JPH0530080Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 産業上の利用分野 本考案は、高所作業車あるいはクレーン車のよ
うに、アウトリガによつて支持された車体上にブ
ームを旋回自在に備えた作業車の作業範囲を規制
して転倒を防止するブームを有する作業車の転倒
防止装置に関するものである。

(2) 従来の技術 複数の範囲を組合わせることにより、ブームの
旋回位置に応じて規制する作業半径を変えること
は、例えば、実開昭59−187694号公報に記載され
ているように、従来より公知である。

(3) 考案が解決しようとする問題点 しかし、従来の作業半径を規制する装置は、円
の組合わせにより規制する作業半径を構成してい
たため、実際の作業車の性能に比べて規制作業半
径が小さくなつてしまい、作業車の性能を十分に
発揮できないという問題があつた。

(4) 問題点を解決するための手段 本考案は、上記の問題点を解決するために、ブ
ブームの起伏角度を検出する起伏角度検出器と、
ブームの伸縮長さを検出する伸縮長さ検出器と、
アウトリガの張出し長さを検出する張出し状態検
出器と、ブームの旋回位置を検出する旋回位置検
出器と、起伏角度検出器と伸縮長さ検出器の検出
信号よりブームの作業半径を演算する作業半径演
算器と、作業車に固有の性能により決まる円形の
作業範囲が設定され、この作業範囲の半径を規制
作業半径として出力する第１の作業半径設定器
と、張出し状態検出器と旋回位置検出器の検出信
号より、アウトリガの張出し状態によつて定めら
れる直線状の作業範囲を設定し、ブームの旋回位
置に応じてそのときの規制作業半径を出力する第
２の作業半径設定器と、作業半径演算器により演
算された作業半径と第１の作業半径設定器より出
力される規制作業半径あるいは第２の作業半径設
定器より出力される規制作業半径とを比較する比
較器と、この比較器からの信号により作業半径が
第１の作業半径設定器あるいは第２の作業半径設
定器より出力されるいずれか小さい規制作業半径
に達したときにブーム等の作動を規制する作動規
制装置とを備えたものである。

(5) 作用 上記の構成により、作業車の前後方向は第１の
作業半径設定器に設定された円形の作業範囲を構
成する規制作業半径により規制され、作業車の左
右方向は第２の作業半径設定器に設定されたアウ
トリガの張出し状態によつて変化する直線状の作
業範囲よりブームの旋回位置に応じて出力される
規制作業半径によりブームの作動が規制される。

(6) 実施例 以下、図面により本考案の実施例について説明
する。

第２図に示すように、高所作業車は、両側部に
備えられた４本のアウトリガ２により支持された
車体１上にターンテーブル３が旋回自在に設けら
れ、このターンテーブル３に伸縮ブーム４の基端
が枢支され、伸縮ブーム４は内蔵された伸縮装置
（図示せず）により伸縮するとともに、起伏シリ
ンダ６により起伏し、伸縮ブーム４の先端には作
業台５と吊上げ装置７が平衡状態に保持されてい
る。

ターンテーブル３には、伸縮ブーム４の旋回位
置を検出する旋回位置検出器８と起伏角度を検出
する起伏角度検出器９が備えられ、伸縮ブーム４
には伸縮ブームの伸縮長さを検出する伸縮長さ検
出器１０が備えられ、各アウトリガ２には各アウ
トリガの張出し状態を検出する張出し状態検出器
１１が備えられている。

転倒防止装置は、第１図に示すように、起伏角
度検出器９と伸縮長さ検出器１０が作業半径演算
器１２に連結されており、作業半径演算器１２に
おいて伸縮ブーム４の作業半径が演算される。作
業半径演算器１２は第１の比較器１５と第２の比
較器１６にそれぞれ連結され、第１の比較器１５
には第１の作業半径設定器１３が連結され、第２
の比較器１６には第２の作業半径設定器１４が連
結され、旋回位置検出器８と張出し状態検出器１
１が第２の作業半径設定器１４に連結されてい
る。

第１の作業半径設定器１３には、従来から知ら
れたもので、例えば従来技術として記載した実開
昭59−187694号公報にも記載されているように、
伸縮ブーム４の旋回中心を基準として、高所作業
車が転倒せずに安定して作業でき、伸縮ブーム４
の旋回中心位置や車体１の大きさ等の作業車に固
有の性能により定められる略四角形の限界作業範
囲に当接する高所作業車の前方及び後方の規制作
業半径の内、どちらか小さい規制作業半径により
定められる円形の作業範囲（第３図参照）を設定
することができる。第１の作業半径設定器１３
は、設定された円形の作業範囲の半径を規制作業
半径として第１の比較器１５に出力する。

第２の作業範囲設定器１４には、第４図に示す
ように、アウトリガの張出し状態によつて定めら
れる作業車の側方の直線状の作業範囲が設定さ
れ、第２の作業半径設定器１４は、伸縮ブーム４
の旋回位置に応じた規制作業半径を第２の比較器
１６に出力する。

第１の比較器１５と第２の比較器１６はそれぞ
れ判別器１７に連結され、判別器１７は高所作業
車の作動規制装置１８に連結されている。

第１の比較器１５は作業半径演算器１２により
算出された作業半径と第１の作業半径設定器１３
から送られる規制作業半径を比較し、作業半径が
規制作業半径に達すると第１の比較器１５は出力
する。

第２の比較器１６は作業半径演算器１２により
算出された作業半径と、アウトリガの張出し状態
と伸縮ブーム４の旋回位置に応じて第２の作業半
径設定器１６から送られる規制作業半径を比較
し、作業半径が規制作業半径に達すると第２の比
較器１６は出力する。

判別器１７は、第１の比較器１５あるいは第２
の比較器１６からの信号が入力すると出力し、作
業規制装置１８を作動させて高所作業車の作動を
停止させるものである。

上記の構成により、伸縮長さ検出器１０により
検出されたブーム長さ信号と起伏角度検出器９に
より検出されたブーム起伏角度信号が作動半径演
算器１２に送られ、作業半径演算器１２において
演算されたブームの作業半径信号が第１の比較器
１５と第２の比較器１６に送られ、第１の比較器
１５において伸縮ブーム４の先端に設けられた作
業台５が第３図に示すＡの半径内にあるか否かが
比較され、第２の比較器１６において作業台５が
第４図に示すＢの半径内にあるか否かが比較さ
れ、作業台５が半径Ａの先端に達すると第１の比
較器１５が出力し、作業台５が半径Ｂの先端に達
すると第２の比較器１６が出力して作業規制装置
１８により伸縮ブーム４の作動が停止するため、
結局、高所作業車の作業半径は第５図に示すＣの
半径になる。

(7) 考案の効果 以上のように、本考案によれば、円と直線の組
合わせという簡単な構成により、実際の作業車の
性能に近い規制作業半径が設定されるため、本考
案は、作業車の性能を十分に発揮することの可能
なブームを有する作業車の転倒防止装置を提供す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は転倒防
止装置の構成を示すブロツク線図、第２図は高所
作業車の側面図、第３乃至第５図は作業範囲図で
ある。 ８……旋回位置検出器、９……起伏角度検出
器、１０……伸縮長さ検出器、１１……張出し状
態検出器、１２……作業半径演算器、１３……第
１の作業半径設定器、１４……第２の作業半径設
定器、１５……第１の比較器、１６……第２の比
較器、１７……判別器、１８……作動規制装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブームの起伏角度を検出する起伏角度検出器
   と、ブームの伸縮長さを検出する伸縮長さ検出器
   と、アウトリガの張出し長さを検出する張出し状
   態検出器と、ブームの旋回位置を検出する旋回位
   置検出器と、起伏角度検出器と伸縮長さ検出器の
   検出信号よりブームの作業半径を演算する作業半
   径演算器と、作業車に固有の性能により決まる円
   形の作業範囲が設定され、この作業範囲の半径を
   規制作業半径として出力する第１の作業半径設定
   器と、張出し状態検出器と旋回位置検出器の検出
   信号より、アウトリガの張出し状態によつて定め
   られる直線状の作業範囲を設定し、ブームの旋回
   位置に応じてそのときの規制作業半径を出力する
   第２の作業半径設定器と、作業半径演算器により
   演算された作業半径と第１の作業半径設定器より
   出力される規制作業半径あるいは第２の作業半径
   設定器より出力される規制作業半径とを比較する
   比較器と、この比較器からの信号により作業半径
   が第１の作業半径設定器あるいは第２の作業半径
   設定器より出力されるいずれか小さい規制作業半
   径に達したときにブーム等の作動を規制する作動
   規制装置とを備えたことを特徴とするブームを有
   する作業車の転倒防止装置。