JPH05279197A - ホウ酸アルミニウム系ウイスカーの製造方法 - Google Patents
ホウ酸アルミニウム系ウイスカーの製造方法Info
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- JPH05279197A JPH05279197A JP6997292A JP6997292A JPH05279197A JP H05279197 A JPH05279197 A JP H05279197A JP 6997292 A JP6997292 A JP 6997292A JP 6997292 A JP6997292 A JP 6997292A JP H05279197 A JPH05279197 A JP H05279197A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アスペクト比の大きなホウ酸アルミニウム系
ウイスカーを製造する方法を提供する。 【構成】 アルミニウム成分含有原料、ホウ素成分含有
原料、溶融剤とPbを含有する添加物の混合物を熱処理す
ることを特徴とするホウ酸アルミニウム系ウイスカーの
製法である。
ウイスカーを製造する方法を提供する。 【構成】 アルミニウム成分含有原料、ホウ素成分含有
原料、溶融剤とPbを含有する添加物の混合物を熱処理す
ることを特徴とするホウ酸アルミニウム系ウイスカーの
製法である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はホウ酸アルミニウム系ウ
イスカーの製法に関する。本発明のウイスカーは機械的
強度、耐薬品性、断熱性、耐熱性、中性子吸収能及び電
気絶縁性に優れており、断熱材、耐熱材、耐食材の他、
特に熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の有機材料やセメン
ト、ガラス、各種セラミックス等の無機材料及びアルミ
ニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金等の金属材
料の補強材として有用である。
イスカーの製法に関する。本発明のウイスカーは機械的
強度、耐薬品性、断熱性、耐熱性、中性子吸収能及び電
気絶縁性に優れており、断熱材、耐熱材、耐食材の他、
特に熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の有機材料やセメン
ト、ガラス、各種セラミックス等の無機材料及びアルミ
ニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金等の金属材
料の補強材として有用である。
【０００２】
【従来の技術】熱的、機械的に優れた性質を有するセラ
ミックス系のウイスカーは、大別して非酸化物系と酸化
物系とに分類される。非酸化物系は一般に融点が高く
（1900℃以上）耐熱性は優秀であるが、製造時に雰囲気
調整が必要なため設備的、原料的にコストが高くなって
しまい用途が限定される。非酸化物系のウイスカーの例
としては炭化珪素、窒化珪素等が挙げられる。一方、酸
化物系には硫酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ホウ
酸マグネシウム及びホウ酸アルミニウム（特開昭63-319
298 及び特開昭63-319299 ）等がある。これら酸化物系
のウイスカーは非酸化物系のウイスカーほど融点は高く
ない（1000〜1600℃）ため耐熱性は劣るが、大気中で溶
融剤を用いるフラックス法で製造することができるので
設備的、原料的コストは低い特徴を持っている。酸化物
系のウイスカーの中では、ホウ酸アルミニウムはアルミ
ニウムの強化材として使用した場合非酸化物系ウイスカ
ーに匹敵する機械的強度を示すことが明らかにされ注目
されている（菅沼克昭: ニューセラミックス, No. 5, p
63〜69 (1990) ）
ミックス系のウイスカーは、大別して非酸化物系と酸化
物系とに分類される。非酸化物系は一般に融点が高く
（1900℃以上）耐熱性は優秀であるが、製造時に雰囲気
調整が必要なため設備的、原料的にコストが高くなって
しまい用途が限定される。非酸化物系のウイスカーの例
としては炭化珪素、窒化珪素等が挙げられる。一方、酸
化物系には硫酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ホウ
酸マグネシウム及びホウ酸アルミニウム（特開昭63-319
298 及び特開昭63-319299 ）等がある。これら酸化物系
のウイスカーは非酸化物系のウイスカーほど融点は高く
ない（1000〜1600℃）ため耐熱性は劣るが、大気中で溶
融剤を用いるフラックス法で製造することができるので
設備的、原料的コストは低い特徴を持っている。酸化物
系のウイスカーの中では、ホウ酸アルミニウムはアルミ
ニウムの強化材として使用した場合非酸化物系ウイスカ
ーに匹敵する機械的強度を示すことが明らかにされ注目
されている（菅沼克昭: ニューセラミックス, No. 5, p
63〜69 (1990) ）
【０００３】機械的強度、耐薬品性に優れているホウ酸
アルミニウムウイスカーの製造方法としては、気相法と
溶融剤を用いるフラックス法とに大別できる。気相法と
しては、1000〜1400℃にて気体状態のフッ化アルミニウ
ムと酸化ホウ素中に水蒸気を通すことにより、4Al2O3・
B2O3の組成をもつウイスカーが得られることが知られて
いる（米国特許第3350166号）。
アルミニウムウイスカーの製造方法としては、気相法と
溶融剤を用いるフラックス法とに大別できる。気相法と
しては、1000〜1400℃にて気体状態のフッ化アルミニウ
ムと酸化ホウ素中に水蒸気を通すことにより、4Al2O3・
B2O3の組成をもつウイスカーが得られることが知られて
いる（米国特許第3350166号）。
【０００４】一方フラックス法としては、水酸化アルミ
ニウムと過剰の酸化ホウ素の混合物を1400℃熱処理する
ことにより、３Al2O3 ・B2O3及び９Al2O3 ・B2O3の組成
のウイスカーを製造する方法（米国特許第3080242号）
が知られている。また、米国内務省鉱山局の報告によれ
ば、酸化アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム及び塩化リ
チウムの混合物を1200℃加熱することにより、2.5Al2O3
・B2O3の組成をもつウイスカーが得られ、また酸化アル
ミニウム、四ホウ酸ナトリウム及び酸化ホウ素の混合物
を1400℃に加熱することにより、4.8Al2O3・B2O3の組成
をもつウイスカーが得られることが知られている（ビュ
ーロー オブ マインズ レポート オブ インヴェス
ティゲーション"Bureau of Mines Report of Investiga
tion 6575" (1965)）。
ニウムと過剰の酸化ホウ素の混合物を1400℃熱処理する
ことにより、３Al2O3 ・B2O3及び９Al2O3 ・B2O3の組成
のウイスカーを製造する方法（米国特許第3080242号）
が知られている。また、米国内務省鉱山局の報告によれ
ば、酸化アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム及び塩化リ
チウムの混合物を1200℃加熱することにより、2.5Al2O3
・B2O3の組成をもつウイスカーが得られ、また酸化アル
ミニウム、四ホウ酸ナトリウム及び酸化ホウ素の混合物
を1400℃に加熱することにより、4.8Al2O3・B2O3の組成
をもつウイスカーが得られることが知られている（ビュ
ーロー オブ マインズ レポート オブ インヴェス
ティゲーション"Bureau of Mines Report of Investiga
tion 6575" (1965)）。
【０００５】国内では、９Al2O3 ・２B2O3の組成を有す
るウイスカー及びその製造方法（特開昭63-319298 ）及
び2Al2O3・ B2O3の組成を有するウイスカー及びその製造
方法（特開昭63-319299 ）が知られている。さらにトリ
アルカリアルミニウムトリサルフェートと無水ホウ酸成
分含有原料を混合し700〜1200℃で熱処理する方法（特
開平2-107600）、アルミニウム成分含有原料としての硫
酸アルミニウムと無水ホウ酸成分含有原料をアルカリ金
属硫酸塩及びアルカリ金属炭酸塩の存在下1000〜1200℃
で熱処理する方法（特開平2-164797）、アルミニウム成
分含有原料としてアルミニウムの酸化物、水酸化物及び
オキシ水酸化物のうち少なくとも一種以上とアルミニウ
ム硫酸塩、無水ホウ酸成分含有原料及びアルカリ金属硫
酸塩の混合物を 900〜1200℃で熱処理する方法（特開平
2-164798）、アルミニウム成分含有原料としてアルミニ
ウムの酸化物、水酸化物のうち少なくとも一種以上、無
水ホウ酸成分含有原料、アルカリ金属の硫酸塩及び塩化
物のうち少なくとも一種以上及び硫酸の混合物を 900〜
1200℃で熱処理する方法（特開平3-131600）などがあ
る。
るウイスカー及びその製造方法（特開昭63-319298 ）及
び2Al2O3・ B2O3の組成を有するウイスカー及びその製造
方法（特開昭63-319299 ）が知られている。さらにトリ
アルカリアルミニウムトリサルフェートと無水ホウ酸成
分含有原料を混合し700〜1200℃で熱処理する方法（特
開平2-107600）、アルミニウム成分含有原料としての硫
酸アルミニウムと無水ホウ酸成分含有原料をアルカリ金
属硫酸塩及びアルカリ金属炭酸塩の存在下1000〜1200℃
で熱処理する方法（特開平2-164797）、アルミニウム成
分含有原料としてアルミニウムの酸化物、水酸化物及び
オキシ水酸化物のうち少なくとも一種以上とアルミニウ
ム硫酸塩、無水ホウ酸成分含有原料及びアルカリ金属硫
酸塩の混合物を 900〜1200℃で熱処理する方法（特開平
2-164798）、アルミニウム成分含有原料としてアルミニ
ウムの酸化物、水酸化物のうち少なくとも一種以上、無
水ホウ酸成分含有原料、アルカリ金属の硫酸塩及び塩化
物のうち少なくとも一種以上及び硫酸の混合物を 900〜
1200℃で熱処理する方法（特開平3-131600）などがあ
る。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記のフラックス法の
何れの方法も、基本的にアルミニウム成分含有原料と無
水ホウ酸成分含有原料及び溶融剤成分としてアルカリ金
属塩成分を混合し熱処理するものであり、その他の金属
添加成分について検討した例はない。ウイスカーはアス
ペクト比の大きい針状の単結晶であり、多結晶に比較し
て粒界が存在しないので結晶の欠陥が少なく機械的強度
が非常に大きいことが特徴であるが、製造工程で形状す
なわちアスペクト比を制御して、よりアスペクト比の大
きなウイスカーを生産性高く製造する方法が望まれてい
る。本発明はこれらの問題点を解決するためになされた
ものであり、種々の添加成分について鋭意検討した結
果、特定の金属成分を含ませることによりウイスカーの
アスペクト比を大きくする特定の金属添加物を見い出し
本発明を完成するに至った。ここでアスペクト比は長軸
と短軸との比を表す。
何れの方法も、基本的にアルミニウム成分含有原料と無
水ホウ酸成分含有原料及び溶融剤成分としてアルカリ金
属塩成分を混合し熱処理するものであり、その他の金属
添加成分について検討した例はない。ウイスカーはアス
ペクト比の大きい針状の単結晶であり、多結晶に比較し
て粒界が存在しないので結晶の欠陥が少なく機械的強度
が非常に大きいことが特徴であるが、製造工程で形状す
なわちアスペクト比を制御して、よりアスペクト比の大
きなウイスカーを生産性高く製造する方法が望まれてい
る。本発明はこれらの問題点を解決するためになされた
ものであり、種々の添加成分について鋭意検討した結
果、特定の金属成分を含ませることによりウイスカーの
アスペクト比を大きくする特定の金属添加物を見い出し
本発明を完成するに至った。ここでアスペクト比は長軸
と短軸との比を表す。
【０００７】
【課題を解決するための手段】すなわち、アルミニウム
成分含有原料、ホウ素成分含有原料、溶融剤及びPb成分
を含有する添加物の混合物を熱処理することを特徴とす
るホウ酸アルミニウム系ウイスカーの製造方法である。
成分含有原料、ホウ素成分含有原料、溶融剤及びPb成分
を含有する添加物の混合物を熱処理することを特徴とす
るホウ酸アルミニウム系ウイスカーの製造方法である。
【０００８】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明にいうホウ酸アルミニウム系ウイスカーとは
ホウ酸アルミニウムを主成分とする針状形状のウイスカ
ーを主体とするが、それ以外にホウ酸アルミニウム以外
の第二相が針状以外の形状として、或いは針状形状のウ
イスカーの表面などに存在するものを含む。ホウ酸アル
ミニウム系ウイスカー中の針状形状のウイスカーのAl2O
3 とB2O3とのモル比は、特に限定されないが、ウイスカ
ーとして得られることが知られている該モル比 2:1〜9:
1 である。このうち特に9Al2O3・2B2O3の組成をもつウイ
スカーは高温特性に優れており好ましい。そしてその化
学組成は B 及び Al 成分の合計モル数に対して、 Pb
成分を30モル％以下含有するものが好ましい。
る。本発明にいうホウ酸アルミニウム系ウイスカーとは
ホウ酸アルミニウムを主成分とする針状形状のウイスカ
ーを主体とするが、それ以外にホウ酸アルミニウム以外
の第二相が針状以外の形状として、或いは針状形状のウ
イスカーの表面などに存在するものを含む。ホウ酸アル
ミニウム系ウイスカー中の針状形状のウイスカーのAl2O
3 とB2O3とのモル比は、特に限定されないが、ウイスカ
ーとして得られることが知られている該モル比 2:1〜9:
1 である。このうち特に9Al2O3・2B2O3の組成をもつウイ
スカーは高温特性に優れており好ましい。そしてその化
学組成は B 及び Al 成分の合計モル数に対して、 Pb
成分を30モル％以下含有するものが好ましい。
【０００９】本発明で用いられるアルミニウム成分含有
原料としては、アルミニウムの酸化物（例えばα型酸化
アルミニウム、γ型酸化アルミニウム）、アルミニウム
の水酸化物（例えば水酸化アルミニウム）、アルミニウ
ムの硫酸塩（例えば硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム14〜18水和物、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸
アンモニウムアルミニウム12水和物）、アルミニウムと
アルカリ金属の硫酸塩（例えば硫酸アルミニウムカリウ
ム、硫酸アルミニウムカリウム12水和物、硫酸アルミニ
ウムナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム12水和
物）、アルミニウムの硝酸塩（例えば硝酸アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム9水和物）、アルミニウムの塩化
物（例えば塩化アルミニウム、塩化アルミニウム6水和
物）及びアルミニウムのオキシ水酸化物（例えばベーマ
イト、ジアスポア、トーダイト）等の公知の塩類などを
挙げることができ、これらを単独で用いてもよいし、ま
た二種以上混合して使用してもよい。
原料としては、アルミニウムの酸化物（例えばα型酸化
アルミニウム、γ型酸化アルミニウム）、アルミニウム
の水酸化物（例えば水酸化アルミニウム）、アルミニウ
ムの硫酸塩（例えば硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム14〜18水和物、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸
アンモニウムアルミニウム12水和物）、アルミニウムと
アルカリ金属の硫酸塩（例えば硫酸アルミニウムカリウ
ム、硫酸アルミニウムカリウム12水和物、硫酸アルミニ
ウムナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム12水和
物）、アルミニウムの硝酸塩（例えば硝酸アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム9水和物）、アルミニウムの塩化
物（例えば塩化アルミニウム、塩化アルミニウム6水和
物）及びアルミニウムのオキシ水酸化物（例えばベーマ
イト、ジアスポア、トーダイト）等の公知の塩類などを
挙げることができ、これらを単独で用いてもよいし、ま
た二種以上混合して使用してもよい。
【００１０】次にホウ素成分含有原料としては、ホウ素
の酸化物（例えば酸化ホウ素）、ホウ素の酸素酸（例え
ばオルトホウ素酸（H3BO3 ）、四ホウ酸（H2B4O7）、メ
タホウ酸（HBO2））、或いはこれらのアルカリ金属塩
（例えば四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、メタ
ホウ酸ナトリウム）、及びホウ素のアルコキシド化合物
（例えばホウ素エトキシド（B(OC2H5)3））等の公知の
塩類などを挙げることができ、これらを単独で用いても
よいし、また２種以上混合して使用してもよい。
の酸化物（例えば酸化ホウ素）、ホウ素の酸素酸（例え
ばオルトホウ素酸（H3BO3 ）、四ホウ酸（H2B4O7）、メ
タホウ酸（HBO2））、或いはこれらのアルカリ金属塩
（例えば四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、メタ
ホウ酸ナトリウム）、及びホウ素のアルコキシド化合物
（例えばホウ素エトキシド（B(OC2H5)3））等の公知の
塩類などを挙げることができ、これらを単独で用いても
よいし、また２種以上混合して使用してもよい。
【００１１】本発明に用いる溶融剤の例としては、アル
カリ金属の硫酸塩及び塩化物が好適である。具体的に
は、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩
化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びこれら
の水和物であり、これらを単独で用いてもよいし、また
二種以上混合して使用してもよい。
カリ金属の硫酸塩及び塩化物が好適である。具体的に
は、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩
化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びこれら
の水和物であり、これらを単独で用いてもよいし、また
二種以上混合して使用してもよい。
【００１２】Pb成分を含有する添加物としては、Pb成分
を含むものであれば特に限定されないが、金属単体、他
の成分との合金、単独化合物、二種以上の成分からなる
固溶体、複合化合物などが挙げられる。具体的には、こ
れらの成分を含有する酸化物（例えば、PbO 、Pb3O4 、
PbO2）、水酸化物、オキシ水酸化物、炭酸塩、塩化物、
硝酸塩、硫酸塩及びシュウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩等の有
機酸塩やアルコキシドなどを使用することができる。
を含むものであれば特に限定されないが、金属単体、他
の成分との合金、単独化合物、二種以上の成分からなる
固溶体、複合化合物などが挙げられる。具体的には、こ
れらの成分を含有する酸化物（例えば、PbO 、Pb3O4 、
PbO2）、水酸化物、オキシ水酸化物、炭酸塩、塩化物、
硝酸塩、硫酸塩及びシュウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩等の有
機酸塩やアルコキシドなどを使用することができる。
【００１３】アルミニウム成分含有原料、ホウ素成分含
有原料、溶融剤及びPb成分を含有する添加物の配合割合
は、目的とするホウ酸アルミニウム系ウイスカーの組成
によって異なる。例えば、ウイスカー中のAl2O3 とB2O3
とのモル比が 2:1のウイスカーの場合は、アルミニウム
成分含有原料とホウ素成分含有原料の混合割合は、アル
ミニウムとホウ素のモル比が 1:9〜6:4 となるような範
囲であることが好ましく、溶融剤は、全重量の10〜95重
量％の範囲が好ましい。また、Al2O3 とB2O3とのモル比
が 9:2のウイスカーの場合は、アルミニウム成分含有原
料とホウ素成分含有原料供給成分との混合割合は、アル
ミニウムとホウ素のモル比が 1:4〜9:1となるような範
囲であることが好ましく、溶融剤は、全重量の10〜95重
量％の範囲が好ましい。
有原料、溶融剤及びPb成分を含有する添加物の配合割合
は、目的とするホウ酸アルミニウム系ウイスカーの組成
によって異なる。例えば、ウイスカー中のAl2O3 とB2O3
とのモル比が 2:1のウイスカーの場合は、アルミニウム
成分含有原料とホウ素成分含有原料の混合割合は、アル
ミニウムとホウ素のモル比が 1:9〜6:4 となるような範
囲であることが好ましく、溶融剤は、全重量の10〜95重
量％の範囲が好ましい。また、Al2O3 とB2O3とのモル比
が 9:2のウイスカーの場合は、アルミニウム成分含有原
料とホウ素成分含有原料供給成分との混合割合は、アル
ミニウムとホウ素のモル比が 1:4〜9:1となるような範
囲であることが好ましく、溶融剤は、全重量の10〜95重
量％の範囲が好ましい。
【００１４】Pb成分を含有する添加物の添加量は、ウイ
スカー以外の第二相を積極的に応用したい場合など用途
によって異なり特に限定されないが、一般に目的とする
ウイスカーを構成する B 及び Al 成分の合計モル数に
対して、50モル％以下添加することが好ましい。50モル
％を越えて添加してもその添加効果は向上しないからで
ある。ここで、添加物成分のモル数は金属換算であり、
例えば、Pb3O4 をPb成分の添加物として用いる場合に
は、1 モルのPb3O4 は、3 モル分の添加成分として換算
される。
スカー以外の第二相を積極的に応用したい場合など用途
によって異なり特に限定されないが、一般に目的とする
ウイスカーを構成する B 及び Al 成分の合計モル数に
対して、50モル％以下添加することが好ましい。50モル
％を越えて添加してもその添加効果は向上しないからで
ある。ここで、添加物成分のモル数は金属換算であり、
例えば、Pb3O4 をPb成分の添加物として用いる場合に
は、1 モルのPb3O4 は、3 モル分の添加成分として換算
される。
【００１５】アルミニウム成分含有原料、ホウ素成分含
有原料、溶融剤及びPb成分を含有する添加物を混合する
方法としては、通常のミキサー、ボールミル、振動ミル
等を用いて行なうことができる。何れの方法でも均一に
混合しておくことが好ましい。
有原料、溶融剤及びPb成分を含有する添加物を混合する
方法としては、通常のミキサー、ボールミル、振動ミル
等を用いて行なうことができる。何れの方法でも均一に
混合しておくことが好ましい。
【００１６】熱処理温度は目的とするホウ酸アルミニウ
ム系ウイスカーの組成によって異なる。例えば、２Al2O
3 ・ B2O3組成のウイスカーでは、温度 600℃〜1000℃が
好ましい。これは、温度が 600℃未満では反応が不十分
であり、また1000℃を越えると生成したウイスカー中の
B2O3成分が徐々に脱離する分解反応が起こるので好まし
くない。９Al2O3 ・２B2O3組成のウイスカーでは、温度
900℃〜1200℃が好ましい。これは、温度が 900℃未満
では２Al2O3 ・ B2O3組成のウイスカーが優先的に成した
り、原料が未反応のまま残ってしまうためであり、また
1200℃を越えると生成したウイスカー中のB2O3成分が徐
々に脱離する分解反応が起こるので好ましくない。4.8A
l2O3・B2O3や9Al2O3・B2O3などのB2O3量の少ない組成の
ウイスカーでは、1400℃程度の高温が好適である。
ム系ウイスカーの組成によって異なる。例えば、２Al2O
3 ・ B2O3組成のウイスカーでは、温度 600℃〜1000℃が
好ましい。これは、温度が 600℃未満では反応が不十分
であり、また1000℃を越えると生成したウイスカー中の
B2O3成分が徐々に脱離する分解反応が起こるので好まし
くない。９Al2O3 ・２B2O3組成のウイスカーでは、温度
900℃〜1200℃が好ましい。これは、温度が 900℃未満
では２Al2O3 ・ B2O3組成のウイスカーが優先的に成した
り、原料が未反応のまま残ってしまうためであり、また
1200℃を越えると生成したウイスカー中のB2O3成分が徐
々に脱離する分解反応が起こるので好ましくない。4.8A
l2O3・B2O3や9Al2O3・B2O3などのB2O3量の少ない組成の
ウイスカーでは、1400℃程度の高温が好適である。
【００１７】溶融剤を含む反応生成物からホウ酸アルミ
ニウム系ウイスカーを単離するには、熱硝酸、熱塩酸、
熱硫酸、酢酸、酒石酸或いはこれらの混合物、熱苛性ソ
ーダまたは熱水などを用いて、溶融剤その他水溶性物質
を除去したのち充分に水洗する。水不溶性の副生物があ
る場合には、デカンテーション等の処理で残留物からウ
イスカーを分離したのち、充分に水洗すればよい。これ
らの後処理工程で未反応の余剰な添加成分を除去するこ
ともできる。尚、得られるホウ酸アルミニウム系ウイス
カーを用途の１つである複合材料の強化材として応用す
る場合、使用した添加物成分が複合材料中で良好な効果
がある場合、例えばプラスチックスに対する難燃効果や
紫外線遮蔽効果などがある場合には、添加物成分を積極
的に残留させるために熱水のみの洗浄により溶融剤のみ
を除去することが好ましい。
ニウム系ウイスカーを単離するには、熱硝酸、熱塩酸、
熱硫酸、酢酸、酒石酸或いはこれらの混合物、熱苛性ソ
ーダまたは熱水などを用いて、溶融剤その他水溶性物質
を除去したのち充分に水洗する。水不溶性の副生物があ
る場合には、デカンテーション等の処理で残留物からウ
イスカーを分離したのち、充分に水洗すればよい。これ
らの後処理工程で未反応の余剰な添加成分を除去するこ
ともできる。尚、得られるホウ酸アルミニウム系ウイス
カーを用途の１つである複合材料の強化材として応用す
る場合、使用した添加物成分が複合材料中で良好な効果
がある場合、例えばプラスチックスに対する難燃効果や
紫外線遮蔽効果などがある場合には、添加物成分を積極
的に残留させるために熱水のみの洗浄により溶融剤のみ
を除去することが好ましい。
【００１８】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
する。 ［実施例１〜５］表１に示すようなアルミニウム成分含
有原料（硫酸アルミニウム：Al2(SO4)3）、ホウ素成分
含有原料（オルトホウ酸：H3BO3 ）、溶融剤（硫酸カリ
ウム：K2SO4 ）及びPb成分を含有する添加物（酸化鉛：
Pb3O4）を秤量した。尚、表１に示した添加物成分のモ
ル％は、ウイスカー組成をAl18B4O33 としてウイスカー
を構成する B 及び Al 成分の合計モル数に対して、添
加物中のPb成分の金属換算のモル％で示した。各原料を
秤量した後、ボールミルを用いて20時間混合した。混合
物をアルミナ坩堝に入れ、空気中1120℃で２時間熱処理
した。この反応生成物を冷却し、硝酸及び酢酸を用いて
煮沸し、溶融剤その他水溶性物質を除去したのち充分に
水洗乾燥した。
する。 ［実施例１〜５］表１に示すようなアルミニウム成分含
有原料（硫酸アルミニウム：Al2(SO4)3）、ホウ素成分
含有原料（オルトホウ酸：H3BO3 ）、溶融剤（硫酸カリ
ウム：K2SO4 ）及びPb成分を含有する添加物（酸化鉛：
Pb3O4）を秤量した。尚、表１に示した添加物成分のモ
ル％は、ウイスカー組成をAl18B4O33 としてウイスカー
を構成する B 及び Al 成分の合計モル数に対して、添
加物中のPb成分の金属換算のモル％で示した。各原料を
秤量した後、ボールミルを用いて20時間混合した。混合
物をアルミナ坩堝に入れ、空気中1120℃で２時間熱処理
した。この反応生成物を冷却し、硝酸及び酢酸を用いて
煮沸し、溶融剤その他水溶性物質を除去したのち充分に
水洗乾燥した。
【００１９】
【表１】
【００２０】生成したウイスカーは白色でエックス線回
折によりAl18B4O33 相（9Al2O3・2B2O3結晶構造）が主相
して同定され、それ以外に極少量のAl2O3 相及びPbSO4
相が同定された。また、長さ、アスペクト比及び組成分
析結果を表１に示した。組成分析結果はAl2O3 及びB2O3
に換算した値で示しAl2O3 及びB2O3の合計が100 モル％
となるように示した。また、添加物成分分析値のモル％
は、Al2O3 及びB2O3の分析値を基に算出した B 及び A
l 成分の合計モル数に対して、添加物中のPb成分の金属
換算のモル％で示した。
折によりAl18B4O33 相（9Al2O3・2B2O3結晶構造）が主相
して同定され、それ以外に極少量のAl2O3 相及びPbSO4
相が同定された。また、長さ、アスペクト比及び組成分
析結果を表１に示した。組成分析結果はAl2O3 及びB2O3
に換算した値で示しAl2O3 及びB2O3の合計が100 モル％
となるように示した。また、添加物成分分析値のモル％
は、Al2O3 及びB2O3の分析値を基に算出した B 及び A
l 成分の合計モル数に対して、添加物中のPb成分の金属
換算のモル％で示した。
【００２１】［比較例］実施例１〜３においてPb成分を
含有する添加物を混合しなかった以外、実施例と同じ条
件でウイスカーを得た。得られたウイスカーは白色でエ
ックス線回折によりAl18B4O33 （9Al2O3・2B2O3）結晶構
造が同定された。表１に示すようにウイスカーのアスペ
クト比が実施例に比較して小さいことがわかった。
含有する添加物を混合しなかった以外、実施例と同じ条
件でウイスカーを得た。得られたウイスカーは白色でエ
ックス線回折によりAl18B4O33 （9Al2O3・2B2O3）結晶構
造が同定された。表１に示すようにウイスカーのアスペ
クト比が実施例に比較して小さいことがわかった。
【００２２】
【発明の効果】本発明によればウイスカー製造の際にPb
成分を含有した添加物を加えることによりアスペクト比
の大きなウイスカーを生産性良く製造することができ
る。
成分を含有した添加物を加えることによりアスペクト比
の大きなウイスカーを生産性良く製造することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項１】 アルミニウム成分含有原料、ホウ素成分
含有原料、溶融剤及びPb成分を含有する添加物の混合物
を熱処理することを特徴とするホウ酸アルミニウム系ウ
イスカーの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6997292A JPH05279197A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | ホウ酸アルミニウム系ウイスカーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6997292A JPH05279197A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | ホウ酸アルミニウム系ウイスカーの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05279197A true JPH05279197A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=13418086
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6997292A Pending JPH05279197A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | ホウ酸アルミニウム系ウイスカーの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05279197A (ja) |
-
1992
- 1992-02-21 JP JP6997292A patent/JPH05279197A/ja active Pending
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