОРЕЙШН | Высокопрочные стальные трубы с низким отношением предела текучести к пределу прочности, сваренные электрической контакной сваркой, стальная полоса для труб, сваренных электрической контакной сваркой, и способы их изготовления |
JP6123734B2 (ja) * | 2014-05-29 | 2017-05-10 | Jfeスチール株式会社 | 鋼管杭向け低降伏比高強度電縫鋼管およびその製造方法 |
-
1986
- 1986-10-14 JP JP24396386A patent/JPS63100126A/ja active Granted
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JPS63100126A (ja) | 1988-05-02 |
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