JPH05287472A - 銀薄板の製造方法 - Google Patents

銀薄板の製造方法

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JPH05287472A
JPH05287472A JP12274892A JP12274892A JPH05287472A JP H05287472 A JPH05287472 A JP H05287472A JP 12274892 A JP12274892 A JP 12274892A JP 12274892 A JP12274892 A JP 12274892A JP H05287472 A JPH05287472 A JP H05287472A
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JP
Japan
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silver
plate
thin
sheet
ingot
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Pending
Application number
JP12274892A
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English (en)
Inventor
Toshio Saito
寿雄 斎藤
Keiichi Araki
啓一 荒木
Tatsuo Eguchi
達夫 江口
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Nippon Foil Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Foil Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気接点材料等として使用する銀薄板の製造
方法を提供する。 【構成】 Cu20〜100ppm,残部Ag及び不可避不純物から
なる銀鋳塊を準備する。この銀鋳塊に冷間圧延等を施し
て、厚さ2〜10mmの銀厚板を製造する。この銀厚板を550
〜800℃に加熱する。冷却した後、冷間圧延を施して、
厚さ0.1〜0.7mmの銀板を得る。銀板を得た後、一週間以
内に、最終焼鈍を施す。最終焼鈍を終えた後、伸び率が
1〜10%となるように冷間加工を施す。以上のようにし
て銀薄板を得る。 【効果】 この銀薄板を800℃程度以上の高温下に曝し
ても、銀薄板中の結晶粒は粗大化しにくい。従って、こ
の銀薄板を使用して、高温下に曝しても、銀薄板に割れ
が生じたり或いは銀薄板の表面に肌荒れが生じにくいと
いう効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気接点材料或いはそ
の他の電気材料に用いる銀薄板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気接点等に使用する銀薄板
は、以下の如き製造方法で製造されている。即ち、Ag10
0重量%、又はCu0.002〜0.01重量%(Cu20〜100ppm)及
び残部Agよりなる鋳塊を準備し、この鋳塊を面削した
後、温度300℃前後で温間圧延加工を施して、厚さ約4mm
程度の銀厚板を得る。そして、この銀厚板に冷間圧延加
工を施し、必要に応じて冷間圧延加工時に温度150〜200
℃程度で中間焼鈍を施し、厚さ0.3〜0.7mm程度の銀薄板
を得るというものである。また、更に必要な場合には、
200〜300℃で最終焼鈍を行なって、銀薄板の強度や結晶
粒の大きさを調整することが行なわれている。
【0003】この銀薄板は、一定の形状に成形され、そ
の後電気材料として用いられる際、又は他の材料と接合
させる際、800℃以上の高温下に曝されることがあっ
た。そして、この高温下において、銀薄板に割れが生じ
るということがあった。また、銀薄板の表面に肌荒れが
生じるということがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本件出願人が、銀薄板
に割れが生じたり或いは銀薄板の表面に肌荒れが生じた
りする理由について検討した結果、高温下に曝された箇
所において銀薄板中の結晶粒が粗大化していることが判
明した。即ち、銀薄板中の結晶粒が粗大化することによ
って、銀薄板の強度が低下し又は銀薄板の表面に肌荒れ
が生じていることが判明したのである。
【0005】そこで、本件出願人は、銀薄板中の結晶粒
の粗大化を抑制するために、銀薄板の組成や製造方法等
について種々検討した。その結果、本件出願人は、銀薄
板の製造工程である冷間圧延中において、比較的高温で
中間焼鈍を施すと、後に高温下に曝されても銀薄板中の
結晶粒が粗大化しにくいことを見出し、特願平3-292092
号に係る発明を提案した。
【0006】その後、本発明者が研究を進めた結果、比
較的高温で中間焼鈍を施しただけではなく、得られた銀
薄板に最終焼鈍を施した後、軽度の冷間加工を施すこと
によって、銀薄板を使用する際に高温下に曝しても、銀
薄板中の結晶粒がより粗大化しにくいことを見出し、本
発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、Cu20〜
100ppm,残部Ag及び不可避不純物からなる銀鋳塊に、圧
延を施して2〜10mmの厚さの銀厚板を得、該銀厚板を550
〜800℃の温度に加熱した後冷却し、引き続いて冷間圧
延を施して0.1〜0.7mmの銀板を得、その後一週間以内に
該銀板に最終焼鈍を施した後、伸び率が1〜10%となる
ように冷間加工を施すことを特徴とする銀薄板の製造方
法に関するものである。
【0008】本発明においては、まず所定の元素組成を
持つ銀鋳塊を準備する。即ち、Cuが20〜100ppm含有され
ている銀鋳塊を準備する。Cuが20ppm未満であったり或
いは100ppmを超えると、鋳塊中の結晶粒が粗大化しやす
く、得られた銀薄板の結晶粒も粗大化するので、好まし
くない。また、Cuが100ppmを超えると、銀鋳塊が硬化し
て冷間圧延性が低下するので、好ましくない。このよう
な銀鋳塊は、所定量のCuとAgとを溶解して、脱ガス後、
水冷鋳型による連続鋳造若しくは金型による鋳造を行な
えば、容易に得ることができる。
【0009】このようにして準備された銀鋳塊に、例え
ば従来公知の冷間圧延を施して、2〜10mmの厚さの銀厚
板を得る。本発明においては、2〜10mmの厚さの銀厚板
を550〜800℃の温度に加熱する。この加熱は、銀鋳塊を
圧延したことによって生じる、銀厚板中の熱的に不安定
で且つ不均一な箇所を除去すると共に、微細で均一な結
晶組織を生成するために行なわれる。銀厚板の厚さが2m
m未満であったり或いは10mmを超えると、このような効
果が十分でなく、銀厚板中の結晶粒が粗大化しやすくな
るので、好ましくない。また、加熱温度が550℃未満で
は、銀厚板中の結晶粒が粗大化しやすくなるので、好ま
しくない。逆に、加熱温度が800℃を超えると、銀厚板
が変形する恐れがあり、その後の冷間圧延を行ないにく
くなるので、好ましくない。また、銀厚板を重ね合わせ
て加熱する場合、銀厚板の表面が溶解して、銀厚板同士
がくっつく恐れがあるので、好ましくない。
【0010】加熱後、銀厚板を冷却し、引き続いて従来
公知の冷間圧延を施す。そして、厚さ0.1〜0.7mmの銀板
を得る。その後、この銀板に最終焼鈍を施す。最終焼鈍
の温度条件等は従来公知の条件を採用すればよい。ま
た、最終焼鈍は、銀板を得た後一週間以内に施す。この
理由は、一週間以上経過した銀板は、経時的に軟化して
結晶粒が粗大化しており、得られた銀薄板を高温下に曝
した場合、更に結晶粒が粗大化する恐れがあるからであ
る。
【0011】本発明においては、最終焼鈍を終えた銀板
に、伸び率が1〜10%となるようにして冷間加工を施
す。冷間加工は、銀板に冷間圧延を施しても良いし、ま
た銀板に伸長処理を施しても良い。要するに、伸び率が
1〜10%となるような軽度の冷間加工を施すのである。
ここで、伸び率は、銀板の単位長さをAとし、この単位
長さが冷間加工後にBとなったとして、100×[1−
(A/B)]なる式で算出されるものである。伸び率が
1%未満であると、銀薄板を高温下に曝した場合におけ
る、結晶粒の粗大化を抑制する効果が少なくなって、好
ましくない。逆に、伸び率が10%を超えると、加工硬化
が大きくなると共に銀薄板の伸びが小さくなり、銀薄板
の成形性等が劣ることになって、好ましくない。
【0012】以上のようにして得られた銀薄板は、電気
接点等の電気材料に用いられるものである。この際、銀
薄板は所定の形状に成形され、その後高温下に曝され
て、各種の処理が施されるのである。
【0013】
【実施例】
実施例1〜5及び比較例1〜6 99.99重量%純度の銀地金と、Ag−10重量%Cuの母合金
とを使用して、表1に示すCu含有量となるように、黒鉛
るつぼにて配合し溶解した。脱ガス後、水冷鋳型による
連続鋳造及び予熱温度を変えた金型で鋳造して銀鋳塊を
得た。この銀鋳塊の寸法は、厚さ50mm,幅200mm,長さ2
00mmであった。この銀鋳塊の両表面を片面3mmづつ面削
した後、冷間圧延して、表1に示す厚さの銀厚板を得
た。そして、この銀厚板に表1に示す温度で3時間加熱
した。加熱後冷却して、再び冷間圧延を施し、厚さ0.3m
mの銀板を得た。この銀板を、表1に示す期間(日
数)、常温で放置した後、最終焼鈍を施した。最終焼鈍
の条件は、温度250℃で3時間保持した。そして、最終焼
鈍炉に入れたまま冷却した後、表1に示す伸び率となる
ように、伸長処理又は軽圧下で冷間圧延し、銀薄板を得
た。
【0014】
【表1】
【0015】以上のようにして得られた銀薄板の性能を
評価するため、以下のような試験を行なった。即ち、予
め900℃に加熱した大気炉内に銀薄板を導入し、1時間保
持した後、取り出す。そして、結晶粒の大きさを測定し
た。結晶粒の大きさは以下の方法で測定した。即ち、銀
薄板を光学顕微鏡で観察し、結晶粒の面積を測定する。
この面積と同一の面積を持つ円を考えて、この円の直径
を結晶粒の大きさとした。一般的に、銀薄板中の結晶粒
の大きさが100μmを超えると、高温下に曝した場合、
割れや表面の肌荒れが起こると言われている。従って、
結晶粒が100μm以下の場合、割れ等の評価を○とし、
結晶粒が100μmを超える場合、割れ等の評価を×とし
た。この結果を表1に示した。
【0016】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜5に係る方法で得られた銀薄板を900℃の高温下に1時
間曝しても、結晶粒の大きさはいずれの場合も100μm
以下であり、比較例1〜6に係る方法で得られた銀薄板
を同様に処理した場合の結晶粒の大きさは100μmを超
えていた。従って、実施例1〜5に係る方法で得られた
銀薄板を使用すれば、高温下に曝しても、銀薄板に割れ
や表面の肌荒れが生じにくいことが分かる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る方法
で得られた銀薄板は、800℃程度の高温に加熱しても結
晶粒の粗大化が起こりにくい。従って、この銀薄板を使
用して、他の材料と接合するために、若しくは電気材料
として使用するために、800℃程度以上の高温下に曝し
ても、銀薄板中に粗大化した結晶粒が生じにくい。依っ
て、銀薄板は高強度を維持し、物理的な衝撃等が加わっ
ても、割れが生じにくく、且つ表面の肌荒れも生じにく
いという効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu20〜100ppm,残部Ag及び不可避不純物
    からなる銀鋳塊に、圧延を施して2〜10mmの厚さの銀厚
    板を得、該銀厚板を550〜800℃の温度に加熱した後冷却
    し、引き続いて冷間圧延を施して0.1〜0.7mmの銀板を
    得、その後一週間以内に該銀板に最終焼鈍を施した後、
    伸び率が1〜10%となるように冷間加工を施すことを特
    徴とする銀薄板の製造方法。
JP12274892A 1992-04-15 1992-04-15 銀薄板の製造方法 Pending JPH05287472A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100688234B1 (ko) * 2005-11-25 2007-03-02 김영오 거친표면을 갖는 귀금속판의 제조방법
CN114160578A (zh) * 2021-11-08 2022-03-11 深圳市中金新材实业有限公司 一种宽幅银箔制作方法

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