JPH05304003A - Ptc抵抗体の製造方法 - Google Patents
Ptc抵抗体の製造方法Info
- Publication number
- JPH05304003A JPH05304003A JP10723292A JP10723292A JPH05304003A JP H05304003 A JPH05304003 A JP H05304003A JP 10723292 A JP10723292 A JP 10723292A JP 10723292 A JP10723292 A JP 10723292A JP H05304003 A JPH05304003 A JP H05304003A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molded body
- ptc resistor
- heating
- atmosphere
- binder
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 安価で容易に上記成形体中のバインダを除去
する方法を提供し、これによりPTC抵抗体の品質向上
に寄与する。 【構成】 V2O3を主原料とし、この主原料に有機バイ
ンダを加えて成形体を製造した後に、この成形体を予め
不活性雰囲気にて加熱した後に焼成を行ってPTC抵抗
体を製造する。好ましくは上記不活性雰囲気として窒素
雰囲気を用いるとともに、上記加熱時に窒素ガスのパー
ジを行い、更に上記加熱は300℃〜400℃における
昇温速度を3℃/分〜5℃/分とする。
する方法を提供し、これによりPTC抵抗体の品質向上
に寄与する。 【構成】 V2O3を主原料とし、この主原料に有機バイ
ンダを加えて成形体を製造した後に、この成形体を予め
不活性雰囲気にて加熱した後に焼成を行ってPTC抵抗
体を製造する。好ましくは上記不活性雰囲気として窒素
雰囲気を用いるとともに、上記加熱時に窒素ガスのパー
ジを行い、更に上記加熱は300℃〜400℃における
昇温速度を3℃/分〜5℃/分とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPTC抵抗体の製造方法
に関し、特にPTC抵抗体の原料スラリーの焼成方法に
関する。
に関し、特にPTC抵抗体の原料スラリーの焼成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ノーヒューズブレーカの心臓部で
ある限流素子の材料として、三酸化バナジウム(V
2O3)を主成分としたPTC(positive temperature co
efficient)セラミックスが用いられている。この素子の
製造するには、まず一般的なセラミックスと同様に主原
料の三酸化バナジウムを成形時に必要なバインダと混合
し、乳化スラリとして成分を均一化する。次に、スプレ
ードライヤにて乾燥・造粒して成形プレスし、これによ
り得られる成形体を水素雰囲気中にて焼成し、素子を完
成する。
ある限流素子の材料として、三酸化バナジウム(V
2O3)を主成分としたPTC(positive temperature co
efficient)セラミックスが用いられている。この素子の
製造するには、まず一般的なセラミックスと同様に主原
料の三酸化バナジウムを成形時に必要なバインダと混合
し、乳化スラリとして成分を均一化する。次に、スプレ
ードライヤにて乾燥・造粒して成形プレスし、これによ
り得られる成形体を水素雰囲気中にて焼成し、素子を完
成する。
【0003】しかし、水素雰囲気中において上記焼成を
行うと、有機化合物であるバインダを完全に除去するこ
とは非常に困難であり、残留したバインダによって素子
特性に問題が生じる場合がある。
行うと、有機化合物であるバインダを完全に除去するこ
とは非常に困難であり、残留したバインダによって素子
特性に問題が生じる場合がある。
【0004】このため、現在バインダと三酸化バナジウ
ムの混合物である上記成形体を空気(酸素)雰囲気にて
予め加熱し、その後に上記焼成を行う方法等が検討され
ている。
ムの混合物である上記成形体を空気(酸素)雰囲気にて
予め加熱し、その後に上記焼成を行う方法等が検討され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記バインダ等の一般
の有機化合物の分解方法としては、空気雰囲気(酸素)
中においてこの有機化合物を加熱し、炭酸ガス等に分解
する方法が良く知られている。
の有機化合物の分解方法としては、空気雰囲気(酸素)
中においてこの有機化合物を加熱し、炭酸ガス等に分解
する方法が良く知られている。
【0006】この方法により通常の有機化合物を炭酸ガ
スに分解すること比較的簡単であるが、上記成形体を空
気雰囲気中で加熱すると、原料である三酸化バナジウム
が400℃付近から酸化して五酸化バナジウムに変化する
ことが考えられる。
スに分解すること比較的簡単であるが、上記成形体を空
気雰囲気中で加熱すると、原料である三酸化バナジウム
が400℃付近から酸化して五酸化バナジウムに変化する
ことが考えられる。
【0007】上記のように五酸化バナジウムが生成した
場合、水素雰囲気中にて素子の焼成を行うと水が生成さ
れる。この水は焼成時の熱により水蒸気となって急膨張
するので、炉内で小爆発が起きる可能性がある。
場合、水素雰囲気中にて素子の焼成を行うと水が生成さ
れる。この水は焼成時の熱により水蒸気となって急膨張
するので、炉内で小爆発が起きる可能性がある。
【0008】本発明は上記背景の下になされたものであ
り、安価で容易に上記成形体中のバインダを除去する方
法を提供し、これによりPTC抵抗体の品質向上に寄与
することを目的とする。
り、安価で容易に上記成形体中のバインダを除去する方
法を提供し、これによりPTC抵抗体の品質向上に寄与
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するため、本発明はV2O3を主原料とし、この主原料に
有機バインダを加えて成形体を製造した後にこの成形体
の焼成を行うPTC抵抗体の製造方法において、上記成
形体を予め不活性雰囲気で加熱することにより前記有機
バインダを除去し、その後前記焼成を行うことを特徴と
する。
するため、本発明はV2O3を主原料とし、この主原料に
有機バインダを加えて成形体を製造した後にこの成形体
の焼成を行うPTC抵抗体の製造方法において、上記成
形体を予め不活性雰囲気で加熱することにより前記有機
バインダを除去し、その後前記焼成を行うことを特徴と
する。
【0010】また、上記PTC抵抗体の製造方法におい
て、前記不活性雰囲気として窒素雰囲気を用いるととも
に、前記加熱時に窒素ガスのパージを行い、更に前記加
熱時における300℃〜400℃での昇温速度を3℃/
分〜5℃/分とすることを特徴とするPTC抵抗体の製
造方法も提供される。
て、前記不活性雰囲気として窒素雰囲気を用いるととも
に、前記加熱時に窒素ガスのパージを行い、更に前記加
熱時における300℃〜400℃での昇温速度を3℃/
分〜5℃/分とすることを特徴とするPTC抵抗体の製
造方法も提供される。
【0011】上記のように有機バインダの除去を行うこ
とで、有機バインダの除去率が大きく向上し、また五酸
化バナジウムの生成も抑制することができ、PTC特性
を向上される。
とで、有機バインダの除去率が大きく向上し、また五酸
化バナジウムの生成も抑制することができ、PTC特性
を向上される。
【0012】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
る。
【0013】上記不活性雰囲気としては、アルゴンガス
等の希ガス雰囲気や窒素雰囲気等が挙げられるが、経済
性等の点から好ましくは窒素雰囲気を用いる。特に、一
般工業の窒素ガスには%オーダーの酸素が含有されてい
るので、純度の高いガスを使用することが好ましい。
等の希ガス雰囲気や窒素雰囲気等が挙げられるが、経済
性等の点から好ましくは窒素雰囲気を用いる。特に、一
般工業の窒素ガスには%オーダーの酸素が含有されてい
るので、純度の高いガスを使用することが好ましい。
【0014】また、窒素ガス置換方式では完全な除去が
期待されないので、毎分数リットル程度をパージしなが
ら加熱分解することが好ましい。
期待されないので、毎分数リットル程度をパージしなが
ら加熱分解することが好ましい。
【0015】更に、昇温速度は好ましくは毎分20℃〜50
℃とするが、特にPVAは300℃付近から急速に減量す
ることから、この温度付近にて発生ガスによるピンホー
ルの生成が懸念される。従って、300℃〜400℃の
範囲にては上温速度を毎分3℃〜5℃程度とすることが
好ましい。
℃とするが、特にPVAは300℃付近から急速に減量す
ることから、この温度付近にて発生ガスによるピンホー
ルの生成が懸念される。従って、300℃〜400℃の
範囲にては上温速度を毎分3℃〜5℃程度とすることが
好ましい。
【0016】
【実施例】本実施例においては、三酸化バナジウムを酸
化させずに有機バインダ(ポリビニルアルコール、通称
PVA)を分解するために、上記成形体を不活性雰囲気
である窒素雰囲気中にて予め加熱し、これにより上記バ
インダを除去することを試みた。
化させずに有機バインダ(ポリビニルアルコール、通称
PVA)を分解するために、上記成形体を不活性雰囲気
である窒素雰囲気中にて予め加熱し、これにより上記バ
インダを除去することを試みた。
【0017】まず、窒素ガス中におけるPVAの分解性
を確認するために、PVAを50mg白金セルに摂取して毎
分20℃, 50℃にて加熱し、熱減量と示差熱分析を行っ
た。
を確認するために、PVAを50mg白金セルに摂取して毎
分20℃, 50℃にて加熱し、熱減量と示差熱分析を行っ
た。
【0018】この際、不活性ガスとして高純度の窒素ガ
スを使用した。特に、一般工業の窒素ガスには%オーダ
ーの酸素が含有されているので、純度の高いガスを使用
する必要がある。
スを使用した。特に、一般工業の窒素ガスには%オーダ
ーの酸素が含有されているので、純度の高いガスを使用
する必要がある。
【0019】また、分解時には窒素ガスをパージしなが
ら行う。窒素ガス置換方式では完全な除去が期待されな
いので、毎分数リットル程度をパージしながら、加熱分
解する。
ら行う。窒素ガス置換方式では完全な除去が期待されな
いので、毎分数リットル程度をパージしながら、加熱分
解する。
【0020】更に、昇温速度は毎分20℃〜50℃とする。
特に、PVAは300℃付近から急速に減量することか
ら、発生ガスによるピンホールの生成が懸念される。従
って、300℃〜400℃の範囲は上温速度を毎分3℃〜5℃
程度とする。尚、温度範囲は常温から800℃とする。
特に、PVAは300℃付近から急速に減量することか
ら、発生ガスによるピンホールの生成が懸念される。従
って、300℃〜400℃の範囲は上温速度を毎分3℃〜5℃
程度とする。尚、温度範囲は常温から800℃とする。
【0021】その結果を図1に示す。図1においてA線
は温度とTgとの相関を、またB線は温度とDTAとの
相関を示す。図1のA線によって示されるように、PV
Aの減量は100℃付近から始まり、300℃付近から急速に
減量し、800℃付近で完全に分解除去されている。
は温度とTgとの相関を、またB線は温度とDTAとの
相関を示す。図1のA線によって示されるように、PV
Aの減量は100℃付近から始まり、300℃付近から急速に
減量し、800℃付近で完全に分解除去されている。
【0022】従って、窒素ガス雰囲気中において成形体
の加熱を行うことにより、バインダの除去が可能である
ことが判明した。
の加熱を行うことにより、バインダの除去が可能である
ことが判明した。
【0023】
【発明の効果】本発明においては上記のように成形体中
のバインダを除去しているので、以下のような効果が得
られる。
のバインダを除去しているので、以下のような効果が得
られる。
【0024】1.安価な窒素ガスによるバインダの分解
が可能である。
が可能である。
【0025】2.三酸化バナジウムの酸化が防止でき、
これによりPTC抵抗体を安定に製造することが可能と
なる。
これによりPTC抵抗体を安定に製造することが可能と
なる。
【0026】特に、従来法にては五酸化バナジウムの生
成により小爆発が懸念されたが、本バインダ除去方法に
より、安定した製造が可能となる。
成により小爆発が懸念されたが、本バインダ除去方法に
より、安定した製造が可能となる。
【0027】3.不純物である五酸化バナジウムの生成
が抑制されるので、電気的特性に優れた素子の製造が可
能となる。
が抑制されるので、電気的特性に優れた素子の製造が可
能となる。
【図1】示差熱分析の測定結果を示すグラフ
Claims (2)
- 【請求項1】 V2O3を主原料とし、この主原料に有機
バインダを加えて成形体を製造した後にこの成形体の焼
成を行うPTC抵抗体の製造方法において、 上記成形体を予め不活性雰囲気で加熱することにより前
記有機バインダを除去し、その後前記焼成を行うことを
特徴とするPTC抵抗体の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のPTC抵抗体の製造方法
において、前記不活性雰囲気として窒素雰囲気を用いる
とともに、前記加熱時に窒素ガスのパージを行い、更に
前記加熱は300℃〜400℃における昇温速度を3℃
/分〜5℃/分とすることを特徴とするPTC抵抗体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10723292A JPH05304003A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | Ptc抵抗体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10723292A JPH05304003A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | Ptc抵抗体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05304003A true JPH05304003A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=14453843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10723292A Pending JPH05304003A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | Ptc抵抗体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05304003A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7341679B2 (en) * | 2003-06-24 | 2008-03-11 | Tdk Corporation | Organic positive temperature coefficient thermistor and manufacturing method therefor |
-
1992
- 1992-04-27 JP JP10723292A patent/JPH05304003A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7341679B2 (en) * | 2003-06-24 | 2008-03-11 | Tdk Corporation | Organic positive temperature coefficient thermistor and manufacturing method therefor |
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