JPH05275376A - ドライエッチング装置およびドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング装置およびドライエッチング方法

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JPH05275376A
JPH05275376A JP4066916A JP6691692A JPH05275376A JP H05275376 A JPH05275376 A JP H05275376A JP 4066916 A JP4066916 A JP 4066916A JP 6691692 A JP6691692 A JP 6691692A JP H05275376 A JPH05275376 A JP H05275376A
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etching
gas
dry etching
plasma
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JP4066916A
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English (en)
Inventor
Kosei Kumihashi
孝生 組橋
Kazunori Tsujimoto
和典 辻本
Shinichi Taji
新一 田地
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】実効排気速度を780 liter/s以上と
し、2kW以上、望ましくは3kW以上の高周波電力を
投入することにより高密度のプラズマを放電して、プラ
ズマ中の反応生成物の割合が20%以下でイオン電流密
度を40mA/cm2としてドライエッチングする。 【効果】堆積反応を抑えて高いイオン電流密度を用いて
エッチングできるので、エッチングが高速でできる。イ
オン電流密度が高くできるので、入射イオンエネルギー
を下げた高選択エッチングができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】半導体素子を作るためのドライエ
ッチング技術に関し、高速でかつ高選択なドライエッチ
ング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のドライエッチングでは、エッチン
グの異方性を上げるためにガス圧力を下げてエッチング
を行うようになってきた。低いガス圧力でもプラズマを
放電させるためには、効率のよい放電方法を用いなけれ
ばならない。そのような方法として、マイクロ波放電が
用いられている。マイクロ波放電を用いた従来のドライ
エッチング技術としては、例えばジャーナル・エレクト
ロケミカル・ソサイアティ、1982年、p.2704や、
ジャーナル・バキューム・サイエンス・アンド・テクノ
ロジー、1989年、p.899や、プロシーディング
・オブ・ドライプロセスシンポジウム、1990年、
p.99に報告例がある。
【0003】ガス圧力を下げると通常はエッチング速度
が遅くなる。そのために従来のドライエッチングでは、
プラズマの電離度を高くして、高密度なプラズマを用い
るようになってきた。プラズマが高密度になれば、入射
イオン電流が増える。エッチング反応は入射イオンのエ
ネルギーにより促進されるので、エッチング速度が速く
なる。
【0004】マイクロ波放電では、投入マイクロ波パワ
ーを高くすれば、プラズマは高密度になり、入射イオン
電流が増加する。しかしマイクロ波パワーを高くすれば
よいというものではない。ジャーナル・エレクトロケミ
カル・ソサイアティ、1982年、p.2704の例にある
ように、従来のドライエッチングではマイクロ波パワー
の増加に伴うエッチング速度の上昇は、あるマイクロ波
パワーで飽和してしまう。どのくらいのマイクロ波パワ
ーでエッチング速度の上昇が飽和するかは、装置や条件
によって異なっている。例えば、ジャーナル・バキュー
ム・サイエンス・アンド・テクノロジー、1989年、
p.899のように、2.5kWまで投入マイクロ波パワ
ーを上げてもエッチング速度が飽和しないこともある。
【0005】しかし通常はマイクロ波パワー1kW程度
でエッチング速度の上昇は飽和する。そのため従来のド
ライエッチング技術では、マイクロ波パワーは通常1k
W程度であった。例えば日立製作所製マイクロ波エッチ
ング装置M308においては最大1.5kWのマイクロ
波を投入してプラズマを発生させていた。この装置にお
ける放電部の面積は直径350mmであった。すなわち
プラズマに放射するマイクロ波パワーの面密度は、最大
1.56W/cm2であった。
【0006】上記のドライエッチング装置は、試料をプ
ラズマに接触させてエッチングを行う。そのためにエッ
チングはイオン電流密度だけでなく、プラズマからの中
性粒子の供給もエッチング速度に影響する。これに対し
イオン引き出し型のプラズマ処理装置ではエッチング速
度がイオン電流密度に強く依存するために、例えば特開
平3−6813のように、マイクロ波パワーを4kWま
で高くしてイオン電流密度を上げている例もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のドライエッチン
グでは、放電部に投入するマイクロ波のパワー面密度
や、投入マイクロ波パワーを上げてプラズマを高密度に
して入射イオン電流を増やしても、エッチング速度が上
がらなくなるという問題があった。そのためにRFバイ
アス等を試料に印加して入射イオンのエネルギーを10
0〜200V以上に上げることにより、エッチング速度
を上げていた。しかしこの時には入射イオンエネルギー
が高いので、エッチング選択比が落ちるという問題があ
った。
【0008】放電部に投入するマイクロ波のパワー面密
度や、投入マイクロ波パワーを上げてプラズマを高密度
にしてもエッチング速度が速くならないのは、エッチン
グ反応生成物がプラズマ中で再解離しやすくなるためで
ある。再解離した反応生成物は堆積反応を起こしやす
い。この堆積反応がエッチング反応を打ち消すので、エ
ッチング速度が落ちてしまう。それだけではなく、堆積
反応の方が勝って異物の堆積が起きたりもする。そのた
めにマイクロ波パワーをあまり上げることができず、イ
オン電流密度は通常数mA/cm2程度と少なかった。
【0009】従来のドライエッチング技術では、その他
に、被エッチング材がAlCuSiなどのように複数種の原子
を含んでいる時には、エッチング速度を速くしても蒸気
圧の低い物質が残渣として残りやすいという問題があっ
た。
【0010】また従来のドライエッチング技術では、試
料へのイオン電流密度の均一性を調べる方法がなかっ
た。そのため放電時に、イオン電流密度の均一性をモニ
ターしながらエッチング条件を調整することができなか
った。
【0011】
【課題を解決するための手段】放電部に放射する高周波
のパワー面密度を1.6W/cm2以上とし、かつ排気
手段の実効排気速度を780 liter/s以上にし
た。
【0012】従来のドライエッチング装置に出力電力2
kW以上、望ましくは3kW以上の高周波発生手段を設
け、実効排気速度を780 liter/s以上にし
た。
【0013】エッチング面積とエッチング速度より決ま
る反応生成物の脱離量の5倍以上のガスを流しながら、
プラズマの電離度が10%以上か、入射イオン電流密度が
40 mA/cm2以上になるようにした。
【0014】放電部に接するエッチング処理室の壁面を
金属で形成し、その壁面を冷媒により冷却できるように
した。また試料裏面に液体または固体の冷媒を直接接触
させて試料を冷却するようにした。
【0015】試料台に複数個の温度検出部を設けた。そ
れらの温度検出部の温度が等しくなるように、外部磁場
条件、マイクロ波の伝播モード等のエッチングパラメー
タを調整するようにした。
【0016】エッチング処理後のガスを回収し生成する
ようにした。
【0017】反応性ガスと不活性ガスとを交互に放電さ
せるようにした。不活性ガス放電時に試料にバイアス印
加を行なうようにした。
【0018】
【作用】反応生成物の影響を抑えることができれば、プ
ラズマを高密度にすることによりエッチング速度の上昇
する。そこで本発明では実効排気速度を780 lit
er/s以上とすることにより反応生成物をすみやかに
装置外へ排気するようにして、放電部に放射する高周波
のパワー面密度を1.6W/cm2以上とした。高周波
電力を投入する高周波発生器の最大パワーを2kW以
上、望ましくは3kW以上とした。その結果、堆積反応
を起こさないようにして、プラズマを高密度にすること
ができたので、放電部に投入する高周波のパワー面密度
や投入高周波電力を増やせばエッチング速度も速くなる
ようになった。
【0019】具体的なエッチング方法として、本発明で
は、エッチング面積とエッチング速度より決まる反応生
成物の脱離量に対して5倍以上のエッチング処理ガスを
流すようにした。この方法により、プラズマ中での反応
生成物の割合を20%以下とすることができた。その結
果、マイクロ波パワーを上げてプラズマを高密度にして
も、反応生成物の再解離・堆積反応の影響を抑えたエッ
チングをすることができた。
【0020】このドライエッチング方法でどのくらいの
エッチング処理ガスを流さなければならないかは、以下
のように決める。例えば、8インチSiウエハを1μm
/minでエッチングする時には、2.8×1019/s
のSi原子が反応生成物としてプラズマ中に流入する。
この量は、ガス流量60sccmに匹敵する。反応生成
物の脱離量の5倍以上のエッチング処理ガスを流すの
で、ガス流量は300sccm以上となる。
【0021】このような大ガス流量を流し、かつ圧力を
保持してエッチングを行なうためには、実効排気速度を
大きくする必要がある。例えば上記のように300sc
cmのガス流量を流して、かつ圧力を5mTorrの圧
力にするためには、実効排気速度は780 liter
/s必要である。本発明では実効排気速度を780li
ter/s以上としたために、大ガス流量でかつ圧力を
保持してエッチングすることができる。
【0022】以上のようなドライエッチング装置、およ
びドライエッチング方法により、反応生成物の堆積反応
を抑えて、高密度プラズマにより高速エッチングが可能
になった。本発明ではプラズマの電離度を10%以上
か、もしくはイオン電流密度が40mA/cm2以上に
なるようにしてエッチングを行なうようにしたために、
エッチング速度を上げることができた。
【0023】本発明ではプラズマを高密度にしてイオン
電流密度を増やすことによりエッチング速度を上げるこ
とができたので、従来のドライエッチングで必要だった
RFバイアスの印加を抑えることができた。例えば従来
イオン電流密度1mA/cm2でエッチングする時に十
分なエッチング速度を得るためにはイオン入射エネルギ
ーを100〜200V以上印加しなければならなかっ
た。1mA/cm2という電流密度は、入射イオンの数
に換算すると6.3×1015/cm2/sである。これ
だけの入射イオンにより例えばSiをエッチング速度1
μm/minでエッチングするためには、入射イオン1
つあたり10〜20個のSi原子を反応・脱離させなけ
ればならない。1つの入射イオンでこれだけの数の反応
を起こすためには、100〜200V以上印加しなけれ
ばならなかった。
【0024】しかしこのように入射イオンエネルギーを
200V以上と高くしていくと、マスクにおいても被エ
ッチング材においてもホットスポット温度が高くなるた
めに、被エッチング材だけでなくマスク材のエッチング
速度も速くなってしまい、エッチング選択性が落ちてい
く。例えば従来の塩素ガスプラズマにおけるSiエッチ
ングでは、バイアスを印加しなければレジスト/Siエ
ッチング選択比は10程度が得られる。しかしこの時の
エッチング速度は200nm/min以下と遅くなって
しまう。十分なエッチング速度を上げるためにRFバイ
アスを印加して入射イオンエネルギーを200V以上と
すると、Siのエッチング速度は300nm/minま
で上がるが、レジスト/Siエッチング選択比は5以下
に下がってしまった。
【0025】本発明ではイオン電流密度を40mA/c
2以上にしてエッチングするようにしたので、1つの
入射イオンあたり0.4個のSiが反応するだけでエッ
チング速度を1μm/min以上のエッチング速度を得
ることができた。この反応は入射エネルギーが10〜数
十V程度と、プラズマポテンシャルによる加速で、十分
に起こすことができる。このように低いエネルギーでエ
ッチング反応を起こすことができるので、各エッチング
反応の反応速度差が大きくなり、エッチング選択性が向
上する。
【0026】例えばSiエッチングや金属配線エッチン
グでは、レジストマスクにサイドエッチングが生じない
条件でも、Si・金属パターンにはサイドエッチングが
生じる。このことは、レジストをエッチングするのに必
要なエネルギーは、Si・金属をエッチングするのに必
要なエネルギーよりも大きいことを示している。すなわ
ち、入射イオンエネルギーを下げていくと、レジストマ
スクではエッチング反応が起こらないが、Si・金属で
はエッチング反応が起きるという現象が生じる。そのエ
ネルギーは数個の化学結合を切るのに十分なエネルギー
の範囲であり、すなわち10〜数十V程度である。この
程度のエネルギーでイオンを入射すれば、レジストマス
クはほとんどエッチングされず、かつSi・金属は入射
イオンの個数に比例してエッチング速度が速くなる。
【0027】本発明ではイオン電流密度を40mA/c
2以上とすることにより、RFバイアスを印加するこ
となく、10〜数十V程度のイオンエネルギーで十分な
エッチング速度を得ることができたので、高速でかつ高
選択エッチングを行なうことができた。
【0028】従来のエッチングではAlCuSiなどの
複数の原子種を含んだ材料をエッチングする時には、反
応生成物の蒸気圧が異なるために蒸気圧が低くて脱離し
にくい物質、例えばCuの残渣が残るという問題があっ
た。この残渣を残さないために、入射イオンのエネルギ
ーを高くしなければエッチングできなかった。そのため
マスク材とのエッチング選択比が小さかった。
【0029】本発明では、高密度プラズマを用いて反応
性ガスと不活性ガスを交互に放電させて、エッチングを
行なうことにより、蒸気圧の低い物質の残渣を残さずに
高選択エッチングができるようになった。以下その効果
について説明する。
【0030】反応生成物の蒸気圧が低い物質において
も、エッチング反応は入射イオンエネルギーが小さくて
も進む。例えばCuの場合は、エッチング反応は穏やか
な条件でも比較的速く進むため、反応生成物が脱離しな
い条件でエッチングをすると反応生成物の堆積層の厚さ
が厚くなっていく。
【0031】この反応生成物を取り除くためには、イオ
ンの入射エネルギーを高くしなければならない。従来は
エッチングガスのプラズマ中でイオンの入射エネルギー
を高くしていたので、入射イオンエネルギーは反応生成
物の脱離だけでなく、レジストマスクのエッチング反応
も促進してしまったため、エッチング選択比が小さかっ
た。
【0032】反応生成物の脱離のためにはイオンの入射
エネルギーだけがあればよく、他の反応活性なエッチャ
ントは必要ない。すなわち不活性なイオンを入射させれ
ばよい。例えば不活性ガスプラズマを放電させて不活性
ガスのイオンを入射させても、反応生成物は脱離する。
もちろんこの時にRFバイアスを印加すれば効率よく反
応生成物を脱離させることができるし、プラズマを高密
度にして入射イオン電流を増やしても効率よく反応生成
物を脱離させることができる。
【0033】この不活性ガス放電時にはエッチャントの
供給はないから、他の物質のエッチング反応はほとんど
起こらない。不活性ガスのイオン入射により蒸気圧の低
い反応生成物だけが脱離する。以上の理由により、反応
性ガスと不活性ガスとを交互に放電してエッチングする
ことにより、反応生成物の中に蒸気圧が低い物質が含ま
れている場合でも高選択エッチングができるようになっ
た。
【0034】本発明ではプラズマを高密度にするため、
従来よりも放電部の装置壁面がプラズマにより加熱され
る。本発明では放電部の装置壁面を金属で形成し、その
壁面を冷媒により冷却するようにしたので、放電部の装
置壁面が過熱するのを抑えることができた。また放電部
の装置壁面における温度の時間変化を抑えることができ
たので、エッチング特性の計時変化を抑えることができ
た。
【0035】本発明では、エッチング中の試料温度上昇
を抑えるために、試料裏面に液体または固体の冷媒を直
接接触させて冷却するようにした。従来は試料の冷却に
は気体が用いられていた。気体の熱伝導率は液体や固体
に比べて2桁以上小さいために、試料の冷却効率は十分
ではなかった。本発明では試料裏面に液体または固体の
冷媒を直接接触させて冷却するようにして冷却効率を増
やしたので、イオン電流密度の増加やエッチング速度の
上昇に伴う試料の加熱を抑えることができた。
【0036】本発明では、反応生成物の堆積を防ぐため
に、反応生成物の発生量以上にエッチング処理ガスを流
す。そのため、排出されるガスの80%以上は未使用の
ガスである。従来の装置ではこのガスはスクラバーや除
外装置などを通して、有害成分を除去してから排気され
ていた。しかし大ガス流量を流すために、大型のスクラ
バーが必要であったり、除外装置の吸着材を頻繁に交換
する必要があった。本発明では、未使用のガスを分離・
回収する装置を設けたので、有害成分の除去に必要なコ
ストを削減することができた。
【0037】本発明では試料台上に複数の温度検出部を
設け、それらの温度が等しくなるように放電条件を調整
するようにした。放電時の温度上昇はイオン電流密度に
比例するので、このような調整によりイオン電流密度が
均一にできた。エッチング速度はイオン電流密度に強く
依存するので、この調整法によりエッチング均一性を向
上することができた。従来はエッチング均一性はエッチ
ング速度の面内分布を調べる必要があったのに比べて、
短時間で簡単にエッチング均一性のよい条件を求めるこ
とができた。
【0038】
【実施例1】本発明によるドライエッチング装置の一実
施例について説明する。図1は、本発明によるドライエ
ッチング装置の一実施例における構成図である。本装置
ではマイクロ波発生器1でマイクロ波を発生させ、その
マイクロ波を導波管4、マイクロ波導入窓5を通して、
真空処理室10内に設けた放電部25に放射する。本発
明では放電部25の直径35cmに対してマイクロ波の
パワー面密度が1.6W/cm2以上になるように投入
した。そのためにマイクロ波発生器1は最大投入パワー
が2kW以上、望ましくは3kW以上のものを使用し
て、高密度プラズマを放電させた。そのため、マイクロ
波発生器1、導波管4、放電部25の壁面は従来のドラ
イエッチング装置に比べて大きな熱を発生する。この熱
を冷却するために冷却機構2を設け、その内部に冷媒を
流して装置を冷却した。投入マイクロ波パワーを効率よ
く放電部25に放射するために、チューナー棒3を導波
管4の途中に設けた。
【0039】エッチング処理ガスは、ガス配管6からガ
ス流量コントローラ7により流量制御されて、ガス導入
口8を通して放電部25に導入される。ガス流速を小さ
くして均一にガスを放電部25内に流すために、ガス導
入口8と放電部25の間にバッファ室9を設けた。この
バッファ室9の壁面にメッシュ上の小孔を多数開けて、
この小孔を通してガスを放電部25内に流すようにし
た。
【0040】導入されたエッチング処理ガスをマイクロ
波により効率よく放電させるために、ソレノイドコイル
24により磁場を発生させ、エレクトロンサイクロトロ
ン共鳴(Electorn Cycrotron Resonance:ECR)によっ
てマイクロ波がプラズマに効率よく吸収されるようにし
た。
【0041】エッチング処理後のガスは、コンダクタン
スバルブ17を介してターボ分子ポンプ18により真空
処理室10から排気される。本装置では、全ガス流量中
の20%以下しかエッチング反応で消費されないよう
に、大ガス流量を流す。ガスの内の80%以上は未使用
の処理ガスとして、ターボ分子ポンプ18により排気さ
れる。そこで本発明では、排気されたガスの内の未使用
処理ガスを回収する手段を設けてある。本実施例では、
液化器19により処理ガスを液化し、液化したガスを精
製器20により精製し、分離した未使用の処理ガスを回
収容器21に回収するようにした。液化器19では圧力
・温度に調整して、未使用の処理ガスが液化するように
した。精製器20では蒸留により未使用処理ガスとその
他のガスとを分離した。液化器19および精製器20で
分離された使用済みガス(反応生成物)は除害装置22、
スクラバー23を通してから大気中に放出される。以上
のように未使用の処理ガスを回収するようにしたため
に、有害なエッチング処理ガスは除害装置22をほとん
ど通過しなくなる。そのために除害装置22の吸着剤の
交換の頻度が12回/年から1回/年以下にすることが
できた。また回収ガスは再利用できるために、ガスおよ
び除害にかかる費用を抑えることができた。
【0042】エッチングされるウエハ14は試料台11
に設置される。この試料台11には試料冷却ライン12
が設けられている。この試料冷却ライン12は試料台上
部で開放されており、冷媒がウエハ14の裏面に直に接
するようになっている。冷媒はサーキュレータ13によ
り冷却されて、試料冷却ライン12内を循環するように
なっている。冷媒がウエハ14の裏面に直に接するよう
になっているので、冷媒が真空処理室10内にもれない
ようにしなければならない。そこで本実施例では誘電体
15と直流電源26とを用いて、静電吸着により試料台
11とウエハ14とが密着するようにした。
【0043】試料台11にはRF電源16を接続して、
RFバイアスをウエハ14に印加できるようにした。
【0044】本装置を用いてどのように高密度プラズマ
を得て、どのようにイオン電流密度40mA/cm2
実現したかについて説明する。図2は、プラズマの電離
度を一定にした時の、圧力とイオン電流密度との関係で
ある。プラズマの電離度が1%の時にイオン電流密度が
40mA/cm2以上になるのは、圧力が100mTo
rr以上の時である。電離度を10%まで上げれば、1
0mTorr以上の圧力でイオン電流密度が40mA/
cm2以上になる。電離度100%ならば1mTorr
以上の圧力であればよい。電離度の上限は100%であ
るから、イオン電流密度を40mA/cm2以上にする
ためには、少なくとも圧力は1mTorr以上でなけれ
ばならない。
【0045】圧力を一定にした時の、プラズマの電離度
とイオン電流密度との関係を図3に示した。上述したよ
うに、1mTorrよりも小さい圧力では、電離度を1
00%にしても40mA/cm2以上のイオン電流密度
を得ることはできない。圧力が10mTorrならば電
離度10%以上でイオン電流密度は40mA/cm2
上になる。圧力100mTorrでは電離度は1%程度
でよい。
【0046】この図において太線で示した範囲は、従来
のドライエッチング装置におけるイオン電流密度の範囲
である。0.5mTorrではNECにより最大15m
A/cm2のイオン電流密度が得られており、1mTo
rrでは最大30mA/cm2のイオン電流密度が得ら
れている。これらの値はプラズマの電離度に換算する
と、75%と高い電離度に対応している。実際にはプラ
ズマ全体がこのような高い電離度で電離しているわけで
ない。従来のドライエッチング装置では外部磁場がEC
R条件を満たす部分でマイクロ波の吸収が起きるため
に、この部分の電離度は他の部分に比べて極めて高くな
る。そのために、ECR条件を満たす部分をウエハに近
づければ、プラズマ全体の電離度が低くても高いイオン
電流密度を得ることができる。そしてECR条件を満た
す部分の電離度はマイクロ波パワーに依存する。
【0047】図4は、マイクロ波パワーとイオン電流密
度との関係を示した図である。この図に示すように、マ
イクロ波パワーとイオン電流密度は直線的な関係にあ
り、マイクロ波パワーを増やせばイオン電流密度も増加
する。しかしイオン電流密度はどこまでも増加するわけ
ではなく、図2に示すように、ある圧力のもとでは電離
度100%の値が上限である。そこで本実施例では圧力
5mTorrでエッチングを行なった。この圧力では、
電離度100%で200mA/cm2のイオン電流密度
を得ることができる。この時のマイクロ波パワーとイオ
ン電流密度との関係も図4に示した。マイクロ波パワー
が3kW以上の時に、イオン電流密度は40mA/cm
2以上になった。
【0048】このように高密度プラズマを利用しても反
応生成物の影響を抑えてエッチングできるようになった
ので、RFバイアスを印加しなくても高速のエッチング
を行なうことができるようになった。例えばSiエッチ
ングにおいては、8インチウエハにおいて、RFバイア
スを印加しなくても1μm/minのエッチング速度を
得ることができた。これにRFバイアスを印加すれば、
さらにエッチング速度は速くなる。例えば2MHzでR
Fバイアスを30W印加すると、エッチング速度は2μ
m/minまで上がる。バイアス印加により、イオンの
方向性も高くなるので、より異方性の良いエッチングも
できる。これらの効果は印加バイアスを上げる方が高い
が、バイアス増加に伴い選択比は悪くなる。本実施例で
はバイアスを印加しない場合のレジスト/Siエッチン
グ選択比は50だったのに対し、2MHz,30Wバイ
アス印加時には、選択比は25だった。RFバイアスの
周波数や電力は、エッチング条件や必要なエッチング特
性によっても変わってくるので、各々の場合での最適な
値を用いれば、より高精度のエッチングが可能になる。
【0049】ガス圧力は、入射イオンとガス粒子との衝
突頻度が少なくなるので、低い圧力の方が、例えば1〜
5mTorrでエッチングすると、異方性の高いエッチ
ングができる。例えば開口幅が0.5μmのトレンチで
は、アスペクト比10以上の加工ができる。この場合、
高いイオン電流密度を得るためには、圧力が高い場合よ
りもプラズマの電離度を上げる必要があるので、投入高
周波電力を高くする必要がある。本実施例では、投入マ
イクロ波パワー3kW以上が必要だった。これはパワー
面密度に換算すると、3.1W/cm2以上となる。
【0050】ガス圧力が5〜10mTorr程度の領域
では、10%程度の電離度でも高いイオン電流密度を得
ることができるので、投入パワーは少なくてもよいとい
う効果がある。低圧力の場合に比べて、異方性は落ちる
が、エッチャントの入射数が増えるので、エッチング速
度も増加する。本実施例の装置で圧力10mTorr、
マイクロ波投入パワー3kWとした場合、エッチング速
度は5μm/min以上を得ることができた。開口幅
0.5μmのトレンチでは、アスペクト比5程度まで
は、エッチング速度の減少なしにエッチングできる。投
入マイクロ波パワーを2kWとしても、エッチング速度
1μm/minを得ることができた。この場合、投入パ
ワーの面密度は2.1W/cm2である。
【0051】ガス圧力を10mTorr以上にすると、
イオンとガス粒子との衝突頻度が多くなり、エッチング
の異方性は悪くなる。しかし投入マイクロ波パワーが低
くてもイオン電流密度を大きくできるので、等方的でか
つ高速・高選択エッチングができる。そのためオーバー
エッチング時の残渣除去等を効果的に行なうことができ
る。例えば圧力100mTorrの時に投入パワーとし
ては3kW以上と高くすれば高速エッチングが可能であ
るが、2kW以下でも、例えば1.6kW(パワー面密
度1.7W/cm2)でも、エッチング速度1μm/mi
nを得ることができた。この時、下地SiO2との選択
比100以上でオーバーエッチングを行なうことができ
た。この効果は、ガス圧力を1000mTorrまであ
げても同様に得ることができる。
【0052】
【実施例2】実施例1の装置により、イオン電流密度を
40mA/cm2以上にすることができた。この高いイ
オン電流密度を用いて均一性よくエッチングを行なうた
めには、イオン電流密度の均一性をよくしなければなら
ない。イオン電流密度の均一性は、外部磁場条件等のエ
ッチングパラメータにより調整することができる。本実
施例では、これらの調整手段およびその方法について説
明する。
【0053】イオンは、プラズマポテンシャルにより加
速されて入射するので、入射部分ではジュール熱により
加熱されて温度が上昇する。イオン電流密度が等しけれ
ば、発熱量も等しい。よって試料台11上に複数個の温
度検出部を設けておき、おのおのの温度が等しくなるよ
うに外部磁場条件を調整することにより、イオン電流密
度の均一性を上げることができる。図5は、試料台上の
温度検出部の配置図を示したものである。図に示すよう
に、試料台11上に複数個の温度検出部27を設けた。
本実施例においては、温度検出部27はSiO2をカバ
ーとし、そのSiO2の温度を接触型の蛍光温度計によ
り裏面から測定した。放電中に各々の部分の温度を測定
し、それらの温度が等しくなるように外部磁場条件を調
整した。外部磁場条件はソレノイドコイル24に流す電
流量とコイル位置により調整した。以上のような調整手
段および調整方法を行なうことにより、イオン電流密度
の均一性を上げることができた。その結果、均一性よく
エッチングを行なえるようになった。
【0054】従来のドライエッチング技術でエッチング
の均一性を上げるためには、実際に試料をエッチングし
て、エッチング速度の面内分布を求める必要があった。
そのために外部磁場条件の最適化には時間と労力がかか
った。本発明の方法を用いれば、短時間に外部磁場条件
の最適化をプロセスごとに行なうことができるので、調
整に要する時間とコストを削減することができた。
【0055】調整パラメータとしては、外部磁場条件の
ほか、マイクロ波のマッチングを取るためのチューナー
棒の設定位置を変えたり、マイクロ波の伝播モードを変
換したり、放電部内に誘電体等を設置しその位置を変え
たり、マイクロ波入力パワーを変えたり、ことなる種類
の電磁波を放射したりすることがある。これらの調整に
も本実施例の方法は有効である。
【0056】
【実施例3】本発明により、高速でかつ高選択のエッチ
ングができるようになった。その一実施例として、レジ
ストマスクによるSiエッチングについて説明する。
【0057】本発明の考え方は、プラズマを高密度にし
てイオン電流密度を増すことにより、低い入射イオンエ
ネルギーでも高速でエッチングすることである。イオン
電流密度を40mA/cm2以上と従来の10倍以上の
イオン電流密度にすることにより、入射イオンエネルギ
ーは従来の10分の1程度の10〜20Vとプラズマポ
テンシャル程度にしても、高速エッチングをすることが
できる。このように入射イオンエネルギーが低いために
物質間の反応性の違いが大きくなり、極めて高い選択比
を得るという効果も得られる。
【0058】従来のドライエッチング技術で高密度のプ
ラズマを利用できなかったのは、プラズマを高密度にす
ると反応生成物の再解離・再付着が起きるために、エッ
チング反応と堆積反応が競合してエッチング速度が速く
ならなかったり、パターンがテーパー状になったり、異
物が付着したりするという問題が生じたためである。本
発明では実効排気速度を上げてエッチング処理ガスの流
量をますことにより反応生成物の分圧を下げることがで
きたために、堆積反応を起こすことなく高密度プラズマ
によりエッチングすることができるようになった。
【0059】すなわち堆積反応を起こしやすいガス成分
が含まれると、プラズマを高密度にしても本発明の効果
を有効に利用できない。例えばCF4ガスなどの堆積性
のガスをエッチング処理ガスとして用いると、エッチン
グ処理ガス自身が堆積反応を起こしてしまう。本発明の
効果を有効に利用するためには、エッチング処理ガスに
は非堆積性のガスを用いる方がよい。非堆積性のガスな
らば、フッ素系、塩素系、臭素系等のどのガスを用いて
もよい。本実施例ではCl2ガスをエッチング処理ガス
として用いた。
【0060】実施例1で述べたように、ガス圧力が1m
Torrよりも低いと、プラズマを高密度にしてもイオ
ン電流密度を40mA/cm2以上にすることができな
い。そこで本実施例では、圧力を5mTorrとしてエ
ッチングした。
【0061】試料はSiO2層上に1μmの厚さに堆積
したpoly Si層を、1μm膜厚のレジストマスク
によりエッチングした。試料の大きさは8インチウエハ
であり、Si露出部分の割合は50%である。ウエハ1
枚あたりの処理時間は30秒前後がスループットが高く
処理もしやすいので、エッチング速度は2μm/min
程度が望ましい。本発明ではイオン電流密度を40mA
/cm2以上としたので、バイアスを印加しなくても十
分なエッチング速度を得ることができた。
【0062】エッチング速度が2μm/minの時にウ
エハから脱離するSi原子の個数は、2.8×1019
sである。これはガス流量の単位sccmに換算する
と、60sccmである。エッチング処理ガスの流量が
300sccmならば、ガス中の反応生成物の割合が2
0%以下になる。そこで本実施例ではCl2ガスの流量
を300sccmとした。さらにCl2ガスの流量を増
やせば、堆積反応をより完全に抑えることができるの
で、より高密度のプラズマを用いることができる。どの
くらいのガス流量を流して、どのくらいの高密度プラズ
マを用いるかは、エッチングガス種や、試料やマスクの
種類によって異なってくる。
【0063】圧力5mTorrでガス流量300scc
mを流すためには、実効排気速度は780 liter
/sが必要である。本発明では装置の実効排気速度を7
80liter/s以上と大きくしたので、上記のよう
な大ガス流を流すことができるようになった。
【0064】本発明では堆積反応が起こらないようにし
てエッチングするので、エッチング中に自動的にできる
側壁保護膜によってサイドエッチングを抑えることはで
きない。よって側壁保護膜を形成するプロセスを追加す
るか、低温エッチングによりサイドエッチングを抑えな
ければならない。そこで本実施例では試料温度を−60
℃以下にすることにより、ラジカルによる側壁での反応
を抑えた。その結果、側壁保護膜なしでもサイドエッチ
ングのないエッチングをすることができた。
【0065】以上の条件で、放電部に3kWのマイクロ
波パワーを投入して、エッチングを行なった。その結
果、poly Siのエッチング速度は2μm/min
に対し、レジストマスクのエッチング速度は40nm/
minと、選択比50のエッチングを行なうことができ
た。試料は裏面より液体冷媒を直接接触させて効率よく
冷却したので、エッチング中のウエハ温度を−60℃以
下に保つことができたので、サイドエッチングがなく異
方性の高いエッチングを、高速でかつ高選択に行なうこ
とができた。
【0066】上記の効果はレジストマスクとSiのエッ
チングだけでなく、他の物質でも効果がある。Al、
W、Cu、GaAs等の金属や半導体ではサイドエッチ
ングが生じる条件でも、SiO2などの絶縁物にはサイ
ドエッチングが入らない。すなわち、金属や半導体のエ
ッチングでは絶縁物のエッチングよりも入射イオンエネ
ルギーが低くてもエッチング反応が起きる。よって、絶
縁物をマスクに用いて金属や半導体のエッチングを行な
う時には、本実施例と同様の効果を得ることができる。
【0067】
【実施例4】実施例3で述べたように、本発明では入射
イオンの量を増やしてエネルギーを下げることにより、
高速でかつ高選択のエッチングを行なうことができる。
しかし被エッチング剤が複数種の原子を含んでいる時に
は、蒸気圧の低い反応生成物が残渣として残るという問
題がある。例えばAlCuSiのエッチングでは、Cu
の反応生成物が残渣として残りやすい。そこで従来のド
ライエッチング技術では、高いRFバイアスを印加する
ことにより蒸気圧の低い反応生成物が残渣として残らな
いようにしていた。この時には入射イオンのエネルギー
が高いために、マスクとの選択比が小さくなるという問
題があった。
【0068】蒸気圧の低い反応生成物を脱離させるため
には、入射イオンエネルギーを増やすかわりに入射イオ
ンの量を増やしてもよい。しかしその時には蒸気圧の高
い反応生成物がさらに脱離しやすくなるので、やはり蒸
気圧の低い反応生成物が残渣として残ってしまう。
【0069】そこで本実施例では、入射イオンのエネル
ギーが低いステップと入射イオンエネルギーが高いステ
ップを交互に繰り返した。この時に入射イオンエネルギ
ーが低いステップでは反応性ガスを放電し、入射イオン
エネルギーが高いステップでは不活性ガスを放電した。
この方法により、高速・高選択で、かつ残渣が残らない
エッチングを行なうことができた。このドライエッチン
グ方法について、レジストマスクによるAlCuSiの
エッチングを例にして以下に説明する。
【0070】入射イオンエネルギーが低いステップで
は、実施例3で述べたように、Cl2ガスを放電させ
た。放電条件および試料温度は実施例3と同様にした。
プラズマを高密度にすることにより、レジストマスクの
エッチング反応を抑えてAlCuSiのエッチング反応
を起こすことがすることができた。この時にAlとSi
の反応生成物は蒸気圧が高いので、このステップで脱離
する。しかしCuの反応生成物は蒸気圧が低いために、
かなりの量が残渣として残る。
【0071】この残渣を脱離させるには、高いエネルギ
ーのイオン入射が必要である。そこで不活性ガスを放電
させてRFバイアスを印加して、高いエネルギーの不活
性ガスイオンが入射するようにした。そのエネルギーに
より反応生成物の残渣は脱離する。しかし不活性ガスの
放電ではエッチング反応は起こらないので、Cuの反応
生成物以外の物質は脱離しない。従来のドライエッチン
グ技術では、エッチング反応が起きる条件で、エッチン
グ反応を起こす反応性イオンを高いエネルギーで入射し
ていたために、エッチング選択比が小さかった。これに
対し、本実施例ではエッチング反応は低いイオンエネル
ギーで起こし、不活性な雰囲気下で不活性のイオンを高
いエネルギーにより反応生成物を脱離させるようにした
ので、高速・高選択なエッチングを残渣なしで行なうこ
とができた。
【0072】本実施例ではこの不活性ガスの放電とし
て、Xeガス放電を用いた。Xeを用いたのは、Cuと
質量が近いために、入射エネルギーを効率よく反応生成
物に伝達できるからである。圧力は5mtorr、ガス
流量は500sccm、マイクロ波パワーは3kWと、
反応生成物の影響がでないようにしてイオン電流密度が
40mA/cm2以上になるようにした。RFバイアス
は2MHzで100Wを印加した。
【0073】Cl2ガスの放電とXeガスの放電はおの
おの1秒ずつ交互に繰り返した。その結果、AlCuS
iのエッチング速度は1μm/minに対し、レジスト
マスクのエッチング速度は40nm/minと、選択比
25のエッチングを行なうことができた。
【0074】以上2つのステップを繰り返すことによ
り、AlCuSiのような複数種の原子を含み、かつ反
応生成物の中に蒸気圧が低いものがあっても、高速で高
選択なエッチングをすることができるようになった。本
実施例ではAlCuSiの例について述べたが、それ以
外の物質でも効果がある。またCuのエッチングにおい
ても、実施例3のように反応性ガスプラズマのみでエッ
チングするのではなく、本実施例のように反応性ガスと
不活性ガスの放電を交互に行なって、反応生成物の脱離
を促進してもよい。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、高速でかつ高選択なド
ライエッチングを行なうことができる。また反応生成物
の蒸気圧が低い場合でも、マスクのエッチング速度を抑
えて高速で高選択なエッチングを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるドライエッチング装置の一実施例
における構成図である。
【図2】プラズマの圧力とイオン電流密度との関係を示
した図である。
【図3】プラズマの電離度とイオン電流密度との関係を
示した図である。
【図4】投入マイクロ波パワーとイオン電流密度との関
係を示した図である。
【図5】本発明の一実施例である試料台上における温度
検出部の配置図である。
【符号の説明】
1…マイクロ波発生器、2…冷却機構、3…チューナー
棒、4…導波管、5…マイクロ波導入窓、6…ガス配
管、7…ガス流量コントローラ、8…ガス導入口、9…
バッファ室、10…真空処理室、11…試料台、12…
試料冷却ライン、13…サーキュレータ、14…ウエ
ハ、15…誘電体、16…RF電源、17…コンダクタ
ンスバルブ、18…ターボ分子ポンプ、19…液化器、
20…精製器、21…回収容器、22…除害装置、23
…スクラバー、24…ソレノイドコイル、25…放電
部、26…直流電源、27…温度検出部。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波発生手段と、放電部と、排気手段と
    を有し、該放電部へ高周波を放射することによりプラズ
    マを発生させ、該プラズマによりエッチングを行なうド
    ライエッチング装置において、該放電部に放射する該高
    周波のパワー面密度を1.6W/cm2以上とし、かつ
    該排気手段の実効排気速度が780 liter/s以
    上であることを特徴とするドライエッチング装置。
  2. 【請求項2】高周波発生手段と、放電部と、排気手段と
    を有し、該放電部でプラズマを発生させ、該プラズマに
    よりエッチングを行うドライエッチング装置において、
    該高周波発生手段の最大出力電力が2kW以上であり、
    かつ該排気手段の実効排気速度が780 liter/
    s以上であることを特徴とするドライエッチング装置。
  3. 【請求項3】高周波発生手段と、放電部と、排気手段と
    を有し、該放電部でプラズマを発生させ、該プラズマに
    よりエッチングを行うドライエッチング装置において、
    該高周波発生手段の最大出力電力が3kW以上であり、
    かつ該排気手段の実効排気速度が780 liter/
    s以上であることを特徴とするドライエッチング装置。
  4. 【請求項4】エッチング処理ガスを放電によりプラズマ
    状態にし、プラズマからの入射イオンによりエッチング
    反応と反応生成物の脱離を促進するドライエッチング方
    法において、該反応生成物の脱離量の5倍以上の該エッ
    チング処理ガスを流しながら、該プラズマの電離度を1
    0%以上にするか、もしくは該入射イオンの電流密度を
    40mA/cm2以上とすることを特徴とするドライエ
    ッチング方法。
  5. 【請求項5】放電部に接するエッチング処理室の壁面を
    金属で形成し、その壁面を冷却する機構を有することを
    特徴とする請求項1、2、3記載のドライエッチング装
    置。
  6. 【請求項6】試料裏面に液体または固体の冷媒を直接接
    触させる手段を有することを特徴とするドライエッチン
    グ装置。
  7. 【請求項7】エッチング処理後のガスを回収し精製する
    手段を有することを特徴とするドライエッチング装置。
  8. 【請求項8】試料台上に複数個の温度検出部を設けるこ
    とを特徴とするドライエッチング装置。
  9. 【請求項9】試料台上に複数個の温度検出部を設け、放
    電を発生させ、これらの温度計の温度が等しくなるよう
    にエッチングパラメータを調整することを特徴とするド
    ライエッチング方法。
  10. 【請求項10】異なる種類のガスを交互に周期的に放電
    させるドライエッチング方法において、反応性ガスと不
    活性ガスとを交互に放電させることを特徴とするドライ
    エッチング方法。
  11. 【請求項11】不活性ガス放電時に試料にバイアスを印
    加することを特徴とする請求項10記載のドライエッチ
    ング方法。
  12. 【請求項12】反応性ガスとしてCl2ガスを用い、不
    活性ガスにXeガスを用いることを特徴とする請求項1
    0および11記載のドライエッチング方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021129054A (ja) * 2020-02-14 2021-09-02 キオクシア株式会社 プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法

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