JPH05306896A - 物質および/または熱交換塔用の充填材 - Google Patents

物質および/または熱交換塔用の充填材

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JPH05306896A
JPH05306896A JP4111638A JP11163892A JPH05306896A JP H05306896 A JPH05306896 A JP H05306896A JP 4111638 A JP4111638 A JP 4111638A JP 11163892 A JP11163892 A JP 11163892A JP H05306896 A JPH05306896 A JP H05306896A
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liquid
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JP4111638A
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Yutaka Maeda
豊 前田
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Original Assignee
Mitsubishi Corp
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  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、効率のよい気液接触用充填材に関
する。 【構成】 本発明の充填材は、上方から液体を下方から
気体を供給し、内部にて気液を接触させる事に依り、両
者間における物質交換および/または熱交換を行う塔の
内部に、該塔の軸線に沿って上下方向に配置されている
塔用の充填材であって、 該充填材は波型に折り曲げら
れており、該波型の凸部の最頂部とこれに隣接する二つ
の凹部の最底部とを結ぶ線のなす角度及び凹部の最底部
とこれに隣接する二つの凸部の最頂部とを結ぶ線のなす
角度が50°以上であり、また、波形が多角形をなす場
合は、前記多角形成分の内角がそれぞれ少なくとも10
0°であり、又、円弧成分の半径が0.5mm以上であ
ることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物質および/または熱交
換塔用の充填材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の充填材で2枚のシート状
基材を接触させ重ね合わして形成したものは公知であ
り、特に線径0.1mmで100メッシュ程度の金網を
重ねて充填材に成したものは多く使用されている。これ
らのシート状基材を2枚接触させ、重ね合わせて使用す
る目的はその接触する面の間に液体が流れる際、毛管引
力を生じせしめ、液体の拡散を促進せしめようとするも
のである。この種の充填材は塔内に充填され、液体と気
体とを上下より向流させて相互に接触させ物質および/
または熱交換を行うものであり、通常、液体は上方より
下方へ、気体は下方より上方へ流れる。液体と気体とを
比べると液体の方が拡散性に関しては問題が多い為、こ
の種の充填材に於いては液体の拡散が課題とされる。こ
の課題を解決する為に種々の方法が考案されているが、
前述の金網シートを2枚接触させ重ね合わせて毛管引力
を得る方法もその一つである。その他で同様に毛管引力
を発生させる方法としては1枚の金網シートの織り方に
依り、横線を順に接触させる事で、毛管引力を生じせし
め、液体を横方向に拡散させる充填材も公知である。
【0003】本発明に言う連続する小孔または開き目を
有する穴明きシートと表面に連続した硬質な面を有する
薄板状の貼り合わせシートを接触させ重ね合わせた場合
も同様であり、2枚間に毛管引力を生じせしめて液体を
拡散しようとするものである。但し、この場合に於いて
は、金網シートの場合と異なり、毛管引力の発生と液体
の拡散の為には2枚間には適度な接触度と間隙が必要と
なるものである。この点について説明すれば、2枚のシ
ート基材を重ね合わせた場合、毛管引力の発生と流体の
流れが相関して起こる事が好ましく、金網シートの場合
には網の縦線と横線との交差に依り、2枚間にある程度
の間隔が生じる為、接触に依る面の四方への広がりと網
間の液体の流れが同時に発生する事ができるのである
が、本発明に言うシート状基材の場合には、金網と異な
り、板状基材の為、2面間の接触度が強くその為毛管引
力は強く発生するが、2面間での液体の流れは阻害され
易くなるのである。このような場合に、前述のような適
度な接触度と間隙が必要となるのである。
【0004】これらの充填材が機能する上でもう一つの
重要な事は気体と液体とが、接触する為のステージ、す
なわち接触表面積を多く提供する事である。但し接触表
面積を多く提供すると言う事は前述のように2枚のシー
ト状基材を重ね合わせる事に依り、単に1枚のシート状
基材を2枚にしたと言う丈の機会的増加ではなく、実質
的に気体と液体との接触機会を増す為の増加ではなくて
はならない。従来、前述の2枚重ねの充填材に於いて
は、毛管引力を発生させる為に、開き目を小さくせざる
を得ず、例えば金網で形成した場合には100メッシュ
程度の小さな開き目となり、毛管引力に依る液体の拡散
は実現できても、液体の一部は2枚の網の間に保持され
てしまい、気体と液体との接触は2枚の金網の外側部の
みで行われる事となる為、2枚を重ねても実質的に2枚
の有する表面積全体を気体と液体との接触できない不具
合が生じるのである。それを解決すべく、開き目を大き
くして、気体を接触面内部に導入しようとしても開き目
を大きくする事に依り、逆に毛管引力の低下をもたら
し、液の拡散を阻害されるのである。特に2枚のシート
状基材が網で形成されている場合にはその傾向が顕著に
現れる。この不具合を解決する為の一つの方法として次
の如きが挙げられる。
【0005】それは、シート状基材の1枚を表面に連続
する小孔または開き目を有するものとし、他1枚のシー
ト状基材は表面に連続する硬質の間を有する薄板状の貼
り合わせシートを接触させ重ね合わせる。
【0006】この場合、連続する小孔または開き目を有
する穴明きシートは平板であっても良いし、網であって
も良いしまたは伸展金網であっても良い。平板の場合凹
凸を有していても良い。表面に連続する硬質の面を有す
る薄板状の貼り合わせシートにはある距離を隔てて小孔
を穿設しても良い。この2枚のシート状基材を接触し重
ね合わせる事に依り次の効果を生じさせる事ができる。
【0007】(1)連続する小孔または開き目を有する
穴明きシートの小孔または開き目を広げた場合に於いて
も接触する他1枚の貼り合わせシートが連続する面を有
する為、小孔または開き目が必ず面と接触し、ずれを起
こさない。その事に依り、小孔または開き目が広がった
割合に比例して毛管引力の減少は生じるが、接触ずれに
依る急激な減少等の不具合を防ぐ事ができる。
【0008】(2)穴明きシートに薄板状のシートを接
触させる事で網状シートを2枚重ねる場合に比較して、
接触する際の面間距離を小さく保つ事ができる為、毛管
引力を強める事ができる。
【0009】(3)穴明きシートの小孔または開き目を
大きくした際、接触する他1枚の貼り合わせシートが有
る為、気体は通過する事が無く、その為、気体の上昇す
る際の動圧を利用する事ができ、気液接触の際に必要な
る境膜の破壊が促進される。
【0010】この方法に依り、従来小孔または開き目を
有する2枚のシート材を重ね合わせた場合に生じる。小
孔または開き目を大きくした際に発生する毛管引力の減
少と、それとは反対に小孔または開き目を小さくすると
気体と液体との接触機会の減少となってしまうと言う相
対する問題に対して、1つの解決となる訳であるが、こ
のようにして2枚のシートを接触させ重ね合わせて、波
形をなす、複数の連続した折り目を表面に加工して充填
材として形成し、液を流すと次の如き現象が生ずるので
ある。
【0011】液が充填材の上部より下部に向かって流れ
る際、塔軸に対して傾斜して位置する折り目に沿って、
液体が斜めに流れ易くなり、2枚のシートが平らな面で
重ね合わされている時は前述のように毛管引力を強める
事を可能としても、充填材の形にした場合、液の拡散が
阻害される不具合が起こるのである。
【0012】本発明者は従来技術の欠点を克服する為の
研究をした。その結果シート状基材の折り目をある形状
に形成する事に依り、液の拡散が促進される事を発見し
た。本発明は上方から液体を下方から気体を供給し、内
部にて気液を接触させる事に依り両者間における物質交
換および/または熱交換を行う塔の内部に、該塔の軸線
に沿って上下方向に配置されている複数枚の充填材から
なり、該充填材は1枚又は複数枚の表面に連続する小孔
または開き目を有する穴あきシート(A)と他の1枚又
は2枚以上の表面に連続する硬質な面を有する薄板状の
貼り合わせシート(B)とを接触し重ね合わせたもので
あり、隣接する充填材互いに折り目方向が交差するよう
に又は複数枚のシート状基材を同方向に折り曲げ配置す
る場合には折り目が重なり合わないように該充填材を折
り曲げ、該充填材は、概ね波型断面形状を有しており、
これらの波型断面形状の最頂部又は最底部は複数の平面
部分を連続的に折り曲げて構成した多角形成分及び又は
真円若しくは概ね円形をなす円弧成分にて構成してお
り、波形が円弧をなす場合は、凸部の最頂部とこれに隣
接する凹部の最底部とを結ぶ線のなす角度、及び凹部の
最底部とこれに隣接する凸部の最頂部とを結ぶ線のなす
角度が50°以上であり、又波形が多角形をなす場合
は、前記多角形成分の内角が少なくとも100°であ
り、又、円弧成分の半径が0.5mm以上であることを
特徴とする物質及び/又は熱交換塔用の充填材に関す
る。
【0013】本発明の効果についてより詳しく述べれ
ば、従来この種の充填材に於いてはシート状基材を2枚
接触させ重ね合わせる事の効果として次の如きが挙げら
れる。その1つはシート状基材を面接触させる事に依
り、毛管引力を面状に発生せしめる効果である。面に於
いて毛管引力を発生させると液体はその面に沿って左
右、上下に広がる為、これらの充填物で必要とされてい
る。液の拡散が達成できるのである。他の1つは気液接
触の為のステージ、すなわち表面積を増す事ができると
言う事である。
【0014】本発明に於いては液の拡散について、その
向上を主題とする為、以下液の流れについて述べる事と
する。
【0015】接触し重ね合わされたシート状基材が、2
枚の網で形成されている場合には折り目の形状が如何な
る場合でも、液体は2枚間に生じる毛管引力に依り左右
及び下側に拡がると共に液は流れとなって下方に落ちる
事ができるのである。
【0016】これを図に依って説明すれば、図1は充填
材が塔内に設置された際に塔軸(1)に対し、折り目が
傾斜している事を示すものである。(2)は充填材であ
る。図2は図1の縦線(3)の1つの折り目の断面拡大
図であり、充填材が網で形成されている事を示す。
(4)は1枚の網であり(5)は接触し、重ね合わされ
た他1枚の網である。(6)は縦線であり、(7)は横
線を示す。液の流れを矢印で示す。(8)は折り目を示
す。
【0017】本図で示すように上部より流れ落ちる液体
は2枚の網の間に保持されるものも有れば網の外側に出
て流れるものもある。網を重ね合わせた場合には相互に
網目が有る為、折り目の形状とは無関係に、液体は下方
に流れ落ちる事ができる。これに対し本発明に言う連続
する小孔または開き目を有する穴明きシートと表面に連
続する面を有するシートとの重ね合わせの場合には、別
の流れ方を呈する。これを図3で説明すれば図3は図2
と同様に図1の縦線(3)の断面拡大図である。(9)
は連続する小孔または開き目を有する穴明きシートであ
り、(10)は表面に連続する硬質な面を有する薄板状
の貼合わせシートである。矢印は液の流れを示す。図3
(a)は角度を変えて見た図である。
【0018】本図で示すように液体は上部より下部に流
れ落ちる際穴明きシート(9)と貼り合わせシート(1
0)との間を毛管引力に依り広がるものと穴明きシート
の上部を覆うように流れ落ちるものがあるが、折り目迄
流れ落ちた液体は折り目の頂部の成す線、すなわち塔軸
(1)に対して傾斜して形成される折り目の線に沿って
斜めに流れ落ちる現象が生じる。
【0019】これは次の理由に依るものと考えられる。
【0020】波形を形成し、設置すると波形を成すシー
ト状基材の波形の面は、2つの方向を示す、1つは塔の
上方を向く面と他一つは下方を向く面である。上向き面
は上方からの液体の流れを受ける形となり、下向き面は
その逆である。上向き面を折り目まで流れた液体が下向
き面へ流れる際には、流れのベクトルが変化する為、変
化する為の力が加わらないと液はベクトルの方向性を維
持する方向に流れる。その事に依り折り目まで流れた液
体はそのまま上向き面の端部すなわち折り目の線に沿っ
て流れ易くなるのである。
【0021】特に折り目の角度が小さい場合にこの傾向
から強く現れる。この為、折角毛管引力を発生させる事
が可能としても、液の流れが伴われない為、表面を十分
に濡らす事ができず、結果として気液接触の機会を失う
事となるのである。この現象は平板に小孔または開き目
を有する穴明きシートと貼り合わせシートの重ね合わせ
の場合に顕著であるが、網においても、メッシュの細か
い場合にはこの傾向が現れる。
【0022】この為、毛管引力の発生と液の流れに関し
ては次の点を考慮しなくてはならない。毛管引力の発生
を強める為、接触度を強くすると液の流れを阻害し、反
対に液の流れを多くする為に接触度を弱めると毛管引力
が弱まり液の拡散が阻害される。特に曲げ部に於いて、
この傾向が強く生じる。
【0023】本発明では下記が必須要件となっている。
【0024】(1)凸部の最頂部とこれに隣接する凹部
の最底部とを結ぶ線のなす角度γ及び凹部の最底部とこ
れに隣接する凸部の最頂部とを結ぶ線のなす角度γが5
0°以上であり、そして円弧成分の半径が0.5mm以
上である。
【0025】(2)波形が多角形をなす場合は、その多
角形成分の内角βが少なくとも100°であるこれを図
4によって説明する。
【0026】図4(イ)は波形が円弧をなす場合であ
り、実線は充填材シートの側面を示し、aは凸部の最頂
部であり、bは凹部の最底部である。点線はa及びbを
結ぶ線であり、その角度γは50°以上である。その円
弧の半径は0.5mm以上である。
【0027】図4(ロ)は波形が多角形をなす場合であ
り、実線は充填材シートの側面を示す。この場合内角β
は100°以上である。
【0028】本発明では上記の要件を採用することによ
り、折り目の屈折度を緩和し、下方への液体の流れを促
進するものである。
【0029】以上にして本発明は前記シート状基材2枚
の重ね合わせた際に生じる不具合を解決するに至った次
第である。
【0030】実施上、連続する小孔または開き目を有す
る穴明きシートの小孔または開き目は気液接触の点から
縦及び横方向で0.2mm以上とする事が好ましい。又
穴明きシートを2枚以上としその間に貼り合わせシート
を1枚または複数枚挟んでも良い。表面積を増やす為に
交差する折り目を有する充填材の間に折り目の無い1枚
又は複数枚のシート状基材又は網状基材又は伸長金網又
はこれらを組合わせたものを本発明に言う充填材をプラ
スチックで形成しても良い。貼り合わせシートに穴を明
けた場合には、その穴の面積は穴明きシートの小孔また
は開き目の面積より大きくなってはならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填材の斜面図。
【図2】図1の1−1線断面図。
【図3】図1の1−1線拡大断面図。
【図4】(イ)は波形が円弧をなす場合の充填材の側面
図、(ロ)は波形が多角形をなす場合の充填材の側面図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 物質および/または熱交換塔用の充填
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物質および/または熱交
換塔用の充填材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の充填材で2枚のシート状
基材を接触させ重ね合わして形成したものは公知であ
り、特に線径0.1mmで100メッシュ程度の金網を
重ねて充填材に成したものは多く使用されている。これ
らのシート状基材を2枚接触させ、重ね合わせて使用す
る目的は、その接触する面の間に液体が流れる際、毛管
引力を生じせしめ、液体の拡散を促進せしめようとする
ものである。この種の充填材は塔内に充填され、液体と
気体とを上下より向流させて相互に接触させ物質および
/または熱交換を行うものであり、通常、液体は上方よ
り下方へ、気体は下方より上方へ流れる。液体と気体と
を比べると液体の方が拡散性に関しては問題が多い為、
この種の充填材に於いては液体の拡散が課題とされる。
この課題を解決する為に種々の方法が考案されている
が、前述の金網シートを2枚接触させ重ね合わせて毛管
引力を得る方法もその一つである。その他で同様に毛管
引力を発生させる方法としては1枚の金網シートの織り
方に依り、横線を順に接触させる事で、毛管引力を生じ
せしめ、液体を横方向に拡散させる充填材も公知であ
る。
【0003】本発明に係る充填材は、その表面に小孔ま
たは開き目を有する穴あきシートと表面に連続した硬質
な面を有する薄板状の貼り合わせシートとを接触させ重
ね合わせることによって構成されるものであるが、かか
る充填材においても、上述の考え方と同様に、2枚のシ
ート間に毛管引力を生じせしめて液体を拡散しようとす
るものである。但し、この場合に於いては、2枚の金網
シートを重ね合わせた場合と異なり、毛管引力の発生と
液体の拡散の為には2枚のシート間には適度な接触度と
間隙が必要となる。この点について説明すると、2枚の
シート基材を重ね合わせた場合、毛管引力の発生と流体
の流れが相関して起こる事が好ましく、金網シートの場
合には網の縦線と横線との交差に依り、2枚のシート間
にある程度の間隔が生じる為、接触に依る面の四方への
広がりと網間の液体の流れが同時に発生する事ができる
のであるが、本発明に係る充填材のように、孔を有する
シート状基材と連続する硬質な平面を有する薄板シート
材とを重ね合わせたものの場合には、金網と異なり、2
枚のシート面の間の接触度が強く、その為、毛管引力は
強く発生するが、2面間での液体の流れは阻害され易く
なるのである。このような場合に、前述のような適度な
接触度と間隙が必要となるのである。
【0004】これらの充填材が機能する上でもう一つの
重要な事は、気体と液体とが接触する為のステージ、す
なわち接触表面積を多く提供する事である。但し、接触
表面積を多く提供すると言う事は、前述のように2枚の
シート状基材を重ね合わせる事に依り単に1枚のシート
状基材を2枚にしたと言うだけの機械的増加ではなく、
実質的に気体と液体との接触機会を増す為の増加ではな
くてはならない。従来、前述の2枚重ねの充填材に於い
ては、毛管引力を発生させる為に、開き目を小さくせざ
るを得ず、例えば金網で形成した場合には100メッシ
ュ程度の小さな開き目となり、毛管引力に依る液体の拡
散は実現できても、液体の一部は2枚の網の間に保持さ
れてしまい、気体と液体との接触は2枚の金網の外側部
のみで行われる事となる為、2枚を重ねても実質的に2
枚の有する表面積全体を気体と液体との接触できない不
具合が生じていた。それを解決すべく、開き目を大きく
して気体を接触面内部に導入しようとしても、開き目を
大きくする事に依り逆に毛管引力の低下をもたらし、液
の拡散が阻害されるのである。特に、2枚のシート状基
材が網で形成されている場合にはその傾向が顕著に現れ
る。この不具合を解決する為の一つの方法として次の如
きが挙げられる。
【0005】それは、表面に小孔または開き目を有する
1枚又は複数枚の穴あきシートと、他の1枚又は2枚以
上の表面に連続する硬質の面を有する薄板状の貼り合わ
せシートとを接触させ重ね合わせることによって充填材
を形成するという方法である。
【0006】この場合、小孔または開き目を有する穴あ
きシートは、平板状のものであっても良いし、網状のも
のであっても良いし、または展伸金網(エキスパンデッ
ドメタルメッシュ)であっても良い。平板状シートの場
合、その表面に凹凸を有していても良い。表面に連続す
る硬質の面を有する薄板状の貼り合わせシートには、あ
る距離を隔てて小孔を穿設しても良い。なお、ここでい
う「連続する硬質の面を有する」とは、薄板材の表面に
平面又は曲面がある程度の拡がりをもって連続して存在
しているという意味であり、したがって、例えば薄板材
の表面に板材の端から端まで通る溝状の凹凸が形成され
ていても良い。この2枚のシート状基材を接触し重ね合
わせる事に依り次の効果を生じさせる事ができる。
【0007】(1)小孔または開き目を有する穴あきシ
ートの小孔または開き目を広げた場合に於いても、これ
と接触する他1枚の貼り合わせシートが連続する面を有
する為に、小孔または開き目が必ず面と接触し、ずれを
起こさない。その事に依り、小孔または開き目が広がっ
た割合に比例して、毛管引力の減少は生じるが、接触ず
れに依る急激な減少等の不具合を防ぐ事ができる。
【0008】(2)穴あきシートに薄板状のシートを接
触させる事で、網状シートを2枚重ねる場合に比較し
て、接触する際の面間距離を小さく保つ事ができる為、
毛管引力を強める事ができる。
【0009】(3)穴あきシートの小孔または開き目を
大きくした際、接触する他1枚の貼り合わせシートが有
る為、気体は通過する事が無く、その為、気体の上昇す
る際の動圧を利用する事ができ、気液接触の際に必要な
る境膜の破壊が促進される。
【0010】この方法に依り、従来小孔または開き目を
有する2枚のシート材を重ね合わせた場合に生じる、小
孔または開き目を大きくした際に発生する毛管引力の減
少と、それとは反対に小孔または開き目を小さくすると
気体と液体との接触機会の減少となってしまうという相
対する問題に対して、1つの解決となる訳であるが、こ
のようにして2枚のシートを接触させ重ね合わせて、波
形をなす、複数の連続した折り目を表面に加工して充填
材として形成し、液を流すと次の如き現象が生ずるので
ある。
【0011】即ち、液が充填材の上部より下部に向かっ
て流れる際に、塔軸に対して傾斜して位置する折り目に
沿って液体が斜めに流れ易くなり、2枚のシートが平ら
な面で重ね合わされている時は前述のように毛管引力を
強める事を可能としても、波型の充填材の形にした場合
には液の拡散が阻害される不具合が起こるのである。
【0012】本発明者は、上記のような従来技術の欠点
を克服する為の研究をした。その結果、シート状基材の
折り目をある形状に形成する事に依り、液の拡散が促進
される事を発見した。即ち、本発明は上方から液体を下
方から気体を供給し、内部にて気液を接触させる事に依
り両者間における物質交換および/または熱交換を行う
塔の内部に、該塔の軸線に沿って上下方向に配置されて
いる塔用の充填材であって、該充填材は、1枚又は複数
枚の、表面に小孔または開き目を有する穴あきシート
(A)と、他の1枚又は2枚以上の、表面に連続する硬
質な面を有する薄板状の貼り合わせシート(B)とを接
触し重ね合わせたものであり、隣接する充填材は、互い
に折り目方向が交差するように、又は、同方向に折り曲
げ配置する場合には折り目が重なり合わないように折り
曲げられており、それぞれの折り曲げられた充填材は、
概ね波型の断面形状を有しており、これらの波型断面形
状の最頂部又は最底部は複数の平面部分を連続的に折り
曲げて構成された多角形成分及び又は真円若しくは概ね
円形をなす円弧成分にて構成されており、該波形が円弧
をなす場合は、凸部の最頂部とこれに隣接する二つの凹
部の最底部とを結ぶ線のなす角度、及び凹部の最底部と
これに隣接する二つの凸部の最頂部とを結ぶ線のなす角
度がそれぞれ50°以上であり、また該波形が多角形を
なす場合は、前記多角形成分の内角がそれぞれ少なくと
も100°であり、又、円弧成分の半径が0.5mm以
上であることを特徴とする物質及び/又は熱交換塔用の
充填材に関する。
【0013】本発明の効果についてより詳しく述べれ
ば、従来この種の充填材に於いてはシート状基材を2枚
接触させ重ね合わせる事の効果として次の如きが挙げら
れる。その1つはシート状基材を面接触させる事に依
り、毛管引力を面状に発生せしめる効果である。面に於
いて毛管引力を発生させると液体はその面に沿って左
右、上下に広がる為、これらの充填物で必要とされてい
る液の拡散が達成できるのである。他の1つは気液接触
の為のステージ、すなわち表面積を増す事ができると言
う事である。
【0014】本発明に於いては、液の拡散について、そ
の向上を主題とする為、以下液の流れについて述べる事
とする。
【0015】接触し重ね合わされたシート状基材が、2
枚の網で形成されている場合には折り目の形状が如何な
る場合でも、液体は2枚間に生じる毛管引力に依り左右
及び下側に拡がると共に、液は流れとなって下方に落ち
る事ができる。
【0016】これを図に依って説明すれば、図1は充填
材が塔内に設置された際に、塔軸(1)に対し折り目が
傾斜している事を示すものである。(2)は充填材であ
る。図2は図1の縦線(3)の1つの折り目の断面拡大
図であり、充填材が網で形成されている場合を示す。
(4)は1枚の網であり(5)は接触し、重ね合わされ
た他1枚の網である。(6)は縦線であり、(7)は横
線を示す。液の流れを矢印で示す。(8)は折り目を示
す。図2で示すように、上部より流れ落ちる液体は、2
枚の網の間に保持されるものもあれば網の外側に出て流
れるものもある。網を重ね合わせた場合には相互に網目
が有る為、折り目の形状とは無関係に、液体は下方に流
れ落ちる事ができる。これに対し本発明に係る充填材の
ように、小孔または開き目を有する穴あきシートと表面
に連続する面を有するシートとの重ね合わせの場合に
は、別の流れ方を呈する。これを図3で説明する。図3
は図2と同様に図1の縦線(3)の断面拡大図であり、
穴あきシートと表面に連続する面を有するシートとが重
ね合わされて充填材を形成している場合を示す。(9)
は連続する小孔または開き目を有する穴あきシートであ
り、(10)は表面に連続する硬質な面を有する薄板状
の貼合わせシートである。矢印は液の流れを示す。図3
(a)は角度を変えて見た図である。
【0018】本図で示すように、液体は、上部より下部
に流れ落ちる際に、穴あきシート(9)と貼り合わせシ
ート(10)との間を毛管引力に依り広がるものと穴あ
きシートの上部を覆うように流れ落ちるものがあるが、
シートの折り目まで流れ落ちた液体は、折り目の頂部の
成す線、すなわち塔軸(1)に対して傾斜して形成され
る折り目の線に沿って斜めに流れ落ちる現象が生じる。
【0019】これは次の理由に依るものと考えられる。
【0020】波形を形成し、設置すると、波形を成すシ
ート状基材の波形の面は2つの方向を示すことになる。
1つは塔の上方を向く面であり、他一つは塔の下方を向
く面である。上向き面は上方からの液体の流れを受ける
形となり、下向き面はその逆である。上向き面を折り目
まで流れた液体が下向き面へ流れる際には、流れのベク
トルが変化する為、変化する為の力が加わらないと液は
ベクトルの方向性を維持する方向に流れる。その事に依
り折り目まで流れた液体はそのまま上向き面の端部すな
わち折り目の線に沿って流れ易くなるのである。
【0021】特に折り目の角度が小さい場合にこの傾向
から強く現れる。この為、折角毛管引力を発生させる事
が可能としても、液の流れが伴われない為、表面を十分
に濡らす事ができず、結果として気液接触の機会を失う
事となるのである。この現象は平板に小孔または開き目
を有する穴あきシートと貼り合わせシートの重ね合わせ
の場合に顕著であるが、金網と貼り合わせシートとの重
ね合わせの場合においてもこの傾向が現れる。
【0022】ここで、毛管引力の発生と液の流れとは次
の関係を有している。即ち、毛管引力の発生を強める為
に接触度を強くすると液の流れが阻害され、反対に液の
流れを多くする為に接触度を弱めると毛管引力が弱まり
液の拡散が阻害される。特に曲げ部に於いて、この傾向
が強く生じる。
【0023】本発明では下記が必須要件となっている。
【0024】(1)凸部の最頂部とこれに隣接する二つ
の凹部の最底部とを結ぶ線のなす角度α、及び、凹部の
最底部とこれに隣接する二つの凸部の最頂部とを結ぶ線
のなす角度αがそれぞれ50°以上であり、そして円弧
成分の半径が0.5mm以上である。
【0025】(2)波形が多角形をなす場合は、その多
角形成分の内角βがそれぞれ少なくとも100°であ
る。これを図4によって説明する。
【0026】図4(イ)は波形が円弧をなす場合であ
り、実線は充填材シートの側面を示し、aは凸部の最頂
部であり、bは凹部の最底部である。点線はa及びbを
結ぶ線であり、その角度αはそれぞれ50°以上であ
る。その円弧の半径は0.5mm以上である。
【0027】図4(ロ)は波形が多角形をなす場合であ
り、実線は充填材シートの側面を示す。この場合内角β
はそれぞれ100°以上である。
【0028】本発明では上記の要件を採用することによ
り、折り目の屈折度を緩和し、下方への液体の流れを促
進するものである。
【0029】以上にして本発明は前記シート状基材2枚
の重ね合わせた際に生じる不具合を解決するに至った次
第である。
【0030】実施上、小孔または開き目を有する穴あき
シートの小孔または開き目は、気液接触の点から、縦及
び横方向で0.2mm以上とする事が好ましい。また、
穴あきシートを2枚以上とし、その間に、貼り合わせシ
ートを1枚または複数枚挟んでも良い。表面積を増やす
為に、交差する折り目を有する充填材の間に、折り目の
無い1枚又は複数枚のシート状基材又は網状基材又は展
伸金網又はこれらを組合わせたものを挟んでもよい。ま
た、本発明に言う充填材はプラスチックで形成しても良
い。貼り合わせシートに穴を明けた場合には、その穴の
面積は穴明きシートの小孔または開き目の面積より大き
くなってはならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填材の斜面図。
【図2】図1の1−1線断面図。
【図3】図1の1−1線拡大断面図。
【図4】(イ)は波形が円弧をなす場合の充填材の側面
図、(ロ)は波形が多角形をなす場合の充填材の側面図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方から液体を下方から気体を供給し、
    内部にて気液を接触させる事に依り両者間における物質
    交換および/または熱交換を行う塔の内部に、該塔の軸
    線に沿って上下方向に配置されている複数枚の充填材か
    らなり、該充填材は1枚又は複数枚の表面に連続する小
    孔または開き目を有する穴あきシート(A)と他の1枚
    又は2枚以上の表面に連続する硬質な面を有する薄板状
    の貼り合わせシート(B)とを接触し重ね合わせたもの
    であり、隣接する充填材互いに折り目方向が交差するよ
    うに又は複数枚のシート状基材を同方向に折り曲げ配置
    する場合には折り目が重なり合わないように該充填材を
    折り曲げ、該充填材は、概ね波型断面形状を有してお
    り、これらの波型断面形状の最頂部又は最底部は複数の
    平面部分を連続的に折り曲げて構成した多角形成分及び
    又は真円若しくは概ね円形をなす円弧成分にて構成して
    おり、波形が円弧をなす場合は、凸部の最頂部とこれに
    隣接する凹部の最底部とを結ぶ線のなす角度、及び凹部
    の最底部とこれに隣接する凸部の最頂部とを結ぶ線のな
    す角度が50°以上であり、又波形が多角形をなす場合
    は、前記多角形成分の内角が少なくとも100°であ
    り、又、円弧成分の半径が0.5mm以上であることを
    特徴とする物質及び/又は熱交換塔用の充填材。
  2. 【請求項2】 上方から液体を下方から気体を供給し、
    内部にて気液を接触させる事に依り両者間における物質
    交換および/または熱交換を行う塔の内部に、該塔の軸
    線に沿って上下方向に配置されている複数枚の充填材か
    らなり、該充填材は1枚又は複数枚の表面に連続する小
    孔または開き目を有する穴あきシート(A)と他の1枚
    又は2枚以上の表面に連続する硬質な面を有する薄板状
    の貼り合わせシート(B)とを接触し重ね合わせたもの
    であり、隣接する充填材が互いに折り目方向が交差する
    ように又は複数枚のシート状基材を同方向に折り曲げ配
    置する場合には折り目が重なり合わないように該充填材
    を折り曲げ、該充填材は概ね波型断面形状を有してお
    り、これらの波型断面形状の最頂部又は最底部は複数の
    平面部分を連続的に折り曲げて構成した多角形成分及び
    又は真円若しくは概ね円形をなす円弧成分にて構成して
    おり、波形が円弧をなす場合は、凸部の最頂部とこれに
    隣接する凹部の最底部とを結ぶ線のなす角度、及び凹部
    の最底部とこれに隣接する凸部の最頂部とを結ぶ線のな
    す角度が50°以上であり、又波形が多角形をなす場合
    は、前記多角形成分の内角が少なくとも100°であ
    り、又、円弧成分の半径が0.5mm以上であり、折ら
    れた充填材の間に折り目のない1枚又は複数材のシート
    状基材又は網状基材又は伸長全網又はこれらを組合わせ
    たものを挟持することを特徴と物質及び/又は熱交換塔
    用の充填材。
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