JPH05295476A - 深絞り成形用アルミニウム合金板 - Google Patents

深絞り成形用アルミニウム合金板

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JPH05295476A
JPH05295476A JP12290792A JP12290792A JPH05295476A JP H05295476 A JPH05295476 A JP H05295476A JP 12290792 A JP12290792 A JP 12290792A JP 12290792 A JP12290792 A JP 12290792A JP H05295476 A JPH05295476 A JP H05295476A
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JP
Japan
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orientation
alloy sheet
subjected
grain size
deep draw
Prior art date
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Pending
Application number
JP12290792A
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English (en)
Inventor
Takeshi Moriyama
武 森山
Toshiaki Suzuki
利明 鈴木
Takayuki Tsuchida
孝之 土田
Masaru Shinohara
勝 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkei Techno Research Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nikkei Techno Research Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車パネル、電気機械部品などの材料に適
し、深絞り成形性に優れたアルミニウム合金板を提供す
る。 【構成】 wt%で、Mg:2〜6%、Mn:0.03〜0.20
%、Cr:0.01〜0.10%、Ti:0.005〜0.10%、
B:0.001〜0.02%を含有し、板面の(110)方
位集積度が10%以上で、かつ(110)方位と(11
2)方位の集積度比が1.5以上であり、しかも結晶粒径
が35〜80μm である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は深絞り成形用アルミニウ
ム合金板に係り、自動車パネル、電気機械部品などの材
料に適し、深絞り成形性に優れたアルミニウム合金板に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】成形加工用のアルミニウム合金板として
は従来からAl−Mg系の5052合金材や5182合金材
などが使用されている。ところが最近自動車などの軽量
化の必要性が地球環境保全の点から強く社会的に要求さ
れており、このため鋼板に代えてアルミニウム合金板を
使用する場合が多くなっている。しかして上記従来のAl
−Mg系合金板においては、強度は鋼板と同等のものが得
られているが、成形加工性、特に深絞り成形性は鋼板に
劣るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにアルミニ
ウム合金板は成形加工性、とくに深絞り成形性が鋼板に
比較して劣り、そのため鋼板と同等の強度を有していて
も深絞り成形性の面においてその利用が制限され、折角
のアルミニウム合金板における軽量性その他の特質を充
分に利用することができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解消することについて検討を重
ね、Al−Mg系合金の諸特性を解明すると共に焼鈍板の集
合組織の制御と結晶粒径の適正化によって深絞り成形性
を向上し得ることを見いだし本発明を得るに至ったもの
である。
【0005】すなわち、本発明者らはAl−Mg系合金板の
深絞り成形性に及ぼす因子を鋭意検討した結果、最終焼
鈍板の(110)方位集積度が10%以上であり、(1
10)方位と(112)方位の集積度の比が1.5以上で
あって、しかも結晶粒径が35〜80μm の範囲にある
とき深絞り成形性が向上することを見いだした。また、
加工度の軽い成形を受けた時に発生するストレッチャー
ストレインマークの発生を防止するには35〜80μm
の結晶粒径の範囲にすることが効果があることを見いだ
したものであって、以下の如くである。
【0006】wt%で、Mg:2〜6%、Mn:0.03〜0.2
0%、Cr:0.01〜0.10%、Ti:0.005〜0.10
%、B:0.001〜0.02%を含有し、板の面における
(110)方位の集積度が10%以上で、かつ(11
0)方位と(112)方位の集積度の比が1.5以上であ
り、しかも結晶粒径が35〜80μm であることを特徴
とする深絞り成形用アルミニウム合金板。
【0007】なお、上述した方位集積度とは、X線回折
から測定される逆Schlutz 極点図から求められるランダ
ム方位試料の積分強度に対する(110)、(112)
などの方位の比積分強度が全体の方位に対して占める割
合を百分率で示したものである。
【0008】上記したような本発明のアルミニウム合金
板は、前記成分組成をもった合金をDC鋳造、均質化処
理、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍の通常の工程で製造する
通常の方法によって得られる。この際熱間圧延終了温度
を370℃以上とし中間焼鈍前の圧延率を70〜85%
とすることが望ましい。または熱間圧延終了温度370
℃未満の場合は、370℃以上の温度で焼鈍を行ってか
ら冷間圧延をすることが望ましい。
【0009】
【作用】本発明によるものの化学成分限定理由は以下の
如くである。 Mg:2〜6% Mgは、強度並びに成形加工性を付与する元素である。2
%未満では鋼板に相当する強度が得られず、一方6%を
越えると成形加工性の向上が大きくなく、しかも溶解時
のMgの酸化が起こり易いこと、DC鋳造時の鋳造割れが
生じ易いこと、および熱間圧延時のエッジ割れが生じ易
いこと、さらに応力腐食割れに敏感になるなどの欠点が
増加するので、Mg含有量は2〜6%の範囲とした。好ま
しい範囲としては2.5〜6%である。
【0010】Mn:0.03〜0.20% Mnは、焼鈍板の集合組織および結晶粒径を適正な範囲に
し、成形加工性を向上させる元素である。0.03%未満
では焼鈍板の結晶粒径が80μm を超える大きな再結晶
粒を発生し易くなり、所望の集合組織が得られない。一
方0.20%を越えると、焼鈍板の結晶粒径が35μm未
満になり易いので、Mn含有量は0.03〜0.20%の範囲
とした。
【0011】Cr:0.01〜0.10% Crは、Mnと同様に焼鈍板の集合組織および結晶粒径を適
正な範囲にして、成形加工性を向上させる元素である。
0.01%未満では焼鈍板の結晶粒径が80μmを超える
大きな再結晶粒を発生し易くなり、所望の集合組織が得
られない。一方0.10%を越えると、焼鈍板の結晶粒径
が35μm 未満になり易いので、Cr含有量は0.01〜0.
10%の範囲とする。
【0012】Ti:0.005〜0.10% Tiは、Bと共に鋳塊の結晶粒径を微細にし、鋳造割れの
防止に効果のある元素である。0.005%未満ではその
効果が充分でなく、0.10%を越えるとその効果が飽和
するのみならず、Al3Ti の粗大な粒子は生成し成形加工
性を劣化させるので、Ti含有量は0.005%〜0.10%
の範囲とする。
【0013】B:0.001〜0.02% Bは、前記Tiと共に鋳塊の結晶粒径を微細にし、鋳造割
れの防止に効果のある元素である。0.001%未満では
その効果が充分でなく、0.02%を越えるとその効果が
飽和すると共にAlB2、TiB2などの粗大な粒子は生成し成
形加工性を劣化させるので、B含有量は0.001%〜0.
02%の範囲とした。
【0014】その他の元素含有量は特に規定しないが、
Cuは強度の向上と応力腐食割れ防止に効果のある元素で
あり、0.5%以下の含有であれば本発明の効果を阻害し
ないので、その含有を許される。またZnは応力腐食割れ
防止に効果のある元素であるので、0.5%以下の含有で
あれば本発明の効果を阻害することなく許される。Zr,
V,Niなどの元素は結晶粒径の調整に効果がある元素で
ある。各々0.05%以下の含有量であれば、本発明の効
果を阻害しないからその含有を許される。Fe、Siはアル
ミニウム地金の不純物として存在する元素であるが、0.
2%を越えて含有されると成形加工性が劣化するので、
0.2%以下、望ましくは0.1%以下とする。
【0015】本発明合金板の製造は、通常のDC鋳造、
均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧
延、最終焼鈍の工程で行われることは前述した如くであ
るが、本発明の効果は以下のような製造条件を採用した
場合において、特に著しい。
【0016】鋳塊の製造方法としては、通常のDC鋳造
法(半連続鋳造法)を適用すればよい。また鋳塊の均質
化処理は、鋳造時に生成したMgなどの元素の均質分布に
よる、強度、成形加工性の向上に必要な工程であり、4
00〜550℃の温度範囲で24時間以下の加熱をする
ことが望ましい。
【0017】均質化処理後は、通常の方法で熱間圧延を
行うが、370℃以上で熱間圧延が終了することが望ま
しい。これは370℃以上で再結晶が起こり、熱間圧延
した板の状態で均一な結晶粒径が得られ、最終焼鈍板の
成形加工性、特に集合組織の制御に効果がある。370
℃以上で熱間圧延が終了出来ない場合は、熱間圧延板を
370℃以上の温度で焼鈍することが望ましい。
【0018】熱間圧延後は、通常の冷間圧延を行うが、
中間焼鈍前の冷間圧下率は70〜85の範囲として冷間
圧延集合組織を充分に発達させることが望ましい。70
%未満では冷間圧延集合組織の発達が充分でなく、一方
85%を越えると冷間圧延集合組織の(112)成分が
増加するので望ましくない。
【0019】中間焼鈍は、通常のバッチ式炉または連続
焼鈍装置で行うことができる。バッチ式炉の場合、例え
ば300〜400℃の温度範囲で24時間以下焼鈍すれ
ばよい。一方、連続焼鈍装置の場合は、例えば350〜
520℃の温度範囲で1分以下の保持を行えばよい。
【0020】中間焼鈍後、所望の板まで冷間圧延し、最
後に焼鈍をおこなう。最終焼鈍は通常のバッチ式炉また
は連続焼鈍装置で行えばよい。バッチ式では300〜4
00℃で24時間以下の焼鈍を行う。一方、連続焼鈍装
置では350〜520℃で1分以下の焼鈍を行う。な
お、連続焼鈍温度範囲を480〜520℃とし、焼鈍後
10℃/秒以上の冷却速度で冷却することによって、結
晶粒径を35〜80μmとすることに加えて、軽度の加
工度の成形加工時に発生し易いストレッチャーストレイ
ンマークの防止に効果がある。
【0021】
【実施例】本発明によるものの具体的な実施例について
説明すると、本発明者等は次の表1に示す化学成分を有
するアルミニウム合金による厚さ70mmのDC鋳塊を片
側10mm面削後、440℃で8時間、続いて520℃で
4時間の均質化処理後、厚さ6mmまで熱間圧延した。
【0022】
【表1】
【0023】前述のような熱間圧延終了温度は385℃
であった。次に厚さ1.3mmまで冷間圧延圧下率78%の
冷間圧延を施したが、エッジ部の割れが著しくなってき
たので、その段階で340℃で1時間の中間焼鈍を行
い、ついで厚さ1mmまで冷間圧延し、最後に500℃に
急速加熱し、その温度に2秒間保持後、40℃/秒の冷
却速度で冷却する最終焼鈍を行い、供試材とした。
【0024】得られた各供試材の機械的性質、深絞り
性、結晶粒径、X線回折から求めた逆Schlutz 極点図に
よって得られる(220)方位集積度、(224)方位
集積度を求めた。(220)方位は(110)方位と、
(224)方位は(112)方位と等価である。これら
の結果は次の表2に示す。なお、総合判定は、引張強さ
が200N/mm2 以上で、限界絞り比LDRが2.15以
上でしかもストレッチャーストレインマークの発生しな
いものを良(○)とした。そしてそのいずれかを満足し
ないものを不可(×)とした。
【0025】
【表2】
【0026】前記したような表2の結果によるならば、
本発明のアルミニウム合金板は(220)方位集積度1
0%以上かつ(220)方位と(224)方位の集積度
の比が1.5以上で30〜80μm の範囲の結晶粒径を有
しており、引張強さが200N/mm2 以上で、しかも限
界絞り比が2.15以上の良好な深絞り成形加工性を示し
ていることが明かである。
【0027】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるとき
は、優れた引張強度その他の機械的性質を有すると共に
好ましい成形加工性を有するアルミニウム合金板を提供
し得るもので、即ち軽量でしかも高強度且つ高度の成形
加工性を具備することから自動車その他の車輌類や電気
機械機器用部品などとして有利な製品を提供し得るもの
であるから工業的にその効果の大きい発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 孝之 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 篠原 勝 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 wt%で、Mg:2〜6%、Mn:0.03〜0.
    20%、Cr:0.01〜0.10%、Ti:0.005〜0.10
    %、B:0.001〜0.02%を含有し、板の面における
    (110)方位の集積度が10%以上で、かつ(11
    0)方位と(112)方位の集積度の比が1.5以上であ
    り、しかも結晶粒径が35〜80μm であることを特徴
    とする深絞り成形用アルミニウム合金板。
JP12290792A 1992-04-17 1992-04-17 深絞り成形用アルミニウム合金板 Pending JPH05295476A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6221182B1 (en) * 1998-09-02 2001-04-24 Alcoa Inc. Al-Mg based alloy sheets with good press formability
US6334916B1 (en) 1998-09-10 2002-01-01 Kobe Steel Ltd. A1-Mg-Si based alloy sheet
JP2008025957A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Showa Denko Kk 圧延素板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6334916B1 (en) 1998-09-10 2002-01-01 Kobe Steel Ltd. A1-Mg-Si based alloy sheet
JP2008025957A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Showa Denko Kk 圧延素板

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