JPH0528685U - 両頭ボールペン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に組み立てることができるキャップレス
の両頭ボールペンを提供する。 【構成】 両端にそれぞれ係合孔１２がほゞ直角に連設
された長孔１１が軸線方向に穿設された軸筒１０と、２
本のボールペンレフィール５を両側に保持して軸筒内を
前後動する保持筒４と、この保持筒に径方向のピン４２
を介して固着されて長孔より突出するスライド釦４１
と、保持筒を軸筒の中央に弾発付勢する２本のバネ６と
を備えた両頭ボールペンにおいて、軸筒を、中継軸１
と、中継軸の両端に接続される第一軸２および第二軸３
で構成し、中継軸には、長孔１１と係合孔１２を形成す
るとともに、導入孔１３を中継軸の一方の端縁から長孔
に続くように形成し、かつスライド釦４１およびピン４
１を保持筒と一体に成形する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はキャップレスの両頭ボールペンに関するものである。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

軸筒の両端にペン体を有する両頭筆記具は、これらのペン体の色や筆跡の太さ を異ならせることによって１本で２種類の筆記具の役目を果たすために便利であ り、多用されている。この両頭筆記具は、ペン体のインキの蒸発や付着を防止し たり、あるいはこれを保護するためにキャップが嵌着されることが多いが、この キャップを省略したキャップレスとするためには両方のペン体を軸筒内に没入で きるようにする必要がある。

【０００３】 このため、キャップレスの両頭筆記具は、一般的にその構造が複雑となるが、 構造が簡単なキャップレスの両頭ボールペンの一例を図４および図５に示す。こ れを説明すると、軸筒 10 の中央には軸線方向の長孔 11 が穿設されているが、 この長孔 11 の両端にはこれとほゞ直角に係合孔 12 がそれぞれ連設されている 。軸筒 10 の中央部には保持筒４が前後動可能に収容されている。この保持筒４ の両側にはレフィール嵌入孔が形成されており、２本のボールペンレフィール５ の後端部がレフィール嵌入孔にそれぞれ嵌入され、リブによって保持される。保 持筒４と先口 20 の間にはそれぞれバネ６が介装されており、保持筒４が軸筒 1 0 の中央部に位置するように弾発付勢されている。そして、保持筒４が軸筒 10 の中央部に位置しているときはボールペンレフィール５のペン体 51 はいずれも 先口 20 内に没入している。保持筒４にはスライド釦７のピン 71 がねじ込まれ て固着され、スライド釦７は軸筒 10 より突出しているが、ピン 71 は長孔 11 に嵌合されており、これに沿って移動する。しかして、スライド釦７を指頭で移 動させ、長孔 11 の端部に当接すると係合孔 12 の方に少し移動させてこれにピ ン 71 を係合させる。これによって、図５に示すように、ペン体 51 は先口 20 の開口より突出して筆記可能状態となり、ピン 71 が係合孔 12 に係合している ので、筆圧がかかっても先口 20 内に没入しない。

【０００４】 かかる両頭ボールペンは、構造が簡単であり、操作も容易な利点を有する。し かしなから、これを組み立てるときに、軸筒 10 内に保持筒４を挿入してから、 スライド釦７が固着されたピン 70 を長孔 11 に通して保持筒４にねじ込む必要 がある。従って、軸筒 10 内で保持筒４のねじ孔を巾の狭い長孔 11 に合わせる 必要があり、組立に手間を要して生産性が低い問題点がある。

【０００５】

【考案の目的】

そこで本考案は、簡単に組み立てることができるキャップレスの両頭ボールペ ンを提供することを目的とする。

【０００６】

【考案の構成とその作用】

かかる目的を達成するために、本考案は、両端にそれぞれ係合孔がほゞ直角に 連設された長孔が軸線方向に穿設された軸筒と、両側に２本のボールペンレフィ ールを保持して軸筒内を前後動する保持筒と、この保持筒に径方向のピンを介し て固着されて前記長孔より突出するスライド釦と、保持筒を軸筒の中央に弾発付 勢する２本のバネとを備え、スライド釦を該長孔に沿って移動させ、いずれかの 該係合孔にピンを係合したときに一方のボールペンレフィールのペン体が軸筒先 端の開口より突出する両頭ボールペンにおいて、軸筒を、中継軸と、中継軸の両 端に接続される第一軸および第二軸で構成し、中継軸には、長孔と係合孔を形成 するとともに、導入孔を中継軸の一方の端縁から長孔に続くように形成し、かつ スライド釦およびピンを保持筒と一体に成形する。

【０００７】 すなわち、導入孔を中継軸の一方の端縁から長孔に続くように形成したので、 保持筒を中継軸内に挿入するときに、スライド釦およびピンが一体に成形された 保持筒のピンをこの導入孔を通って長孔に係合することができ、しかる後に中継 軸の両端に第一軸および第二軸を接続すれば組立が完了する。従って、軸筒内で 保持筒のねじ孔を巾の狭い長孔に合わせた後に、ピンを長孔に通して保持筒にね じ込む必要がなく、きわめて簡単に組み立てることができる。

【０００８】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図１において、 軸筒 10 は、中継軸１、第一軸２および第二軸３で構成されており、中継軸１の 両端に第一軸２および第二軸３がそれぞれ螺着されている。第一軸２および第二 軸３は、先端に開口 21 及び開口 31 を有し、先口が一体になっている。中継軸 １は、図３に示すように、両端に外ねじ部 1a を有するが、外ねじ部 1a から外 ねじ部 1a にかけて長孔 11 が軸線方向に形成され、長孔 11 の両端にほぼ直角 方向に係合孔 12 が形成されている。そして、一方の外ねじ部 1a には、その端 縁から長孔 11 に続く導入孔 13 が形成されている。つまり、長孔 11 と導入孔 13 は連続する１本の切欠き孔になっている。従って、外ねじ部 1a に第二軸３ を螺着したときに、導入孔 13 は隠れ、従来例と同じ長孔 11 と係合孔 12 のみ になる。

【０００９】 軸筒 10 内に保持筒４が前後動可能に収容されているが、スライド釦 41 およ びピン 42 が保持筒４と一体に成形されている。そして、ピン 42 が長孔 11 に 係合してスライド釦 41 が中継軸１から突出している。保持筒４の両側にはレフ ィール嵌入孔が形成されており、例えば黒色インキと赤色インキを内蔵したの２ 本のボールペンレフィール５の後端部がレフィール嵌入孔にそれぞれ嵌入され、 保持される。保持筒４と第１軸２および第二軸３の先端内面の間にはそれぞれバ ネ６が介装されており、保持筒４が軸筒 10 の中央部に位置するように弾発付勢 されている。そして、保持筒４が軸筒 10 の中央部に位置しているときはボール ペンレフィール５のペン体 51 はいずれも第１軸２および第二軸３内に没入して いる。なお、ボールペンレフィール５の外周に突起を設け、この突起と第１軸２ および第二軸３の先端内面の間にそれぞれバネ６を介装してもよい。このときは 保持筒４でボールペンレフィール５をしっかりと保持する必要がない。

【００１０】 しかして筆記に際しては、前述の通り、スライド釦 41 を例えば第１軸２の方 向に指頭で移動させ、長孔 11 の端部に当接すると係合孔 12 の方に少し移動さ せてこれにピン 42 を係合させる。これによって、図２に示すように、ペン体 5 1 は第１軸２の開口 21 より突出して筆記可能状態となり、ピン 71 が係合孔 1 2 に係合しているので、筆圧がかかっても先口 20 内に没入しない。そして、筆 記が終了するとピン 42 を係合孔 12 から少し移動させて係合を解除させればよ い。これによってバネで弾発付勢された保持筒４が軸筒 10 の中央部に復帰する ので、ペン体 51 は第１軸２内に没入し、キャップレスとして使用することがで きる。

【００１１】 次に、かかる両頭ボールペンの組立方法を説明すると、先ず、両側のレフィー ル嵌入孔にボールペンレフィール５が保持された保持筒４を中継軸１内に挿入す るが、このとき、一体に成形された保持筒４のピン 42 を導入孔 13 を通って長 孔 11 に係合させる。そして、バネ６をボールペンレフィール５にそれぞれ被せ 、第１軸２および第二軸３を中継軸１に螺着すれば組立が完了する。従って、従 来例のように、軸筒内で保持筒のねじ孔を巾の狭い長孔に合わせた後に、ピンを 長孔に通して保持筒にねじ込む必要がなく、きわめて簡単に組み立てることがで きる。また、スライド釦とピンを保持筒と一体にできるので、部品点数が少なく なる利点も有する。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の両頭ボールペンは、軸筒を、中継軸と、中継軸 の両端に接続される第一軸および第二軸で構成し、中継軸には、長孔と係合孔を 形成するとともに、導入孔を中継軸の一方の端縁から長孔に続くように形成し、 かつスライド釦およびピンを保持筒と一体に成形したので、きわめて簡単に組み 立てることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の断面図である。

【図２】使用状態の正面図である。

【図３】中継軸の平面図である。

【図４】従来例の説明図である。

【図５】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１０ 軸筒 １ 中継軸 ２ 第一軸
３ 第二軸 １１ 長孔 １２ 係合孔 １３ 導入孔 ４ 保持筒 ４１ スライド釦 ４２ ピン ５ ボールペンレフィール ５１ ペン体
６ バネ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端にそれぞれ係合孔がほゞ直角に連設
   された長孔が軸線方向に穿設された軸筒と、両側に２本
   のボールペンレフィールを保持して軸筒内を前後動する
   保持筒と、この保持筒に径方向のピンを介して固着され
   て前記長孔より突出するスライド釦と、保持筒を軸筒の
   中央に弾発付勢する２本のバネとを備え、スライド釦を
   該長孔に沿って移動させ、いずれかの該係合孔にピンを
   係合したときに一方のボールペンレフィールのペン体が
   軸筒先端の開口より突出する両頭ボールペンにおいて、 前記軸筒は、中継軸と、中継軸の両端に接続される第一
   軸および第二軸からなり、中継軸には、該長孔と係合孔
   が形成されるとともに、導入孔が中継軸の一方の端縁か
   ら長孔に続くように形成され、かつスライド釦およびピ
   ンが保持筒と一体に成形されたことを特徴とする両頭ボ
   ールペン。