JPH05291655A - プレーナ光導波路形レーザ素子及びレーザ装置 - Google Patents

プレーナ光導波路形レーザ素子及びレーザ装置

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JPH05291655A
JPH05291655A JP4084291A JP8429192A JPH05291655A JP H05291655 A JPH05291655 A JP H05291655A JP 4084291 A JP4084291 A JP 4084291A JP 8429192 A JP8429192 A JP 8429192A JP H05291655 A JPH05291655 A JP H05291655A
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JP
Japan
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optical waveguide
laser device
planar optical
plc
refractive index
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JP4084291A
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English (en)
Inventor
Keisuke Shinozaki
啓助 篠崎
Takeshi Kamijo
健 上條
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ活性体となる元素が添加されているプ
レーナ形光導波路を用いたレーザ素子であって他の素子
との集積化に適したものを提供する。 【構成】 シリコン基板21上にSiO2 膜から成るバ
ッファ層23を設ける。このバッファ層23上にエルビ
ウム添加のP2 5 −SiO2 膜から成るストライプ状
の光導波路であってイオン交換部分25aを周期的に具
える光導波路25を設ける。この光導波路25上にこれ
を覆うSiO2 膜から成るキャップ層27を設ける。 【効果】 光導波路25の周期的屈折率分布構造により
このPLCレーザ素子は単一波長で発振し、また発振光
を励起光(ポンプ光)と分離して出力する。半導体レー
ザ素子との集積化が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プレーナ形光導波路
を有するレーザ素子と、このレーザ素子及び半導体レー
ザ素子を用いて構成したレーザ装置とに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】レーザ活性体となる元素を添加した薄膜
及びこれを挟むクラッド層により構成される光導波路を
用いたプレーナ形光導波路素子(Planar Lightwave Cir
cuitsdevice)は、将来の光通信技術において中心をな
す素子として注目されている。例えば文献(エレクトロ
ニクスレターズ(ELECTRONICS LETTERS ),27,N
o.4,pp334−335(1991))には、プレ
ーナ形光導波路素子の一種であるプレーナ光導波路形レ
ーザ素子(以下、「PLCレーザ素子」と略称すること
もある。)が、開示されている。以下、図6及び図7
(A)〜(C)を参照して、この文献に開示の従来のP
LCレーザ素子の構造、製造方法及び使用方法について
説明する。ここで、図6は従来のPLCレーザ素子を概
略的に示した斜視図、図7(A)〜(C)はこのPLC
レーザ素子の製造方法の説明のための工程図である。な
お、工程図は各工程での試料を図6のI−I線相当位置
で切った断面図により示してある。
【0003】この従来のPLCレーザ素子は、図6に示
したように、基板としてのシリコン基板11と、このシ
リコン基板11上に設けられSiO2 層で構成されてい
るバッファ層13と、このバッファ層13上に設けられ
レーザ活性体としてのEr(エルビウム)添加のP2
5 −SiO2 層で構成されているストライプ状の導波路
(プレーナ形導波路)15と、この導波路15を埋め込
んでいるSiO2 膜から成るキャップ層17と、導波路
15の両端面各々に設けられた高反射率膜(HR)19
と、を具える構成となっていた。バッファ層13及びキ
ャップ層17はクラッド層として機能する。
【0004】またこのPLCレーザ素子は、次のような
手順で製造されていた。
【0005】先ず、シリコン基板11上にバッファ層1
3としてのSiO2 層、導波路形成用薄膜15aとして
のErドープP2 5 −SiO2 層が順に形成される
(図7(A))。このP2 5 −SiO2 層にはErが
8000ppmの濃度で添加されている。バッファ層1
3と導波路形成用薄膜15aとの屈折率差は0.75%
である。次に、この導波路形成用薄膜15aが火炎堆積
法(flame hydrolysis deposition :FHD法)及び反
応性イオンエッチング法により加工されてストライプ状
の導波路15が形成される(図7(B))。次に、導波
路15形成済みの試料上全面にキャップ層17としての
SiO2 層が形成される(図7(C))。次に、このウ
エハからのチップ切り出し、切り出したチップに入出射
端面を形成するための研磨が順に行なわれる。その後、
チップの入出射端面に誘電体膜から成る高反射率膜がコ
ーティングされ図6に示したようなPLCレーザ素子が
得られる。
【0006】このPLCレーザ素子では、外部から導波
路15に励起光(ポンプ光)を導入するとレーザ発振が
生じる。上記文献では、Ti:サファイヤレーザからの
波長0.98μmのレーザ光を光ファイバによりPLC
レーザ素子の導波路15に励起光として導入してこのP
LCレーザ素子でレーザ発振を起こさせ、この発振光を
光ファイバによりPLCレーザ素子外部に取り出してい
る。そして、しきい値49mWで波長1.598μm及
び1.604μmのレーザ光を得ることに成功してい
る。また、光増幅器として利用することにも成功してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のPLCレーザ素子を他の素子と共にモノリシック化
又はハイブリッド化する場合励起光光源(ポンプ光源)
の第一候補は半導体レーザになると考えられる。気体レ
ーザや他の固体レーザはいずれも大型であり集積化には
向かないからである。しかしながら、半導体レーザはこ
れに注入する電流値や周囲温度が変化すると発振波長や
モードが変化し易いので、気体レーザや他の固体レーザ
などに比べ波長安定性やモード安定性を確保することが
難しい。このため、PLCレーザ素子自体が波長安定性
やモード安定性を高める構造を有するものであることが
望まれる。
【0008】また、従来のPLCレーザ素子は励起光と
PLCレーザ素子自体の発振光とを分離する機能を有し
ていないため発振光のみを選択的に使用した場合はその
ための装置が必要である。しかしそうすると、例えばモ
ノリシック化やハイブリッド化が大変になる。したがっ
て、PLCレーザ素子自体が発振光のみを選択的に外部
に出力できるものであることが望まれる。
【0009】また、従来のPLCレーザ素子はファブリ
ペロー形の共振器構造であるため集積化には不向きであ
るので改善が望まれる。また、光導波路に垂直方向にレ
ーザ光を取り出すこともできない。光集積回路では光を
導波路に垂直な方向に取り出して利用するという要求が
ある場合があるので、そのような構造を有するPLCレ
ーザ素子は有用である。
【0010】この出願はこのような点に鑑みなされたも
のであり、従ってこの出願の第一発明の第一の目的は、
従来より波長安定性に優れかつ発振光を選択的に出力で
きるPLCレーザ素子を提供することにある。
【0011】またこの第一発明の第二の目的は、上述の
第一の目的に加え、集積化に有利でかつ光導波路に垂直
な方向にも光を取り出すことができるPLCレーザ素子
を提供することにある。
【0012】また、この出願の第二発明の目的は、第一
発明のPLCレーザ素子と半導体レーザとを用いたレー
ザ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この第一発明の第一の目
的の達成を図るため、この第一発明によれば、レーザ活
性体となる元素が添加されているプレーナ形光導波路を
基板上に具える、プレーナ光導波路形レーザ素子(PL
Cレーザ素子)において、プレーナ形光導波路に周期的
屈折率分布構造を作りつけてあることを特徴とする。
【0014】また、この第一発明の第二の目的の達成を
図るため、前述の周期的屈折率分布構造の周期Λを次の
式で与えられる値としてあることを特徴とする。ただ
し、式中のp,qは正の整数、λ1 は当該プレーナ光導
波路形レーザ素子を励起する励起光の波長、λ2 は当該
プレーナ光導波路形レーザ素子の発振光の波長、N(λ
1 )は当該プレーナ光導波路の前記励起光に対する屈折
率、N(λ2 )は当該プレーナ光導波路の前記発振光に
対する屈折率である。
【0015】 Λ=pλ1 /2N(λ1 )=qλ2 /2N(λ2 ) ここで、基板とは、シリコン基板、各種化合物半導体基
板などの半導体基板、さらに溶融石英基板、ガラス基
板、強誘電体基板などの各種基板、さらにこれら基板に
他の素子或いは素子の中間体を作り込んであるものな
ど、種々のものであることができる。
【0016】また、第二発明の目的の達成を図るため、
この第二発明によれば、第一発明のPLCレーザ素子で
あってそのプレーナ光導波路の両端に端面を設けたPL
Cレーザ素子と、半導体レーザ素子であってその共振器
の少なくとも一方の端面に低反射率膜を設けてある半導
体レーザ素子とを、該半導体レーザ素子の前記低反射率
膜を設けた端面が前述の光導波路形レーザ素子の一方の
端面と対向するように配置してあることを特徴とする。
【0017】
【作用】この第一発明の構成によれば、プレーナ光導波
路がほぼ単一周波数の共振器として機能するようにな
る。そして、このPLCレーザ素子では、分布反射(D
BR)条件を満足する波長の光でかつ十分な強度の光を
励起光(ポンプ光)として外部から当該PLCレーザ素
子の光導波路に導入すると、単一の周波数で発振する。
また、励起光は外部にほとんど出力されず発振光を外部
に選択的に出力する。
【0018】また、この第一発明において周期的屈折率
分布構造の周期Λを上述のΛ=pλ1 /2N(λ1 )=
qλ2 /2N(λ2 )で与えられる周期とする構成で
は、pを正の奇数としかつqを正の偶数とすれば、光導
波路に垂直な方向に発振光のみを取り出すことができ
る。
【0019】また、第二発明の構成によれば、PLCレ
ーザ素子の励起光光源として半導体レーザ素子を用いる
ことができるので、PLCレーザ素子を利用した小型な
レーザ装置の実現が可能になる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して第一発明のPLCレー
ザ素子の実施例及び第二発明のレーザ装置の実施例につ
いてそれぞれ説明する。しかしながら、説明で用いる各
図はこの発明が理解できる程度に各構成成分の寸法、形
状及び配置関係を概略的に示してあるにすぎない。
【0021】1.PLCレーザ素子の第1実施例 先ず、周期的屈折率分布構造をイオン交換法により作製
した場合の例によりPLCレーザ素子の第1実施例の説
明を行なう。図1はこの第1実施例のPLCレーザ素子
の構造を示した斜視図、図2(A)及び(B)はこの第
1実施例のPLCレーザ素子を製造する手順を説明する
ための要部工程図である。
【0022】この第1実施例のPLCレーザ素子20
は、基板21と、この基板21上に設けられたバッファ
層23と、このバッファ層23上に設けられレーザ活性
体となる元素が添加されたストライプ状の光導波路25
であってその長手方向に沿って周期的にイオン交換した
部分25a(図1中斜線を付して示す部分。)を具える
プレーナ形光導波路25(以下、光導波路25と略称す
る。)と、この光導波路25を覆うキャップ層27と、
光導波路25の両端面にそれぞれ設けられた低反射率膜
(AR膜)29とを具えている。バッファ層23及びキ
ャップ層27はクラッド層として機能するような材料で
構成する。また、光導波路25の厚さT及びストライプ
幅W各々は、当該PLCレーザ素子が横単一モード発振
できるような値にするのが好ましい。
【0023】この第1実施例のPLCレーザ素子では、
光導波路25のイオン交換した部分25aとそうしなか
った部分とで屈折率差が生じるので、これらの部分によ
り周期的屈折率分布構造が構成される。イオン交換した
部分25aとそうしなかった部分のどちらが屈折率が高
くなるかは、イオン交換物質やイオン交換方法などによ
り異なる。イオン交換を例えば安息香酸を用いて行なう
場合は、イオン交換部分が高屈折率部分になりそうしな
かった部分が低屈折率部分になる(詳細は後述す
る。)。高屈折率部分と低屈折率部分との屈折率差が大
きい程帰還率が大きくなるがレーザ発振の利得は低減す
る。両部分の屈折率差をどの程度にするかは上記帰還率
及び利得と、光導波路25の全長などを考慮し、適正値
にすれば良い。また図1の例では、光導波路25におけ
るイオン交換した部分25aはその部分全域で同様な状
態で(断面が矩形になるような状態で)イオン交換され
たように示しているが、実際には分布(例えば領域25
aの中央部分で最もイオン交換が行なわれていて領域2
5aの縁部に向かう程イオン交換の度合いが少ないよう
な分布)を持ってイオン交換されることが多い。このよ
うに分布を持っているイオン交換部を周期的に具える光
導波路であってもこの発明の目的はもちろん達成でき
る。
【0024】次に、光導波路25の周期Λ(図1参
照。)について検討する。
【0025】クラッド層として機能するバッファ層23
及びキャツプ層27各々を例えばSiO2 で構成した場
合これら層23,27の、波長が例えば1.55μmの
光に対する屈折率は、ほぼ1.4程度になる。また、光
導波路25を例えばレーザ活性体としてのEr(エルビ
ウム)を8000ppm添加したP2 5 −SiO2
構成した場合この光導波路25の、波長1.55μmの
光に対する屈折率は、SiO2 から成るバッファ層2
3,キャップ層25のそれより0.75%大きいから、
ほぼ1.411程度になる。ただし、これら屈折率はバ
ッファ層、キャップ層、光導波路各々の形成条件次第で
多少異なる他、波長によっても異なるので、以下の検討
ではバッファ層23及びキャップ層27の屈折率即ちク
ラッド層の屈折率をnc (λ)、光導波路25の屈折率
をng (λ)と一般的に書くこととする。また、光導波
路25の高屈折率部分と低屈折率部分との屈折率差は例
えば0.001程度であるので、両部分の屈折率差はあ
るものの以下の検討では屈折率差はないものとして扱
う。そうすると、このPLCレーザ素子でのDBR(Di
stributed Bragg Reflector )条件は、 Λ=qλ2 /2N(λ2 ) ・・・(1) と表わせる。ここに、qは正の整数値であり、λ2 は当
該PLCレーザ素子の発振光の波長であり、N(λ2
は波長λ2 の光が光導波路25中を伝播する場合の実効
屈折率でnc (λ2 )とng (λ2 )の間の値である。
【0026】したがって、光導波路25のイオン交換し
た部分の周期Λ(図1参照。そうしなかった部分の周期
と考えても同じ。)を(1)式で与えられる値Λとする
と、当該PLCレーザ素子20はDBR条件を満足す
る。このため、このPLCレーザ素子20の光導波路2
5に外部から十分な強度を持ちかつ波長がλ1 の励起光
(ポンプ光)例えばTi:サファイヤレーザの光を導入
すると、このPLCレーザ素子20では単一波長で発振
する。この際、周期Λが(1)式中のqを正の奇数とし
た場合のものであると当該PLCレーザ素子の発振光は
光導波路25の長手方向(ストライプ方向)に出射され
る。また、周期Λが(1)式中のqを正の偶数とした場
合のものであると当該PLCレーザ素子の発振光は光導
波路25に垂直な方向(図1中Yで示す方向)に出射さ
れる。
【0027】次に、この第1実施例のPLCレーザ素子
の理解を深めるためにその製造方法について図1及び図
2を参照して説明する。
【0028】先ず、基板としてのシリコン基板21上に
例えば従来技術の項で説明したFHD法を用いてバッフ
ァ層としてのSiO2 層23及び光導波路形成用薄膜と
してのEr添加のP2 5 −SiO2 層25xを順次に
形成する(図2(A))。
【0029】次に、光導波路形成用薄膜25xのイオン
交換予定領域以外の領域上に、公知の成膜技術、リソグ
ラフィ技術及びエッチング技術により、例えばクロム膜
から成るマスク(図示せず。)を形成する。
【0030】次に、マスク形成済みの試料を200℃程
度の温度に加熱した安息香酸中に30分程度浸漬し、そ
の後アニール処理する。この一連の処理により、光導波
路形成用薄膜25xのクロムマスクで覆われていない部
分がイオン交換される。この結果、イオン交換された部
分25a(図中斜線を付して示す。)を周期的に(周期
Λで)具える光導波路形成用薄膜25xが得られる(図
2(B))。なお、この方法では、イオン交換された部
分25aがそうしなかった部分より高屈折率部分にな
る。また、イオン交換した部分25aとそうしなかった
部分との屈折率差は安息香酸への浸漬時間やアニール時
間を制御することにより変更できる。
【0031】次に、この光導波路形成用薄膜25xを公
知の方法例えばリソグラフィ技術及びRIE(反応性イ
オンエッチング)技術によりストライプ状に残す。これ
により周期的屈折率分布が作りつけられたストライプ状
の光導波路25が得られる(図1参照)。次に、この光
導波路25を覆うためのキャップ層27をFHD法によ
り形成し、その後、ダイシングによりチップの切り出し
をし、さらにそのチップに端面を形成するための研磨を
する。そして形成した端面に低反射膜29を形成する
(図1))。
【0032】2.PLCレーザ素子の第2実施例 上述の第1実施例では、光導波路25の周期的屈折率分
布構造を、光導波路25に周期的にイオン交換部分25
aを設けることで構成していた。しかし、周期的屈折率
分布構造はこの例に限られない。以下、他の周期的屈折
率分布構造を有するPLCレーザ素子の実施例(第2実
施例)について説明する。図3はこの第2実施例のPL
Cレーザ素子120の構造を示した斜視図、図4(A)
及び(B)はこの第2実施例のPLCレーザ素子120
を製造する手順を説明するための要部工程図である。な
お、図2及び図3において、図1に示した構成成分と同
様な構成成分については同一の符号を付して示してあ
る。
【0033】この第2実施例のPLCレーザ素子120
では、光導波路125の厚さを光導波路125の長手方
向にそって周期的に違えることにより、周期的屈折率分
布構造を構成してある。特に図3に示した例では、光導
波路125の表面を周期Λの波形125aとすることに
より光導波路125の厚さを周期的に違えている。この
第2実施例の場合も周期Λは第1実施例の場合と同様に
上記(1)式で与えられる値、場合によっては(1)式
中のqが正の偶数で与えられる値としている。
【0034】なお、図3の例では波形の形状を正弦波状
としているが矩形状若しくは矩形状に近い凹凸状として
も良い。また、光導波路表面に波形を設けるのではな
く、バッファ層23の少なくとも光導波路125形成予
定領域部分表面を波形状にしこの上に光導波路125を
形成しても良い。
【0035】この第2実施例のPLCレーザ素子は次の
ようにして製造できる。
【0036】先ず、第1実施例の場合と同様に基板とし
てのシリコン基板21上に例えばFHD法を用いてバッ
ファ層としてのSiO2 層23及び光導波路形成用薄膜
としてのEr添加のP2 5 −SiO2 層25xを順次
に形成する(図4(A))。
【0037】次に、例えば干渉露光法及びRIE法より
光導波路形成層25x表面を加工して波形125aを得
る(図4(B))。
【0038】その後、第1実施例の場合と同様に光導波
路形成用薄膜25xをストライプ状に加工し、さらにキ
ャップ層27の形成、チップ切り出し、チップの端面形
成及び低反射膜29の形成を順に行ない、図3に示した
第2実施例のPLCレーザ素子を得る。
【0039】この第2実施例のPLCレーザ素子におい
ても、第1実施例の素子と同様な効果が得られる。な
お、周期的屈折率分布構造を第1実施例のものとするか
第2実施例のものとするかは、主に、どのような光集積
回路を作製するかに応じ決定すれば良い。
【0040】3.レーザ装置の実施例 上述した第一発明のPLCレーザ素子は励起光源として
の半導体レーザと共に集積化することによりレーザ装置
を構成することができる。以下、このレーザ装置(第二
発明)の実施例について説明する。図5は実施例のレー
ザ装置の構成を示したブロック図である。
【0041】この実施例のレーザ装置30は、好適な基
板31上に、第一発明のPLCレーザ素子(例えば第1
実施例のレーザ素子20)と、半導体レーザ素子33で
あってその共振器33aの少なくとも一方の端面に低反
射膜33xを設けてある半導体レーザ33とを、該半導
体レーザ素子33の低反射膜33xを設けた面がPLC
レーザ素子20の一方の端面と対向するように配置して
構成してある。
【0042】基板31は、シリコン基板、化合物半導体
基板、セラミック基板など種々のもので構成できる。ま
た、半導体レーザ素子33は公知の構造のものであっ
て、PLCレーザ素子20の光導波路25の利得の範囲
内の波長の光を発するものであれば種々のもので良い。
【0043】なお、ここで、PLCレーザ素子20と半
導体レーザ素子33の所定端面を対向させるとは、これ
ら端面を直接対向させて光学的に結合させる場合、これ
ら端面間に好適な光結合手段を設けて両者を光学的に結
合させる場合、これら端面は直接対向していなくても光
結合手段によって実質的に対向させてある場合の何れで
も良い。光結合手段の具体例としては例えば光ファイバ
やレンズの他、プリズムカプラやグレーティングカプ
ラ、屈折率整合物質を挙げることができる。屈折率整合
物質とは、PLCレーザ素子20と半導体レーザ素子3
3各々の光導波路25,33の屈折率とほぼ同じ屈折率
を持つ物質であり、例えばエチレングリコールなどを挙
げることができる。また、図5において、半導体レーザ
の2つの端面のうちのPLCレーザ素子20側とは反対
側端面の反射膜33yは低反射率膜でも高反射率膜でも
良いが高反射率膜とするのが良い。
【0044】この実施例のレーザ装置では、半導体レー
ザ素子33の共振器33a一方の端面に低反射膜33x
を設けてあるので発振しきい値が高くなる。この半導体
レーザ素子33に電流を注入すると、半導体レーザ素子
33はPLCレーザ素子20の光導波路25からの帰還
によりDBR条件(1)を満たす波長の光で発振しこの
光がPLCレーザ素子20の励起光(ポンプ光)にな
る。従来のPLCレーザ素子では、半導体レーザを励起
光源とすることは、半導体レーザ素子33の発振波長が
当該素子への注入電流の変化や周囲温度の変化により変
化し易いためできなかった。しかし、第一発明のPLC
レーザ素子の場合は半導体レーザ素子への帰還により半
導体レーザ素子の発振波長を安定させることができるの
で、半導体レーザ素子を励起光源として使用できる。
【0045】上述においては、この出願の第一及び第二
発明の実施例についてそれぞれ説明したが、これら発明
は上述の実施例に限られない。
【0046】例えば第一発明のPLCレーザ素子の実施
例では光導波路全体に周期的屈折率分布構造を作りつけ
ていたがこの構造を光導波路全体に作りつける必要は必
ずしもない。例えば、光導波路の長手方向の両端部分だ
けに周期的屈折率構造を作りつけても良い。また、レー
ザ活性体は光導波路全体に添加する必要は必ずしもなく
光導波路の一部に添加するようにしても良い。また、レ
ーザ活性体を添加した光導波路はEr添加のものに限ら
れず、Nd(ネオジウム)添加のもの、Pr(プラセオ
ジウム)添加のものなど他の構成のものでも良い。ま
た、バッファ層23、キャップ層27の構成材料も設計
に応じ変更できる。
【0047】また、第二発明のレーザ装置の実施例で
は、PLCレーザ素子及び半導体レーザ素子を基板31
上にハイブリッド化した例を示したが、モノリシック化
しても勿論良い。
【0048】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の出願の第一発明のPLCレーザ素子によれば、プレー
ナ光導波路がほぼ単一周波数の共振器として機能するよ
うになる。このため、このPLCレーザ素子では、分布
反射(DBR)条件を満足する波長の光でかつ十分な強
度の光を励起光として外部からこのプレーナ形光導波路
に導入すると、単一の周波数で発振する。また、発振光
を励起光と分離して外部に選択的に出力できる。このた
め、従来に比べ他の素子例えば半導体レーザ素子との集
積化が容易なPLCレーザ素子が得られる。
【0049】また、この第一発明において周期的屈折率
分布構造の周期Λを上述のΛ=pλ1 /2N(λ1 )=
qλ2 /2N(λ2 )で与えられる周期とする構成で
は、pを正の奇数としかつqを正の偶数とすることによ
り、光導波路に垂直な方向に発振光のみをを取り出すこ
とができる。また、例えばプリズムカプラやグレーティ
ングカプラを用いることにより端面を用いることなく励
起光を当該PLCレーザ素子に導入できる。このため、
端面形成が不要になりさらに、光導波路に垂直な方向に
発振光を取り出す必要のある光集積回路にPLCレーザ
素子を利用できるようになる。
【0050】従って、将来の光通信システムのキーデバ
イスとしてのPLCレーザ素子の応用範囲が広がる。ま
た、進行波形光増幅器やErドープ光ファイバ増幅器な
どのようなPLCレーザ素子と競合する各種素子が実用
化一歩手前まで開発されている中、これら素子に対向で
きるPLCレーザ素子として第一発明の素子は期待でき
る。
【0051】また、この出願の第二発明のレーザ装置に
よれば、PLCレーザ素子及び半導体レーザ素子を利用
したレーザ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のプレーナ光導波路形(PLC)レ
ーザ素子を示した斜視図である。
【図2】(A)及び(B)は、第1実施例のPLCレー
ザ素子の製法の説明図である。
【図3】第2実施例のPLCレーザ素子を示した斜視図
である。
【図4】(A)及び(B)は、第2実施例のPLCレー
ザ素子の製法の説明図である。
【図5】第二発明のレーザ装置の実施例の説明に供する
図である。
【図6】従来のPLCレーザ素子を示した斜視図であ
る。
【図7】(A)〜(C)は、従来のPLCレーザ素子の
製法説明に供する図である。
【符号の説明】
20:第1実施例のPLCレーザ素子 21:基板 23:バッファ層 25:周期的屈折率分布構造を作りつけたプレーナ形光
導波路 25a:イオン交換した部分 27:キャップ層 29:低反射率膜 120:第2実施例のPLCレーザ素子 125:周期的屈折率分布構造を作りつけたプレーナ形
光導波路 125a:波形 30:実施例のレーザ装置 31:基板 33:半導体レーザ素子 33a:共振器 33x:低反射率膜 33y:高反射率膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/098 8934−4M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ活性体となる元素が添加されてい
    るプレーナ形光導波路を基板上に具える、プレーナ光導
    波路形レーザ素子において、 プレーナ形光導波路に周期的屈折率分布構造を作りつけ
    てあることを特徴とするプレーナ光導波路形レーザ素
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプレーナ光導波路形レ
    ーザ素子において、 前記周期的屈折率分布構造の周期Λを次の式で与えられ
    る値としてあることを特徴とするプレーナ光導波路形レ
    ーザ素子(ただし、式中のp,qは正の整数、λ1 は当
    該プレーナ光導波路形レーザ素子を励起する励起光の波
    長、λ2 は当該プレーナ光導波路形レーザ素子の発振光
    の波長、N(λ1 )は当該プレーナ光導波路の前記励起
    光に対する屈折率、N(λ2 )は当該プレーナ光導波路
    の前記発振光に対する屈折率である。)。 Λ=pλ1 /2N(λ1 )=qλ2 /2N(λ2
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のプレーナ光導
    波路形レーザ素子において、 前記周期的屈折率分布構造を、前記プレーナ光導波路に
    その長手方向に沿って周期的にイオン交換した部分を設
    けることで構成してあることを特徴とするプレーナ光導
    波路形レーザ素子。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のプレーナ光導
    波路形レーザ素子において、 前記周期的屈折率分布構造を、前記プレーナ光導波路の
    厚さを該導波路の長手方向に沿って周期的に違えること
    で構成してあることを特徴とするプレーナ光導波路形レ
    ーザ素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレ
    ーザ素子であってそのプレーナ光導波路の両端に端面を
    設けたプレーナ光導波路形レーザ素子と、 半導体レーザ素子であってその共振器の少なくとも一方
    の端面に低反射率膜を設けてある半導体レーザ素子と
    を、 該半導体レーザ素子の前記低反射率膜を設けた端面が前
    記プレーナ光導波路形レーザ素子の一方の端面と対向す
    るように配置してあることを特徴とするレーザ装置。
JP4084291A 1992-04-07 1992-04-07 プレーナ光導波路形レーザ素子及びレーザ装置 Withdrawn JPH05291655A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5504616A (en) * 1993-09-22 1996-04-02 Oki Electric Industry Co., Ltd. Wavelength conversion device
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